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以下、文章化したものです。
今回はソフトバンクグループについてお話しします。
ソフトバンクグループがオプション取引によって、アメリカのハイテク株を取引していたという事が市場で話題になっています。
これがこの8月株式市場が大きく値上がりする要因となったとも言われていますが、更にこれについて私が深く調査を進めた結果、もしかしたらとんでもないやばい事実に辿り着いてしまったかもしれないという状況になっています。
「オプション」とは
まずこのニュースです。
『ソフトバンクグループ米ハイテク株、オプションを1ヶ月に「大量」購入』という報道がありました。
この8月の1ヶ月でおよそ4000億円分のオプションを購入したという事が報じられています。
これとは別にソフトバンクグループが現物でアメリカのハイテク株を4000億円ほど購入していたという事が、開示資料から明らかになりました。
それとは別にオプションを4000億円買ったという事になります。
どういう事か、まずオプションの取引というのを簡単に説明します。
オプションというのはいわゆる金融デリバティブ商品の一つなんですが、単純に株を買う場合には上がったり下がったりするだけなんですが、オプションというのはその価格によって、損益の図が変わってくるものになります。
ソフトバンクが買ったのはこのコールオプションの買いというものですが、損益図としてはこういう形になります。
どういう事かというと、このオプションの価格100ドルというのは、100ドルをソフトバンクが金融機関に払い、特定の価格で株式を買う権利を得るというものです。
つまり、この権利行使価格が1000ドルだとすると、1000ドルを超えたら自分で選んでこの権利を行使してこの株を1000ドルで買いますという意味を表しています。
例えばテスラのオプションを買ったとします。
テスラの株価が2000ドルになった場合は、その2000ドルの株を1000ドルで買える事になるので、これでオプションが100ドルを引いた900ドルがまるまる利益になります。
手元には2000ドルに値上がりしたテスラの株式が残ります。
一方で、1000ドルよりも上がらなければソフトバンクは権利を行使する事はないので、最初に支払った100ドルがそのまま返ってくる事はなく、100ドルの損失が確定するという事になります。
損益図で表すと株価が一定のところまではずっとマイナスなのですが、この権利行使価格を超えたらあとはひたすらプラスになるという事で、例えばこの2000ドルになった場合を考えると今1000ドルで買って、これが2000ドルになったとしても2倍になったという事ですが、このオプションを使えば100ドルの原資で900ドルの利益をあげる事が出来る、本来2倍だったところが9倍の利益を上げられるという事になります。
いわゆるレバレッジ商品です。
ただし下がった場合の損失も限定されるので、これが損失限定のレバレッジ取引という事になります。
損失が限定されるならそれでいいのではないかと思うかもしれませんが、ここに落とし穴があります。
例えばソフトバンクのように4000億円を買っていたら、これが1000ドルを超えなかったとしたら、その4000億円は丸々損失になってしまいます。
つまり株価下がらなくても上がらなかったというだけで、4000億円損してしまう可能性があった、それほどリスクの大きい取引をソフトバンクグループはやっています。
オプションの仕組みを理解するのは難しいのですが、とにかくソフトバンクはこれほど危険な取引を行っているという事はまずご理解頂ければと思います。
ソフトバンクのオプション取引が相場全体を押し上げた?
