【ヤバい】キオクシア(旧東芝メモリ)上場延期へ!本当にヤバイ裏側。エルピーダメモリの悪夢を覚えているか?

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YouTubeに動画をアップロードしました!

以下、文章化したものです。


この動画は2020年9月25日に撮影されたものです。その後、キオクシアの上場は中止されました。しかし、内容は変わらない実情に迫るものであり、中止になった根本的な理由としてご覧ください。

今回は10月6日に新規上場が予定されているキオクシアホールディングス(旧東芝メモリ)についてお話ししたいと思います。

これからIPOの申込期間が始まると思いますが、もし今投資を迷われている方がいらっしゃいましたら是非キャンセルする事をお勧めいたします。

何故なら東芝メモリは買ってはいけない要素がふんだんに盛り込まれている会社だからです。

買ってはいけない理由として3つ挙げさせていただきます。

生産にはお金がかかるがいくらで売れるかわからない!半導体のリスク

このキオクシア(旧東芝メモリ)ですが、東芝が経営危機に陥って、多少収益が上げられると見られていた半導体部門が独立して出来た会社です。

名前も2019年に東芝メモリからキオクシアに変更しています。

何を作っているのかというとNAND型フラッシュメモリと呼ばれる物です。

あまり馴染みがないかもしれませんが、具体的には、私たちがGoogleとかに記憶したり、あるいはAIなどを使ったりする時に、情報はデータセンターで処理されていて、そこの記憶装置としてこのフラッシュメモリが使えたりします。

身近なところでは低負荷でコンパクトであるという事から、パソコンやいわゆるフラッシュメモリに近年よく利用されるようになってきた物です。

これからデータがどんどん増えるにしたがって、データセンターというのも増えていくでしょうし、パソコンの普及も進んで、需要はますます伸びると想定されています。

これに加えてゲームなどにも利用されたりします。

半導体は『産業の米』『IT産業の米』と言われます。

それに恥じないほど市場規模自体は拡大が続いています。

このようにメモリ市場の規模ですが、上がったり下がったり多少ありますが、長い目で見たら右肩上がり、今後も伸びが想定されるという状況になっています。

しかし成長している産業というのは様々なメーカーが存在する訳で、このようにNANDフラッシュメモリの中で最も高いシェアを持っているのが、韓国のサムスン電子、2位がキオクシア、そして黄色がウェスタンデジタルでキオクシアと共同して行っている会社です。

その他アメリカのマイクロン、それからインテル、そして韓国のSKハイニクスといった会社がしのぎを削っています。

さてこの半導体ですが、作るのには相当な設備が必要です。

とても繊細なのでかなりのお金を投じて工場を作らないといけません。

つまり最初の設備投資にものすごいお金がかります

一方でこの半導体の価格というのは実はかなり安定しません

というのも、ちょっとパソコンが出荷が増えたり、あるいはデータセンターの需要が増えたり減ったりという事で価格が非常に大きく上下します。

更に長期的に見れば先ほどを示したように、各社がどんどん工場作り、工場作ったからにはとりあえず生産しないといけません。

そして生産しますがやがては工場を先に作ってしまうと、生産の方が増えてしまって供給過剰になる、その結果価格はどんどん下がっていきます。

ただ下がると言うだけではなくて同じメモリ数の物を比較しているのですが、より小さいサイズで大容量のメモリがどんどん出てくるので、各社はそれに先んじてどんどん投資を行います。

つまりコスト先行型でどんどんお金をかけて、他の会社より先により良い商品を出そうとします。

そのせいで供給過剰になって価格はどんどん下がっていく、しかも需要によって価格が安定しないという事になる訳です。

今からあなたがかぼちゃを作ると考えてみましょう。

かぼちゃを作って最初に当然種を買ったり、色々な農機具を買ったりしないといけないので、100万円かかるとしましょう。

しかしそのかぼちゃがいくらで売れるかわからない、1000円かもしれないけど、もしかしたら100円になるかもしれない。

そんな状況の中で最初投資をするというのは、ものすごくリスクの高い行為だと思いませんか?

そういった事業がこの半導体の特性ということになります。

すなわち次々に大量の設備投資が必要なのに価格の動向は読めない、ある意味博打的なところがあります。

しかもこのグラフで示したように、一社で独占しているなら自分好きなように価格を決められますから安定しているのですが、これだけ多くの企業がしのぎを削っているという事になると、まず業界として相当厳しいと言わざるを得ないという事になります。

この厳しさを表しているのが過去にも同じような事例がありました。

エルピーダメモリです。

まだ皆さん記憶にあるかもしれません。

国策半導体会社です。

これはNANDフラッシュメモリではなくて、DRAMというメモリカードを作っていたのですが、それに関しても同じような状況になって、とにかく設備投資をやったのですが、価格の動向に惑わされて結局財務がどんどん悪化してしまって、しまいには破綻しました。

この会社の株式自体は紙くずになってしまったという訳です。

それほど厳しい業界という事になります。

似たような業界として液晶があります。

これも皆さん記憶にあるかも知れません。

シャープが巨額の液晶投資に走った結果、液晶の価格自体がものすごく下がってしまって、結果財務状況がすごく悪化し、最終的に台湾の傘下に入ってしまったという事になります。

