潰れる会社、潰れない会社の見分け方

今週、当社ホームページでタカタ(7312)について取り上げました。

買うべきではなかったタカタ(7312)を考察する

同社はエアバッグのリコール問題により、2兆円にものぼる負債を抱え、スポンサー選定の下再建手続きに入ることになっていましたが、先日民事再生法を申請することが報道されました。

民事再生法を申請すると、ほとんどの場合100%減資が行われ、株式は紙くずとなってしまいます。報道を受けて株価は急落し、取引はマネーゲームと化してしまいました。長期投資家はタカタに手を出すべきではなかったのです。

私はタカタを購入することに警鐘を鳴らしていました。民事再生法を申請することは予想できなかったものの、巨額債務を解消するためには、既存株主の価値を大幅に毀損する必要があったからです。

会社を倒産に追い込むのは「負債」である

長期投資で最もやってはいけないことは、「潰れる会社に投資すること」です。潰れそうな会社は一見割安に見えることがありますが、潰れることが明らかになった途端に価値はゼロになってしまいます。そのような会社は、大事な資産を守るために何が何でも避けなければなりません。

上場会社が潰れる要因は、十中八九財務的な問題です。そのため、財務状況を冷静に見極めれば、予言的なものに頼ることなく潰れる会社を回避できます。

まず見なければならないのは、負債の金額です。負債が増え続けたり、ある時急増した会社はリスクが大幅に上昇します。

有利子負債への依存度が高い会社は、日々の資金繰りを銀行に頼っています。しかし、業績が悪化したり、景気が低迷したりすると、銀行は急にお金を貸してくれなくなり、さらに貸していたお金を回収しにかかります。

もし損益上は黒字の会社でも、銀行が資金を引き上げて支払が滞ると途端に倒産してしまいます(黒字倒産)。会社の安全性を見る指標として「自己資本比率」が重視されるのも、自己資金がいかに大切かを示しています。

負債は、必ずしも貸借対照表に現れているとは限りません。借金だけではなく、将来支払う義務が生じているものは負債であるため、会社の動きを注意深く観察する必要があります。小さい金額なら問題ありませんが、ときには会社の存亡を揺るがすほど大きな負債が潜んでいる場合があります。

タカタのリコール債務も、財務数値には現れていません。2兆円という数字は報道ベースのものです。正確な数字はありませんが、タカタの総資産が4,300億円であることを考えると、いかに大きな債務を抱えているかが分かります

これがどれだけ危険なリスクであるかは、投資家は冷静に判断しなければなりません。決して、「逆張りで株が上がりそう」という単純な理由で投資してはいけないのです。

巨額投資による負債の急増からの倒産

身の丈に合わない巨額の投資を行った会社は、負債が急激に膨らみ、倒産のリスクが急上昇する場合があります。

例えば、2015年に民事再生法を申請したスカイマークは、2011年に大型旅客機A380を6機、約2,000億円をかけて購入しました。これは、当時の売上高約600億円の3倍以上、営業利益110億円の20倍近くにも上ります。

スカイマークはその後の経営不振や円安による支払額高騰により購入のキャンセルを余儀なくされますが、違約金が払いきれずに経営破綻しました。

このケースでも最終的な要因は「将来お金を支払わなければいけないという契約=負債」でした。これも貸借対照表に直接現れるものではありませんでしたが、報道から金額を大まかに知っていれば、致命的なリスクを負っていることは理解できるでしょう。

過去、現在、未来を検証する

財務の安定性を示す指標には、自己資本比率やD/Eレシオ、インタレストカバレッジレシオなど様々なものがあります。

数値が良好なのにこしたことはありませんが、「これだけあれば安全」「これより低ければ危ない」という絶対的な指標はありません。なぜなら、その数値は業種やその会社独特の要因に左右されるためです。

会社の安全性を見るために、私は時系列に沿って以下のような手順を踏みます。この手順を踏めば、大きな間違いを犯すことはありません。

  1. 過去の歴史や投資の履歴を知る
  2. 現在の有利子負債額などの財務状況を確認する
  3. 将来の事業の方向性をイメージする

バリュー株投資は、危機的な状況に陥っていそうな銘柄にチャンスを見出すことも少なくありません。だからと言って、一か八かの大博打を打つわけではなく、絶対に潰れない安全性を重視します

潰れないかどうかという判断ができるようになれば、多くの人が危ないと思っている銘柄を冷静に見ることができ、思いがけない掘り出し物に出会うこともあるでしょう。

会社は生き物に近いと考えています。潰れさえしなければ、再び息を吹き返し、大きく上昇することも少なくありません。この方法こそ「守りと攻め」を兼ね備えたものだと確信しています。

※本記事は会員向けレポートの一部を抜粋したものです。


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