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緊急事態宣言でも株価上昇!もはや「コロナ=株高」の構図
あけましておめでとうございます。2021年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
年明け早々、株式市場は好調です。ダウ平均株価は早速史上最高値を更新、日経平均株価も今年の目安と言われる3万円に早くも届きそうな勢いです。
アメリカではバイデン氏が正式に大統領に選出されました。1月20日に就任式を予定しており、ご祝儀相場の様相を呈しています。
また、米上院も民主党が多数派を握ることになりました。11月の大統領選時には、大統領・上院・下院の3つが民主党で揃う「トリプルブルー」になると増税不安によって株価は下がると懸念されていましたが、そうなったにもかかわらず株価は上昇しました。つくづく株価の解説はあてになりません。
相場を見ていると、もはやあらゆる材料がポジティブに捉えられているような雰囲気さえ漂います。日本では一都三県に再び緊急事態宣言が発出されましたが、株価はどこ吹く風です。コロナが広がる中での株高にはもはや慣れっこになってしまいそうです。
こうも株価の上昇が続くと、いつの間にか「コロナ=株高」の構図すら見えてきます。それもそのはずで、コロナが続く限りは金融緩和の終了はないでしょうから、金融市場にはお金が流れ続けることになります。投資家は「安心して」リスク資産にお金を投じることができるのです。
私たちはバブル相場の入り口に立っている
このような「金融相場」になってしまうと、経済状況・ファンダメンタルズは脇に追いやられます。「今すぐ上がりそうなもの」ばかりがもてはやされ、上昇が上昇を呼んで上がり続けるのです。
バブルではわけのわからないものほどよく上がる傾向があります。かつての「チューリップ・バブル」「南海泡沫事件」「ITバブル」を見ても明らかです。バブルの歴史については以下の動画もご覧ください。
そして、現代のバブルとして注目に値するのが「テスラ」「ビットコイン」でしょう。もともと異常値とも言える価格なのですが、年末から年始にかけてさらに急上昇しました。
局所的ではありますが、同じようなことがあちらこちらで起きつつあります。テスラもS&P500に採用され、さらに指数を押し上げる力を持つようになりました。指数が上がれば他の銘柄も連れ高しますから、それがやがて相場全体のバブルのきっかけとなり得ます。
私たちはいまバブルの入り口に立っているのです。
「バブルに乗れ!」が危険な理由
これから本格的なバブルが起こるとして、私たちはどう対処したら良いのでしょうか。
私は「バブルが起きるから、今は投資するな」と言っているわけではありません。むしろ、バブルで株価が上がるならそれにこしたことはありませんから、少なくとも何らかに投資しておくべきだと考えます。
問題はそこで何に投資するかということです。バブルを想定するなら、株価が短期間で上がる銘柄に投資したくなるでしょう。それこそ、ビットコインやテスラに投資しようということになります。
しかし、その発想は非常に危険です。
確かに、バブルで最も大きく上がるのは、すでに大きく上がっている銘柄であることは間違いありません。私の中でも、この1年がバブルになるとすれば、ランキング上位を占めるのはテスラやビットコインだと思います。
ところが、これはバブルが続くまでの話です。バブルはいつか弾けますから、やがてその逆回転が起こります。今回もその例外ではないでしょう。
例えば、テスラの時価総額はすでにトヨタの3倍あります。しかし、売上高は約10分の1にすぎません。製造業であり利益率が極端に高いということは考えにくいですから、これから売上高を10倍に伸ばしてやっと現在の3分の1が適正価格ということになります。まして自動車の世界市場が、スマートフォンのように爆発的に伸びるような事態は考えにくいでしょう。
すなわち、今の株価はこの現実から完全に目を背けた数値になっているのです。まさにマネーゲーム、金融緩和の下で踊っているということになるわけです。
