【超割安】オリックスの買い時はいつか?株価が下がっている理由と今後の業績見通しを解説します。バリュー投資家、優待投資家必見!

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以下、文章化したものです。


今回お話しする銘柄はオリックスです。

オリックスというと株価が割安で配当利回りも高くて、更に株主優待も素晴らしいという事で個人投資家にものすごく人気の高い銘柄です。

しかし、オリックスの株価は新型コロナショックで大きく下げた後、日経平均が上昇する中で上がらないという状況となっていて、個人投資家はやきもきしていると思います。

今回はこのオリックスがどんな事業を行っているのか、そして株価は今後上がる可能性があるのかについてお話ししたいと思います。

オリックスはどんな会社?

オリックスの事業は見ての通り非常に複雑なビジネスを行っています。

オリックスという名前はよく知られていても、その中身まで知っている人は少ないです。

オリックスは、企業に設備や機械を貸し付けてその貸付料を得るといういわゆるリース業のビジネスモデルから始まった会社です。

今ではそれだけではなくて、例えば不動産投資や事業投資、あとは海外でアセットマネジメント会社を買うなど、どちらかと言うと投資を中心としたビジネスモデルとなっていて、事業が多岐に及んでいると言えます。

その中でも特に多いのが海外という事になりますが、これは買収したアセットマネジメント会社、あるいは航空機や船舶などを世界中の航空会社に貸し付けるリース業を行うというビジネスモデルです。

リテールはオリックス銀行やオリックス生命など皆さんに比較的馴染みある会社があったりします。

メンテナンスリースは、レンタカーやカーシェアなどを行っていたりします。

簡単に言い表しますと金融寄りの商社と私は呼んでいます。

商社のように様々な事業に投資をして、その投資収益を得るというような形で事業を営んできた会社です。

その業績ですが、過去5年間を振り返ると、堅調でどちらかと言えば右肩上がりになっています。

ROEも10%を超えて平均より高い水準で、なかなかいいのでないかというところです。

なぜ株価が上がらないのか

一方で株価はといいますと過去1年のチャートで、赤が日経平均で青がオリックスなのですが、どちらもこの新型コロナショックで2月から3月にかけて大きく下げましたが、その後日経平均は戻っているのに対して、オリックスは上がらずむしろ下げている状況です。

決して割高ではなく、PERは5.5倍、配当利回りは5.8%で非常に高い水準です。

PERは割安で配当利回りは高いので、割安株や配当を目的とした投資家にとってはよだれが出るほど良い数字となっています。

また株主優待も素晴らしく、カタログギフトの中身が非常に豪華であると言われています。

株主優待と配当金を合わせた総合利回りは9.6%にも及び、非常に高い水準となっていて、個人投資家に人気となっています。

PERが低いとか、配当利回りが高い銘柄というのはそもそも株価が低いからこのような数値になっているという事ですから、何らかの不安があります。

業績が伸びていない衰退産業なのではないかというような事が考えられます。

しかし長期的な利益の推移を見ると、実はトータルで見て右肩上がりとなっています。

創業の初年度を除いて55期利益を出し続けている会社となっています。

業績も大丈夫でまさに今買い時なのではないかという考えが浮かびます。

では何故株価が下がっているかという事に着目します。

これは直近5年の利益の内訳で、濃い部分がベース利益、つまり常に得られる利益です。

薄い方が売却益で、会社などを買ってそれを売却して利益を得たりするのですが、会社を売るというのも結局は株式市場と同じようなもので株価の高い時に売れば高く売れますが、そうじゃない時は損が出るから売れなかったり、安い価格でしか売れなかったりします。

場合によっては持っているものが評価損、含み損になってしまうという事もよくあります。

従って売却益はここ5年では、比較的株価が高かったり景気が良かったりして、安く買った物が高く売れていたのですが、新型コロナによって景気が悪くなり、また株価が下がってくるとこの売却益が見込めなくなります

従って3分の1ぐらいの利益は幻になるのではないかという事ができ、もっと利益が下がるのではないかと投資家は見越しています。

また、新型コロナウイルスの影響というのは直接的な影響も甚大で、行っている事業を見ますと不動産運営や賃貸、ホテル、旅館と、言うまでもなく今外国人が少なくなり、もはやお客さんは入っていないという施設もあります。

それと、最近運営を始めたもので『コンセッション』と言って、 関西国際空港と伊丹、それから神戸空港という3空港を国からの委託で運営して、そこで利益を上げていましたが、海外渡航する人はおらず国内旅行も鈍っている状況ですから、ほとんど利用されていません。

当然利益を上げるのは難しくなっていきますから、今後損失が想定される事になり、いつ復活するかもわかりません。

航空機リースも同様です。

空港だけではなくて航空機も持っていて、航空会社に貸し付けて航空会社が飛行機を持っている限りその貸付料は貰えますが、その会社が倒産してしまったら飛行機は帰ってくるものの、飛行機を次に転売する先がなくて儲からない飛行機を持ち続けるという事になり、その間に機体自体も老朽化していったりします。

よって当面厳しい状況が続くだろうと考えられます。

レンタカーなども厳しい事になっていて、新型コロナが続く限り業績は厳しいと考えられます。

また株主還元について配当利回りが高いと言いましたが、5.8%という数字は実は昨年の配当に対する利回りという形で計算しております。

利益が減るという事は当然それに合わせて配当金額が減少する事になります。

どれくらい減少するかという事ですが、今回は配当性向を50%まで引き上げると言ってはいますが、一方で純利益は3000億円から1000億円までおよそ3分の1になるというような事が想定されています。

