「コロナ」「デジタル化」「金融緩和」は格差を絶望的に拡大させる!Appleは最高値更新。11月の大統領選は株価にどう影響するか?

Appleはコロナ禍でも最高値更新!旧来型企業との格差は開くばかり

日本そして世界中で新型コロナウイルスの感染者数が拡大を続けている中、日本株は冴えません。発表されている決算では空運、鉄道、百貨店などが壊滅的な影響を受けていることも明らかになり、日経平均株価は6営業日連続で下落しました。

【出典】株探

一方で、新型コロナなどどこ吹く風で上がり続けるのが、米ハイテク株です。直近で発表された決算では、GAFAM(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)がいずれも堅調な数値を発表しました。

特にここにきて目覚ましいのがAppleです。4-6月期の売上高は+7%、営業利益も+7%とプラスを維持しました。市場予想を上回ったことから株価は決算後10%上昇し史上最高値、サウジアラムコを抜いて時価総額世界一の座を取り戻しました(約200兆円)。

【出典】Google

これまでスマートフォンの普及とともに株価を伸ばしてきた同社ですが、コロナを追い風に受けてますます成長が止まりません。縮小を余儀なくされる「オールドエコノミー」との格差は開くばかりです。

「デジタル化」「金融緩和」「コロナ」は格差を絶望的に拡大させる

格差といえば、米国はますます格差が拡大する社会となりそうです。

失業率は10%を超え、多くの庶民が職もなく苦しんでいます。失業こそ免れたとしても、大部分の国民の給与は減り、住宅ローンの返済にも困る人が出てくるでしょう。

一方では、Appleのような「ニューエコノミー」の企業はますます儲かって仕方がありません。しかも、これらの企業は労働集約型産業ではないので、多くの人を必要としません。新たに失業者を雇うことにもならないのです。

デジタル社会では100人の平均的な労働者よりも1人の天才が大半の付加価値を生み出します。ハイテク企業は1人の天才に巨額の給与を払いますから、「アメリカンドリーム」こそ残っていますが、残る100人は仕事にありつけない事になりかねません。

デジタル社会は労働者間の格差をどんどん押し広げていきます

もうひとつの格差は、資本家と労働者の格差です。

リーマン・ショック後から続く金融緩和により株価は上昇を続け、新型コロナウイルスでさらに「おかわり」が行われていますから、資産価格は無尽蔵に増加しつつあります。

その一方で特別な才能を持たない労働者の給与は上がりませんから、「持たざるもの」はその恩恵を受けることができません。黙っていてもお金が増える資本家と、いくら働いても豊かになれない労働者の溝は決定的なものになりつつあります。

11月の大統領選は株価を押し下げる可能性

そんな折に行われるのが、11月の大統領選挙です。

トランプ大統領は新型コロナウイルスの拡大抑制に失敗し、国民の支持は離れつつあります。共和党の中にも反旗を翻す勢力があり、バイデン前副大統領率いる民主党が優勢と見られます。

選挙とは多数決です。新型コロナウイルスで豊かになった人と貧しくなった人とでは、明らかに後者が多いでしょう。そのため、選挙戦では「格差」を是正する政策が声高に叫ばれる可能性があります。

例えば、ハイテク企業に何らかの形で重税を課すようなことが言われれば、投資家としては不安を覚えざるを得ません。

リーマン・ショック後の2011年には「ウォール街を占拠せよ!」と富裕層や金融業界に抗議するデモが起きました。同じようなことがあれば、候補者は選挙で勝つために庶民寄りの政策を取らざるを得なくなるでしょう。

ただ、私はこのシナリオを悲観しているわけではなく、むしろチャンスだと捉えています。

一時的には政策に対する不安から株価は下げる可能性がありますが、ハイテク企業の強さが変わるわけではありません。仮に税率が上がったとしても、本当に強い企業はそれを補って余りある利益をあげてくるでしょう。

それで株価が下がるようなら、それこそ「買いの好機」だと言えるのです。

もしそうならなかったとしても、経済情勢は悪化の一途をたどっています。アメリカの4-6月期のGDPは-32.9%(年率)と、統計開始以来最悪の結果を記録しました。コロナが長引くほど、この影響は甚大なものとなります。

上がった株価はいつか下がります。それを忘れずに、私たちはしっかりとお金と頭、心の準備しながら次のチャンスを待ちましょう。

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