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以下、文章化したものです。
新型コロナ禍で経済が壊滅的なダメージを受ける中で、株価は逆に上昇を続けてきました。
その上昇要因に金融緩和の影響があるという事が言われていますが、理論としてはわかるのですが、実感が伴うものではありませんでした。
私は仕事柄、経営者や税理士の方とお話する事があるのですが、彼らが言っているのは新型コロナで給付金や貸付を受ける事によって、むしろコロナ前より金持ちになっているという事でした。
それが株式市場に一体どのような影響を与えてきたのかという事、あるいはここからの株式市場はそれを受けてどうなってしまうのかという事について解説したいと思います。
なぜコロナ禍で株価が上昇しているのか
まず日経平均株価の推移ですが、新型コロナ禍で大きく下がってからはぐんぐん上げて、むしろ今はバブル後最高値を更新しているというような状況になっています。
ニュースなどでは金融緩和の影響で株価が上昇しているという風に言っていますが、金融緩和で金利は下がったのですが、実際に株価が上昇する為にはそれを買う人がいなければいけません。
それが一体どういう流れになっているのかわかりにくい部分があったというのは事実です。
私自身もそういった解説をしているのですが、目で見える形ではなかなかありませんでした。
ところが私が普段接する経営者の方や税理士の方の話しを聞くと、コロナで厳しくなっているどころかむしろお金はどんどん増えているというような話をよく聞くようになりました。
その増えている理由としては、確かに実業の方はダメージを受けているんですが、給付金やあるいは無利子の貸付が受けられるという事で、手元のキャッシュ自体は前よりも増えているという話です。
ではここでは給付金や貸付の精度が、どのようなものになっていたかという事を振り返ってみましょう。
一つ大きなポイントとなっているのがこの持続化給付金です。
個人事業主には最大で100万円、法人には200万円が振り込まれるという話です。
売り上げが前年同月比で50%以上減少している事業者だとこういう事になります。
飲食店などがこれらに当てはまりやすいのではないかと思うのですが、100万円、200万円というものが手に入るという事になります。
ただこれだけでは正直今株価を押し上げるものとしては金額が不足しています。
実際に50%以上売上減少しているというのは相当な事なので、これらはほぼこの損失や手元の運転資金に消えてしまうという事が考えられます。
もっとも詐欺的な行為を働いて受け取ったという話も出てきているので、そういった人は除くとして、基本的には本当に苦しい事業者のところに配られているものだと考えます。
一方で大きな問題となるのは融資です。
無利子無担保融資というのが行われていまして、ここにあります通り最近1か月の売上高が前年、または前々年の同期と比較して5%以上減少した方に、マイナス0.9%の金利引き下げを実施。
これが3年間実施されいるという事です。
0.9%というものになっているのですが、トータルで見ますと実質的に金利無しで受けられるというものです。
これがいくらまで貰えるのかというとここにあります。
中小事業に関しては最大で2億円、国民生活事業個人事業主なんかに関しては最大4000万円というものなんです。
ここで考えてもみてください。
無利子の融資が最大で個人事業主なら4000万、中小企業なら2億円借りられます。
3年間は無利子で、5年間は据え置き、つまり元本を返済しなくて良いというものになっています。
そういう制度があったとしたらお金に関して非常に敏感な経営者ほど、これを借りない手はないと思います。
実際にこの制度が始まった時、申し込みの為に銀行や信用金庫は非常に忙しくしていたと言います。
彼らはとにかく借りられるお金は借りて、どう使うかはこれから考える訳です。
また一方ではその銀行や信用金庫の方でも、当然貸した金が返ってこなかったら損失になります。
この融資の大半がセーフティネット保証といって、信用保証協会が100%ないし80%保証してくれるというものです。
つまり貸し倒れになったとしても自分の銀行とか信用金庫は、損失を被らなくて済むという事になります。
すなわちここにモラルハザードが生じてしまいます。
無利子ならいくらでも借りたいし、それを貸さない理由というのも特にはありません。
