【簡単】長期投資で買ってはいけない銘柄の5つのポイント。大失敗を避け投資家として1歩成長できる。具体的な銘柄を挙げて説明します【株式投資の基礎6】

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以下、文章化したものです。


今回は長期投資で買ってはいけない銘柄の条件を5つ紹介します。

なぜ「買ってはいけない」なのかというと、銘柄によって良し悪しがあり、「この銘柄を買うべき」、「この銘柄を買った方がいい」ということが難しいからです。

一方でこの銘柄を買ってはいけないというのは明確です。

長期投資の個別銘柄への投資という事になると、買える銘柄数というのはそもそも限られているので、買ってはいけない銘柄をひたすら除外していく作業になります。

今回はそういった観点から買ってはいけない銘柄の条件をお届けしたいと思います。

まず長期投資にふさわしい銘柄の条件といいますと安心して持ち続けられることが大切になります。

安心して持ち続けられる為には、事業が安定的に成長していること、経営者にちゃんと成長する意思があるということ、銘柄を自分自身が理解出来るということになります。

逆に言えばこれらの状況に合致しない銘柄というのは買うべきリストから排除しなければなりません。

継続企業の前提に関する疑義が付いている企業

『継続企業の前提に関する注記』というのが決算短信に書かれています。



これは監査法人が書かなければならないものです。

どういうことかというと、「この企業は生き残っていけないかもしれない事象があるので投資家の皆さんは注意してください」という内容のものです。

ここに挙げている銘柄でも皆さんご存知の銘柄もあると思います。

例えば小僧寿し大塚家具ジャパンディスプレイペッパーフードサービス、ニュースで取り上げられたような銘柄もいわゆる”危ない企業”の中に入ってしまっています。

もちろんこの中でも復活してまた株価が上がるような企業もありますが、そういった企業もこの注記が付いている以上安心して持ち続けるというのは難しいです。

もしこの中から上がる企業が出るとしても、一方では倒産してしまったり、上場廃止になってしまう企業もかなり出てくる事が予想されます。

わざわざそんな銘柄を特に初心者の方が買う理由はありません。

従ってここに書いてある企業というのはまず避けるようにしてください。

営業キャッシュフローがマイナス

キャッシュフローというのはお金の流れを示すもので、営業キャッシュフロー投資キャッシュフロー財務キャッシュフローという3つからなります。

営業キャッシュフローというのが事業でのお金の流れ。

投資キャッシュフローというのが投資に関するお金で、投資したお金が出ていくことになるので基本的にマイナスになります。

そして財務キャッシュフローというのが、お金を借りたり、配当を支払ったり、あるいは株式の発行による市場からの資金調達などの事です。

投資キャッシュフローは基本的にマイナスになるのでこれは何ら問題ないのですが、一方で営業キャッシュフローがマイナスという事になりますと、事業を続ければ続けるほどお金がどんどん出て行くという事なります。

皆さん想像してみてください。

家計がマイナスであると考えると、銀行の預金残高がどんどん減っていくことになります。

そんな状態で安心して生活する事はできません。

もちろんそれは事業でも同じで、お金が出ていく中でお金を借りたり、株式を発行したりしてなんとかお金を持ってこないことには生き残っていけません。

企業が倒産する時というのは決して赤字になった時ではなくて、金庫や預貯金からお金がなくなってしまった時に倒産してしまいます。

従ってこの営業キャッシュフローがマイナスというのは、その倒産が刻一刻と近づいている事になります。

具体的に見てみましょう。



これはマネックス証券の銘柄スカウターから抜粋した、大塚家具のキャッシュフローの推移です。

赤の棒グラフで示されたものが営業キャッシュフローです。

営業キャッシュフローが2016年からずっとマイナスになっています。

こんな企業はいよいよ危ないという事になります。

親子間の争いが問題になっていますが、そもそも、仕入れはしても全く売れずお金が出ていくばっかりになっていて、そんな中でどういった手を打っているのかというと、本来マイナスであるはずの投資キャッシュフローがプラスになっているところに秘密があります。

これはつまり土地や持っている資産を売って、なんとかお金が無くなるのを防いでいるということです。

また、財務キャッシュフローは外部から資金を調達したことを意味しています。

これは直近にありましたヤマダ電機から出資を受けたことによって財務キャッシュフローがプラスになっているということです。

つまり、営業キャッシュフローがマイナスであることは、お金を調達しないといつかは死んでしまうということを示しています。

ちなみに気をつけてほしいのは、普通の事業会社だったら危ないという事なりますが、一方でリース会社や銀行などの金融機関は成長していればしているほど営業キャッシュフローはマイナスになるものです。

