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以下、文章化したものです。
自動車各社が自動車の減産を迫られています。
なぜかというと半導体が足りないからだという事です。
これはすなわち世界中で半導体が足りていない、供給が需要に追いつかないという事が言えます。
その半導体は果たしてこれからも需要が増え続けて、スーパーサイクルに入るのか、またそのサイクルに乗れるような有望銘柄はあるのかという事について解説したいと思います。
DX、5G、AI…。とにかく半導体が足りない!半導体業界は「スーパーサイクル」へ
自動車会社で減産を発表した会社は私が確認出来ただけでもこれだけの会社があります。
日本企業で言えばスバルやホンダ、トヨタ、日産、海外企業で言ってもフォードやフォルクスワーゲン、そしてフィアットクライスラー、これらが減産を発表しています。
いずれもその原因に挙げているのがこの半導体の不足という事です。
半導体というと世の中のあらゆる電子機器に搭載されているものです。
例えば我々が普段使うようなスマートフォンはもちろん、パソコンにも使われていますし、簡単なところで言えば電卓にも搭載されています。
当然自動車も様々な電子機器を使っていますから半導体が搭載されています。
この半導体が調達出来ないという事になると、当然自動車が完成しないので、やむなく減産を迫られるという状況に陥っています。
何故今のような状況に陥ってしまったのかというと、当然新型コロナウイルスとの関係は切り離せません。
具体的に見ていきましょう。
こちらら時系列なんですけれども、2020年の3月から5月にかけて世界各国ではロックダウン、すなわち外出制限などが行われました。
これによって自動車のディーラーなんかも営業出来なかったりしますから、車が売れないという事になります。
売れない車を作ってもしょうがないので、自動車会社は半導体製造会社に対して、今作らなくていいよというような事を言います。
では半導体製造会社としては何をしたのかというと、自動車からの受注は止まってしまいましたが、一方でこの新型コロナウイルスによって在宅勤務などで自宅でいる期間が長くなった、あるいはDXすなわちデジタルトランスフォーメーションによって、パソコンはもちろんサーバなどの需要も高まってきました。
更に自宅にいるという事になるとゲームをする人も増えるので、ゲームの需要も高まってきた、そんな中でこの自動車からパソコンやゲームとかそういった物にラインを振り替えて製造した訳です。
それで半導体製造会社としてはまったく困る事はなかったのですが、逆に困ったのが一旦受注をストップした自動車会社の方です。
この半導体の製造というと、リードタイムすなわち発注してから納品されるまで、一般的に6ヶ月から8ヶ月かかると言われています。
したがってここで一旦止めてしまったら、新たに発注しても6ヶ月から8か月の時間がかかるという事になります。
自動車会社としては新型コロナによって今後自動車が売れなくなるという事も警戒したのでしょうけれども、思いのほか自動車の需要というのは回復してきて、足元でも前年とあまり変わらないくらい好調に推移しています。
そんな中で慌ててこの半導体の調達を急いだのですが、いかんせん6ヶ月から8ヶ月かかりますから、この3月から5月にかけてストップしたものは今2021年の1月ですけれども、これがもはや間に合わなくて、作れていないという事になります。
したがってこれが回復するのがおそらく3月頃だと言われています。
しかし本当に3月に回復するかどうかというのも疑問です。
半導体製造会社としてはラインを違う製品に振り分けているので、そもそも空きがないといった事も考えられます。
自動車会社としてある程度高いお金を払ってでも、この半導体を調達しなければ生産が追いつかないというような状況になってしまいました。
ここでわかる事はこの半導体というのが世界中で足りていないという事です。
これは自動車業界に限った話ではないという事になります。
というのも最終的な製品は違うにしろ大部分は、共通のラインで作っているという事になります。
その共通のラインの方がいっぱいいっぱいになってしまったという事は、今後自動車に限らず、あらゆるところで半導体が足りなくなり、需要がどんどん増えていくという庫が考えられます。
その裏付けとなっているのが今きているようなデジタルトランスフォーメーションっという流れもそうですし、5G、AIといった様々な情報を処理する技術発達するにつれて、情報を処理する為に絶対に必要な半導体のニーズというのは、長期的に見てもますます増えていくという事が考えられます。
自動車が新型コロナで需要が減ったのですが、その後回復していますし、パソコンやゲームなんかも順調に伸びています。
更にはこの技術革新によって5GやAIといった需要が増えていくと、今後半導体の需要自体がものすごく増えていくスーパーサイクルと言われる現象が起きるのではないかと言われています。
何故わざわざスーパーというような言葉を付けてまで説明するのかというと、半導体事業の特性があります。
半導体というと実は日進月歩でどんどん新しくなっています。
その為、半導体製造会社というのは最先端の物を作ろうとして投資を行う訳ですがものすごくお金がかかります。
したがって1回投資したからにはなるべく回収したいので、どんどん各社が沢山作ります。
その沢山造りすぎると、経済の行きつく末で最終的に商品の価格というのが下落してしまいますので、やがて作った物が回収出来なくなるという事になります。