そうやってジャブジャブと経営者のところにお金が流れて、彼らの手元には現金がたくさん残る、まさに焼け太りという状況になっています。
政府の意図としては当然それを設備投資や、あるいは人件費とかに当てて、困っている人、あるいは経済をもっと盛り上げていこうというところに使って欲しいのですが、一方で飲食店になかなかいけなかったりですとか、GOTOが今まさに停止されようとしている状況なのですが、そういった中で下手に拡大の為の投資や人件費、人材採用の為の費用とかそういった事に使うというのはなかなか出来るものではありません。
じゃあ手元に残った現金をどうしたらいいかと考えると、投資に回すしかないという事になります。
投資といっても、不動産投資だと長い期間固定される形になりますから、金利無しの3年間、据え置きの5年間では終わらない可能性が十分にあります。
一方で株式とか債券といったものは売ってしまえばすぐ現金化する事が出来るので、その辺の心理的ハードルも必ずしもありません。
したがって無利子で借りた資金を少しでもそれで利益を生み出そうと思うと、株式とか債券とかそういったところにお金が流れやすくなります。
実際には証券会社とかそういった金融機関がこういった人達に、とりあえずこの3年間だけでも投資しませんかというような形で、どんどん売り込みをかける訳です。
それが最終的に私はあなたの証券会社の商品を買いますというような形で、証券会社を通じてどんどん市場にお金が流れていったというのが、このコロナの株式上昇のカラクリなのではないかという風に考えます。
この融資がどのぐらいの金額行われたかというのがこの資料に出ています。
ここにあります通りこの信用保証協会の保証実績、無利子無担保融資に関してはこの4月から8月の累計で21兆円、これが保証協会です。
更に政策金融公庫によるものもあってこれが4月から8月に関して10兆円、合計で31兆円。
8月までの合計という事になるので足元では当然もっと増えているという事が考えれるので、結果的には50兆円ぐらいの金額が無利子無担保融資という形で貸付られたのではないかと思います。
株価が上がる時というのは大抵の場合それまで以上の、新規資金が流入している事が非常に多いです。
これらは新規資金となる事で東証の時価総額がおよそ600兆円ですけれども、50兆円の一部が入るという事によって、株価を押し上げる要因としてはかなり強いものになるのではないかという事が考えられます。
ましてコロナ後大きく上昇している中で自分も便乗しようとを考える経営者も少なくないでしょうから、それが更に株価を押し上げる要因となっている事は否定出来ません。
このゲームには参加するべきではない
それでは問題はこれからどうなるのかという事です。
この無利子無担保融資というのは3年間という期限付きのものでした。
となると少なくとも3年後には金利がかかってくるという事になりますし、5年後には返済が始まります。
当然、株や債券とかそういう金融商品を買った人は、それまでに売却しておくというのがやはり望ましい姿ではないかと思います。
コロナが始まってからおよそ1年が経ちましたが、これから先はそれらの資金がどう出ていくかという事に焦点が集まってくるのではないかと思われます。
今株価上がっているので投資した人は、なるべく早いうちに利益を確定して出ていきたいという動きもあるでしょうから、そうなってくると今度はいよいよババ抜きになるのではないかという事が考えられます。
1回市場が下落を始めるとそこからの動きはものすごく早いです。
そこでは動きのはやい金融機関から我先にと売られていきます。
またコロナ禍であったようにガンガン株価が下がるという事も十分に考えられます。
もちろん必ずそうなるというわけでもなくて、その間に景気が良くなってきたらいよいよ実体経済にもお金が回って、現在の株高を正当化するような経済になる事が理想ですが、必ずしもそうなる可能性は高くないのではないかと思います。
このまま経済が低迷を続けるようであれば、やはりどこかで株価が大きく下がる可能性が非常に高い、そういったマグマが溜まっている状況になっているのではないかと思います。
そんな中で私達のような長期投資家がするべき事は、目先の上昇というのには無理に付いていかずに、下がった時に限って良い株、割安な株を買っていけば、長い期間で見れば伸びている可能性が非常に高い、そういった投資のやり方をつばめ投資顧問では推奨しています。
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