長期投資の買い時3つのサイン。私は新型コロナ・ショックにこう買い向かった。利益を出す秘訣を余すことなく公開します【株式投資の基礎10(最終回)】

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以下、文章化したものです。


今回は投資家養成プロジェクトの最終回という事で最も大切なお話をしたいと思います。

それが株をいつ買えばいいのかという事についてです。

正直これを上手くやるだけで損失を少なくする事が出来ますし、いざ株価が相場に乗って上昇した時には大きな利益を得る事が出来ると確信しているからです。

また逆にどんなに良い企業を選んだとしても買うタイミングを間違ってしまうと、利益を上げるのが難しくなってしまいます。

そこで、私達長期投資家が株を買うべきタイミングの3つのサイン、それと私が実際にどのようなタイミングで投資したのかという事を、新型コロナショックの事例を用いてお話しします。

どんなに良い銘柄でも買うのは「今ではない」

よくお客様から聞かれる質問で「この株を買いたいのですが…」というものがあります。

実際にその企業が魅力的な企業だったりして、企業自体は良いというお話はしますが、ただそこに付け加える事としては「買ってもいいけれど今ではない」ということです。

今が最適ではない可能性が高いという事をお伝えします。

何故かというと、どんなに良い企業であっても、相場全体が下がった時にはやはり株価も下がるので、長期投資は少しでも安く買った方がいいのは間違いなく、相場全体が下がるのを待った方がいい、というのがこの私達の基本的な考え方だからです。

長期投資の利益の源泉を説明しますと、よくウォーレン・バフェットの投資法で勘違いされがちですが、良い企業を買って持っていればそれでいいという言説が見られます。

確かに長い期間にならしてみればそうかも知れませんが、そういった企業を株価がやはり高い時、相場が過熱している時に買ってしまうとなかなか利益を上げる事が出来ないので、そもそも途中で投資をやめてしまう事も少なくありません。

逆に、買うタイミングさえ押さえていれば企業の選択はそこそこだとしても、比較的有利に利益を出しやすくなります。

長期投資の利益の源泉というところに改めて立ち返ってみますと、一つは企業の成長であるという事、もう一つは毎年得られる配当と再投資による複利効果である事。

そしてこれからお話しするマーケットの利用という事です。

「下がった時に」が鉄則

すなわち企業の成長というのは非常にゆっくりとしたものですが、一方で株価は毎日動きます。

この株価の毎日の変動を利用して少しでも安い時に買って、そして株価が少しでも高い時に売る事によって、企業の成長以上のリターンを挙げられる、長い目で見ればそういった結果を生むというのが長期投資の特色です。

具体的に図で説明します。

例えば市場平均の利益の成長や、あるいは純資産の成長といったのがこれぐらいのペースで進んでいたとします。

それに対して私達が良い企業を選ぶ理由というのは、ここから少しでも優良な企業(青線)を選ぶ事によって、長い目で見たら成長率の高い企業を選ぶ事が必要です。

しかし株価はこの直線通りには順調に進んではくれません。

相場に応じて、あるいは個別の企業のニュースに応じて上がりすぎたり下がりすぎたりといった事を繰り返します。(赤線)

したがって私達がすべき事は少しでも下がった時に、少しずつ、そして沢山良い企業を買う事によって、あとは持ち続ける事によって資産を増大出来るという事が言いたい訳です。

先ほど言ったようにとりあえず買ってただ持ってるというのでは、青の直線のような比較的緩やかな上昇しか描く事が出来なくなります。

また逆に株価自体もこの青の線に沿って進む訳ではないので、高い時に買ってしまっては長期で見た時になかなか利益を出しにくくなってしまいます。

だからこそそれを避け、尚且つ安く買う事でより損失を出す可能性も抑える事が出来るので、少しでも下がった時に買う事を心がけなければなりません。

実際に私もこれを始めた事によって損失をかなり抑えられて、含み益でいる事がほとんどになりました。

またリターンも大きく上昇してきました。

短期投資に挑むリスク

長期投資家のやり方を説明してきましたが、一方で短期投資家はこれとは異なっています。

短期投資というのは長期投資とは全く違うところで勝負します。

何故かというとこの株価というのは不思議な性質がありまして、常識的に考えられる価値を超えて上昇が上昇を呼んで、株価が一気に上昇するといった性質があります。

なので短期投資の人はそういったところで買いたがりますが、一方でその中で取引する人も株価が割高過ぎるというのは分かっていたりするので、誰が最初に一抜け出来るかという勝負になってしまいます。