こうやって盛り上がりと価格の下落による赤字を繰り返すのが、半導体におけるシリコンサイクルと呼ばれるものです。
このように非常に難しい業界だったのですが、今これだけ半導体が足りないという事になると、需要の方が常に供給を上回り続ける訳なので、上がったり下がったりのシリコンサイクルではなくて、それを超越したひたすら需要が伸び続けるというスーパーサイクルに入るのではないかという事が考えられます。
その証拠となるのが台湾のTSMCという半導体製造会社の決算発表です。
ここで発表されたのが今期2.9兆円を投資するという事です。
これの理由としてはまさに半導体の需要が急増したという事が挙げられます。
先ほど説明したように半導体製造会社では、投資と価格下落によって減損というシリコンサイクルを繰り返してきたので、下手に沢山投資してしまうとその投資した分が無駄になってしまって、それが損失になってしまうという事がこれまでありました。
だからこの投資に関しては慎重というのが基本スタンスだと思います。
そんな中で2.9兆円という去年の60%増もの投資という事になります 。
TSMCというと世界最大の半導体製造受託会社ですが、この会社がこれだけの規模の投資をするという事は、よほどこれからの半導体市場の見通しに明るい兆しを見ているという事になります。
同じような事を発言しているのが、東京エレクトロンの社長です。
来年から再来年はビッグイヤーズになるという風に発言していて、この来年というのが2021年、再来年が2022年です。
半導体の製造に関わる各社というのがもはや目先の状況からして、これからの需要をかなり強く見込んでいるということが見られます。
ではその中で有望銘柄ということになりますと、もちろん半導体メーカーというのもあるのですが、半導体メーカーというとこのように1位インテル、2位サムスン、3位は先程説明したTSMC、4位韓国のSKハイニックス、5位アメリカのマイクロンといったところが並んでいますが、それぞれ実は得意分野が分かれています。
インテルで言うとパソコンとサーバー。
サムスンで言うとメモリとスマートフォン。
それからSKハイニックスはメモリ、マイクロンもメモリ、そして6位に入ってるクアルコムは通信設備なんかだったりします。
それぞれ得意分野が分かれていてその分野が伸びる時は非常に業績も大きく伸びるのですが、そうでなかった場合というのは必ずしも半導体市場全体のスーパーサイクルの恩恵を受けられない可能性がある訳です。
それに対して半導体製造受託会社であるTSMCは、あらゆる半導体の製造を請け負っているので、ここだったらスーパーサイクルの全ての需要を取り込む事が出来ます。
半導体業界における日本企業の強みとは?
半導体製造を会社に対して製造装置や材料といった物を納入している会社もあって、そういった企業は基本的には半導体のこの製造装置とか部品とか材料というのは共通しているので、それらの会社だったらどこの商品が伸びたとしても好影響を受けるという事が出来ます。
この半導体製造装置や材料といったところは日本企業は非常に強みを持っているところです。
具体的にあげますと半導体製造装置の世界ランキングなんですが、1位アメリカのアプライドマテリアルズ、2位がオランダのASML、そして3位に入ってくるのが東京エレクトロン、そして更には日本企業で言うとアドバンテストとかスクリーンといったところが半導体製造装置の会社になってきます。
先ほど説明したようにTSMCやサムスンといったところに半導体を作る装置というのを納入しています。
TSMCが2.9兆円に投資すると言いましたが、これらの会社の商品というのは間違いなくTSMCに売るという事になるので、これらの会社の売り上げが伸びるという事は確定的です。
更にこの部材というところでいうとシリコンウエハに関しては、信越化学工業やSUMCOの2社で世界市場の半分を占めるという事になります。
半導体フォトレジストこれに関しては日本企業がほぼ独占しています。
それからダイシングソーに関しても日本企業のシェア100%といわれていますが、ディスコや東京精密といった企業が上がってきます。
このように本当に半導体のスーパーサイクルが来るのだとしたら、半導体製造に関わる会社というのは非常に有望という事になりまして、日本の株式市場や経済にも大きな好影響を与える可能性があるという風に見える訳です。
したがって日本のメーカーというのもまだまだ捨てたものではない、むしろこれから成長産業として波に乗っていける可能性が十分にあるという風に思います。
もっとも株価に関しては大きく上昇していまして、これが過去5年のPERの推移ですが、半導体製造の東京エレクトロン、アドバンテスト、スクリーンといずれもPERでこれまで各5年の中で最も高いぐらいの水準になっています。
したがって投資としては業績の拡大を株価が織り込んでいるというところだと思います。
私の投資スタンスも知っている方だったらわかると思いますが、今無理に投資する場面では必ずしもないと思います。
しかしこれが何らかの要因によって株価が下がるというような事があれば、本当に長期的に強みを持つ、長期的に成長し続けるような企業を買っておきたいなと思います。
そして一度買ったからにはずっとその会社の成長を見続けるというのが私の投資スタンスという事になります。
こういった投資を是非実践したいという方に関しましては、是非つばめ投資顧問に有料会員に入会していただく事をお勧めいたします。
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