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以下、文章化したものです。
今回は新型コロナウイルス相場における逆張り投資について考えてみたいと思います。
今、新型コロナ禍を受けて、ITなどデジタル関連銘柄の株価はむしろ上昇しているという状況にあります。
一方で新型コロナの影響を受けたり、あるいは昔ながらの事業を行っている企業は目先の決算も悪かったりして株価はマイナスに作用しています。
目先の動きを見るとどうしても値動きの良いIT銘柄のようなところに投資してしまいがちですが、実はそれは株価に十分将来の見通し、将来の成長を織り込んでしまっていて、そこから先の伸びというものは限定的になってしまいます。
一方で、大きく株価が伸びるのはどちらかというと大きく売り込まれた銘柄のなかから大化け株が生まれることが多いというのは、過去を辿っても間違いない確かな事実です。
ウォーレンバフェットや個人投資家から人気の高いピーターリンチもそのようなことを言っています。
したがって今回は彼らの言うような逆張り投資についてどのような点に気をつければいいかという事をお話ししたいと思います。
好調なエムスリー、不調の三越伊勢丹、旨みはどっちに?
まず絶好調な銘柄という事でエムスリーを挙げます。
エムスリーは医療関係者向けのポータルサイトを運営している会社です。
医療という事で非常に手堅いニーズがあります。
また、お医者さんなどに対する広告のニーズも強くあり、この新型コロナ禍を受けて大きく株価が上昇しています。
一方で百貨店という旧来型の事業を行っている三越伊勢丹ホールディングスの株価は、年初からほぼ半額になっていて、見事に明暗が分かれてしまっています。
このような状況で、どちらに投資したら良いのでしょうか。
もちろん、エムスリーは非常に良い会社ですので今後業績を伸ばしていけば株価が伸びるという事も考えられます。
一方で株価としてはかなり割高です。
PERに関しては100倍を超えるような一般的に相当割高と言われる水準なので、もし仮にこれから好調な業績を上げ続けるとしても、もはや成長というのは株価に織り込まれていて、ここからさらに上がるというのは難しくなってきます。
逆に、三越伊勢丹ホールディングスは株価が大きく下がって目先の業績も悪いのですが、これが業績が戻って、みんながそれをに気づいて株価が上がり、今半分になった株価が元の状態に戻るというのはさほど難しくなかったりします。
このように、人々が買いたがらなくて、売りが売りを呼んでいるような企業の株に大きな旨味が隠れていたりします。
実際にウォーレン・バフェットもそのような手法をとっていて、例えばアメリカンエクスプレスという会社があります。
皆さんクレジットカードでご存じかと思いますが、この会社を引き起こした事件にサラダオイル事件というのがありました。
事業性融資という事で倉庫にサラダオイルがあるはずだとして、それを担保にお金を貸し付けていましたが、このオイルは実はよくよく調べてみるとなかったという事件です。
その不祥事を受けまして株価が大暴落してしまいます。
しかしウォーレン・バフェットはこれを見てチャンスだと思いました。
確かにこのサラダオイルがなかったという事はアメックスにとって大きな損失だが、今後も人々がアメックスを使い続けるであろうということを店頭まで見に行ってに確認し、今後も安心だという事でバフェットは投資を行いました。
その結果この不祥事を乗り越えてアメックスは再び成長路線、安定路線に戻ってきた事で2年後株価は3倍になって、バフェットは大きな利益を手にしました。
同じように最近の事例ではゴールドマンサックスへの投資がありました。
リーマンショックでリーマンブラザーズが破綻してしまいました。
リーマンブラザーズというのは投資銀行といって、ゴールドマンサックスは全くの同業な訳です。
したがって次にヤバイのはゴールドマンなのではないかという噂すら流れました。
しかしそこで金融機関が次から次に破綻してしまう事になると、これは世界経済にとって由々しき問題です。
したがって信用危機に瀕してここはもうバフェットにお願いするしかないという事で、ゴールドマンに出資してくれというお願いが来ました。
多くの投資家はこれを受けたがらないですがバフェットは、かつてからこの金融業界というのはよく知っていたので、このゴールドマンの素晴らしいブランド価値だったり、あるいはそこにいる素晴らしい人達というのを知っていたので、ここで最後の出し手という事で出資を行いました。
それが見事に功を奏して先日この新型コロナの発生した後のことですが、それでも株価は2.4倍になって出資した分の8割を売却したというような状況です。
このように何らかの問題が生じて大きく株価が下落した後に投資を行う事で、通常では得られないような大きなリターンを得る事ができます。
まさにバーゲンセールと言ってこれに投資するような人達を、バーゲンハンターと呼びます。
私もそのバーゲンハンターの一人だと思っていて、このような投資法をバリュー投資と呼んだりもします。
さてこの逆張り投資ですが、なんでもかんでも下がったものを買えばいいという訳ではありません。
それは少し口を酸っぱくして言っておきたいと思います。
