今週の下落は単なる調整だが、急落も意識すべき理由。予想できない相場で確かな2つの真実

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株価はとてもデリケート。緊急事態宣言が出ると上昇するのはなぜか?

上がったものは下がる、下がったものは上がる―これは相場における物理法則のようなものです。

先週までもう新型コロナウイルスなどなかったかのように株価は上がり続けました。最悪の失業率や黒人差別反対デモなどもお構いなしです。

なぜそのような状況で上昇するのか。それはすでに「予想外の事態」を市場が織り込んだからです。

株価は常に「予想」で動きます。それによって投資家の損得が決まるので、彼らは将来、そのまた将来の動きを考えて行動します。現在の株価は、様々な投資家の予想が均衡することで形成されます。

しかし、予想は曖昧で不確実なもので、簡単に変化します。同じ人でも昨日と今日の予想は違うことがあるくらいですから、まして数多くの投資家の均衡点はとてもデリケートです。これに「群集心理」が加わり、ときに株価は暴力的に大きく動くのです。

新型コロナウイルス感染症の蔓延は、大多数の投資家にとって「予想外」のものでした。そのため、株価の均衡点が急激に悲観に傾き、日経平均株価が一時17,000円を割り込むほどにまで売り込まれました。誰しも株価がすぐに上がるなどとは思えなかった時期です。

それでも、時間が経つとやがて冷静になり始めます。ウイルスの特徴やその対処法、政治の動きなど、予想できることが増えて来ると、楽観的な投資家も増え始めます。

このような状況下で、奇妙なことが起きます。日経平均株価は、4月7日に緊急事態宣言が出されると、それまでの一進一退から一転、上昇をはじめたのです。経済がストップすると明らかにわかっているのに、です。

【出典】Google

ここに、株式市場の本質が表れていると思います。緊急事態宣言が出るまでは「いつ出るかわからない」ということで予想が困難でしたが、いざ出てしまうと、その終了までが予想できるようになるため、株価は急遽そこまで「織り込んだ」のです。

その後、緊急事態宣言下でも株価はじわじわと上昇を続け、終了する頃にはさらに上昇を加速させます。普段の生活が徐々に戻ってくると、明るい方向性が見え始めます。投資家の予想はどんどん楽観的になり、さらには株価の上昇が楽観を呼び、さらに上昇の起爆剤となっていくのです。

上昇が上昇を呼ぶ―このように株価は自己増殖的な側面があります

上がった株が下がる理由―投資家は利益を我慢できない

新型コロナウイルスの影響を織り込み、(状況はなお最悪ながら)明るい兆しによって上昇を続けてきた株価ですが、今週は一転、下落へと転じています。

これは予想とは別の「心理」がはたらいています。これだけ上昇を続けると、動きの早かった投資家はかなりの利益が出ているでしょう。人間心理では、利益が出ているものを利確せずに我慢するのは難しいとされます。

利確を我慢できない心理は、太古の昔から培ってきた人間の本能に関連しています。目の前に食べ物が積み上がっていたら、そのままにしておくと腐るか、他の誰かに食べられてしまいます。そうなる前に食べてしまうことが、原始の世界では最も合理的な行動です。

今回も、状況が明らかに悪い中で誰かに食べ物を取られてしまう前に速やかに利確させてしまいたくなるでしょう。短期投資家なら、本能だけでなく戦略としてもそう考えるはずです。

そうして一部の投資家が売りに転じ、株価は下落するのです。これが、冒頭で「上がったものは下がる」と言った理由です。

ニュースで株価下落の要因として「投資家が第2波を警戒した」と言いますが、あれは単なる後講釈で、その裏には様々な思惑がうずまきます。投資家の考えは十人十色ですし、少なくとも売った人の反対側には買った人がいるので、彼らの思惑は異なることになります

予想できないことだからこそ株価は動く。だから予想は難しい

さて、これからの株価はどう動くでしょうか。

結論から言えば、私にもわかりません。株価は多くの投資家心理のデリケートな均衡点ですから、それを予想できるほどの能力を私は持ち合わせていません。

ただ、感覚的なことを言えば、今週の下落が本格的な下落につながるとは思っていません。これはあくまで利益確定が重なったことによる「調整」だと考えます。大きな流れの中での投資家心理はそう変わったようには見えません。

投資家心理が大きく動くのは、「予想外」の出来事が起きたときです。現在、世界中で経済封鎖の解除が行われつつありますが、これに水を差すような出来事、例えば急激な第2波の発生などがあれば本格的に下落傾向となるでしょう。

もっとも、予想できないこととなると、第2波などではなく、もっと違うところから出てくるかもしれません。ここで思いつくようなことならたかが知れています。

そのようなことが起きるかどうかすら、結局のところわかりません。したがって、考えれば考えるほど「株価は予想できない」という結論に達するのです。ここまで来ると、株価の動きだけを予想して勝ち続けるのがいかに難しいか、おわかりいただけるでしょう。

予想できない相場で確かな2つの真実

株価の動きが予想できない中で、高い確度で言えることが2つあります。それは、

  1. 利益が伸び続ける企業の株価は長期的に上がること
  2. 良い企業の利益は長期的に伸び続けること

です。

利益が伸びている企業でも、短期的な株価はアップダウンを繰り返します。しかし、年単位で見ればほぼ確実に上昇します。ニトリ(9943)など良い例です。

【出典】Google
【出典】マネックス証券

したがって、私たち長期投資家がすべきことは、利益が増え続ける企業を探し続けることに尽きるわけです。

もっとも、利益が増えても株価が将来を織り込みすぎていたら割高となり、持ち続けても得られる利益はわずか、またはマイナスとなってしまいますから、株価水準には気をつけなければなりません。(とは言え、良い銘柄はあまり下がらないので、安さばかりにこだわってもいけません。)

本当に良い企業を安く買うことができたら、あとは何をする必要もありません。株価は多少アップダウンするでしょうが、年単位では気にならないほど伸びるでしょう。どっしりと構えることが大切です。

目下、株式市場が不安定なことは間違いありません。何かが起きれば、また大きく下がる土壌だと思います。長期投資家にとっては、そのようなときほど絶好のチャンスです。良い企業に目をつけておき、下がったらしたたかに買い付けられるように、心と頭、お金の準備を整えておきましょう


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