このソフトバンクの4000億の買いというのは通常では考えられないほど、巨額のオプションの取引でした。
これが相場全体を押し上げたとも言われていて、その仕組みをこれからご説明いたします。
まずこのサラリーマン風の人が金融機関だと思ってください。
ソフトバンクグループにオプションを販売しました。
金融機関としては先ほど説明したように100ドルで売ったすると、一旦は100ドルは丸々利益になります。
そして株価が上がらなかったら確実にノーリスクで儲けるという事になりますが、一方では先ほどように株価が上がってしまうとそれを売った金融機関は、ソフトバンクと反対の損益という事になるので、損失が今度は青天井になってしまうという事になります。
しかし金融機関は潰れるわけにはいかないので、損失を抑えるためにもし株価が上がった場合に損を抑えられるようにしようと思うと、現物株を持っていれば株価が上がった分その現物株が上がって相殺されるので、先ほど売ったような現物株を買うという事になります。
ちなみにオプションというのはレバレッジ取引なので、先ほど4000億をヘッジしようと思ったらそれを10倍ぐらいの株を買わないといけないという事になります。
先ほどのオプションの反対側にある株式というのを、市場でどんどん買っていかなければならないという事になります。
その結果、Amazonやテスラ、ネットフリックス、グーグルといった、ハイテク株を金融機関が買わなければならないという状況になって、この8月にコロナ禍において、株式事情が不安視される中でどんどん押し上げる要因の1つになったのではないかと言われています。
独自の分析で見えた「ヤバい」実態
ここまではニュースなどでも取り上げられている話ですが、ここから先は私の独自の分析です。
ソフトバンクグループといえば、パソコンソフトの販売、あるいはパソコン情報誌などの販売という事で成り立った会社ですが、やがてアメリカのYahooを借りて、日本でYahooを立ち上げようという出資から始まっていて、更にYahoo BB、つまり日本に高速インターネット普及させようという事を頑張ってきて、同時にインターネット革命を起こそうと非常に頑張ってきた会社でもあります。
ボーダフォンを買収して携帯電話に乗り出してインターネット革命を推し進めてきた、日本におけるITの貢献者である事は間違いありません。
しかしある時大きく風向きが変わりました。
それがアリババへの投資です。
孫社長が当時のアリババの社長にこういった事業立ち上げたいという話をされたら、ポケットマネーから多額の投資をして結果的には、そこで出資した物が何百倍にも化けて多額の利益を上げる事になりました。
そこから孫社長のマインドが変わってきたと思います。
インターネット革命をせっせとやるよりも、こうやって投資をした方が一気に儲けられると考えたのではないかと思います。
やがては10兆円ファンド、いわゆるソフトバンクビジョンファンドを立ち上げていくのですが、それが必ずしもを上手くいったという訳ではなくて、最近ではWeWorkや、OYOなどそういったものに投資して、実は中身のあまりないような会社だったりして、損失を被っていたりします。
この新型コロナショックでもそれが顕著に出て、一時期大きく評価を下げました。
しかしそれにも懲りずに直近ではこの投資運用子会社を設立することまで行っています。
これは余剰資金の運用とアセットの多様化という事、およそ資本金600億円というところでやっていますが、投資対象を見てください。
主に流動性の高い上場株式等という事になっています。
ソフトバンク孫社長の元々の目的はインターネット革命を起こす事だったと思います。
実際にそれを成し遂げてきましたが、それが例えばビジョンファンドでベンチャー企業に投資するという事であれば、なかなかお金の周りにくいところに、資金面で手助けをしてインターネット革命を加速させるという言い訳は出来ましたが、一方で上場株に投資するとなると話が変わってきます。
まずその上場株への投資ということは市場で買うという事なので、企業そのものに直接お金が周るという訳でもありませんし、上場しているような企業だったら何もしなくても自分で羽ばたける会社だったりします。
そこにわざわざ会社を立ち上げて投資するというのは、今の本来のソフトバンクのあるべきインターネット革命というところからはかけ離れてしまっているのではないかと感じます。
ましてこのオプションというレバレッジをかけた取引を行っているというのは、本来のソフトバンクの姿からはもはや考えられない状況となっています。
ソフトバンクの役員一覧を見るとこんな人がいます。
ラジーブ・ミスラという取締役副社長で、この人がファンドを取り仕切っている状態という事になっています。