逆張りのメリット
まずこの逆張りを行う理由ですが、良い情報はすぐ株価に織り込まれるという事です。
例えば今のような新型コロナショックで株価は大きく下げましたが、逆にナスダックに所属するようなIT企業のハイテク銘柄などは、すぐに上がってしまいました。
今から買ってももはやそこから株価の上昇というのは常識的に考えれば限定的という事になりますし、また上がりながらだと高いところではなかなか買いたくないと思う投資家はどうしても手が出せないという事になります。
その為もし買えたとしてもあまり沢山買えないという状況が起きてしまって、例えば何とか10万円買えたけれども、それが2倍になったところでプラス10万円にしかなりません。
一方で、悪い情報による株価の下落というのは結構長引きます。
リーマンショックも、発生してから4、5年程は株価が上がりませんでした。
逆に考えると、その間何度も下がったりしているので、銘柄に自信さえあれば安い期間でじっくり時間をかけて沢山買える訳です。
例えば10万円ではなく100万円1000万円と時間をかけて買う事が出来れば、それが2倍になったところで100万円だったら200万円、1000万円だったら2000万円という先程の10万円と比べると、かなり大きいリターンを得る事が出来る訳です。
このような点に逆張り投資のメリットはあるという風に考えます。
また、計算出来るというのも非常に大きいです。
確かにの株価の動きというのはなかなか計算出来るものではないのですけれども、年100円利益を生む株があったとしたら、その株を2年持ち続ければ元が取れてしまいます。
これがいわゆるPER2倍という事ですが、そのように株価の動きではなく企業の財務や生み出す利益、あるいは配当といったところから計算する事で、株価の動きを気にせずに、より投資した金額に対する収益率の高い物を選択していく事が出来ます。
しかしここで注意点があります。
それは本当にヤバイものには手を出してはいけないという事です。
新型コロナで売り上げが全く立っていない業種、たとえば飛行機、ホテル、飲食、こういったところはもう倒産してしまい兼ねないです。
いくら株価が戻るかもしれないと言っても、上々廃止やあるいは倒産してしまったら0になってそこから戻ってくる事はありません。
したがって財務状況を見ながら本当にヤバいところには絶対に手を出さないという事を心がけてください。
そして一時的な変動と長期的な変化というのを見極めなければならないという事です。
この新型コロナショックの特徴といえば在宅勤務、あるいはデジタル化といった事が進展した事によって、これまでじっくり10年20年かけて起こるような変化が僅かの期間に起きてしまったという事になります。
したがってそれまで時代の流れに付いていけなくて衰退してきたような企業はその衰退が加速しているだけという可能性があります。
別の動画でも説明しましたが、例えばキャノンは、オフィス用プリンターや複合機などが中心ですが、これはペーパーレス化やデジタル化といった流れに付いていけてませんでした。
この新型コロナショックで減益赤字となっていますが、元の業績に戻る可能性は低いのではないかと考えます。
逆張りと言いながら長期的に見ればあくまで順張りなのです。
長期で持っている以上その先に数年単位の中で何が起きるかわからない訳でその間に例えば業績が横ばいだったり、あるいは下がっているような企業だと、やはり業績の衰退に従って株価が上がる可能性は低くなってしまいます。
逆に長期で持つ以上成長するような銘柄を持っていれば、購入のタイミングもさほどを意識せずとも成長に従って、どんどん企業の価値が伸びて、それに従って株価が伸びるという事になります。
したがって長期で持つ以上この長期的な業績の推移というのは必ず確認しなければなりませんし、それがプラスになっている事が一番望ましいと言えます。
さて、これらを受けて私が逆張りとして参考銘柄3つほど挙げさせていただきます。
これらの銘柄すべて今買えばいいという訳ではないのですが、このような考え方をするんだという例として挙げます。
銘柄を選ぶ際、着目した点も3つあります。
一つは「シクリカル」というものです。
シクリカルというのは景気連動という事で景気に従って業績が上がったり下がったり、それに合わせて株価も上がったり下がったりを繰り返す銘柄の事です。
二つ目は「成長」です。
成長していながらも株価は一時的な業績の悪化や、相場変動によって下がってしまっているそういった銘柄も逆張りの対象となります。
三つめは「変化」です。
一見大して成長していなかったり、うだつの上がらない企業に見えるかもしれませんが、実は事業構成などが大きく変わっていたりする企業も珍しくありません。
この3点に着目して銘柄を3つ選ばせていただきました。
三菱ケミカルホールディングス~シクリカル~
一つはシクリカル銘柄という事で三菱ケミカルホールディングスです。
いわゆる”化け学”の会社ですが、見て分かる通りかなり利益が上がったり下がったりを繰り返しています。
これは、三菱ケミカルはあらゆる樹脂製ビニールやプラスチック、そういった物の原料を作っていて、原油価格の変動やあるいは需要と供給のバランスによって商品の価格が大きく変動して、それがそのまま業績に反映されてくる訳です。
