【良品計画】無印良品がAmazon、楽天に参入!決め手は食品!今後の成長戦略と株価の見通しを解説します

YouTubeに動画をアップロードしました!

以下、文章化したものです。


今日お話しするのは無印良品を展開する良品計画についてです。

無印良品が5月の1日にAmazonに新規出店するという事を発表しました。

またそれに引き続いて6月1日に楽天市場にも参入するという事で話題になっています。

無印良品が戦略的に行ったようにも見えますが、実は止むに止まれぬ事情があって出店を決断しました。

Amazon、楽天へ出店せざるを得ない事情

無印用品というと独自の世界観を大切にしていて、それを維持する為に自社のショッピングサイトでしか、オンラインショッピングを行っていなかったんですが、この新型コロナを受けて、多くの店舗が閉鎖するという事態に陥ってしまいました

一方では、無印良品の物が欲しいというお客さんもいますから、ットに注文が殺到しました。

すると今度は注文が来たからには、それを捌かなければなりませんが、発送する為にどうしても人が集まらないといけませんので、物流センター自体が三蜜の状態になってしまいました。

これではただでさえ注文が殺到しているのに発送が遅れてしまうという事態に陥ってしまった訳です。

その事態を回避するべくAmazonや楽天の倉庫を借りて、ンラインショッピングのキャパシティを広げようという決断に至りました。

もっとも私はこの会社をずっと見ていますが、何故今まで楽天やAmazonに出店していなかったんだという思いの方が強いです。

お客さんのニーズは強いので、どこからでも簡単に買えるようにしておいたら、もっとオンラインを伸ばせたのではないかと思います。

今からでも全然遅くはないと思います。

というのも無印良品が今行っている戦略がまさにこのオンラインとマッチしているからです。

食品分野の伸び

この新型コロナウイルスによる緊急事態宣言下でも需要が大きく伸びた理由の一つに食品事業をというのが挙げられます。



2020年5月、首都圏ではこの期間ほとんど緊急事態宣言下でしたが、無印良品の食品分野を見ますと、実はオンラインストアまで含めると全店で前年同月比97.8%という事です。

一時的には半分以上の店舗が閉鎖したにも関わらず、月間で見た時に昨年の売り上げとほぼ同じだけ確保出来たという事なんです。

それは無印良品が主力としている商品を見れば分かります。

無印良品の食品の主力といえばレトルトカレー冷凍食品といった物があります。

これらは自宅で手軽に取る事もできて、しかもなかなか美味しいです

更に言えばレトルト食品というとどうしても体に悪いのではないか、これを子供に食べさせるのは忍びないというところがありますが、無印良品は「オーガニック」や「体に優しい」、そういったブランドイメージを重視しています。

そこが出している商品なら大丈夫だろうと良心の呵責に苛まれないという点に強みがあります。

新型コロナウイルスが流行する前もかなり力を入れていまして、例えば昨年度2020年3月期の業績なんですが、食品カテゴリーは右肩上がりに売上高が伸びています。



通期で見ても、年率20%以上に渡って食品分野の売り上げが、増えています。

無印良品のレトルトカレーというと1人分350円とレトルトカレーとしてはかなり高いです。

それでも年率20%を超える売上を出しているというのは、今後の無印良品の戦略の核になっていくのではないか私は考えています。



まだ食品の売上高というのは全体に占めてる割合は8.5%に過ぎませんが、ここが増える事によって、ますます事業を拡大するのではないかと見られます。

食品というと毎日使うものなので、毎日無印良品の食品売り場に行くとなればそのついでに小物や服なども買う事が考えられます。

なので単に食品分野が増えるという事ではなくて、他の物も合わせまとめ買いを行うニーズが生まれると考えられます。

業績悪化と大株主の売りで割安水準に

一方で業績はと言うと必ずしも奮いません。



売上高こそ青で示されたように、右肩上がりに伸びていますが、この赤で示された営業利益2018から2019にかけては横ばい、そして直近の2020年2月期にかけては大きく減らすという結果になってしまいました。

これを受けて株価も下がっているというところがありますが、実はこの増収減益という背景があります。

つまり増収減益というと費用が増えたという事なんですが、何故費用が増えたのかと言うと、まず物流投資です。

元々、ネットショッピングに対応する為の物流投資の物流センターやシステム投資を急いでいましたので、これらの投資が嵩みました。

また会計システムを世界全体で統一しようという事で、それに対する投資も膨らみました。

一時期システムトラブルなんかもありましたが、これも改変に起因しています。

更には人材投資、接客をあまりしないというのが主流になりつつある中で、逆にどんどん店舗に店員を配置する事で、よりお客さんのニーズに応えようという、そういう投資を行って来た結果、人材が店舗に対してかなり増えています。

その戦略が当たるかわかりませんが、これが一時的な費用増の要因になりました。

また店舗自体も増やそうとしていて、人材育成にもかなり力を入れていますから、この育成された人材が新たな店舗に配置されるという事になれば今後数年経った時にそれが花開くかどうかという事がわかります。

この業績悪化がこれらにより一時的な要因だという事を示すのがこのグラフです。



売り上げ高が伸びている中で、営業利益こそマイナスになっていますが、一方で売上総利益、つまり物を売ってそこから人件費、物流費などを引く前のものについては、ちゃんとプラスを維持しています。

つまり商品自体は売れていて、下手に値下げをして売っているという訳ではなく、あくまで投資の為に一時的なこの販管費が増えたので営業利益が減りました

一方で売上総利益は伸びていますので、商品の販売自体には問題がありません

しかし目先の営業利益が減ったという事になると株価にも反映されて、これは5年のチャートなんですが、ピークの4000円くらいからずるずると落ちて、更に中国に多くの店舗を持っているのでこの新型コロナショックで大きく下げて、更には新型コロナ直撃を受けて4000円から一時1000円というところまで落ちてきました。



これは確かに業績が悪化したというところもありますが、それだけではこれだけの下落は説明出来ません。

この下落を説明しているのが投資家の動きという事になります。

アメリカのファンドにキャピタルリサーチというファンドがあるんですが、この会社結構日本の会社にも投資していまして、良い会社を沢山買うという事をやっているファンドです。

もともとこのキャピタルリサーチが良品計画の株を15%程持っていましたが、今年に入ってからここにありますようにどんどん売りに転じました。

この結果株価も15%を持っている株主が売るという事なので、どんどん株が下がってきてしまいました。

一方でこのような大株主の売りというのは買い場を与えてくれるという事もあります。

株価が1000円まで下がった時には、類似企業の一つであるしまむらよりも時価総額が下がってしまうほど売り込まれていました

しかしそういった時こそ実は投資のチャンスなので、このAmazonや楽天への出店受けて、株価が上昇しつつあります。

つまりコロナショックからの回復というところもありますが、このコロナショックでの大幅な値下がりというのは見事な買い場を提供してくれた事になります。

現時点においてもこのピークを打った2019年2月期の業績に対するPERは12.4倍、比較的割安な水準に抑えられているのではないかと思います。

これまで説明してきたように良品計画の戦略は、食品分野を強化して、どんどんこの回遊性を高める事によって、全体の売り上げを底上げする可能性があるという事、更にはこれが日本だけではなく、今中国がおよそ3割の売上高を占めています。

日本中国、欧州といったところも頑張っていますが、この辺がこれまで投資した成果が出て花を咲かすという事になれば、今後も長期にわたる成長が期待出来る銘柄なのではないかと思います。

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