【日産自動車】バイデン銘柄になれるか?2021年新型アリア投入で起死回生を目指す!

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以下、文章化したものです。


今回は日産自動車についてお話ししたいと思います。

日産自動車の株価というとゴーン氏が退場してからずるずると下がり続けて、今や5年前のおよそ3分の1の価格になってしまっています。

一方でこの日産自動車は実はバイデン銘柄なのではないかと私は見ています。

まずバイデン政権の政策について振り返ってみたいと思います。

最も大きいと言われているのがこのエネルギー環境政策です。

トランプ大統領がパリ協定から脱退するなど、環境に関してはとことん後ろ向きな姿勢を取っていました。

それに対してバイデンさんはパリ協定に復帰して環境エネルギーに対する投資を進めていこう、それでアメリカの国力を強くしようという事を言っています。

その中のひとつに挙げられているのがEV、電気自動車です。

中国でも今電気自動車を普及させようと、そして世界で派遣を取ろうとさまざまな施策が行われています。

これに対抗する形で50万カ所の充電ステーションを整備するなど、電気自動車にとっては追い風が吹いています。

苦境の日産。アリアで復活できるか?

そこで日本企業で注目されるのが日産自動車です。

日産というと世界に先駆けて電気自動車リーフを販売して、今もどんどんバージョンアップをして販売を続けています。

そんな中でこの電気自動車を作る銘柄として、日産に注目が集まっています。

ところが日産の株価というと実は全く冴えない動きをしています。

2018年の末にカルロス・ゴーン社長が逮捕されてから、株価はずるずる下がり続けてしまいました。

そして2020年3月期には最終赤字6700億円を記録して、これはゴーン氏の体制の元で無理な数値目標を追い続けた、その反動が出ていると言われています。

これだけの赤字計上した結果株価に関しては、この2016年およそ4年前の3分の1というところにまで沈んでいます。

そんな日産が抱えている課題と言えば、まずはゴーン氏が掲げた過大な目標の反動というところにあります。

この過大な目標を達成する為に日産は販売奨励金というものを出しました。

これは日産がディーラーに対して車が売れたら、これだけ報奨金を出しますよというような事を言って、それで何が起こるかっというとディーラーで安値販売が起きる訳です。

そう安値で車を販売するというのは、目先は良いかもしれませんが、長期的に見ればブランド価値の低下にもつながってしまうので、それによって日産の車が安く見られる、もっと言うならばとにかく販売台数を稼ごうという事をしたので、その為にレンタカー会社なんかにどんどん車を卸しました。

それはフリート販売と言われるのですが、レンタカー屋さんに車を出すとすぐに中古市場に流れてしまって、これもまたブランド価値の低下という事に繋がります。

それによって今とことん日産の車が売れないという形になってしまっています。

そして売れない良い車をなんとか処分しようという形でやった結果、6700億円という最終赤字を記録してしまったという事になります。

そして社内体制としても問題があります。

ゴーン体制の元、下の人達は言うべき事も言えないというような状況で、ガバナンスが通っていなかったという事もあります。

このゴーン体制下では工場での不備をなかなか直さずに、検査体制なんかが不十分と言われていていた中で、これを結局国に是正されるまで手がつけられなかったというような状況もあったりします。

その辺はやはり今後の問題点として残っています。

そして何より大きいのが売れる車がないという事です。

リーフもそんなに売れているという話は聞きませんし、今やランキングを見てもなかなか日産の車が出ているという事はありません。

それだけ車もなかなか売れない状況で、これがない限りは日産の復活はなかなか難しいだろうと見えました。

ところがここで大きな動きが出ています。

それがアリアの登場です。

今アメリカでとにかく売れているのは電気自動車のテスラで、テスラの良いところというと電気自動車である他に、自動運転である事、そして何よりこの格好良くてイケてる感じというところです。

このアリアはそのテスラに対抗する物であると言われています。

形としてもアメリカでものすごく流行っているこのSUVタイプですし、内装もものすごく豪華な感じにして、まさにテスラに対抗しようとしている訳です。

日産 VS テスラ

日産の強みと言いますと、他の自動車会社に比べても電気自動車の先駆者という事でこの電気自動車の技術、それからこの安全性能に関しても高い技術を持っているという風に言われています。

