現在、アメリカによるイラン攻撃などの地政学リスクを背景に、株式相場は非常に不安定な状況にあります。
日経平均が一時5万9,000円を超えるような絶好調な時期もありましたが、こうした不透明な要因によって相場が大きく崩れることは決して珍しくありません。
投資家にとって大切なのは、「何が原因で崩れるか」を予想することではありません。
むしろ「いつか必ず来る暴落」に対して、どのように備え、実際に起きた時にどう行動すべきかという原理原則を理解しておくことです。
今回は、初心者の方でも迷わずに暴落局面をチャンスに変えられるよう、具体的な指標と投資家心理の克服法を解説します。
目次
暴落の兆候を読み解く「3つの重要指標」
暴落の局面で、現在の市場がどれほど「恐怖」に支配されているかを知るための指標がいくつか存在します。
ビックス(VIX)指数
別名「恐怖指数」とも呼ばれるVIX指数は、シカゴオプション取引所がS&P 500のオプション取引の動きを元に算出するものです。
数値が高いほど投資家が先行きに不安を感じているとされ、一般的に「30」を超えることが一つの大きな買いの基準となります。
過去5年を振り返ると、2022年の混乱期には何度か30を超えましたが、それ以降は落ち着いた推移を見せています。
Fear & Greed 指数
CNNが公表しているこの指標は、市場の心理を「エクストリーム・フィア(極度の恐怖)」から「エクストリーム・グリード(極度の強欲)」までの5段階で視覚的に示します。
VIX指数とも相関性が高く、これが「フィア」側に大きく振れるほど、市場に恐怖が蔓延し、買いのチャンスが近づいていることを示唆します。
騰落レシオ
日本株を分析する際に有効なのが騰落レシオです。
これは値上がり銘柄数と値下がり銘柄数の比率から算出されます。
例えば25日間の騰落レシオが「60」程度まで下がってくると、市場の売りが極まっており、反発が近いというサインになります。
株式市場における投資家心理のサイクルと「暴落のメカニズム」
株価の動きには、投資家心理が密接に関係しています。
「陶酔」から「パニック」へ至るまでの道のり
上昇トレンドの絶頂期、多くの投資家は「陶酔(とうすい)」の状態にあり、さらなる高値を確信しています。
しかし、何らかのリスク要因で株価が下がり始めると、「まだいけるはずだ」という希望的観測から無理な押し目買いが行われます。
その後、期待通りに株価が戻らず下落が続くと、心理は「恐怖」へと変わり、最終的には「パニック」へと至ります。
なぜ大底での「パニック売り」が起きてしまうのか
パニック状態に陥ると、投資家は「この世の終わり」のような絶望感に襲われます。
コロナショックの時のように「人類が危ない」「経済が終わった」といった過激な言葉が飛び交うようになると、耐えきれなくなった投資家が投げ売りを始めます。
しかし、皮肉なことに、この「全員が売った」瞬間こそが、売り手が枯渇し、株価が反発に転じる「大底」である可能性が極めて高いのです。
多くの投資家が陥る「失敗の典型パターン」
暴落局面では、頭では分かっていても陥ってしまう失敗の罠があります。
「押し目買い」が招く二番底への恐怖
株価が少し下がった段階で「チャンスだ」と買い急ぐ人が多いですが、そこがまだ割高な水準であることは少なくありません。
中途半端な位置で買い、その後さらにずるずると下落が続くと、今度は本当の大底で買う資金がなくなってしまいます。
機関投資家と個人投資家の行動原理の違い
個人投資家が「押し目だ」と買っている裏で、プロである機関投資家は利益を確定させるために売りを出していることがよくあります。
彼らはファンドの年間成績を確定させる必要があるため、不透明感が増すと早めに逃げる準備をしています。
その結果、個人の買いが支えきれなくなった瞬間に底が抜けるような急落が起きます。
大底で売り、上昇に置いていかれる悲劇
大底で耐えきれずに売ってしまった投資家は、その後の急反発で買い直すことが困難になります。
自分が売ったものがすぐに上がることを認めたくないという心理が働き、結局高いところで買い直すか、上昇を指をくわえて見ているだけになります。
