「投資で成功するカギは、銘柄選択よりも売買の仕方による」―これを裏付ける調査結果が示されました。
投信評価会社モーニングスターに依頼した集計では、3月末まで10年間の公募株式投信全体のIRは年率2.2%だった。この間の株高で投信の基準価格そのものは4.4%のペースで上がったが、顧客にはその半分しかリターンがなかった。
投信の平均保有期間に近い過去3年でみても、基準価格が年率1.6%上昇したのに対し、IRは半分の0.8%どまり。どの時期でも必ずIRが下回るわけではないが「米国でも同じ傾向がある」(モーニングスターの朝倉智也社長)。
この調査結果が示すことは、単に買って持ち続けていれば1年あたり4.4%のリターンをあげられたのに、売ったり買ったりを繰り返すせいでその半分のリターンしか得られなかったということです。
この10年というとリーマン・ショック後の上昇局面ですから当然の結果ではありますが、超長期で見れば世界の株価はずっと上昇局面にあります。つまり、投資の期間が長くなればなるほど、下手に売買を繰り返すより持ち続けたほうがいいということになります。
これは、アクティブファンドの成績がインデックスファンドに劣ることと根源は同じだと考えられます。つまり、人が売買すると、高く買いすぎ、安く売りすぎてしまうのです。
上がっている局面で買い、ある程度の利益が出たら売る方法は、その瞬間は心地よいものです。しかし、その結果得られるはずだった利益を失ってしまっているのです。
長期の投資を考えるなら、これとは逆のことをしなければなりません。つまり、下落局面で買い、利益が出ても持ち続けることです。インデックス投資でこれをやれば、間違いなく成功率を高めることができるでしょう。
これを自動化するのが積み立て投資です。毎月一定額を買う方法なら下落局面かどうかを判断する必要がなく、安い時はたくさん買い、高い時には買う数量を抑える「ドルコスト平均法」を活用できます。基本的にほったらかしなので、少し上がったからと言って売りたくなる誘惑もありません。
インデックスへの積み立て投資だけではリターンも限られてつまらないという人は、個別株で実践してみるのも良いでしょう。大切なのは、「安く買って、持ち続ける」ことです。
ただし、この方法は長期的な成長が見込める企業でないと効果を発揮しません。企業の見方がわからない、そんなことやりたくないという人は、やはりインデックス投資の方が向いています。
一方で、企業分析が好きな人なら、時間をかけるほど努力は報われます。最初はうまくいかないかもしれませんが、段々と成長企業を見分ける力が付いてきます。あとは選び抜いた企業を「安く買って、持ち続ける」ことを徹底すればいいのです。
当社は、自分で考えて投資したいという人を応援しています。会員になれば、そのための材料をリアルタイムで提供します。ぜひ一度、入会をご検討ください。
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