そんな中で我々のような一般投資家が常に株価に張り付いていつ逃げるかというチキンレースをやっても、百戦錬磨の投資家にはなかなか敵いません。

そうやって高い時に掴んでしまって逃げ遅れて含み損でずっと続いてしまうというのは、個人投資家が失敗するメインのパターンです。

もちろんそういった刺激的な取引がやりたい人はやればいいと思いますが、有利とは言えないですしまた時間、あるいは精神力もすり減らしてしまいます。

私達はそういった勝負を避けて個人投資家に有利で時間をかけさえすれば、資産を増大させる事の出来る、こういった長期投資という勝負を選んでいる訳です。

ではいつ買うか

さて冒頭で説明した買いのタイミングという事を示したいと思います。

当然PERなどを見て割高割安というのはあります。

けれども相場全体が落ちた時は、どんなに割安で下値がないと思われていても更に下がるものです。

そのため、私達は相場全体が落ちて猫も杓子も売られた時に買うべきなのです。

そういったサインとしてもかなり一般的な話ですが、例えばNHKのニュース、あるいは一般紙のトップで株価の暴落が伝えられた時などは、非常に大きなチャンスとなりますし、また騰落レシオが75を下回るという時もチャンスになり得ます。

またこれは私の取引きでの話ですが、私が買う時は基本的に指値でやるようにしています。

良いと思った企業をその瞬間に買うのではなくて、そこから10%、20%下の価格のところで指値しておく訳です。

そうする事によって株価が下がってきた時には、自動的に指値が刺さるという事になります。

常にそういった指値をしていますがおおよそ難しいと思われていた指値に、刺さった時というのが多くの場合相場がかなり下落している時で買いのチャンスとなる事が多いです。

実際私はあまり株価を見る事はないのですが、こうやって指値をしておいていざ下がってきた時にはこの指値が、どんどん刺さっていきます。

そうなるといよいよ買い時だなと思って、その時だけは市場に集中して色々な銘柄に対して注文発注を出します。

過去の経験上、どんなに上昇局面だろうと、どんなに動かない相場だろうと、こういった局面が年2、3回は起きます。

私達はそういったタイミングをしぶとく待っている必要があります。

最近だと2月29日のコロナショックの報道がありました。

あるいは、これは月ごとのチャートですが、下ヒゲと言われる、下に1本長い線が出ている時というのが大きく下落した時です。

2014年頃から見ても下に大きく出ているのが年に数回あります。

私達が投資すべきタイミングは、年に2、3回のこういった下がった時という事になります。

逆に言えばそれ以外の時は特に取引をする必要はないという事になります。

特に私のやり方としては、例えば今年は100万円投資しようと思っていたら、先程説明したような大きな下落が来た時に、とりあえず30万円分買おうと思って、どんどんその金額分の発注をしていきます。

この騰落レシオとは値上がり銘柄数を値下がり銘柄数割った時で、これが同数になる時が100なのですが、これが75を割った時というのは先ほど説明したような年2、3回の大きな下落のタイミングである事が多いです。

また直近の新型コロナショックでは私もなかなか見たことないような、騰落レシオが50を割るというとんでもない数字になりました。

この騰落レシオが上がっている時ではなくて間違いなく下がっている時に、私達は投資をすべきという事になる訳です。

戦略を決め、したたかに準備を

しかし多くの人はこの下がったタイミングで買えない事が多いです。

その理由としてはまず恐れすぎという事があります。

まだまだ下がるのではないか、今買っても含み損になってしまうのではないかという事を恐れてなかなか買えない、あるいは逆にもっと下がるのだったらもっと下で買った方がいいのではないかという欲をかきすぎてしまう事によって買えないというパターンが少なくないです。