よって、通常30%程度の配当性向を50%に引き上げても、そもそも元となる純利益が減少してしまっていますから、トータルでやはり減配になってしまう可能性が高いです。

中間で約35円出したとしても、期末には限りなく無配に近い水準となってしまう事が計算されています。

従ってオリックスが目先株価が下落している要因は、一時的な利益の剥落、投資したものが評価損になってしまう逆回転が想定されるという事、それから事業そのものも新型コロナの影響は甚大であるという事、更には株価の支えとなっている配当も減配リスクがあるという事で株価が上がらない状況となっている訳です。

V字回復できるか

オリックスはいよいよヤバいのでは?と思われるかもしれません。

そこはオリックスも開示していて、ストレステストを行っています。

企業が本当にヤバくなるのはお金がなくなった時ですから、それを見ますと一応今期キャッシュフローの計算をして、1兆円手元に資金があると言います。

7000億円くらいはお金が入ってきて、一方で借金の返済が3000億円ぐらい、新たに5千億円を投資したとしてもまだお金が残るという計算をしています。

完全に鵜呑みにする訳ではありませんが、目先お金がなくなってしまうような状況でない事は確かです。

一方で想定されるのは、新規投資5000億円とありますけれども、こうやって事業自体が傷んでいますから、お金がなくて新規の投資が出来ない事になると今後数年から10年、業績は戻ったとしても上がらないという事です。

当然景気が良い時には投資事業などが復活してくるでしょうから、かつてリーマンショックで大きく利益が減少した後、一気に復活したようにV字回復というのも期待出来ます。

もっともここから先の伸びというのは今どれだけ投資を出来るのかにかかってきて、リーマンショック以上に手元のお金が厳しい状況である事は間違いありません。

コロナが続く限り厳しいということになるでしょう。

ただし財務状況はまだ問題ないので、その後のV字回復が期待出来るという事です。

この局面でどれだけ投資出来るにかかってきますが、リーマンショックと違ってそれほど余力はないかもしれないというのが今の状況です。

コングロマリット・ディスカウント

オリックスにつきまとう問題として一つ大事な言葉があります。

『コングロマリット・ディスカウント』という言葉です。

これはどういう事かというと、オリックスのように色んな事業をやっていると、何をやっているのかよくわからないという投資家の思いもあり、評価が難しくなってしまいます。

一個一個の事業がどれだけの価値があるのかをいちいち計算しなければならず、トータルで企業を評価する時は大体似たような企業と比べるものですが、オリックスに似た企業はあんまりないので評価が難しかったりします。

そうなると「よくわからない会社は買えない」という事で実体の利益や価値に対して、割安の株価が付いてしまうというコングロマリット・ディスカウントが生じて、その結果長期に渡って業績を伸ばしているにもかかわらず、PER10倍以下という水準が定着してしまっています。

リーマンショックの時ほど割安ではない

仮に業績を伸ばしたところで、PER10倍以上に上がらないとするとさほど株価は上がらないという事になってしまいます。

オリックスは今季の予想純利益が1000億円と出していて、そのPERの水準を計算してみると、今の1300円の株価に対するPERは17倍、安定収益2700億円から税金などを引いた時のPERはおよそ9倍、前期の純利益の水準に対してPER5.5倍という数字になります。

もちろん今期は最悪の状態でしょうから、それに対しては17倍でも割高とは言えないと思いますが、安定収益に対して9倍で、これまで10倍以下で推移してきた事を考えると、市場の評価は適正なのではないかと思います。

割安すぎるという事はありません。

リーマンショック前からの株価チャートを見ますと、リーマンショック前は非常に業績が好調で株価大きく上がりました。

しかし先程グラフで見た通りリーマンショックでものすごく利益が減少してしまうという状況になります。

一番低いところで170円というところまで下がりました。

この前年の1株当たりの利益が180円程ありましたから、PERで見ると1倍を下回るというとんでもない状況でした。

こういう時に買えれば今の株価1,300円で一番高いところで2000円超えるところまでいきましたから、見事にテンバガーも達成出来たことになります。

ただし今の株価を見ると妥当な水準と申し上げたように、リーマンショックの後みたいにものすごく割安な水準でもありません

更に言えば、今投資が低調になってしまうと、それまでのような業績の成長もなかなか期待出来ない事になります。

もっとも業績としては今ある意味「底」で、これからはどちらかと言うとV字回復が望めますが、その後はコングロマリット・ディスカウントによってやはりあまり上がりにくのではないかと想定されるのが大方の見方だと思います。

結論としては、当面は新型コロナの影響によって厳しい株価が続き、上がってもそんな急に爆増する訳ではなく、2倍程度が限度ではないかと思います。

また経営としては厳しい中攻め続けられるのか、お金がそれだけあるのかという事が大きな課題となってきます。

株価が上がらないと言いましたが、決してそんなヤバイ状況にある訳ではなく、これからも安定収益もありますし、新型コロナが終わればぼちぼち回復してくる事は考えられます。

そうなると、仮に一度配当が下がったとしても戻ってくるでしょうし、優待も引き続きあるでしょうから安定性は比較的あると思います。

配当利回りも高くてそれでいいという人は十分だと思います。

これが株価がもっと下がればかなり有利な投資になると思いますが、そこまで下がっていると言えないのが現状ではないかと思います。

コングロマリット・ディスカウントがある限り、なかなか上がらない銘柄ということにになります。


オリックスについて今後株価が下がったり、あるいはもっと積極的に投資を行える状況になれば、買えるような局面もあるのではないかと思います。

その時までまだじっくり待つべきだと思います。

ぜひ今後の動きに注目してみてください。

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