タカタの株価は上がりすぎ

タカタ(7312)の株価が連日ストップ高となっています。エアバッグの欠陥問題により昨年大きく値を下げていましたが、米司法当局との和解のニュースが伝わり、状況を楽観視した投資家の買いが進んでいるようです。しかし、私は本当の問題はこれからと考えています。

米司法当局との和解金は最大で約1,170億円と伝えられています。金額は大きいものの、タカタの純資産額を下回る水準であり、そのことに安心した投資家は少なからず存在すると思われます。

しかし、タカタの本質的な問題は制裁金ではなく、リコール費用です。タカタは消費者に直接販売していないので、自動車メーカーが代わってリコールを行なっています。その総額は2兆円に上るとも言われ、最終的にタカタが負担する必要があると考えられています。

リコール費用をタカタが負担することになると、大幅な債務超過に陥ってしまい、経営が立ち行きません。そのため、足りない資本を増強すべく、現在スポンサーの選定が行われています。

資本を増強するということは、新たに株式を発行するということです。1兆円を超える資本増強を行わなければならないとすれば、10倍以上の希薄化になります。

希薄化が10倍になれば、問題発覚前のタカタの時価総額の2,000億円を回復したとしても、株価は240円程度です。そこからすると、現在の1,000円を超える水準は高すぎると言わざるを得ません。詳細は以下の記事もご参照ください。

https://tsubame104.com/2016/04/12/%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%81%AE%E4%B8%8A%E5%A0%B4%E5%BB%83%E6%AD%A2%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%8F%E3%81%A6%E3%82%82%E6%A0%AA%E4%BE%A1%E3%81%8C%E4%B8%8A%E3%81%8C%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84%E7%90%86/

タカタの株を保有している投資家は、早急に売却することをお勧めします。

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執筆者

執筆者:栫井 駿介

栫井 駿介(かこい しゅんすけ)

つばめ投資顧問 代表
株式投資アドバイザー、証券アナリスト
ビジネス・ブレークスルー(株)「株式・資産形成実践講座」講師

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