最上の投資法は「暴落時に買い、握り続けること」
米大統領選の見通しが固まりつつあり、ワクチン開発も間近。一方で新型コロナウイルスは「第3波」を迎えるなど、相場は方向感が見えにくい状況になっています。
こんな状況下でのつばめ投資顧問の戦略は「特に動かないこと」です。
株価は劇的に安いわけでもなく、今後ファンダメンタルズ(業績)の悪化も想定されます。確かにこれからバブルが発生した場合、今買わないと乗り遅れる可能性もありますが、それはそれで仕方がないと考えています。なぜなら、バリュー株投資は「守りの投資」だからです。
おおよそ、上昇に乗り遅れまいと無理に買った結果株価が天井となり、痛い目を見ることが多いものです。逆に言えば、投資の初心者はそれを避けるだけでも、大部分の損失を減らすことができます。
さらに踏み込むならば、私は株を買うのは暴落時だけで良いと考えています。
確かに、どんな相場でも利益を出している投資家はいます。しかし、同じ人がいつもうまくいってるかと言えば、必ずしもそうではありません。相場の状況によってうまくいったり、いかなかったりです。
そこで、どうしたら誰でも確実に利益を出せるかを突き詰めて考えると、「暴落時に買う」という答えに行きつくのです。実際に、リーマン・ショック後に買えた人は、投資の巧拙にあまり関係なく大きく資産を増やすことができました。
暴落時に良い株を買って、それをひたすら握り続ける。これが私にとって最上の投資法です。
相場に居続けないと買うのは難しい
この投資法を取るなら、普段からこんなにいろいろ相場や企業を分析して売買を繰り返しているのが馬鹿らしく思えてくるかもしれません。表面的な事実から見ればそう感じることでしょう。
確かに「今が底で、買うべき優良株はこれ」というのが確実にわかっていれば、それ以外のときに何かをするのは無駄なことに見えます。しかし、普段全く投資に触れていない人がその局面を前にしていきなり買いの決断ができるかと言えば、限りなく「ノー」だと思います。
相場のことを肌で感じていなければ、その温度感を理解することはできませんし、一旦優良株として目をつけていたものも、時代の変化によりもはや優良株とは言えなくなっているかもしれません。
2~3月の新型コロナショックが良い例だと思います。それまで相場はとても安定した高値圏にありました。それがいきなり急落を始め、わずか1ヶ月の間に日経平均株価は24,000円から17,000円まで下がりました。
しかし、3月に底を打ってからはあれよあれよと言う間に反転し、わずか半年の間に今度は29年ぶりの高値というところまで上昇しています。何もせずにぼーっと待っていたらこの動きについていくことは難しかったでしょうし、何とか買えたとしても昔ながらの「優良株」を買っていたら、ハイテク株主導の相場には全くついていけなかったことになります。
暴落を待ちつつ相場に居続ける最低ラインは「年2~3回」
実際には、多くの人が「二番底」を警戒して買えなかったと思います。もちろん、つばめ投資顧問の会員ならおわかりいただけるように、私は買い向かいました。底を見ようと思ったらいつまで経っても買えないものです。
私が普段から銘柄を発注しているのも、本当の暴落時に「買えないリスク」を避けるためです。まず優良株を見つけ出し、それが割安かどうかを判断する。割安だったら下がったときに買えるように、現在から少し下の価格で指値しておく。これをやっておけば、あとは下落時に自動的に約定できます。
指値なんか中途半端なことをせずに、下がった瞬間だけ買えば良いと思う方もいるかもしれませんが、瞬発力がないので私には難しいです。また、下がってから発注しようと思うと、感情に左右されてなかなかできないと思います。だからこそ、そこは機械的に約定するようにしているのです。
一方では、私の指値が「深すぎる(安すぎる)」という声もよくいただきます。確かに、私の指値は5回中4回くらい流れています。その間に上がってしまったりすると「買えなかった」と後悔する声も聞こえます。
しかし、それはそれで構わないと考えます。「守りの投資」であることを考えると、慌てて買って損をしてしまうより何倍もマシだからです。買えなかったら、そのお金を大切に取っておき、次のチャンスで買えれば良いのです。
本当のチャンスは、年2~3回しかやって来ません。そのくらいの感覚で買えれば十分です。「暴落」ということを考えると本当は数年に1回ということになるかもしれませんが、それだといよいよ相場から完全に離れてしまうので、年2~3回が相場に居続ける最低ラインだと思います。
色々書きましたが、今回言いたかったことをまとめておきます。
- 暴落時に優良株を買って握り続けるのが、私が考える最上の投資法
- チャンスを掴むためには、相場に居続けることが必要
- 買うタイミングを年2~3回と考えると上記のバランスが良い
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