また企業を信用出来ていないということもあります。

私達長期投資家は、あくまで企業の成長やその企業のビジネスに投資をします。

したがって株価が上がろうと下がろうとそのビジネスがしっかりしていさえすれば一旦含み損になったとしてもやがて戻ってくると思えて、その企業を安心して持つ事が出来るのですが、その調査が十分に信用できていないという事になると、こういった下がって恐怖におののく局面ではなかなか買えないという事になります。

バフェットも、企業を買うからには株価が仮に50%下がったとしても信用出来る企業を買わなければならないと言っています。

また、そもそも戦略が定まっていないというのがほとんどの投資家に見られる事ではないかと思います。

上がった時に買うのか、下がった時に買うのか、あるいはこれからの株価の上昇に賭けるのか、下落に賭けるのか、それが曖昧な投資家が多いです。

この戦略を定めないと自分の行動も定まりません。

ある銘柄が上がると思って買ったはずなのにもうダメだと思って売った瞬間に、逆にから売りに転じるなど、長期投資家として訳のわからない動きをしている人も少なくありません。

それはもはや戦略でも何でもなくてただの博打に過ぎない訳です。

だから私達は決めなければなりません

上昇に賭けるのか、下落に賭けるのか、あるいは長期で投資するのか、短期で投資するのか、それを事前に決めてもし株価が上がったらどうするのか、下がったらどうするのかという事を決める必要があります。

私は長期投資に決めているので、だとしたら下がった時に買うというのが、有利なのは間違いありませんからそこに戦略を絞って投資を行っています。

『戦略とは捨てる事』と言われているので他のやる事を捨てて、自分はどの戦略を取ってどの投資法をやるのかという事を決める事が投資のスタート地点という事になります。

長期投資ではどうしたらいいのかという事はもう私の中では決まっています。

優良かつ割高すぎない企業というのを探して、あらかじめチェックしておきます。

それからもしその企業が下がったら買うという事を考えて、お金を準備して、そしてこの企業は本当に大丈夫か、いくらぐらいだったら買えるのか、今後この企業の未来はどうなりそうなのかという事を調べて、頭を準備しておきます。

また、下がっても買うんだという心の準備をしておきます。

そして先程説明したような年に2、3回の買い局面で買いに向かえばいいのです。

これを具体的に示したのがこの新型コロナショックの事例です。

私が実際に買っていたタイミングをお示しします。

株価は1月末から2月上旬にかけて一旦下がって、そこから更に2月後半、それから3月の前半にかけて非常に大きく株価下がりました。

しかし私は事前に下がったら株を買うと決めていました。

やばいところもありそうでしたが、その中でも生き残っていけるような確かな企業を選び抜いて、そういった企業に投資を行いました。

その結果、赤い丸で示したように下がった時に買うという事を実行しました。

正直ここで大きく買って、そこから更に下がって、いよいよ予算が足りなくなりつつあるなというところまできましたが、そうしているうちに逆に今度は上昇に転じて当然ここで買った銘柄というのは、今大きな利益を生んでいるという事になります。


とにかく「我慢」

さてこのシリーズも最終回という事になりました。

今回の話のまとめにもなりますが私が言いたいのはこの言葉に尽きます。

『投資の利益は我慢料』

邱永漢先生という人が言った言葉なんですがとにかく投資には我慢が必要だと、買いのタイミングを我慢する、今すぐ買うのではなくて下がった時を待って買うという事が必要です。

また一度買ったらその企業が伸びるまで持ち続ける我慢、これも必要になります。

最後の我慢が上がった時です。

多くの投資家は少し上がったらすぐ利益確定してしまいがちですが、そうすると大きなリターンを逃してしまうというのがほとんどです。

良い企業を持っているからにはその企業が考えられないぐらい割高になった時に売るというのが一番良い戦略です。

したがってわずかな利益で売ってしまうと、これほどもったいない事はありません。

今言ったような3つの我慢、買うタイミングの我慢持ち続ける我慢利益が出ても売らない我慢、この3つを続ける事によって投資のリターンは確実に上がるという事を申し上げておきます。

ウォーレン・バフェットも「株式市場は忍耐力のない投資家から忍耐力のある投資家に資金を移す場所」という事を言っています。

特に長期投資に関しての事だと思いますが、長期投資で求められる資質というのは我慢です。

これを肝に銘じて株式投資を行ってみてください。

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