【投資の法則】新型コロナ相場で損切りした3銘柄。長期投資なのになぜ損切り?投資がうまくなる考え方

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以下、文章化したものです。


今回は正直あまりお話ししたくない内容ですが、2020年上半期すなわちこの新型コロナ相場において、私がやむなく損切りした銘柄を3つお話ししたいと思います。

株式投資をする上では、何を買うかという事ももちろん大事なのですが、どの銘柄を損切りするかというのはそれ以上に大切と言ってもいいほど重要な事です。

世の中が変わってしまった!

まずここまでの日経平均株価ですが、2020年に入るまでは好調で高値圏で推移していました。

しかしこの2月、3月と新型コロナショックを受けて株価は大きく下落しましたがその後は上昇しています。

ただしこの上昇は必ずしもすべての銘柄が上昇した訳ではなくて、ハイテク株やコロナが追い風になるようなスーパーやホームセンターなどといった銘柄が上昇してきて、それ以外の銘柄を上がっていない、いわゆるK字型回復です。

これからまた戻るだろうと考えられる銘柄はもちろんそのまま持ち続けていて構わないのですが、この新型コロナショックを受けて世の中が大きく変わってしまいました

バフェットも航空株を損切りしましたが、「航空会社にとってこの新型コロナによって世界が変わってしまった」という発言をするほど、状況が大きく変化してしまいました。

このように前提が大きく変わってしまうと、それまで良い銘柄だと思って持っていても、そこは頭を一回リセットして、難しいと考えられる銘柄は売却しなければなりません。

バフェットの言うように航空株にとっては新型コロナが収まったとしても、今後3年から5年、場合によっては10年ぐらい気軽に海外旅行なんていけない状況にもなりかねません。

そういったものは、たとえ損が出ていたとしても潔く売ってしまう事が投資家に求められる行動です

FPG

そんな中で私が損切りした銘柄の一つ目がFPGです。

あまり耳慣れない会社かと思いますがどういった会社かというと、いわゆる節税商品を販売している金融会社です。

いわゆる証券会社のような役割を果たしているのですが、FPGは投資家を集めてそこから資金を募ってその資金で飛行機を買う訳です。

その飛行機を航空会社にリースするという事になる訳ですが、ここで投資家はその資金で航空機を買ったという事になるので、減価償却費を受けられます。

税金に詳しい人ならわかると思いますが、減価償却費を計上する事が出来れば、その決算期の損失になる事から税金を抑える事が出来ます。

特にこの航空機リースなどの商品は買ってすぐ買った分だけが損失として計上されます。

例えば今年3億円の利益が出るとしましょう。

そこで3億円の商品を買うと3億円がいきなり損失として計上して、決算としては利益ゼロとなるのでその期に関しては法人税を払わなくて済みます。

もちろんその3億円というのは全くなくなってしまうわけではなくて、やがてほぼ全額が帰ってくるような商品ですから実質的に損失を被るという事はほとんどありません。

そのような銘柄を何故買っていたのかというと、資本効率がものすごく良かったからです。

ROEで見た時に40%以上というとてつもないに高い数字を出していましたし、また配当も手厚く配当利回り6%以上という魅力的な水準でした。

直近では景気後退への懸念から利益が今後上がりにくいのではないかという事で売られていたのですが、それに対してPERは10倍程度と、景気が後退すると節税のニーズというのは減ってしまうかも知れないので厳しいかもしれません。

ただ景気が回復する局面ではやはりそのニーズは増えて、業績が伸びるという事が考えられます。

そういった観点で私は持っていたのですがやはりこの新型コロナショックで、世界が全く変わってしまいました。

先程も説明した通り、航空機のリースをやっています。

海外旅行にほとんどいけないので、成田空港の利用者は99%減といったとんでもない状況になっています。

これによって例えばこの持っている飛行機が全額損になってしまうとか必ずしもそういう状況でないのですが、少なくともFPGは航空機によって、新たな飯の種を作る事が今後出来なくなってしまいます。

同時に景気の悪化というものにも襲われてしまう訳です。

そうやって今後まともな営業が出来ないという事になると、仮に5年後10年後元に戻ってきたとしても、その間に人材の流出や、ビジネスモデルが壊れてしまうというような事が起きてもおかしくありません。

更に配当に関してはDOE、すなわち純資産に対して何パーセントという配当を支払う事を約束していたはずなのですが、純資産に対してという事ですからほぼ固定配当です。

しかし状況が大きく変わったという事で結果的に減配するという宣言をしてしまいました。

配当利回りが高かったから持っていても問題ないと思っていたのですが、そこで減配されてしまってはもはや何ひとつ持っている理由がありません。

その結果、それまでの買値がおよそ1000円くらいでしたが、底で売るという事はなかったものの、結局550円といったところで損切りしました。

売ったお金でより良い、今後期待出来る銘柄に乗り換えていこうと考えました。

ヨシックス

2つ目の銘柄がヨシックスです。

ヨシックスといえば知ってる人はいるかもしれませんが、や台ずしニパチなどの居酒屋をやっている所です。

このや台ずしというのが特に評判が良くて、非常に安いのにネタ自体はものすごく良いものを提供していて、ちゃんと職人が作っているという事で、寿司好きや一人飲みなどの少人数で飲む人にとって、とても人気が高かった訳です。

ここはもともと建築から始まった会社でして、そのノウハウを使って少しでも安く店舗を作る事によって、コストを下げて安い価格で提供しても、十分に利益が出るというような戦略を立てていきました。

