【総合商社】5大商社最強はどこか?三菱商事・三井物産・伊藤忠商事・住友商事・丸紅。商社株へ投資する際の心構えをお話します【株式投資】

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以下、文章化したものです。


今日は総合商社について取り上げてみたいと思います。

商社というと五大商社と呼ばれるものがあり、三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅の5つですが、それぞれ特徴があります。

今回はこの5つの中でどれが最強なのかということを、商社株への投資の心得を含めてお話します。



商社」というとかつては企業と企業の間に入り片方から仕入れてもう片方に流すという問屋的なビジネスをやっていましたが、 今やそれが様変わりして、企業や資源の権益に投資をしてそこから投資収益を得るというビジネスモデルに転換しました。

その中でも最近のトレンドとしてあるのは【資源】と【非資源】の割合をどのように考えるかということです。

資源というと石油や金属、鉄鋼石などで、そういったものの権益に投資をしてその投資収益を得るというビジネスモデルです。

非資源というと人々の生活に必要な企業に投資をして、企業の株に対する投資収益を得る、あるいは持ち続けてその企業が利益を生むのを待つというビジネスモデルになっています。

商社の企業の捉え方としては、この資源と非資源のバランスがどのぐらいになっているかということで、各社の色合いが見えてきます。

これからそれぞれの企業がどれぐらい資源と非資源のをバランスになっているのかということを解説します。

三菱商事

三菱商事というと、就職人気ランキングでは必ず上位に並び、給料も高いので、優秀な人ほど三菱商事に就職しがちです。



赤で囲った部分が資源分野です。

特に金属資源が一番利益を出していて、三菱商事も資源に多くを頼った企業であることは確かです。

一方では、ローソンやケンタッキーなどの生活に密接に関連する食品分野だとか、あるいは三菱自動車の海外部門を担っていたり、関連企業、三菱財閥として活動しているという側面があります。

特に最近は資源価格の下落などもあり、一時期業績が安定しないこともありましたから、この非資源分野をどんどん強化しているわけです。

しかし、主力としてはまだ資源に偏っているという側面があるところは否めません。

トータルで見れば三菱いう名前を背負っていることもあって、バランスがいいですし、また中で働いている人もかなり優秀な人材がたくさんいるということが挙げられます。

三井物産

続いて三井物産です。



三井物産はかなり特徴的で、この青で示された部分が資源分野ということになります。

商社のトレンドとしてはどちらかというと非資源分野を強化していこうというところなのですが、三井物産は昔から資源分野に力を入れてきたということもあり、資源分野が非常に強く、今後もこれを緩める気はないということが資料からひしひしと伝わってきます。

したがって、資源への全力投球が行われている会社だと言えるでしょう。

伊藤忠商事

続いて伊藤忠商事です。



簡単に言うと、非資源分野最強の商社と言えます。

資源分野は赤で囲った部分ぐらいしかなく、むしろそれ以外の非資源分野のところが多くなっています。

食料だとバナナを売っているDoleなどで、金融情報というところではシステム関係の会社で今好調な伊藤忠テクノソリューションなどです。

こうやって事業を分散しつつ非資源分野で大きな利益あげている商社になります。

一つ特徴的なのは、中国のCITICという大きな複合会社に投資をしているのですが、前期でかなり大きな減損損失を計上してしまいました。
 
非資源最強商社でありながらも中国リスクは抱えているということになります。
 

住友商事

続いて住友商事です。
 


インフラ(電力など)、メディアデジタル(SCSK、ジェイコムなど)、生活・不動産(サミットなど)といった非資源分野で、尚且つ生活に密接した分野が多いので、非常に安定しているように見えますが、一方で金属の資源分野では大幅な赤字を計上しています。

トータルで見ても非資源分野に非常に力を入れていて、上手くいってるように見えます

けれども、2、3年に1回この金属分野で大きな減損を計上してしまいます。

安定はしているはずなのですが、業績を見ると安定していない、少し謎な会社と捉えております。
 

丸紅

続いて丸紅。
 


丸紅の特徴というと電力と食料に非常に力を入れています

グラフの赤で示した部分が電力、食料の両方という事なります。

ここで最も利益を上げています。

一方でこの赤で囲ったこの部分、資源にもかなり投資をしています。

そこで損失を被ってしまう事によって、2020年見通しではかなり利益を落としてしまうと考えられております。

特徴としては電力インフラや農業、食料にに注力していながらも、やはり資源分野の影響というのは免れない事になっています。
 

純利益の推移

これが5社の純利益の推移です。
 
元々は三菱商事と三井物産が2トップという形であり、原油価格の減損によって大きな減損を被ってしまった一時除けばトップはやはり三菱商事いうことになりますが、一方では安定して業績を伸ばし続けてきたのがこの伊藤忠商事です
伊藤忠商事は資源に力を入れていなかったので、資源価格の下落によってダメージを被らず、そのまま堅調な投資を続けてきた結果、現在純利益2位に躍り出ています。