実はこの人の評判があまり良くなくて、ウォールストリートジャーナルの記事ですが、『ソフトバンクファンド責任者、出世の陰に妨害工作』と、このミスラ氏はメリルリンチやドイツ銀行など金融機関を渡り歩いてきた人でバリバリのエリートではありますが、この人は孫社長とは10年以上二人三脚でやつてきています。
ソフトバンク社内での出世の為にライバルに対して、いくつもの妨害工作をしてきたという風な記事が出ています。
それはライバルに対してよからぬ噂を流したですとか、かつてソフトバンクの副社長として招かれたニケシュ・アローラさんという同じインドの方に対して、ハニートラップを仕掛けようとしたという事も報道されています。
ソフトバンク自体は否定していますが、火のないところに煙は立たずなのではないかと思います。
これが直接影響したかどうかは分かりませんが、2016年にはアローラ氏は退職に追い込まれています。
更に最近ではビジョンファンドの幹部が2月に退任したということもありましたし、直近ではなんとコンプライアンス最高責任者のフェントレス氏という方が、直近の9月に退任したという事が報道されています。
コンプライアンスの責任者が辞めるというのはただごとではありません。
よっぽどヤバイことをやらかしているのではないかという風に見えます。
実際ソフトバンクが危険なオプションの取引をやっているという事自体が、そもそもコンプライアンス上いかがなものかというところもあります。
ここまで辿ると、ミスラ氏の考えが少し透けて見えるような気がします。
つまり彼はソフトバンクをある意味で食い物にしようとしてるのではないかという事です。
もともと金融機関の人間なのでヘッジファンドの仕組みというのには非常に詳しいと思います。
このヘッジファンドというのは一瞬でも大きく儲ければ、多額のボーナスを貰ってそこから後の事は知らないと言って、お金を持ち逃げするような人達、悪い言い方をすればそういう部分もあります。
しかもこのミスラ氏というのはレバレッジをかける事は大好物だという訳です。
今まさにソフトバンクは携帯電話会社の株を売って資金を確保していますけれども、その確保した資金を使ってレバレッジをかけて、一瞬でも多額の利益を上げる事が出来ればこのミスラ氏には多額のボーナスが入る事になります。
一方でもし失敗して先ほどように丸々損失にあって、4000億円の損失を被ったとしてもクビになったらそれまでで、別に今まで支払われた報酬を返す必要もありません。
そしてそのリスクを誰がとるのかというと、その他の一般株主ということになります。
ソフトバンクはこの報道でこれだけ危険な取引をしているという事がわかって、ソフトバンクの株価は直近で大きく下げています。
また孫社長はいつも決算説明会で当社の株価は、持っている株式に対して大幅に割り引かれているというような事を言っていますが、ただこのようなリスクを高い取引を行っているという事になるともちろん割り引かれても仕方がないという事になります。
アメリカの株式市場にはウォーレン・バフェットが買ったら株価が上がるという、バフェットプレミアムというものも存在しますが、一方でこの孫さんがこういったリスクの高い取引を許容している限り、ソフトバンクグループの株式というのは慎重な投資家しからしたら、とても買えるものではありませんし、もしこの取引が失敗して多額の損失を被る事になったとしたら、株価の下落というのは一層加速するという事になります。
もはや私のような慎重な投資家からしたら、このソフトバンクグループは博打の対象でしかないという風に見えます。
もし慎重な取引を行いたいと思っていてこのソフトバンクグループ持っている方がいたら、この現状を鑑みて判断される事をお勧めいたします。
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素晴らしい解説を賜りました‼️今までで一番の解説です。私はレストランと陶芸家の「太郎仁」と申し上げます。今後とも宜しく御願い申し上げます‼️
ありがとうございます。
よろしくお願いいたします!
米国IT株、業績予想など参考にかいましたが、9.3以降急落しましたが、保持しています。
ある証券会社のセールスマンが、MSFTをかなり強引に勧めてきたのですが、この銘柄にノルマでもあったのかと思うほどでした。
SOFTBANKのO.P取引も関連していたのかなあと思いました。
いつも鋭い目線からの動画に興味深く学んでいます。
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現状からの脱却を計りたいと思います。
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