あなたは大丈夫?投資初心者がやりがちな失敗16選

株式投資を始めたばかりの初心者の方にとって、失敗はつきものです。しかし、同じような失敗を繰り返さないことが、成功への第一歩となります。

今回は、株式投資の初心者が陥りやすい16の失敗を、具体的なエピソードとともにご紹介します。すでに投資をしている方も、これから始めようとしている方も、ぜひご自身の経験と照らし合わせながらご覧ください。

1. パスワードを忘れる

投資を始める第一歩として証券口座を開設したものの、その後ログインするためのパスワードを忘れてしまうことは、意外によくある失敗です。現在、証券口座のセキュリティは非常に厳しく、パスワードも複雑になっているため、忘れると再設定に手間がかかります。せっかく口座を開設したのに、ここでつまずいて投資を諦めてしまうのはもったいないことです。証券会社に連絡すれば、なんとか対応してもらえるので、諦めずにまずはログインを試みましょう。

2. 銘柄を間違える

いざ株を買おうとした時に、意図しない銘柄を間違って購入してしまうケースがあります。これは、似たような会社名や、親会社と子会社で名前が似ているケースが多いためです。 例えば、このようなものが挙げられます。

  • サムコ (6387) と SUMCO (3436):いずれも半導体関連ですが、異なる会社です。
  • 東レ (3402) と トーリ (7971):東レは繊維、トーリは建築関係の内装材メーカーです。
  • アシックス (7936) と アサックス (8772):アシックスはスポーツ用品、アサックスは不動産担保ローンです。
  • ソフトバンクグループとソフトバンク:ソフトバンクグループは持ち株会社で、ソフトバンクは携帯電話会社です。
  • イオン系列:イオン、イオン九州、イオンフィナンシャルなど「イオン」と名の付く上場子会社が多数存在します。
  • GMOグループ:GMOインターネットグループを親会社に、GMOインターネット、GMOグローバルサイン、GMOフィナンシャルホールディングスなど、非常に多くのGMO関連会社が上場しています。

 

これらの例からもわかるように、似た名前の会社は少なくありません。購入時には、銘柄名だけでなく必ず証券コードも確認することが非常に重要です。

3. 売り注文と買い注文を間違える

売買の注文画面では、株数や金額の入力項目は売り注文と買い注文で共通しているため、誤って売りと買いを逆にしてしまうことがあります。注文を出す際には、売買の種類をしっかり確認しましょう。

4. 発注してなかった

注文手続きを進めていくと、ほぼ必ず「この内容でよろしいですか?」という確認画面が表示されます。しかし、その確認画面が出る前に「発注できた」と思い込んでしまい、実際には注文が完了していなかったという失敗もよくあります。

特に、株価が急落して買いのチャンスが訪れた際など、滅多にない機会を逃してしまうと大きな損失につながりかねません。注文後には必ず発注履歴を確認する習慣をつけましょう。

5. 証券会社の営業トークに乗せられる

投資初心者は、証券会社の営業担当者が勧める銘柄を「間違いのない情報」として鵜呑みにしてしまう傾向があります。
しかし、彼らはノルマを抱えていたり、手数料稼ぎのために特定の金融商品を推奨していることが多いのが実情です。確実に上がる株を知っていれば、担当者自身が投資しているはずです。

特に、「ここだけの情報」と持ちかけられる複雑な仕組み債などは、避けるべき商品です。

手数料が高額な投資信託にも注意が必要で、営業担当者の話は「話半分」で聞く姿勢が大切です。

6. インフルエンサーの言いなり

インターネット上には、SNSやYouTubeなどで「絶対に上がる」「確実に儲かる」といった甘い言葉で投資情報を発信するインフルエンサーが多数存在します。
しかし、「絶対」「確実」といった言葉を使う人ほど怪しいと考えるべきです。株式投資に確実なリターンは存在せず、経験豊富なプロの投資家でさえ、常に不確実性と向き合いながら投資を行っています

良い面と悪い面の両方を説明し、決して「絶対」という言葉を使わない情報源を信頼するようにしましょう。

番外編:なりすまし詐欺

投資の世界では、有名な投資家やインフルエンサーのなりすまし詐欺が横行しています。X(旧Twitter)やInstagram、LINEなどで、本人の写真や名前を使い、偽の情報や詐欺的な金融商品を勧誘するケースが多発しています。これらの詐欺は、単なる失敗ではなく犯罪です。公式アカウントであることを確認し、安易に個人情報や金銭を渡さないように十分注意してください。

7. “夢”を見て買う

投資初心者は、ある企業の素晴らしい技術や、社長の好意的な発言など、ポジティブな情報だけに目を奪われ、「大成功できる」という夢を抱いて株を買ってしまうことがあります。しかし、どんなに優れた企業にも必ずネガティブな側面やリスクが存在します。