三井物産は大きく減らしているという事ではありませんが、やはり資源分野の価格変動に左右されてしまう部分があるので、今伊藤忠商事に抜かれて3位という状況です。

続いて住友商事、それからこの丸紅に関しては残念ながら赤字に転落してしまいました。

丸紅に関しては、直近配当が35円だった所が2020年3月期に赤字を計上してしまったという事で、今季2021年3月期は35円配当があった所から一転15円まで引き下げるという大減配を行ってしまいました。
 

株価の推移

これが株価の推移です。
 


これは5年チャートですが、ほとんど上がっていないというのが現状です。

その中で好調な業績をキープし続けた伊藤忠が唯一30%程のプラスを達成していますが、その他はマイナスという状況にはあります。

すなわち商社株はあまり上昇には期待できないという事になります。

なぜかというと事業が分散しているので、ここが伸びたらこっちが駄目とか、その逆になってという事で、大きく伸びるという事が少ない業界です。

そんな中で『コングロマリット・ディスカント』といって、事業があらゆる分野に分散していれば分散しているほど株価評価が低く抑えられるという側面もあるので、コングロマリット・ディスカウントもあって、これらは万年割安株と言われています。
 

時価総額


時価総額の比較を見てみますと、今はトップは三菱商事、2位が伊藤忠商事、3位が三井物産、4位が住友商事、丸紅と利益をそのまま反映したような数字になっていますが、特に特徴的なのは伊藤忠がどんどん大きくなってきて三井物産を逆転してきたという事が最近のトレンドとしてあります

これが一覧です。
 
比較表としてまとめました。

三菱商事はバランスが取れていて、この5社の中では一番強いという事が挙げられます。

更にはPBRが0.68倍、利回り5.57%とこれも非常に高い水準です。

やはりこの中では一番安定感はあり、最強の勝者は未だに三菱商事であると私は考えます。

一方で追い上げが著しいのが伊藤忠商事です。

PBRも1.12倍と株価としては非常に評価されています。

利回りは3.92%と三菱商事より小さくなっています。

これは非資源分野なので、資源価格によって大きく左右されるという事はないのですが、一方でこの新型コロナのショックによって、生活関連といった所も一部減益が見込まれますし、最近の業績を見ると事業の売却益などで純利益をある程度上乗せしてきたという部分もあります。

よってこのまま増益が続くのかというと、どうなのかなというのが一つ思うところです。

大きく伸びる余地というと、資源にすごく力を入れている三井物産は非常に大きいと思います。

PBRは0.71倍。

利回りも4.98%と高くなっています。

もちろん資源分野は資源の価格によって上がったり下がったりします。

今、石油価格が下落していますが、三井物産の資源分野は石油というよりは鉄鉱石などの金属に注力していて、鉄鉱石の価格はこの新型コロナの影響でも下がっていません。

新型コロナによって、生産が減ってしまった一方で、中国の需要がちゃんとまだ残っているという事で価格はむしろ上がっているという状況です。

今季2021年3月期の業績に関しても、三井物産は強気の姿勢を示しています。

今後景気が回復して資源価格が上昇するという局面があれば、むしろ上昇余地としては伊藤忠よりも三井物産の方が大きいのではないかという事も考えられますが、これ市況次第という事になります。

あと住友商事で先ほど説明しました通り、基本安定しているはずなんですが、何処から減損とかそういった物が出てくるかわからないという過去の経緯がありまして、なかなか予測不能であります。
 
丸紅は今回35円から15円の大減配を行ってしまったのですが、その辺を見ますと財務がやはり他の4社で比べて弱いという所があります。

財務が弱いと配当も高く出し続けるという事が難しくなってしまうので、正直微妙です。
 

安定して持ち続けるならアリか

以上まとめますと、商社株への投資心得という事で事業を分散しているので、非常に安定しているのですが、一方で株価はそこまで大きく伸びる物ではないという事から、何年も割安という事が続いていて、一方ではちゃんと事業を組立ている企業もあるので、それらは配当をしっかり出していて、利回りは高いという事です。

すなわち個別株だと大きく株価が上がる事を期待してしまいますが、商社ではそういう可能性はあまり高くなくて、三井物産は多少あるかもしれませんが、あまりを大きな急上昇に期待する銘柄ではないという事です。

一方で、商社という看板で様々な事業に投資している訳で、株を買う事を商社が代わりにやってくれると考えれば、そういう意味での投資信託と考えれば悪くないでしょう。
 
利回りも高く、配当を受け続けられるという点に関しては、事業の安定設定度も高いですから、そういった考え方が強い信託資産株という観点で持ち続けるならおすすめ出来る銘柄という事になります。

このように、商社は非常に人気なんですが株価の上昇が期待できないものの、安定して持ち続けるならば良いという事になります。

長い目で見れば、実はこういった銘柄の方が配当も含めたリターンでは大きかったというような事もあるので、投資する対象としては悪くないと考えてます。

その中で5つ挙げさせていただきましたが、その中での優劣、あるいは特徴を掴んで理解して、コツコツ買っていくというのは悪くないと私は考えます。
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