バフェット流の投資をするには保険会社を理解すること

今年も米経済紙フォーブスによる長者番付が発表され、ウォーレン・バフェットはマイクロソフトのビル・ゲイツに次いで世界第2位の大金持ちとなりました

バフェットがCEOを務めるバークシャー・ハサウェイは投資会社と見られることが一般的ですが、実は世界最大の損害保険会社でもあります。バークシャーが保険会社であることは、バフェットの成功を支える非常に大きな要因となっているのです。

「フロート」がバフェットの投資の鍵

損害保険のうち最も代表的なものが自動車保険です。バークシャー傘下のGEICO(ガイコ)は、全米の自動車保険市場で2番目のシェアを誇ります。

自動車保険は、自動車の保有者が保険会社に保険料を支払い、事故があった時に保険会社から支払いを受けるものです。保険会社は、支払いに備えて保険料をプールしておかなければなりませんが、逆に言えば常に余剰資金抱えていることになります。

この余剰資金のことを「フロート」と呼び、これこそがバフェットの投資手法の鍵を握ります。フロートを株式投資に回すことで、バークシャーは莫大な資産を築いたのです。

保険料は統計的に想定される支払い額よりも高く設定されますから、支払いを行ったとしてもフロートはどんどん積み上がっていきます。こうして、バフェットの投資資金は雪だるま式に増えていくのです。

一般的なファンドは、投資家から資金を募ることで元手を確保します。しかし、いずれは運用の成果として投資家に払い出さなければなりませんから、ずっと増やし続けるのは難しいでしょう。

一方で、保険会社の事業として投資を行っていれば、お金を返すことなく運用を続けることができます。

バフェットは保険会社の仕組みを使って、他人のお金ではなく、自己資金を膨らませ続けることができたのです。

フロートが増え続けるため、良い銘柄があれば保有銘柄を売却することなく購入できます。これから伸びる可能性のある銘柄を手放すことなく、投資にも好循環を生んだのです。

あなたも余剰資金を探そう!

バフェットを世界第2位の大金持ちにした「保険会社モデル」を個人投資家に応用してみたらどうなるでしょうか。

個人投資家は保険会社になることはできないので、完全なコピーは難しいでしょう。しかし、同じ要素を取り入れることで、似たようなシステムの構築は可能だと考えます。

フロートを増やすために必要な要素は「余剰資金」「資金供給」です。とにかく手元の現金を確保し、フロートが安定的に増えるシステムを作り上げることが第一歩です。

手元の現金を確保するためには、まずは自分がどれだけの現金を持っているか確認する必要があります。結婚しているなら、夫婦別々の財布にしている場合ではありません。へそくりなんてもってのほかです。

持っている現金がひと目で分かるようにして、その中で遊んでいる現金がないか確かめてみましょう。今月の家賃を投資に回すわけにはいきませんが、30年先の老後資金を現金で貯めているのなら、そのお金は確実に余剰資金です。

確認できたすべての余剰資金があなたの「フロート」です。ここが、あなたがお金持ちになるためのスタート地点です。

資産=(収入-支出)×投資

次に、フロートを増やす仕組みを構築します。現役で仕事をしていれば、定期的な収入があるでしょう。そこから投資資金を供給しなければなりません。

資金供給は、機械的にやらなければうまくいきません。給与天引きなどの方法で、投資口座に自動的に振り込まれるようにしましょう。

今の収入ではそんな余裕はないと考える人もいるでしょう。しかし、それでは何も始まりません。普通の生活ができるだけの収入があれば、必ず資金は捻出できます

例えば、医療保険は社会保険制度が発達している日本では必ずしも必要ではありません。100万円程度の預金があれば、いざというとの準備としては十分でしょう。解約すれば、それを投資に回しフロートを増やせます。

フロートが増えれば、それを投資に回して掛け算で資産を増やすことを目指します。この流れは、以下の公式を必ず覚えておいてください。

資産=(収入-支出)×投資

「投資」の部分について、当社ではバフェットも実践する「バリュー株投資の考え方に基づくアドバイスを行っています。お金持ちになる準備ができた方は、ぜひ一度当社のサービスを検討してみてください。

つばめ投資顧問のサービス

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執筆者

執筆者:栫井 駿介

栫井 駿介(かこい しゅんすけ)

つばめ投資顧問 代表
株式投資アドバイザー、証券アナリスト
ビジネス・ブレークスルー(株)「株式・資産形成実践講座」講師

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