特に景気が悪い時というのは需要が減りますので、それに従って業績が落ちます。
けれども逆に景気が良い時はの上昇しやすいという事になります。
この三菱ケミカル高い技術、高いシェアというのを持っていますので、上がったり下がったりを繰り返しながらどこかで必ず必要とされる銘柄である事は間違いありません。
この銘柄は1年ぐらい前に割安なのではないかという事で、お客さんからも聞かれる銘柄でした。
その時も配当利回りが5%以上だったりしてとても高く、一方でPERは10倍を下回るというような銘柄でした。
しかしその時は投資するのを待ってくださいという風に言いました。
というのも、投資家もわかっていてこれから景気が悪化したり、少なくともその時は景気が良いと言われていた時だったので、ここから業績が下がるとしたら当然株価も下がって、業績が下がるわけですからPERは高くなるという事を申し上げました。
見事にその通りになって株価はピークから半分以下という形になっています。
PERは逆に業績予想が下がっているので18.2倍と比較的高い数字なってしまっています。
しかしこのようなシクリカル銘柄というのは PERが高い時にこそ投資すべきです。
何故かというと今は平均のPERがあるとしたら、それよりも下に入ってる、つまりここに現れているPERというのは本来あるべきものよりも高い訳です。
この会社2017年から2019年にかけては一株当たり利益(EPS)は100円ほどを出しています。
それに照らしてみるとPERは6倍という事になりまして、かなりお得感があります。
もちろん景気の動向や原油価格の動向というのは読めませんが、やがて戻ってくるだろうという事を考えれば、世の中に必要とされる企業でもありますし、このような下落したタイミング、あるいはPERの高いタイミングで買うというのは一つおすすめ出来る訳です。
ミロク情報システム~成長~
次にお話しするのがこのミロク情報システムです。
会計事務所などを通じて中堅中小企業の財務システム、会計システム、あるいはその周辺のERPと呼ばれるものを売っている会社です。
業績は見事に右肩上がりになっていてここ最近の働き方改革、あるいは業務のデジタル化という流れに乗って業績を伸ばしてきました。
しかし直近ではこの新型コロナウイルスによって、営業がかけにくいという事もあって業績予想を落としています。
株価も山になっています。
これからも働き方改革などの流れに乗って成長すると思います。
中小企業は会計のデジタル化が非常に遅れているので、そのニーズを汲み取って今後も成長し続けると考えたら業績が悪化したタイミングというのは一つ買い時になるかもしれないという事が出来ます。
PER27倍となっていますけれども直近の最高益に対しては、およそ17倍ぐらいという事でめちゃくちゃ割安という程ではないのですが、成長性に対しては十分魅力のある価格になってきていると思います。
大和ハウス工業~変化~
3つ目は皆さんもよくご存知の大和ハウス工業です。
ダイワハウスと言うと戸建ての住宅を打っているイメージが強いですが、今や戸建ての住宅はもう売り上げの10%未満しか作っていません。
何を作っているのかというと賃貸アパートだったり、あるいは商業施設、倉庫などの施設だったりします。
住宅を比較的低コストで作るようなノウハウを身に付けて、それを事業用に応用して、例えばユニクロの店舗や物流施設などをを作っています。
案外ここに競合がいなくてその部分で高い利益率を上げています。
私もつい先日近くで工事をやっていてダイワハウスて書いてあったので、マンションでも建つのかなと思っていたらなんとそこにドラッグストアが出来ました。
そういったドラッグストアの建設などを担って、それらをどんどん作っているという事がよくわかります。
イメージとしては戸建て住宅が売れない、あるいは賃貸アパートなどもなかなか作れないだろうというような事から、イメージでどんどん下がっているというのもあります。
実際に業績予想も悪化する見通しを出しているので株価は下がっています。
商業施設の建設に関してはかなり強みを持っている会社と言えます。
今それに対してPERが15.7倍という形になっています。
直近のが一番良い時のEPS一株当たり利益というのが300円くらいあったので、それに対してはPER8倍程度とこれもまた割安な水準に入りつつあると感じます。
このような観点から何でもかんでも株価が下がっている銘柄だと良いというわけではないのですが、良い会社なのに株価が下がっているとしたらそれは大きなチャンスとなる可能性が高いです。
ぜひ皆さんもこのような株価と業績の間に乖離がある企業を見つけてみてください。
今そういった企業に投資出来れば5年後10年後にはきっと大きなプラスをあなたにもたらしてくれるはずです。
相場の格言にも『人の行く裏に道あり花の山』という言葉があります。
このように逆張りというか裏張り、つまり人が見過ごしてしまうような素晴らしい銘柄を見つけて、それに対して勇気を持って投資を行うという事が報われる可能性が高い訳です。
皆さんも是非このような考えを持って投資を行ってみてください。
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