これが「大底で売り、高値で買う」という最悪の往復ビンタです。
私の失敗とそこからの教訓
かくいう私も、かつて”手痛い失敗”を冒してしまった経験があります。
ロイヤル・ダッチ・シェル
コロナショック時、原油の先物価格がマイナスになるという異常事態が起きました。
当時、私は「80年間減配なし」の信頼からシェルを保有していましたが、未曾有の危機により同社がついに減配を発表しました。
冷静さを失った私は、ほぼ底値圏で売却してしまいましたが、その後株価は3倍以上にまで戻りました。
日本たばこ産業(JT)
2022年のロシアによるウクライナ侵攻時、JTのロシア事業が接収されるリスクを恐れ、最悪のタイミングで売却してしまいました。
しかし結果として株価はその後3倍近くまで上昇し、大きな機会損失となりました。
最悪の時に売ってはいけない、開けない夜はない
これらの失敗から学んだ最大の教訓は、企業が潰れない限り、最悪のパニックの瞬間に売ってはいけないということです。
情報は不安を煽りますが、見れば見るほど不安になるのが人間です。
暴落時における「正しい行動」のロードマップ
では、どのように行動するのが正解なのでしょうか。
暴落前夜
VIX指数がじわじわと高まり、相場が不自然に「いい感じ」で不安定な兆候を見せている時が、唯一の売却検討のタイミングです。
この段階で、割高な銘柄やパッとしない銘柄を整理し、現金をある程度用意しておきます。
暴落の最中
いざ本格的な暴落が始まったら、もう売るのをやめましょう。
下がってから売る行為は損失を確定させるだけであり、どこで反発するかは誰にも分かりません。
大底の判断
フィア・アンド・グリード指標が「エクストリーム・フィア」に入り、世の中が絶望に包まれた時が買い時です。
この時はPERなどの指標を細かく見るよりも、自分の信じた業績の良い銘柄を、目をつむって買いに行く姿勢が求められます。
長期投資家として成功するためのマインドセット
成功を収めるためには、時間軸を長く持つことが不可欠です。
「稲妻が輝く瞬間」に市場に居合わせることの重要性
チャールズ・エリスの著書『敗者のゲーム』には、株価が急上昇する「稲妻が輝く瞬間」は大きな下落の直後に来ると記されています。
この瞬間に株を持っていないだけで、長期の運用成績は劇的に悪化してしまいます。
だからこそ、手放さないことが何より重要なのです。
業績が良い銘柄こそが、復活の狼煙を上げる
暴落時に買うべきは、足元の業績が良く、それが継続しそうな銘柄です。
相場が絶望している間は人気がありませんが、再び資金が戻ってくる時には、必ず業績の良い銘柄から買われていきます。
リーマン・ショックに学ぶ、低迷期を耐え抜く力
2008年のリーマン・ショック後、日本株は4年もの間、低迷を続けました。
しかし、この4年間に耐え、売らずに持ち続けた人だけが、その後のアベノミクスによる劇的な資産増益の恩恵を受けられました。
暴落の後はすぐ戻ることもあれば、長く沈むこともありますが、そのどちらにも耐えうる覚悟が必要です。
学び続ける投資家が最後に勝つ
暴落は確かに恐ろしいものですが、そのメカニズムと自身の心理的傾向を理解していれば、資産を大きく増やす最大のチャンスに変えることができます。
大切なのは、パニックの渦中に身を任せず、確固たる投資哲学を持ち続けることです。
プレゼント①『株式市場の敗者になる前に読む本』
プレゼント②『企業分析による長期投資マスター講座』第一章
メールアドレスを送信して、特典をお受取りください。
※個人情報の取り扱いは本>プライバシーポリシー(個人情報保護方針)に基づいて行われます。
※送信したメールアドレスに当社からのお知らせやお得な情報をお送りする場合があります。
※上記は企業業績等一般的な情報提供を目的とするものであり、金融商品への投資や金融サービスの購入を勧誘するものではありません。上記に基づく行動により発生したいかなる損失についても、当社は一切の責任を負いかねます。内容には正確性を期しておりますが、それを保証するものではありませんので、取扱いには十分留意してください。








コメントを残す