また最近ではこのジャパンディスプレイも経営危機に陥って、もはや風前の灯という状況になっています。

キオクシアはこういった企業と似たようなビジネスをしているという事を思ってください。

私は別にキオクシアが悪いビジネスをしているとは思いません。

こういったフラッシュメモリというのは、産業の発展に間違いなく寄与してきましたし、それを作る企業というのも必要です。

まして東芝はこのNAND型フラッシュメモリーを開発した第一人者でもあります。

そういう意味で必要な物ではありますが、これだけ競争が激化してしまってはなかなか勝ち抜いていくのが容易ではないという事になります。

もっとも価格動向次第と言いましたから今の投資した物が、先ほどのカボチャの例で言えば100円じゃなくて1000円で売れるという事になったら、それは儲ける事が出来るでしょう。

一時的に大きな利益が出して株価が上がるという事も想定されるのですが、一方ではエルピーダメモリのように破綻してしまうリスクというのも持っているという事になります。

そのリスクというのは一つは財務状況で測るという事が出来ます。

キオクシアは有利子負債が1.5兆円あります。

そこに対してフリーキャッシュフローが-1900億円となっています。

これは毎年毎年1900億円のお金が出て行ってしまうという事なんです。

お金が出て行っているにも関わらず、更に投資をしないといけないので、更に借金をしてどんどん工場を建てているという事になります。

これはかなり苦しい状況と言わざるを得ません。

また直近に関しても営業利益が1700億円の赤字は、これが工場の停電の影響とか悪い状況が重なったという事もあるのですが、結構こういった会社は恒常的に赤字を垂れ流すという事が珍しくないので、会社自体は第1四半期が黒字だったりとこれから良くなりますよというような事は言ってはいますが、実際に有価証券報告書なんかを見ると、価格の動向は自分達もわからないと言っているくらいなので、もはや私達がこういう会社に投資する事は博打と言える訳です。

もっと言えば最大の競争相手であるサムスン電子、これは確かに半導体の厳しい競争をやっているのですが、一方ではスマートフォンなどの儲かっているビジネスもあるので、財務的な余裕はもちろんあります。

そういった意味でやはりこかなり負け戦に近いのではないかという事が想像されます。

多少損してでも売ってしまいたい

2点目が売出人の動向です。

今回売り出すのは実は東芝がファンドグループに東芝メモリの株を売却して、そのファンドが株を市場売却して上場するという案件なのです。

そのファンドというのがベインキャピタルなのですが、ファンドの特性としてはとにかく速く、そしてとにかく高い価格で売りたいという特性があります。

したがってそもそもこのファンド案件というのはあまり関わるべきではありません

IPOの時に一般の投資家になるべく高く売りつけて、自分はもう少しでも早く逃げてしまおうという風に考えている人たちです。

今回も高い価格で売ろうとしているとは思うのですが、今回必ずしもそういう事情だけではありません。

このファンドグループが東芝メモリを買った金額が2兆円と言われています。

しかし今回売り出す金額が実は2兆円を割って、1.8兆円ぐらいになるのではないかと見られています。

わざわざ買った金額からマイナスでも売る、いわゆる損切りという形になります。

その金額で売るという事はよほど焦っているのではないかという事が考えられます。

一つは株式市場の不安定さというところもあるのでしょうが、もう一つはやはりこの中身がかなり厳しいと言わざるを得ない、これ以上損失を垂れ流す前に売ってしまおう、という風に考えたのではないかという事が想像出来ます。

また、株をIPOする時にIPO価格決める前にまずは想定価格というものを出すのですが、それが3960円だったのですが、その後投資家に買いたいですかという風に証券会社から聞きます。

結果的に一旦この想定価格からこれくらいの価格でもう1回聞いてみましょう、という価格のレンジを決めます。

その価格のレンジというのが2800円から3500円という数字でした。

最初3960円でしたから想定価格からしても、かなり割り引かれている、つまり投資家から相当人気がなかったという事が挙げられます。

これだけ想定価格から下がってしまうと、ファンドもそんな損してまで売りたくないという風に言うかもしれないので、場合によっては中止するという事も、度々起こる事なのですが、それでも中止しないという事は、やはりファンドとしても相当早く売りたい事情があるのではないかという事が想像出来ます。

中国が自国で作れるようになってしまったら…

3点目は米中貿易戦争です。

今後どうなるか分からないのですが、半導体というのは1つ大きなポイントになっています。

中国がスマートフォンなどの様々なハイテク機器を作るにあたって、半導体は欠かせない物です。

しかし中国は自分の国の中で半導体を作る能力というのがまだ十分に備わっていません。

したがってどんどんアメリカや日本の企業から、輸入しないといけないのですがそれをトランプ大統領がストップさせてしまいました。

したがって中国企業は結構苦しい状況に置かれていると思います。

一つには東芝も中国企業はお客さんとしていたでしょうからそこに売れないというのが一つマイナスになっているのですが、それ以上に、中国が輸入出来ないという事になると、いよいよ本腰を入れて、国がお金を入れてでも自前の半導体を作ろうとしています。

やがて技術が追いついてきてどんどん中国内で半導体を作るという事になりますと、いよいよ安値の半導体が、今度は世界中にばら撒かれるという事になって、ますます価格競争が激化してしまう可能性が長期的にあります。

この点から考えても長期的にもやはりあまり良い状況というのは描けないのではないかという風に思います。

結論:絶対買うな!

結論を言うと、長期投資としては絶対に買うなという事です。

もちろん短期の株価というのは需給で決まりますから、それで利益を挙げる人も中にはいるのでしょうが、私のようなゆっくりと長期投資を行いたいと考えている人にとっては、決して買うべきではない案件という事になります。

証券会社からIPOで買いませんかという話も来ているのではないかと思いますが、私としてはそれに乗る事は決してお勧め出来ません。

長期的にも短期的にも人気がないという事は明らかなので、売るタイミングも逃してしまう可能性があるという事は申し上げておきたいと思います。


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