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以下、文章化したものです。
今回は新型コロナワクチンについて見ていきたいと思います。
新型コロナのワクチンが開発が間近という風に見られていますが、このワクチン開発によって、いったいどんな会社が儲かるのかという事について見ていきたいと思います。
そして株価に対する影響というところも考えてみたいと思います。
ワクチンでは儲からない!?
新型コロナワクチンの開発が間近と言われて言われているのが、ファイザーとモデルナというアメリカの会社2社になります。
この2社がメッセンジャーRMAと言って、今まで実用化がされていない方式を使ってコロナのワクチンを開発しています。
そこで先に出てきたのがファイザーです。
有効性がなんと90%超えにも及んだという事で、高い期待がされました。
それに少し遅れて発表したのがモデルナという新興企業ですけれども、有効性に関してはなんと94.5%とファイザーより高い数値を示しました。
そして供給網に関してもファイザーが今年に5000万回分、来年は13億回分と先進国の大部分の人には行き渡るのではないかと思われます。
一方でモデルナも負けていなくて今年2000万回、来年は5〜10億回分という形になっています。
一人に2回接種が必要という事なので、人口に関してみればこの回数の半分の人口には行き渡ると考えてください。
但しファイザーのワクチンの発表がされた時に結構懸念されていたのが、輸送や保管に関してです。
このファイザーの物はマイナス60度からマイナス80度という、超低温で保存しなければ持たなくて、いわゆる一般的な冷蔵庫のような2度から8度という温度だと5日しか持ちません。
これはアメリカの工場で作って世界中に運ぼうという形になると、このマイナス60度からマイナス80度という環境を作りあげないといけないので、もし空港までは何とか持ってきても、そこから更に個別の病院に運んでいかなければならないので、移送がなかなか大変だという報道がなされていました。
これに対してモデルナの物はマイナス20度で半年持つのですが、2〜8度という一般の冷蔵庫の環境で30日持つと言われています。
これならば特に一般的なワクチンと同じですから、普通に運んで皆さんのお手元にワクチンが届くというこの画期的な発表を行っています。
世界中の人がこのワクチンを受けるという事になると、何億回分も供給するという事ニなりますから、これらの会社は儲かるのではないかという事が考えられます。
実際にこの有力なモデルナのケースで考えてみると、ワクチンの単価が大体20ドルから40ドル、日本円で2000円から4000円くらいと言われています。
これを来年5億回分投入したとしましょう。
すると単純計算で100億ドル、約1兆円の売上が経つという事になります。
因みにこのモデルナは新興企業でまだそんなに売り上げがたっていなくて、2019年の売上高が0,6億ドルに過ぎません。
そんな会社がいきなり0.6億ドルから100億ドルを稼ぐという事になると、それはもう爆発的な利益になるのではないかと考えられています。
一方でこのファイザーに関しては510億ドルの売上高が常にあります。
これに対しても100億ドル大きいは大きいのですが、モデルナほど爆発的に大きい訳ではないという事がわかるので、より株式市場として期待されているのもこのモデルナに対してという事になります。
さてこの100億ドルというのは売上高ですから、起業を評価するには利益で評価しなければなりません。
一体どれくらいの利益になるのか、この100億ドルを元に計算してみたいと思います。
そもそもこの新型コロナなワクチンで利益をあげるべきかという事については議論になっています。
モデルナを含めて様々な会社が政府の支援を受けて、お金をもらって研究開発を行って開発をしています。
政府のお金で作った物に利益をとっていいのかという議論もあるので、少なくともめちゃくちゃ高い値段というのは設定できないと思います。
あくまで適正な利益の範囲内で価格設定するという形になるのではないかと思われます。
20%ぐらいの利益を乗せるのでないかと言われていて、実際にモデルナ自身もそういった発言をしています。
100億ドル稼いだとして20%の利益率とすると、20億ドル、およそ2000億円の営業利益をあげられるのではないかと考えられます。