世界のファンドマネージャーは「いつテスラを売るべきか?」ということを必死に思案しています。彼らはそのタイミングと常ににらめっこしていますから、売り始めると今度は雪崩を打ったように下落するでしょう。これはもはや想像の話ではなく、ほぼ確実に起こる未来の話です。
そうなった時に、あなたは適切に対処できるでしょうか。体よく売り抜けられれば良いと考えるかもしれませんが、そこで同じゲームを戦っているのは熟練のトレーダーたちです。彼らはあなたに株を売りつけると、一瞬でいなくなります。そうなると、株価はあっという間に信じられないほど値下がりするでしょう。(米株にストップ安はありません。)
自分が熟練のトレーダーと自認していたり、そうなりたいと覚悟を決めた人でなければ、このゲームに参加するのはウサギがライオンの檻に放たれるようなものだと考えるべきです。株式市場とはそれほど恐ろしいところだと考えてください。
素人が投資で勝つ道
しかし、株式投資とは不思議なもので、そんな私たち素人にも勝てる道を用意してくれています。それは、「時間をかける」ということです。
多くの機関投資家は、1年や四半期での結果が求められますから、目の前の利益を優先します。だからこそ、すぐには儲からないところにはうまみが生まれるのです。
長い期間で見れば、株価は企業の価値に比例します。しかし、企業の価値は株価のように急に2倍になったり、半分になったりするものではありません。長い年月をかけて計画をして準備をし、いざ始めてから結果が出るまでにも何年もかかります。
機関投資家はそれにしぶとく付き合っていられません。しかし、私たちにはそれができます。なぜなら、私たちは四半期や1年での運用成績で判断される必要はないからです。むしろ、多くの人にとって投資は将来への備えですから、何年も先に最終的に増えていればそれで良いものです。
したがって、長期投資として私たちがやるべきことは、しっかりと価値=業績を伸ばし続けられる企業を見つけ、それをしたたかに買い、結果が出るまで持ち続けるということになります。ここには強力なライバルもいないので、多くの可能性が残っているのです。
いい銘柄を見つけて、いいタイミングで買い、いい会社である限りそれを持ち続ける
ここまでテスラを悪者のように扱ってきましたが、決してテスラという会社が悪いわけではありません。むしろ、世の中で他に誰もできない理想を実現しようとしているとてつもない企業だと思っていますし、実績も残してきています。会社としての将来は明るいでしょう。
しかし、それと株価は別物です。株価はすでに実態から大きく乖離して、バブルになってしまいました。ここからどこまで上がるかはわかりませんが、もはやただのマネーゲームになってしまっています。
私たちが本当にやるべきことは、テスラの株価はこれほど上がる前に、その実力や理念に可能性を見出し、しぶとく調べてそこを買っておくことなのです。良い企業ほど、勢いがつけばどこまででも上がるので、そこでバブルの恩恵を大きく受けることができます。安く買っているので、当面の株価下落も恐れる必要はありません。
もっとも、誰よりも早く成長株を見つけ出すというのも容易ではありません。しかし、そんなあなたにも必ずチャンスがやってきます。それが、相場変動で株価が大きく下がったときです。この時に買えれば、最初に買った人たちからは出遅れたとしても、ボーナスステージの如く素晴らしい銘柄を安く買うことができるのです。この時には、ある程度材料の出揃った状態から銘柄を選ぶことができます。
普段は素晴らしい銘柄探しに勤しみ、株価が下がった時にしたたかに買い、あとは成長を見守る。株式投資はこれだけで良いのです。バフェットも以下のように言っています。
株式投資の極意とは、いい銘柄を見つけて、いいタイミングで買い、いい会社である限りそれを持ち続けること。これに尽きます
テスラはさすがに難しかったかもしれませんが、私の責務も「将来大きく成長する成長株を探す」ということだと確信しています。2021年はこれまで以上に企業の成長性に着目し、相場が多少動いたくらいではびくともしない銘柄を見つけていきたいと思います。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
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