それでお客さんどんどん来ていたので、業績も右肩上がりに伸びて店舗も増えていました。

しかし居酒屋なので新型コロナでは一番目の敵にされてしまうような業態でした。

実はそれまで買っていなくて下がったら買おうかなぐらいに考えていて、指値をしていたのですが1月の末ぐらいに少し下がったところで、2600円ぐらいで指値が刺さって買えた訳です。

1月末というともちろん新型コロナは認識されていたのですが、そんな深刻な事にはならなそうな雰囲気でした。

しかしその後深刻化するにつれてみるみる株価が下がって、3月頃になるとなんであの時買ってしまったのだろうというような思いが渦巻いてきました。

もっともこの3月というのはもう何が何でもどんな銘柄でも、全て売られるというような状況なのでこういった時に慌てて焦って売ってはいけません

それこそ一番底で売ってしまうという事になります。

株価は下がるにしても上がるにしても短いスパンの中で、上がったり下がったりを繰り返すので仮に今長期的に厳しくて下がるにしても、やがてリバウンドがあるはずだと考えて、ここで焦って売る事はありませんでした。

その後株価が徐々に回復するに従って、この2000円超えた辺りでやむなく損切りをしていきました。

結果的にその後一旦大きく上げましたがやはり厳しいという事で、株価はそれ以下に下がっています。

以前の判断にこだわらずに、状況が変わったら素早く動くということも投資家にとって大切な事になります。

ロイヤル・ダッチ・シェル

さてもう1つの銘柄がロイヤル・ダッチ・シェルです。

これはアメリカのADR銘柄ですが、これもかつて買っていた事はありますが今現時点で持っている訳ではなくて、この新型コロナショックを受けて、むしろ買い始めた銘柄です。

原油価格が徐々に下がってきていたところでした。

ここも何より配当が良かったのです。

株価は原油価格に連動する銘柄なので原油価格そのものに投資するというのは私のポリシーではありませんのでそういった事はしなかったのですが、ただ事業としては石油メジャーと言われて盤石の基盤を誇ります。

しかも石油の事業というのは世の中で何かしらあるというのは間違いないので、それで配当が非常に手厚くて配当利回りは10%に近いというような状況でした。

配当さえ減らなかったら10%利回りをずっと受け続けられるという事になったので、ものすごく美味しい案件だと思いましたし、また何よりこのロイヤル・ダッチ・シェルは80年以上も減配していないというとんでもない銘柄でした。

株価が下がり始めた40ドルぐらいから買い始めて、そこから更に半減の10ドルぐらいまで下がりました。

この20ドルの時には利回りとしては20%近いという状況だったので、むしろこの新型コロナで株価が下がる中で積極的に買い集めた銘柄でした。

ところが、しばらく経って株価も上昇し、後は配当を受け続けるだけ思っていたのですが、ここで経営陣が方針を翻しました。

新型コロナでどうなるか分からないのでここは安全策を取って、配当を1/3に減配するという宣言をしました。

正直これには驚きました。

私は基本的に成長する銘柄に投資したいと考えていますが、ここの株価というのは原油価格連動という形になります。

それで配当がないとしたらもはや持っている理由はないと考えて、減配が出た瞬間に成り行きで売ってしまいました。

その時が32ドルぐらいでしたがこれは損切りというより、安く買っていましたからほぼトントンで売れたので損失にはほとんどなりませんでした。

結局その後株価は下がり続けて今28ドルという数字になっています。

多くの投資家は原油価格の先行きについてもを不安視しているという事になります。

状況で「良い銘柄」は変わる。売った資金でより良いポートフォリオを

このように私は長期投資を行っているので、良い銘柄を安く買うという事を心がけていますが、非常に難しいのが良い銘柄がいつまでも良い銘柄であるとは限らないという点です。

それは外部状況の変化によってもそうですし、また経営の方針などによって良い銘柄でなくなるという事もあります。

例えばこのクックパッドという銘柄がありますが、ここは名前の通り料理レシピサイトのクックパッドを運営して、更に結婚式場やそのようなさまざまな情報をサイトを運営する事によって成長を目指して株価は大きく上昇していたのですが、そこへ一旦は退いた創業者が帰ってきました。

すると全く株主の方を向いていないような経営を、どんどん推し進めてみるみる株価が下落していきました。

経営の変更というのをそこで察知していち早く売らないと、ピークの10分の1すなわち逆1テンバガーを達成してしまっています。

良い銘柄であっても駄目だと判断したらすぐ売ることが、投資家にとって求められる行動です。

それで決して終わりではなくて、売ったらそれなりに資金が戻ってくるので、その資金で今後成長するより良い銘柄に入れ替え、そしてこれを繰り返す事によって、ポートフォリオを少しでも良い状態にするというのは投資家としてするべき行動になります。

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2 件のコメント

  • 株式のecqtないようがとてもわかりやすく楽しみに見ています。
    EB債の仕組みが入った債券で大火傷をしました。
    証券マンは自分の立場を優先する人ばかりなのでしょうか?
    栫井さんのYouTube沢山見て学んでいます。
    又、昨今はやりの?、投資の学校等もインチキな所が殆どで、欧米のように経済投資の学びが、日本は遅れていますね❗

    ポストあべ、菅さん1年頑張れるでしょうか?

    コロナ収束しても、しなくても暴落に気を付ける、サイト興味深く拝見しました。
    応援しています。

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