【アンジェス】新型コロナワクチン開発着手は希望の光か、個人投資家を地獄へ突き落とす悪魔か。バイオベンチャーへの投資は修羅の世界。株初心者必見です!

YouTubeに動画をアップロードしました!

以下、文章化したものです。


今日、お話しする銘柄はバイオベンチャーのアンジェスです。

新型コロナウィルスのワクチンの開発に着手したという事で注目されていて、株価も大きく上昇しています。

一方では新型コロナウイルスによる株価下落を受けて、今株式市場には多くの初心者の投資家が参入しています。

しかしこういった初心者の投資家がいきなりアンジェスみたいなバイオベンチャーに手を出してしまうと、もう二度と株式市場には参入出来なくなってしまう程の大きな損失を被ってしまい兼ねません

今日はその具体的な理由、具体的な流れを解説します。

自分が初心者だと思われる方は是非ご覧ください

アンジェスの業績は真っ赤。バイオベンチャーへの投資はほぼギャンブル

まず日経の記事に、「ネット証券、口座開設急増、株価急落で初心者参入」という事で新型コロナウイルスによる株価下落を受けて、株価が下がったので、これは買いのチャンスではないかという事で多くの個人投資家が参入していて、ネット証券の口座開設も増えていますし、休眠口座も動きだしたという話もあります。

それ程、今株式市場には初心者の投資家が沢山います。

そんな中でまさに世界に希望をもたらすかのようなアンジェスです



元々、大阪大学の研究室からのバイオベンチャー企業なんですが、そこが新型コロナウイルスのワクチンの開発に着手したという事で、もし仮にこのワクチンの開発が成功したとしたら、これはまさに時代のスターとなれる訳ですから、そこに今お金がどんどん投入されて、株価はこの2月末の388円から今1780円ですから、およそ4倍に大きく上昇しています。

但し、気をつけなければならないのが、この銘柄、業績は見ての通り営業利益が真っ赤です。



実はこの会社2002年に上場したんですが、上場してから一度も黒字を計上していません

それ程、まだ何も始まっていない銘柄だと言う事が出来ます。

何故そんな銘柄が今まで生き残っていられたのかというと、これは株式をどんどん発行して、市場から資金を調達してそれでなんとか食べていくことが出来ています。

したがって、もちろん計算出来るような銘柄ではありませんし、もちろんこれまでも様々な薬を開発しようとしてきましたが、少なくとも利益を上げるに至るような成果は出していません。

売上に関しても1度成功した事もあって、多少の売り上げが17億ありましたが、どんどん減ってきて、直近では17億から3億円に減ってしまっている状況で、バイオベンチャーの難しさを物語っていると思います。

これが開発ニュースです。



大阪大学との新型ウイルスDNAワクチン共同開発に参画という事で、各所で取り上げられて株価も上昇しています。

実は株式市場には美人投票という性質がありまして、これだけ人気・期待が高まるのではないかという銘柄には、その実態に関わらず人が欲しがるのではないかと想像すれば、どんどん期待が期待を呼んで株価が上がるという性質があります。

こうやって実態としては赤字がずっと続いているにも関わらず、株価が上昇するという事は多々あります。

但しそこに最終的に実体が伴わないという事になると、やがてその期待が剥げて株価が急落するという事がほとんどです。

ではその新型コロナウイルスのワクチンの開発の可能性という所なんですが、ウォールストリートジャーナルの記事では、ワクチンの開発は簡単ではなく、普通は10.7年はかかるとあります。

またそれが市場に出回る確率も6%しかないと、ウォールストリートジャーナルの記事では言われています。

今まさに世界中でワクチンの開発競争が行われている中で、沢山お金を注ぎ込んだ会社が開発出来る可能性もそもそも高くありません

まして小さな研究室から生まれる確率は万に一つ、それがしかも早い段階で市場に投入出来る可能性というのはほとんどありません。

もちろんワクチンの開発はまさに希望の星ですから、そこに期待を込めたいという気持ちもわかりますが、このアンジェスがものすごく素晴らしい銘柄なのかというと投資という観点で見れば、ワクチンの開発の可能性がものすごく低いという事を考えるとギャンブル的な性質を持ったものになってしまいます。

因みに似たようなアメリカの銘柄でこれもバイオベンチャーなんですが、モデルナという会社がありまして、これも新型コロナウイルスのワクチンの開発に着手したという事で、株価が2月頃から同じように4倍近くになっています。



ただアメリカという事で規模が全然違って、時価総額3兆円あります。

アンジェスの時価総額が2000億円程度ですから、その10倍以上で、投入している資金も桁違いになります。

世界中でこういう事が起きています。

初心者が手を出すべきではない

ではそのアンジェス、一体どういう人が買うのかというと、ワクチンを実際に開発するのではないかという事を信じて、一度自分が注目した銘柄だから間違っているという事を考えられずに、ひたすらこの銘柄にベットし続ける、初心者に多いパターンです。

それから確率が低いのはわかってますが、100回に1回大儲け出来ればいいやと考えて、宝くじ感覚で買う人もいます。

こういう人あまり問題ないとは思います。

また、ゲームとして参加する。

この辺がベテランの投資家という事になります。

先ほど美人投票という話をしましたが、株価が上がる、まさに祭りなんです。

その祭りに乗っておこうと、短期トレードのベテラン勢がこちらに参入してきます。

このベテラン勢は機敏に動くので、まさにこの初心者に高く売りつけるかという事がゲームに勝てるかどうかという所になってくるというのをわかっています。

ここら辺に来るのは百戦錬磨のトレーダーなので、そういった人達初心者が太刀打ち出来る訳がありません

更に悪い事にその一部の人はツイッターなんかでこの銘柄を煽って、銘柄を煽る事で初心者の人に、この銘柄が素晴らしいと信じ込ませて買わせる、あるいはその助言によってお金を得るという事をしたりもしています。

これが一番最悪のパターンという事になります。

ではこの後何が起こるのかというと2年前にあったバイオベンチャーのサンバイオの事例を見て頂ければと思います。

このサンバイオも同じように薬が開発出来るのではないかという期待が高まって、一時2000円台の株価から、12000円台まで上がり、およそ6倍になりました。



これは1週間の株価の動きを表しているんですが、一気に上がったかと思ったら見事に垂直に落下しました。

12000円あったのが、2000円台まで一気に落下しています

この時はストップ安の連続です。

ストップ安というと売ろうと思っても、誰も買う人がいないから売られ続けるという状況です。

つまりこの天井まで持っていた人は、この株価が下に着くまでの間なす術なく、株価が暴落を続けます。

もしここに初心者が100万円投じていたとしたら、およそ6分の1、16万円ぐらいに減るまで何もする事が出来なかった状況です

その後も開発が成功しなかったので株価も日の目を見る事はありませんでした。

このようにバイオベンチャーというのは大きく上がっては、ストップ安が連続する程大きく下がるという事を繰り返してきました。

もちろん熟練のトレーダーだったらその前になんとか売り抜けて、大きな利益を確定させるかもしれませんが、そこに投じる資金が多くなれば多くなるほど、一気に失うリスクを背負っています。

初心者の人がこういった所に入って、生き残っていけるかというと疑問です。

もし出来たとしたらラッキーだったという事で、2度目はないのが普通だと思います。

このように株式市場は落とし穴がいっぱいあります

初心者の方はまずこういった失敗というのももちろん必要なんですが。ぜひ少しでもこういったYouTubeなどを見て勉強していただいたり、もしやるとしても一気に失わないように持っている資産の一部、少額からやってみるという事を是非心がけて頂ければと思います。

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