例えば、成長している銀行は当然お金をどんどん貸していきますので、営業キャッシュフローがマイナスになってきます。

金融だけは別に考えてください。

営業利益率が低い

営業利益率が低いのには大きく3つの理由があると思っています。

競争力がない】

コモディティ型企業とも言われますが、誰でもマネ出来る簡単な商品を作っている企業は価格競争に巻き込まれてしまいます。

従ってどんどん安値にしないと物が売れません。

安値にするということはそれだけ利幅が減るということなので、その結果営業利益率が低くなってしまいます。

そういった企業は成長するのは難しく、将来的な財務不安がつきまといます。



【構造不況業種】

海運や鉄鋼などがこれにあたりますが、そもそも業界として衰退が続いている中で、色んな企業が過当競争になって、商品の価格が全然上がらず、利益が取れず、業界としてどうしようもなくなっているという所が挙げられます。

こういった企業は合併などによってなんとか生き残りを図ろうとしていますが、よほど数が減らない限り厳しいという事になります。

 

【慢性的なコスト高企業】

古くからの大企業などがそうなのですが、窓際で何もしていないおじさんが働いていたりして、無駄なコスト、人件費を支払っているということになります。

それでも何とか続いている企業でもやがては、競争に巻き込まれて厳しい状況になると考えられます。

もちろんそういった人をリストラする事によって、復活する事もありますが、無駄が継続して利益が下がっている企業というのはその間は投資するのが難しくなります。

具体例を挙げるとすると、川崎汽船です。



赤が営業利益率で、点線がゼロということになりますが、営業利益が現時点で0.93と非常に低い値となっています。

点線を跨いで黒字になったり、赤字になったりしています。

こういった衰退するよう構造不況に陥っているような企業にわざわざ投資する理由はありません。

借金・のれんが異常に大きい

企業を買収する際に、純資産より高く買ってしまった分がのれんとして計上されますが、のれんが大きいということはたくさん企業を買収していたり、あるいは身の丈に合わない大きな企業を買収した場合ということになります。

企業買収というのは事業を成長する為には必要ですが、一方では規模が大きくなる事を前提としていくら高いお金を払ってでも、買ってしまうということがあります。

一方でM&Aの成功確率は3割と言われるほど難しいものです。

これが失敗した時には貸借対照表にのれんとして計上してされていたものが一気に損失となり、急に財務危機に陥るような場合もあります。

ましてこの買収を借金を使ってやっていたとしたら、いよいよ借金ができなくなり、資金がショートしてしまう可能性があります。

その代表的な例がタケダです。

タケダはシャイアーというイギリスの製薬会社を8兆円もの金額をかけて買いました。

したがって、のれん・無形資産が8.2兆円あります。

それに対して有利子負債が5.1兆円です。

これだけ大きい買収額に対して、昨年度の純利益はわずか400億円しか出していません。

更には資本が4.7兆円しかありません。

なかなかあり得ないとは思いますが、のれんが全額損失として処理されてしまったら、資本がマイナスになって債務超過となってしまいます。

もちろん成功する可能性もあるので、一概にダメとも言えないのですが、あえてこのような企業を選ぶ理由もないというのが私の意見となります。

マイナス成長が継続

直感的にわかりやすいのですが、長期的に利益や売上が減り続けている企業というのはやはり何かしら問題があることがほとんどです。

利益が減る企業というのはどんなに知名度がある企業であっても、企業の価値を伸ばしていると言えず、それを持ち続けることは同じような衰退の泥船に乗っているようなものです。

こういった企業を避けることが大切です。

これは売上の推移を見る事でわかります。

マネックス証券の銘柄スカウター使えば、10年以上に渡る業績の推移が見られます。

これは東芝の業績の推移ですが、売上がどんどん右肩下がりになっていって、なんとか利益は維持していますが、時々大きな赤字を計上しているということからもかなり苦しい状況にあって、リストラが続いているということがわかります。

それでもなかなか立ち直れてない状況です。

こういった企業を敢えて私達が投資する理由はありません。


 


上記のような銘柄を避けることで大きく資産を減らしてしまう可能性を減らすことができます。

それを除いた上で私たちが投資すべき安心して持ち続けられる企業を探し出して投資することが私達の役割となります。

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