保有銘柄診断承ります

先日、ある読者から相談を受けました。「父から株を相続したが、株の経験がないのでどうしたら良いか分からない」ということです。同じような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。質問者さまが相続した銘柄は、「新日鐵住金」「神戸製鋼所」「三菱電機」です。

新日鐵住金→売却

昔は「鉄は国家なり」と言われ、新日鉄や住友金属(当時)は日本の高度経済成長を支えてきました。鉄の需要がなくなることは考えにくいので、新日鐵住金はこれからも日本・世界の産業を支えていくでしょう。

しかし、株式投資では利益が出ない会社は話になりません。製鉄会社は典型的な固定費産業なので、需要が落ち込むと利益が急激に減少します。新日鐵住金も例外ではなく、2009年度と2012年度に最終赤字を計上しています。この構造は変えようがないので、耐性を付けるためにはスケールメリットを発揮するしかありません。旧新日鐵と旧住友金属が合併したのも、その流れに沿ったものです。

肝心の鉄鋼需要の見通しは明るいとは言えません。世界最大の需要・生産国である中国の経済成長鈍化により、世界的な需要減退と過剰生産の波に襲われています。世界中の製鉄会社はこの波から逃れることはできません。中国が急激な景気後退に見舞われたとしたら、ますますこの問題が顕在化するでしょう。

現在の時価総額は2.2兆円、前期利益に対するPERは15倍弱です。今後の需要減退リスクを踏まえると割高な水準と考えます。以上を踏まえ、質問者には売却をおすすめしました。

神戸製鋼所→売却

新日鐵住金と同じ鉄鋼会社であるため、基本的な見通しは同じと考えます。異なる点は、鉄以外にもアルミや建機のビジネスを行っているということです。

アルミや建機の事業は鉄よりも利益率が高く、規模は小さいながら独自性を発揮している会社です。しかし、中国の需要減退により前期は赤字に転落しました。高い利益率を誇っていた建機も鉄鋼と同様に中国依存度が高いことが影響し、前期は赤字となっています。

規模が新日鐵住金に劣る分、業績の変動も大きくなりやすい構造です。過去5年間で3度の最終赤字を計上しています。時価総額は4,000億円弱、前期が赤字なので今期予想に対するPERは20倍程度です。こちらも割高な水準と考え、売却をおすすめしました。

三菱電機→継続保有

シャープに東芝と、日本の家電メーカーは苦境に陥っていますが、三菱電機はそれらとは一線を画します。

消費者にとってなじみが深いのがエアコンや冷蔵庫などの白物家電だと思いますが、三菱電機で見るべきは法人向けビジネスです。「重電システム」「産業メカトロニクス」で売上高の半分、営業利益の6割以上を稼ぎます。法人向けのビジネスは売り切りの家電と異なり、一度入り込んでしまえば継続的な受注が見込めます。

法人向けビジネスはどうしても景気の影響を受けます。しかし、仮に一時的な景気の減退などに見舞われても、三菱電機の法人ビジネスはロボットや社会システムなど「産業の高度化」に寄与するものであるため、イノベーションを通じて長い目で見たときの成長余地は十分にあります。

時価総額は2.5兆円、前期利益に対するPERは11倍程度です。安定した業績と今後の成長可能性を踏まえると、割安な水準にあると言えます。ここは継続保有をすすめました。

気軽にお問い合わせください

売却銘柄と入れ替えに、JXホールディングス三菱UFJみずほFGをおすすめしました。「事業が手堅い」「配当利回りが高い(おおむね3.5%以上)」「ほぼ5万円以下で購入できる」という質問者さまの方針に合ったバリュー株です。本サイトでも既に取り上げています。

つばめ投資顧問では、このように保有銘柄の診断を行っています。相続に限らず、お持ちの株をどうしたら良いか分からないという方は気軽にお尋ねください。お問い合わせページより承っています。


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