そして何よりアメリカにおける生産販売網を持っています。

生産販売台数が6位で7.9%という事なんですが、この販売網というのが結構大きくなってきます。

テスラはあくまで自前で販売網を作っているので、これを構成していくには時間がかかります。

日産だとディーラー網をすでに築いていますから、このアリアをどんどんそのディーラーで売る事が出来ます。

自動車会社の強みを左右するのは、技術ブランド生産能力販売網コストだという風に見ています。

技術に関しては日産はあるという風に言われていて、一方でテスラも電気自動車と自動運転の技術というのをどんどん進めています。

これはまだテスラに分があるのではないかという風に思います。

ブランドに関しては、日産のブランドが低下しているというところもありますが、みんな知っているというところあります。

テスラもそれなりにあります。

それから生産能力。

ここは歴然な差がついてくると思います。

日産はこれまで何百万台何千万台と車を毎年作っているので、生産能力に関してはあると思います。

一方でテスラはこれが弱いという風に言われていまして、なかなか量産化に際しては不具合があったり、そういった事がまだ目立つという風にも言われます。

販売網関してはテスラが自前で作ろうとしているのに対して、日産はディーラー網を築いていますから、売る事は割と容易いという風に考えています。

コストに関しては両社はまだ大きな違いがないのではないかと思います。

例えばトヨタだとガソリン車中心で、しかも系列の下請け、孫請けの会社をどんどん作っています。

これがガソリン車から電気自動車になると部品点数が3分の1になると言われています。

もうすでに家族のようにこの下請け孫請けと会社を連ねていると、2/3をごっそり切らないといけないという事になります。

これがネックとなってトヨタは電気化に舵を切れないというところがあります。

一方で日産はゴーンさんが行ったリバイバル計画によって、多数の系列の会社をバンバン切っていきましたから、その重しというのはトヨタに比べたら無いという事が出来ます。

したがって日産が今後どんどん電気自動車に舵を切るという事が出来るならばこれから期待出来ると考えています。

ルノーの日産売却も。売却先は?

次に見たいのが日産の株主の状況です。

日産の株主というと筆頭株主にこのフランスの自動車会社ルノーがいます。

ゴーンさんもこのルノーから送り込まれてきたのですが、その株主持ち株比率というのが43.4%。

実質的には子会社のような形で動いています。

しかしこのルノーも結構厳しくて、この新型コロナで赤字に陥ったというのはもちろんですが、それ以前から業績が厳しいという風に言われていました。

したがってこれまでは日産も持っている事でグループとして高い利益を上げていたり、日産からの配当が持たらされるという事で株式を持つメリットは大きかったです。

けれどもこれほど自分も苦しいと、日産も大赤字で6700億円という大赤字を記録したので、もはや日産を持っているのが苦しくなっている状態なのではないかと言われています。

そんな中でこの株式を売却するという可能性が浮上しています。

じゃあどこに売却するのか、噂では中国企業が買うのではないかみたいな話も出ていますが、このバイデン政権下で結構大きく流れが変わったのではないかと思います。

自動運転がどんどんアメリカで行われる事になると、アメリカとしてもその強い自動車会社が欲しいという動きも出てくるのではないかという風に想像しています。

そんな中で実はこの日産ルノーと協力して提携関係にあるのが、このGoogleとその傘下にあるWAYMOです。

WAYMOというと自動運転技術をガンガン開発しているところです。

この中ではルノーが持っているこの43.4%の株式を、GoogleやWAYMOに譲渡するような事があると、日産が今度はGoogleやWAYMOの提携会社、あるいは子会社化という形になる可能性もあります。

もしこうなった場合にはかなり株式市場としては、ポジティブに反応をすると思われますから、かなり期待出来る流れなのではないかと思います。

そういった観点で私はこの日産についてバイデン銘柄という風に申し上げました。

先ほど言いましたように自動車会社の強みである、販売網や生産能力これは技術があったとしてもなかなか容易に形成出来る物ではありません。

その為このGoogleみたいな自動車にとって新興企業は日産の能力というのは喉から手が出るほど欲しいのではないかと思います。

それでこの子会社というような事になれば、なかなか株式市場として面白い展開になるのではないかと思います。

間違いなく安い。買いなのか?

ではその日産の株式は果たして買いなのかどうかという事です。

株価は非常に大きく下がって4年前の3分の1という風に言いました。

株価水準としては安くなっている事は間違いなく、PERはマイナスも含めた過去5年平均のEPS1株当たり利益に対して、PERが今5倍というかなり割安な水準になっています。

今後も少なくともかつてのような利益を出すようになれば、かなり大きな上昇が見込めると考えていますし、もしこの電気自動車が当たるという事になれば、そこからグイグイ上がるという事、あるいはイベントとしてこのGoogleと提携のような事があれば、グンと短期で上がるという事も考えられると思います。

もっともそれを約束している訳ではないので、取引に関してはご注意いただければと思います。

逆にコロナ禍で需要が一時期落ち込みましたから、潰れてしまう可能性はどうなんだという事については、第一四半期の決算で出ていて、一応手元資金1.2兆円あって、手元資金から借金を引いたネットキャッシュプラスという事になっています。

社債発行だとか、銀行からお金を借りる準備というのも出来ているという事で、とりあえずは目先の現金に困るというような事は無さそうです。

この後決算が発表されるのでその決算にも注目しなければならないのですが、今言った流れで、日産が本当にアリアを本格的に米国でガンガン売れるという事になって、日産はアメリカと中国にも強いので中国で売るという事になると、業績の向上というのも期待出来ますし、Googleとの提携というのもますます期待出来るという事になります。

それが出来るかどうかは結局は日産の能力次第という事になるのですが、今後注目が出来る会社なのではないかと思います。

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1 個のコメント

  • 技術の日産は素晴らしい技術者が揃っていました。
    スカイラインGT、プリンスグロリヤスーパー6.ローレル、ブルーバード、アリアに依って元気な日産自動車がたてあげられることを期待しています。
    持ち株良いときの25パーセントの価格になりましたが、バイデン銘柄になることを期待しています。
    コメント興味深く期待して聞き入りました。

  • はるかぜ へ返信するコメントをキャンセル

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