三井住友、みずほ、三菱UFJ。投資するならどれ?全部5%超の高配当でも異なる特色。新型コロナウイルスの影響も踏まえ銀行株への投資を考えます

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以下、文章化したものです。


今日はメガバンク三行について解説したいと思います。

メガバンクというと配当利回りが高い事で投資家の間では人気が高い銘柄です。

一方では金利の長期的な低迷、あるいは今まさにリストラを行っているという側面があります。

今日はそれぞれの会社の特色を見ながら一体どこに投資すべきなのか、銀行株はそもそもどうなんだという所も踏まえてお話出来ればと思います。

「銀行」というビジネス

まず配当利回り三菱UFJが5.5%、三井住友6%、みずほが5.5%といずれも5%を超える高い配当利回りとなっています。

利益の推移を見てみますと、実は最近ニュースになりましたが、長年1位が三菱UFJ、2位が三井住友、3位がみずほという形でしたが、三井住友が三菱UFJを逆転するという現象が起こりました。



なぜ逆転したのかというと、三菱UFJが海外、特にアジアの銀行を買収したり多く出資していたりするのですが、この新型コロナショックによって株価が下がったことによって、その銀行の減損処理をしないといけなくなって、それによって特別損失を出して利益が減ってしまったという事で三井住友の逆転を許してしまいました。

但し、時価総額を見ますと1位はやはり三菱UFJというのは揺るぎません

三菱UFJが6.2兆円、三井住友が4.4兆円、みずほが3.5兆円、ということで皆さんの中にも意識があるかもしれませんが、やはりこの序列というのはなかなか変わりません。

そもそも銀行のビジネスモデルはどういうものなのかという事を振り返ると、実は非常にシンプルです。

銀行というと私達が多くお金を預けて、そして預かったお金を元に企業に貸し出しをしたり、有価証券で運用したりする訳です。

つまり私達が預金をして、今ほとんど預金金利が付かない状況ですが、例えば0%の預金に対して企業に対して1%の金利で貸したとしたら、1%の利鞘が取れるという事になります

貸し出し金利が預金金利を上回ることによって、利益が発生するという非常シンプルなビジネスモデルです。

すなわちこの預金金利というのは、正直どこもほとんど変わりません。

ですからどこに貸しているか、あるいはどこで運用しているかという事によって、この利益の差、利鞘の差が生まれてくるという事になります。

ではそういった観点からそれぞれの銀行の特色を見ていきましょう

三菱UFJ銀行

まず三菱UFJです。



貸出金に限ってのグラフなんですが、国内がは40.8%ありますが、海外もほぼ同じ40.6%、つまり企業に向けての貸し出し金の半分近くが海外への貸し出しという事になっています。

元々合併する前の三菱銀行というのが非常に海外に強い銀行として知られていました。

合併してメガバンクになってからも、アメリカの銀行を買ったり、タイ、インドネシアなど東南アジアの銀行を買って、海外への貸し出しを伸ばしてきました。

何故こんな事をやっているのかというと、利回り差を見ればわかります。

国内は既に十何年も低金利が続いています。

低金利が続くと、先程の考えに戻っていただくと、この貸し出し金利の方が下がります。

預金金利はもうゼロ以下にはなりませんから、どんどん利鞘が下がってきてしまうという事になります。

国内では利益を産めなくなってしまいますから、より金利の高い、特に新興国がまだ金利が高かったりしますから、そういった所に活路を見出しています。

国内での預貸金利回り、つまりこれは貸出金の金利から預金金利を引いた物です。

三菱UFJの場合、これが国内が0.78%対して、海外は2.38%あります。

すると大きな利益をここで取る事が出来ます。

つまり三菱の特色としては、海外、あるいは大企業にも強いというそういった特色がある訳なんです。

三井住友銀行

続いて三井住友銀行です。

これは三菱UFJとは対照的で、結論から言うと中小企業とか個人向けのビジネスが強い銀行という事になります。

ここには出ていませんが、貸し出し金に関しては、大企業よりも中小企業に多く貸し出しているというのが、三井住友の現状です

この役務取引という所を見ていただくと、黄色の所にSMCCと書いていますが、これは三井住友のカードです。

つまりこのクレジットカードの手数料によって稼いでいるという側面があります。

あとはSMBC日興、これはまさに証券会社ですが、証券会社が個人向けに証券サービスを提供する事による利益を得ています。

またこのSMBCCFというのは個人コンシューマーファイナンスです。

つまりサラ金、プロミスです。

青の所がプロミスという事なります。

その辺りから大きな利益を上げているというのが、この三井住友の特色です。

今回三菱UFJは新型コロナショックによる株価下落で損失を計上してしまいましたが、三井住友に関しては、国内のしかも個人という事で比較的安定していて、それ程のダメージを受けなかったという事があります。

それによって目先ですが利益の減少は一旦抑えられた事になります

中小企業やカード、消費者金融に強い銀行という事が出来ます。

みずほ銀行

次はみずほ銀行です。

みずほというと、第一勧業銀行、富士銀行、そして日本興業銀行という三者が一緒になって出来たグループです。

しかも元々は第一勧銀と富士銀行がみずほ銀行、これが中小企業や個人向けの銀行としてやっていました。

日本興業銀行はみずほコーポレート銀行という事で大企業や、あるいは海外といった所でやっていました。

そもそもこの三行という時点でかなり分裂意識が強く、頭取も入れ代わり立ち代わりでやっていたり、特にこの日本興業銀行に関しては簡単に言うとプライドが高いです。

自分たちは普通の都銀とは違う、大企業向けの銀行だという事でプライドが高いという事からなかなか一体感がを取れた動きができなかったというのが、この10年の動きという事になるかと思います

『みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史』という本も出版されましたが、こうやって統合に統合を重ねた事によって、各社持っているシステムがそれぞれあって、それぞれが必ずしも上手く回らないという状況がありました。

これが未だに、ATMが使えなくなったとか、そういった事もニュースになって、お客さんに迷惑をかけたりしています。

この辺からも垣間見れるように、なかなか統合が進んでいないというのが一つ特色ではないかと思います。

ビジネスに関していえば、個人、中小企業向けと、大企業向けある意味バランスが取れているという事も出来るかもしれないんですが、いまいち方向性に欠ける銀行という事になります。

ちなみにこのシステム統合に関しては、永遠に出来上がらないという事で、”IT業界のサグラダファミリア”となぞられる事もあります

そもそも銀行に投資すべきか

このようにメガバンクといっても三行それぞれ特色がある訳で、一概にどれがいいという事は中々難しいんですが、銀行はそもそもどうなんだという事について考えてみたいと思います。

目下この新型コロナショックによって、目先はまだ赤字とかそういった事はなっていませんが、今後かなり厳しい状況にある事は間違いないと思います。

企業に貸し付けを行っていて、その貸し出し先が倒産したりすると、その貸したお金が返ってこないという事になって不良債権化してしまいます。

今、政府の指導で企業に対しても潰れないようにと、銀行も積極的に貸し出しを行っていますが、これが倒産しないという事は決して言い切れませんし、もし倒産し始めたらそれがドミノ倒しのようにどんどんと倒れていってしまいます。

そうなった時に銀行もかなり苦しい状況に陥る事は間違いないです

ここで非常に大きなリスクを持っているのが今の銀行の状況という事になるかと思います。

貸し出しというのは、国の政策としてそうしないといけない事になっていますから、これは止める事はできません。

そんな中で動きとして、どうしようかという事になった時に5月20日に出たニュースです。

三菱UFJ銀行23年度までに店舗4割削減 17年度比

2020.5.20.  日本経済新聞

およそ半分近くの店舗が無くなってしまうという事になる訳です。

店舗というのは実はコストを非常に押し上げています。

正直今や銀行の窓口に行ってやっている事、お金を下ろしたり、預け入れたり、口座を作ったり、通帳に記帳などは全部ネットバンキングでできてしまいます

店舗に預金者を入れた所で、もはや収益源には全くならず、コストでしかない訳です。

コストを減らす事で利益を生み出そうとしています。

目下この10年、国債、金利回りを見ますとひたすら低下傾向が続いています。

マイナス金利もあります。

こうやって利益が出ない、しかも新型コロナで、ますます経営は苦しい状況に置かれるといいった中で何とかコストを削減して、少しでも利益をを生み出そう、乾いた雑巾を絞り出すかのような活動をしている訳です。

もっとも銀行は正直無駄だらけです。

店舗なんかも実際はお金を生まないのに店舗を沢山持っていたり、システム関係もまだまだいくらでも改善出来るポイントはあります。

だから、乾いた雑巾とは言いましたけれど、まだまだ濡れている訳です。

そういった濡れてる雑巾を絞っていく事によって、当面は利益を生み続ける可能性は高いと思っています。

一方でどうやって成長していくのかという所は見えませんから、投資家として期待出来る所はもはやそうやって雑巾を絞る事によって出てきた水から得られる配当という事なります。

今後配当を目的とした投資するからには、配当が減らないかどうかという事を確認しなければなりません。

その配当を見ますと三菱UFJに関しては、『安定的・持続的な増加を基本方針とし、配当性向は40%をめざす』という事になっています。

SMFGに関しては特徴的で、累進的配当という事を歌っているんです。

”累進的”とは、少なくとも減らさずに出来る限り増やしていくというそういう方針です。

三菱とSMFGはかなり似ています。

一方でみずほは、安定配当を重視する株主還元方針と言ってますが、具体的な方針や数字には触れられていないです。

この中で一番配当が安定していそうなのは三井住友フィナンシャルグループではないかと思います

少なくとも減らさないという方針を示しています。

方針なので変わるか分かりませんが、これを見る限りそうです。

三菱UFJに関しては、同じような事を言ってはいますが、”配当性向”を掲げています。

配当性向というのはこれは利益に対する配当の割合なので、利益が減れば配当も減るという事になります。

目下、新型コロナの影響で利益が減る可能性が高くなっているので、銀行に限らず配当性向を掲げている企業は減配のリスクというのを持っていると考えた方がいいと思います。

一方でこのみずほに関してはもはや何の具体的な物も示していないので、これも経済状況が悪化した際には減配のリスクを頭に入れていかなければならないという事になります。

というわけで、私のおすすめは三井住友になります。

ここは経費率が3個の中で最も低い事もありまして、ビジネスとしては一番筋肉質だという風に捉えていますら。

最後に株価ですが、これは過去10年のチャートですけれども、10年前とちょうど同じぐらい、みずほに関してはかなりマイナスという事になっています。



過去10年利益もほとんど成長していなくて、またこれから先も成長はなかなか見込めない会社です。

したがってここで更に成長は望めないかなと思います。

ただ株価としては相当割安な水準にある事は確かなので、長期投資としては後はひたすら配当に焦点を絞った投資をするしかないという風に考えられる銘柄です。


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