投資判断を下す際には、良い面だけでなく、潜在的なマイナス面も考慮に入れることが極めて重要です。

8. 超高値掴み

「夢を見て買う」の延長線上に、「超高値掴み」という失敗があります。

株価が大きく上昇している時期には、その企業に関する良い情報がメディアやSNSで大量に報じられがちです。こうしたポジティブなニュースに煽られ、すでに割高になった株価で飛びついてしまうのが「高値掴み」です。
これは「よりバカ理論(The Greater Fool Theory)」とも関連しており、高値で買った株をさらに高値で買ってくれる「よりバカな人」が現れる限り株価は上がるといった考え方が利用されることもあります。

特に初心者は、この「よりバカ」の役割を担ってしまうことが多いので注意が必要です。

9. 無限ナンピン地獄

高値掴みをして株価が下落した際、平均取得単価を下げるために「ナンピン買い」を繰り返す行為です。ナンピン自体は、本当に良い企業であれば有効な戦略ですが、割高な状態で買ってしまった株や、さらに下落する可能性のある株に対して安易にナンピンを始めると、結果的に多額の資金が拘束されてしまいます。

株価が下がり始めた銘柄は、さらに下落が続くことも多いため、ナンピンするタイミングと銘柄選びには慎重さが必要です。

10. 損切りできない

保有株の株価が買値よりも下落した際、自身の判断ミスを認められず、損失を確定したくないために株を売却できないことは、多くの初心者が直面する大きな壁です。
特に、これまでの人生で比較的うまくいってきた人ほど、間違いを認められずに損切りができない傾向があります。

損切りは、損失を最小限に抑え、次のより良い投資機会に資金を振り向けるために不可欠な行為です

損切りができず、含み損を抱えたまま投資を諦めてしまう人も少なくありません。

11. 会社のせいにする

投資した株の株価が下落すると、「このクソ会社が!」「経営陣が全然ダメだ!」と、会社の経営陣や会社自体を批判する人がいます。
しかし、最終的にその株を選んで投資したのはあなた自身です。投資の結果は自己責任であることを肝に銘じ、会社を非難する前に自身の判断を見つめ直すことが大切です。

12. ただ時が過ぎる

損切りができずに含み損を抱えた株を「塩漬け」にしたまま、ただ時間だけが過ぎていく状態です。この段階では、ほとんどの投資家が「もうどうでもいい」と諦めかけていることが多いでしょう。

13. 口座を放置

「ただ時が過ぎる」の延長で、塩漬け株を抱えたまま、証券口座自体を放置してしまうことがあります。これは投資から一時的に離れてしまう状態です。稀に、放置していた株が驚くほど復活し、大きな利益になっている幸運なケースも存在します。

もし心当たりのある方は、一度ご自身の口座を確認してみるのも良いでしょう。しかし、多くの場合、損失が確定できないまま、その資金が他の成長機会に回せない状態が続くことになります。

14. 売ったやつが上がる

塩漬け株が一部復活したり、保有株がわずかな利益を出したりした際に、すぐに利益確定のために売却してしまうことがあります。しかし、売却した途端にその株が大きく上昇するという現象は、株式投資の「あるある」です。
なぜなら、多くの個人投資家は「少しでも利益が出たら売ってしまいたい」という心理が働くため、その株が上がる本当の理由(業績の好転など)を見過ごしてしまうからです。

株価が上昇している背景には良い理由があることが多いため、安易な利確は大きな成長機会を逃すことにつながります。

15. 塩漬け株だけが残る

利益が出た株はすぐに売却してしまい、損切りできなかった含み損の株(塩漬け株)ばかりがポートフォリオに残ってしまう状態は、投資がうまくいっていない個人投資家によく見られる特徴です。

うまくいっている投資家は、評価額がマイナスになっている株がほとんどありません。これは、彼らが適切に損切りを実行できている証拠であり、損切りは投資における「正義」とも言える重要な行動です。

16. 飽きる

株式投資は、決して簡単なものではなく、すぐに成功できるものでもありません。失敗が続いたり、思うように利益が出なかったりすることで、投資自体に「飽きて」しまい、途中で諦めてしまう人も少なくありません。
しかし、投資はうまくいった時も、失敗した時も、その原因を深く見返して学び続けることで、どんどん面白くなっていく「ゲーム」のようなものです。

途中で諦めてしまうのは非常にもったいないことなので、諦めずに学び続ける姿勢が大切です。もし個別株投資が難しいと感じるなら、インデックスファンドの積立投資から始めるのも良い選択肢です。


これらの失敗談は、多くの投資家が経験する「あるある」です。失敗を経験から学び、次に活かすことで、あなたの投資スキルは必ず向上します。ぜひこの内容を参考に、ご自身の投資を見直し、より良い投資人生を築いていってください。

執筆者

執筆者:栫井 駿介

栫井 駿介(かこい しゅんすけ)

つばめ投資顧問 代表
株式投資アドバイザー、証券アナリスト
ビジネス・ブレークスルー(株)「株式・資産形成実践講座」講師

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