多くの人が株式投資で失敗する原因は「焦り」と「後悔」。バフェットにも著名個人投資家にも通じる確かな共通点とは?

ここ最近相場は好調です。日経平均株価は年初来高値圏で推移します。

【出典】Google

「あの銘柄がこんなに上がってしまった・・・」が命取り

これだけ調子が良いと、「専門家」の論調はすぐに「日経平均3万円」といった見出しが踊ります。もちろん、これは株を売りたい金融機関の都合であることは言うまでもないので鵜呑みにしてはいけません。

それでも、これだけ上がってしまうと焦りが生まれてしまうものです。かく言う自分も、目をつけていた銘柄が調子よく上がっているのを見ると「なぜあの時買えなかったのか」と、悔しい思いがこみ上げてきます。

そうこうしていると、次第に「まだ上がるのではないか」「置いていかれないようにしたい」「早めに買っておこう」ということを考えてしまいます。

このような「気持ち」こそが、人々が投資で失敗する最大の要因なのです。

上がり続ける株はありません。長期的には上昇を続けるものでも、上がったり下がったりを繰り返しながら動いていきます。したがって、上がっている時に買うということは、短・中期的に見たときの天井の可能性があるのです。

それでも価値から見て割安だから、目の前の含み損には目をつぶって長期保有しようという考え方はあると思います。しかし、わざわざ値上がりしている時に買って、パフォーマンスを下げるようなことをする意味はありません

経験則から言っても、「もうこんなに上がってしまった」と思っていた銘柄が、相場の調整によってもとの水準まで戻ってくることは珍しくありません。

Appleも上昇と調整を繰り返している(出典:Yahoo!ファイナンス)

焦らずに待っていれば、必ずそのようなチャンスがやってきます。私たちバリュー株投資家は、それをしたたかに待っていれば良いのです。

チャンスがいつ来るか、予想することは簡単ではありませんが、平均して年に2~3回はやってきます。焦らずその時が来るのを待ち、それから動き出せば良いのです。

何も難しいことはありません。ただその時をじっくり待ちましょう。

成功する投資家の共通点「1つでも多くの銘柄を知る」

ただし、間違って欲しくないのが、相場の調整があっても全ての銘柄が下がるとは限らないということです。中にはびくともせず、そのまま上がり続ける銘柄もあります。そのような銘柄こそ本当に良いのですが、投資するタイミングは捉えにくいものです。

限られた銘柄だけを追っていると、このようにチャンスを逃し続ける可能性があります。これではいつまで経っても成果を出すことができません。

だからこそ、私は少しでも多くの銘柄を知る努力を続けています。これは、成果を出してきた多くの投資家に共通していることです。

例えば、日経マネーで「優待バリュー株投資」と銘打った連載を行い、この度著書を発行した「みきまる」さんは、何と675銘柄も保有しているということです。

【参考】個人投資家インタビュー みきまるさん 中編 保有銘柄数、なんと「675銘柄」!なんでそんなに持ってるの?(トウシル)

もちろん、優待をもらうためという純粋な目的もあると思いますが、少なくともそれだけの銘柄に目を通しているということはとんでもないことです。これができるからこそ、数億円の資産を築けたのでしょう。

みきまるさんは、それらを「優待株いけす」と呼び、その中に「戦闘力」の高い銘柄があればポートフォリオの上位に引き上げています。これによって、単なる分散を上回るパフォーマンスを目指しているのです。

このように、少しでも多くの銘柄を知っていれば、その銘柄の中でチャンスが訪れた時にはすかさず買いを入れられるようになります

投資手法は人それぞれですが、成功し続けている投資家に言えることは、相当多くの銘柄を知っているということです。そして、多くの銘柄を知っていれば、その中で優劣をつけられるようになります。

あとは、トーナメント方式で「良い」と思えるものを残していけば良いのです。そうすれば、「戦闘力」の高いポートフォリオの出来上がりです。

バフェットも日々企業の年次報告書を読み、新たな企業を知ることを生きがいとしています。超大金持ちとなった今でも、新たな企業を見つけることに余念がないのです。

「1つでも多くの銘柄を知る」―株式投資に絶対はありませんが、これは私がこれまでにたどり着いた一つ真理だと考えます。この言葉を胸に、これからも企業分析に励んでいきます。

執筆者

執筆者:栫井 駿介

栫井 駿介(かこい しゅんすけ)

つばめ投資顧問 代表
株式投資アドバイザー、証券アナリスト
ビジネス・ブレークスルー(株)「株式・資産形成実践講座」講師

詳細はこちら
サイト訪問者限定プレゼント
あなたの資産形成を加速させる3種の神器を無料プレゼント

プレゼント①『株式市場の敗者になる前に読む本』
プレゼント②『企業分析による長期投資マスター講座』第一章
プレゼント③『YouTubeプレゼン資料』

メールアドレスを送信して、特典をお受取りください。
メールアドレス *
※送信したメールアドレスに当社からのお知らせやお得な情報をお送りする場合があります。

※個人情報の取り扱いは本>プライバシーポリシー(個人情報保護方針)に基づいて行われます。
※送信したメールアドレスに当社からのお知らせやお得な情報をお送りする場合があります。
※上記は企業業績等一般的な情報提供を目的とするものであり、金融商品への投資や金融サービスの購入を勧誘するものではありません。上記に基づく行動により発生したいかなる損失についても、当社は一切の責任を負いかねます。内容には正確性を期しておりますが、それを保証するものではありませんので、取扱いには十分留意してください。

気に入ったらシェアしてもらえると嬉しいです!

コメントを残す

Popular Article - よく読まれている記事Popular Article

  • 【日産自動車】株価下落で配当利回り6.4%は買える?
    今回は日産自動車についてです。 日産の株価は直近で大きく下げています。 ここまで下がった背景と、日産の今後について考えてみたいと思います。...
  • 3年で80%下落!エムスリーのしくじりはどこに?
    エムスリーの株価は2018年は2,000円程度でしたが、2020年に大きく上がり、2021年初頭には10,000円を突破しました。 しかし、...
  • 【メルカリ】株価はピークの半額以下。業績好調でも下落するのはなぜか?
    メルカリの株価が冴えません。
  • 【日本郵船・商船三井・川崎汽船】利回り5%以上も!海運株は買い?
    今回は、日本郵船、商船三井、川崎海運といった海運株を取り上げます。 海運株はコロナ禍に株価が上がり、一時的なブームで終わるかと思われましたが...
  • オリエンタルランド(東京ディズニーリゾート)の株価が下落している3つの理由
    2024年に入りオリエンタルランドの株価が大きく下落しています。 出典:株探 今回はオリエンタルランドの現状を詳しく分析し、投資リスクを考え...

Article List - 記事一覧Article List

カテゴリから記事を探す