NISA投資に最適な高配当銘柄

NISA投資の代表的な戦略として、高配当銘柄への投資があります。配当は確実なリターンとして受け取れる上、株価の下支え要因ともなります。バリュー株投資とも相性のいい指標です。

配当利回りは高いほどいいが、ただ高ければいいわけでもない

配当利回りのランキングはYahoo!ファイナンスなどで確認することができます。高いところでは5%以上あり、高利回り銘柄への誘惑は尽きません。

配当利回りが5%あれば、100万円投資すれば配当は毎年5万円です。NISA以外だと4万円になるところ、NISAだと丸々もらえます。預貯金の金利が限りなくゼロとなっていることを考えると、とても美味しく感じるでしょう。

ところが、純粋に高い順がいいかと言うと、決してそうではありません。いくら配当をたくさんもらっても、値下がりして投資した金額が減ってしまっては元も子もないからです。

したがって、高配当株へ投資する際には

  1. 高配当利回り
  2. 安定した配当実績があり
  3. 将来も配当を続ける財務・業績的余裕がある

銘柄を選ばなければなりません。

ケース・スタディ

三井物産

高配当利回りの代表格として、総合商社が挙げられます。その中でも特に高いのが三井物産です。配当利回りは2016年3月3日時点で4.54%あります。

三井物産の配当は一定ではなく、業績に連動させた配当を行っています。

三井物産配当

業績によって減額することもありますが、まずまずの実績と言っていいと思います。なお、2015年度は前年と同じ年間64円(中間配当の32円は実施済み)を予定しています。

業績に関しては、原油価格下落の影響により2015年度は減収減益の予想です。しかし、赤字になるほどではなく、過去20年を遡っても最終赤字になったことはありません。自己資本比率も30%以上と安定しています。

業績連動配当ということで、今後の原油価格やビジネス展開に注視が必要ですが、投資金額も約14万円と比較的NISAでの投資に向いていると言っていいでしょう。

日本アジアグループ

配当利回りランキングを見て高い配当利回りが目を引くのが日本アジアグループです。その数字は5.47%にもなります。

ところが、IR資料をよく見ると、2015年度は何と10期ぶりの配当であることがわかります。しかも、年間配当30円のうち、20円は東証一部上場の記念配当で、すでに支払われているものです。来年度は10円になってしまう可能性が高いと言えます。

この会社は不動産や証券会社を束ねるコングロマリットですが、業績面も安定していません。過去10年間で実に5度の最終赤字を計上しています。最近は調子が良いようですが、外部環境次第でまたどうなるか不透明です。

IR資料をよく見ればわかることではありますが、単純に配当利回りで投資をしてはいけない好例と言えるでしょう。

高配当株投資は入門編として最適

配当利回りを基準とした投資は考え方が比較的わかりやすく、決まった時期に入金があるので実感も湧きやすいです。NISA口座を開設したら、まずはここから始めてみてはいかがでしょうか。

Print Friendly, PDF & Email

執筆者

執筆者:栫井 駿介

栫井 駿介(かこい しゅんすけ)

つばめ投資顧問 代表
株式投資アドバイザー、証券アナリスト
ビジネス・ブレークスルー(株)「株式・資産形成実践講座」講師

詳細はこちら
サイト訪問者限定プレゼント
あなたの資産形成を加速させる3種の神器を無料プレゼント

プレゼント①『株式市場の敗者になる前に読む本』
プレゼント②『企業分析による長期投資マスター講座』第一章
プレゼント③『YouTubeプレゼン資料』

メールアドレスを送信して、特典をお受取りください。
メールアドレス *
※送信したメールアドレスに当社からのお知らせやお得な情報をお送りする場合があります。

※個人情報の取り扱いは本>プライバシーポリシー(個人情報保護方針)に基づいて行われます。
※送信したメールアドレスに当社からのお知らせやお得な情報をお送りする場合があります。
※上記は企業業績等一般的な情報提供を目的とするものであり、金融商品への投資や金融サービスの購入を勧誘するものではありません。上記に基づく行動により発生したいかなる損失についても、当社は一切の責任を負いかねます。内容には正確性を期しておりますが、それを保証するものではありませんので、取扱いには十分留意してください。

気に入ったらシェアしてもらえると嬉しいです!

コメントを残す

Popular Article - よく読まれている記事Popular Article

  • 銀行株は今後どうなる?そろそろ売り時?
    今回は銀行株についてです。 銀行株が上がりましたが、もう売るべきなのか、まだ持ち続けるべきなのか、悩んでいる方はぜひお読みください。 売るか...
  • 【紅麹問題の小林製薬】株価20%下落はチャンスか? 過去の成功・失敗事例から学ぶ
    騒動の発端は2016年に遡る 紅麹は米などで紅麹菌を繁殖・発酵させたもので赤い色をしています。コレステロールの抑制作用や血圧低下、リフレッシ...
  • 三井E&Sは割安?「造船」「港湾関係」好調の恩恵はあるか?
    先日公開した記事の中で、さくらインターネット、住石ホールディングス、三井E&Sを「仕手株」として取り上げました。
  • 株価20%上昇の大林組 3倍になった配当金は続くのか?今から投資するべき?
    大林組はゼネコン業界のNo.2の企業である 大林組はいわゆるゼネコン業界に属している企業です。 ゼネコンとは、ゼネラル・コントラクターの略称...
  • 【アステラス製薬の下方修正】1年で株価40%下落 営業利益90%減少の理由。今は買い?売り?
    アステラスの業績の変化 2024年4月12日、アステラス製薬は下方修正を発表しました。   その内容は、 「24年3月期第4四半期...

Article List - 記事一覧Article List

カテゴリから記事を探す