2000億円の利益が上がるなんでやっぱりすごいじゃないかという風に見えるかもしれません。
ところがこれだけでは終わりません。
実はモデルナはこれまでもずっと赤字を計上し続けている会社です。
それでようやく新型コロナワクチンで花が咲くかどうかというところなのですが、すでに今年に関しても新型コロナのワクチンをめちゃくちゃな勢いで開発しているので、かなりの費用をかけています。
その結果直近12ヶ月で6.2億ドルの赤字を計上しています。
更にこれから製造したり、製造のために工場を作ったり色んな投資をしなければならないので、それで費用がかかる中からこの6.2億ドルではまだ収まりそうにありません。
それに対してこの20億ドル儲けたところで、実はそんなに利益が出ないのではないかという風にも考えられます。
その証拠といってはなんですが、モデルナの役員というのもモデルナの株式を持っているのですが、この新型コロナワクチンの期待でかなり株価上がっているのですが、株が上がる毎に持っている株を市場で売るというような事をしています。
また一方でファイザーも直近でワクチンが報道された後に、株式を売り抜けるという事を行っています。
したがって彼ら自身もこのワクチンを開発したところで、そんなに儲からないという事には薄々気が付いているのではないかと思われます。
そもそもこのワクチンというのは医薬品業界にとってあまり美味しいものではありません。
というのもみんながこの新型コロナのワクチンを接種すると、やがてコロナ禍というのは収束に向かうという事を考えられます。
収束してしまうともはそのワクチンは必要ありません。
したがってこのワクチンの為に莫大な投資をしたとして、回収期間がこの2年とか3年で終わってしまったら結局元が取れないという事になってしまいます。
医薬品の会社にとって本当に儲かるのは例えば糖尿病とか、高血圧あるいは花粉症といった死なない程度に、しかし治らない物、これが医薬品メーカーにとっては一番おいしい訳です。
何とかして治そうとするからある程度薬価が高くても、これを支払い続けるという事になるのですが、最終的に治るというのはなかなか難しい病気なので、薬を貰い続けるという事で、死なないように、そして目先の生活を保とうとします。
それに対して薬のメーカーは利益を稼ぎ続ける事が出来ます。
もう一度言いますと医薬品メーカーにとって儲かるのは、死なないけど治らない病気これが一番美味しい訳です。
皆さんも医薬品メーカーを見る時は是非そのような観点でも見てください。
特に大きなメガファーマと言われる医薬品会社は、このような慢性の病気の薬に力を入れている事がよく分かります。
さて株価に関してですがこのモデルナこの1年でおよそ5倍近くまで上昇しました。
しかし今説明したようにワクチンの開発だけでは、今後目先は多少儲かるかもしれないですけれども、今後も儲かり続けるというのは難しいです。
したがってこの株価というのはやはりどこかで下落してしまう可能性があります。
何故こんな上がっているのかというと、一つは技術に期待されているのではないかと思います。
このメッセンジャーRMAという方式はこれまで実現したことのない方式です。
これをモデルナがその技術を見事に開発しました。
それを欲しがるファイザーなどメガファーマと言われる巨大医薬品会社がいっぱいある訳です。
したがってこれを嫁入り道具に、モデルナは他の会社に買収されるのではないかというのがもっとも現実的なシナリオだと思います。
そうすればこのモデルナも自ら製造設備を今から大量に投資しなくても、既存の大きな会社の製造設備でワクチンを作る事が出来ますし、株主としてもこの買収されるという事になると高値で株を買い取ってもらえるので、お互いがwin-winの関係になるという事になります。
ただ会社としての利益は今後も上がり続けるのは、難しいのではないかというところになって、役員も株価が高いうちに売り抜けてしまおうという事も考えています。
一方でファイザーの株価を示しますと、ワクチンがこれだけ期待されていながら株価はほとんど上がっていません。
直近の発表で上がりましたが、実際にはそれほど儲からない、更には役員も売っている、モデルナが更に良いワクチンを開発したらしいという事になって、むしろ株価は下落に転じています。
ちなみにCEOはこの辺で売り抜けているので、非常に良い所で売ったという事になります。
ワクチンの会社を今から買っても儲かるのは難しいのではないかというと考えられます。
日本の医薬品卸会社は?
