落ち着きを見せるコロナ…相場は今こそ危険!?
相場は上がる理由しかないときに下がりはじめ、下がる理由しかないときに上がりはじめる
確かこんな格言があったと記憶しています。楽観に包まれているときが天井で、悲観でどん底のときが底だという意味でしょうか。
悲観のピークを迎えた3月は、ウイルスの脅威は全く未知のものであり、ニューヨークがロックダウンに入る直前が相場の底でした。その後急激に回復した株価は、いまだ「二番底」を見ていません。まさに「下がる理由しかないときに上がりはじめた」のです。
目下、新型コロナウイルスの感染拡大はピークを超えたようにも見えます。インドなど特定の国では増加していますが、アメリカでは新規感染者数が減少傾向です。死亡率も低下していることから、この感染症への対処方法が徐々に明らかになってきたように見えます。
日本でも、秋の連休を前に東京都が「GoToトラベル」の対象に追加されるなど、コロナは過去のものになりつつあります。皆さんも、つい気を緩める場面が多くなってきたのではないでしょうか。ワクチンに関しても、臨床試験の中断というニュースこそ入ったものの、順調に進んでいるようです。
しかし、あえて言います。危険なのはこのような時です。
相場は、未曾有の金融緩和とデジタル化を前提としたハイテク株への期待から大きく上昇してきました。そこへ、感染対策の見通しが立ったということなら、向かうところ敵なしのようにも見えます。
まさに「上がる理由しかない」のです。冒頭の格言に戻ると、今こそ投資家が最も気を引き締めなければならない時ということになります。
最後の一人が相場に参加する時
なぜこのようなことになるのでしょうか。一つには、相場は好材料を少しずつ織り込むからだと考えます。
投資家は基本的に慎重な生き物です。好悪材料が入り交じるなかで、なかなか好材料を織り込もうとはしません。しかし、その中で少しずつリスクを取ろうとする投資家が増えると、徐々に株価は上がり始めます。
やがて株価の上昇が呼び水となり、一人、また一人とリスクを取りにいきます。そして、悪材料がほとんど見えなくなったころに、最後の一人が相場に参加するのです。
最後の一人が買った後は、もう新たに買う人がいない状態です。そして、最初に買った人から順に利益を確定しようと売りに回ります。株価は需給で決まりますから、買う人がいなくて売る人が増えると、もう下がるしかありません。
やがてチキンレースがはじまり、相場の急落が訪れます。これが、「上がる理由しかないときに下がりはじめる」顛末です。
拡大する経済の「未知」の領域…リスクを忘れていないか?
もう一つ、楽観的な雰囲気の中で株価が下落しやすい理由は、リスクが見えにくくなっているからでしょう。
株価が上がると、人は上がっている理由を探したくなります。自分が買いに回っていたらなおさらです。そして、上昇が続くと頭の中は上がる理由で埋め尽くされ、下がるリスクは片隅に追いやられることになります。
これまでの流れを思い出してみましょう。3月には、ロックダウンを前に経済への影響が強く懸念されて株価が下落しました。しかし、その後は金融緩和とハイテク株への期待から株価は上昇しました。
直近では、ハイテク株などほとんど含まれていない日経平均株価も「コロナ前」を回復しています。経済への悪影響などどこ吹く風です。
しかし、経済は明らかに蝕まれています。飲食店は次々に閉店し、本格的な旅行も再開の目処が立ちません。GDPは空前のマイナス成長を記録しています。
まだ政府支援によって目立った倒産は起きていませんが、これがいつまで続けられるかは誰にもわかりません。コロナが落ち着くことにより、財政への影響を懸念する声も出てきています。そもそも、各国政府は過去に経験したことのない出費や緩和を行っていますから、経済がこれからどうなるかは予測もつきません。
リスクとは「未知」のことです。コロナが「既知」となりつつある一方で、経済の「未知」の部分は日に日に拡大しています。これを市場が認識した時、再び嵐に見舞われる可能性は小さくないでしょう。
台風はまたやってきます。いつでも備えを忘れないようにしましょう。
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はじめまして。
株以外にも債権を含めた長期分散投資を目指しているのですが、ほぼ初心者です。
偶然、HPを見て、コロナ下で何となく不安に思っていたことが腹に落ちる感じがしました。
日本株と米国株、提供情報の比率はどのくらいなのでしょうか?(日本株には興味がありません)
指示されたものを買うのだけでなく、選び方や判断の基準、数値の見方など知りたいと思うのですが英語ができないのと日本と米国では違うように思うので。
英語ができないのに米国株に集中投資するのですか?