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以下、文章化したものです。
今回はオリックスについてお話ししたいと思います。
この上期の業績を発表したところ、新型コロナを受けて前年同期比の利益が38%減少という形になっています。
特に大きなのが不動産、それから空港の運営です。
関西国際空港、伊丹、神戸空港とこれらのコンセッション経営事業という形になります。
それから航空機リース事業。
これらがいずれも大きな減益となり、利益が減ってしまったという事です。
また同じようにこの事業環境というのも厳しい事から売却益も減ってしまい、昨年度50%減、トータルで38%の減少というような形になっています。
配当の維持と自社株買いのシグナル
これだけ見ると当然マイナスですが、明るい話もありました。
株主還元についてです。
オリックスと言うと高配当銘柄として人気が高い銘柄です。
このように今期の予想配当につきましては昨年度と同水準、通期で76円を維持するという事を発表しました。
しかもここにあるように76円、もしくは配当性向50%いずれか高い方という事です。
76円というのが今出している通期の業績予想の利益に対して、ほぼ50%に該当するところなのですが、この76円が下限という事は仮に予想利益よりも実際の利益が減ってしまったとしても、この76円は維持されるという事で、この発表においては下期で41円という事はすでに宣言しています。
すなわち最低76円、利益が減ってもこれより減る事はありませんし、利益が更に増えれば配当も上乗せされるという事を謳っています。
これでオリックスの配当にコミットする姿勢というのを示したのではないかという風に見えます。
同時に自己株式取得も発表していまして、上場企業は自分の会社の株式が安い時に自社株買いする事によって、将来の配当負担を減らす事が出来ます。
したがって自分の会社の株が安いと思っている時に、自社株買いを行います。
ここで自社株買いが行ったという事は、経営者が自社株が安いと判断している、投資家に対してもシグナルを送っているという風に見えます。
ただ気をつけなければならないのはやはりこの配当というところにになりまして、予想配当というのはそもそも何か約束をしているというものではありませんし、業績の動向次第では下げる可能性があるものという事です。
今回このような発表したという事は、かなり高い自信をもって宣言したという風にも見えますが、まだまだ予断は許さないというところであります。
今後予期しない事態が発生した時にはこれを覆すという事ももちろんありえるでしょうし、またそこから更に来期以降という話になりますと、2020年3月期の有価証券報告書の時点で、通期の配当性向は”次期に限り”50%といたしますという風に宣言しています。
次々期、つまり今から見た時に来期2022年3月期はどうするのかという事については明言していません。
当然業績が悪くなればいよいよ配当を出し続けるのも難しいという事になって、配当を引き下げるという可能性もまだ残っています。
この配当というのは長く続いてこそ意味のあるものですから、そこで途切れてしまうようだと、やはり株価を下支える要因にはなりにくいのではないかという風に考えられます。
これらの業績を振り返りましてポジティブな要素としては、業績は悪いですが第1四半期から第2四半期にかけては、一部事業航空機関連などを除いてはGOTOトラベルの影響もあり、回復しているというところもあります。
配当は今期に関しては維持されるという方針が発表されたという事。
更には自社株買いを発表して自社の株価が安いというシグナルを示している事。
これらはポジティブに捉えられるんですが、一方でネガティブな側面もまだあります。
いずれ発表されるであろう「減損」
航空機や空港などはまだまだ厳しい状況が今後数年続きそうだという事、更には来季以降の配当に関してはまだ何もを明確に示しているものはなくて、有価証券報告書によると2021年3月期に限り配当性向50%と言っていまして、通常は30%程度ですからその後業績厳しいという事になるとやはり減配を免れないのではないかという事。
更には今回大きな減損を特に発表しなかったというところも一つミソになると思います。
この減損について説明いたしますと、オリックスのビジネスモデルというとまず大きな投資をして、それを回収していくというビジネスモデルなんですが、この回収が上手くいって営業利益、あるいは売却して売却益としてまとめて得てしまうという事もあります。
また一方では失敗してしまうと減損になります。
減損というのは100億円で物を買ったとしたら、それが20億円しか利益を生まないという事になると、80億円は損失としてまとめて計上してしまうというそういうものです。
やむなく売ってしまってそれも差額がマイナスになってしまったとしたら、売却損として計上してしまうという事になります。
これだけ経済が悪いという事になると、どこかで減損を発表する可能性が高いと見ているのですが、まだこれが行われていないとなると、将来この悪材料が出てくるのではないかという事が想定されます。
安定していて割安感はあるものの、大きな伸びは期待できない
さてオリックスの株価見てみますとこのように新型コロナを受けて大きく値下がりして、そのまま地を張っているという状況です。
ただもちろん株価は割安感ありましてPERは8.9倍、利回りは5.6%と利回りも高くPERも低くいわゆる割安株ということになっていると思います。
ただこれ安いと言うのにはやはり理由がありまして、オリックスというと色んな金融関係の事業を行っている会社ですが、色々手を出しすぎて投資家から判断が難しいと思われていたり、もしどこかで大きく伸びる事があっても、それは事業の一部でしかなくて他の事業が足を引っ張るようになれば、やはりトータルで一気に伸びるという事が期待しにくい会社でもあります。
だからこそ安定しているとも言えるも言えるのですが、あまり大きく伸びる余地がないという事で、そもそもを割安に評価されがちな会社です。
いわゆるコングロマリットディスカウントと言います。
下落余地というのはあまり大きくはないと思いますが、一方で上がった時にもそんなに上がらないという側面もあります。
したがって今後の投資判断といたしましては、コロナ禍の事業関係は尚厳しいという事があって、例えば減損なんがあったら業績は大きく落ちてしまうでしょうし、配当も続けていくことが難しいのではないかと思います。
一方で長期で見た時には空港の運営なんかが無事戻ってきて、昨年度までの利益が出るようになったら、その時にはもうPERを下回って、その時から計算すると5倍以下というような状況ですから、割安感はあります。
そこは戻ればいいのですが、伸びたとしてもさほど伸びるような銘柄でもないので、期待値としてもそこまではないというような状況です。
爆発的な利益を期待しないのであれば、配当も目的の1つとして持ち続けるという事は有りだと思いますので、今持たれている方についてはさほどを心配するような状況でもないという事になります、
ただこれから買おうと思っている人にとっては、あえて今この銘柄を選んで買うというような事もないのかなというような気がします。
もっと成長性があったり、あるいは極端に割安になった銘柄というものを選んで買っていた方が、パフォーマンスは上がると考えております。
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