ではそれを日本で考えてみようという事になります。
日本でこのワクチンを流通させるすると実は、4大医薬品卸会社というのがあって必ずそれらを通じて日本の各病院に流通するという事になります。
この4社というのがメディパル、アルフレッサ、スズケン、東邦ホールディングスという4社です。
これらが製薬企業から薬を仕入れてそしてへ各医療機関に卸していくという事になります。
最初はものすごい低温で運ばないといけないファイザーのワクチンについて考えられて、冷蔵庫の会社の株価が上昇したりしたのですけれども、モデルナのワクチンが有効だとするとそこまでの事は必要ないので、通常の仕組みでいけると思われますし、またそもそも医薬品を移送という事に対しては、これらの会社が強みを持っているので、いずれにせよこれらの会社が運ぶという事になると思われます。
1回仕入れて売るという事になりますので、そこに利ざやを乗せて売るという事になります。
ワクチンの単価が2000円だとしてこれを2億回分にすると、売上高としては4000億円くらいになるのではないかと考えられます。
2億回分というと1億人分ぐらいです。
それに対して粗利益率がこれらの会社が大体7%ぐらいなので、4000億円の7%ですから280億円ぐらいの粗利益がこの新型コロナワクチンの卸によって得られるのではないかと考えられます。
今4社でほぼ寡占になっているので、4社で割った時に一社あたり70億円儲かるのではないかという風に考えられます。
医薬品卸会社はワクチンで儲かるのではないかと見えるのですが、では業績を見てみましょう。
これらの会社じわじわと業績を拡大させてきたのですが、直近ではこのようにガクンと業績が落ちています。
これは新型コロナによって人々が病院に行かなくなってしまったので、出す薬の量が減ったからです。
その結果利益が大きく落ちてしまうという事になりました。
メディパルに関しては210億円の減益、アルフレッサに関しては270億円の減益という事になっています。
さて先程の話に戻りますと一社あたりおよそ70億円の粗利益が上がると言いました。
粗利益ですから営業利益になる時にはもっと減っているという事が考えられます。
それに対してもすでに210億円とか270億円の減益が起きている訳ですから、実はワクチン移送による利益というの焼け石に水です。
という事で正直この辺の会社は儲からないという事になります。
むしろコロナ禍での減益の方が大きいので、コロナが終わってから普通の状態に戻った方が圧倒的にこれらの会社も儲かるという事になります。
したがってこれらトータルでまとめますと、ワクチンそのものというのはあまり儲かるものではないという事が分かります。
そしてこの医療関係、ファイザーなどの医薬品会社も含めて、コロナでだいぶ使用が減っているというところがあります。
したがってワクチンそのもので儲けるのでははなくて、ワクチンが普及してコロナ禍が終わった時に、いよいよ昔の状態に戻るアフターコロナ銘柄だという事が考えられます。
私としては今回の調査をしている中でこの医薬品に卸会社というのは実は初めて知りました。
昔は沢山の会社があったようですが今はこの大手4社に集約されています。
業績も見て分かる通り非常に右肩上がりに伸びています。
薬というのはどんどん必要になってきますから、これらが寡占状態で無理なくやっている事によってじわじわと拡大しているという事になります。
株価に関してもコロナ禍で落ちてきているという事もありますし、今後も医薬品の取扱いというのは増えるでしょうから、じわじわと業績の上昇が期待出来るのではないかという風に考えます。
PERに関してもは13倍と比較的低い水準に収まっている事から、今後も長期的な銘柄として注目に値するのではないかと思いました。
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円とドルが間違った混在をしています。おかねの分析をするには雑すぎですね。
ご指摘ありがとうございます。