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以下、文章化したものです。
今回取り上げるテーマはSBI証券です。
SBI証券が25歳以下の株式売買手数料を無料にすると発表しました。
手数料の値下げがどんどん進む中でSBI証券やネット証券業界は一体どこへ進むのでしょうか。
手数料無料化!その分はどこで稼ぐ?信用取引の誘いに注意!
まず何があったのかというとSBI証券が25歳以下の株式売買手数料を完全に無料化すると発表しました。
これが4月20日からです。
また、これだけではなくて2022年までにはこの25歳以下という基準も取り払って、完全無料化を目指すという事です。
この動きは実は以前から起きていて、今現在でもこのSBI証券でアクティブプランというのに入っていれば、なんと1日100万円以下の取引だったら無料になります。
実は私もこれを使っていまして、1日に100万円以上約定するという事は、私は現時点であまりないので、実質無料で取引を行えています。
多くの個人投資家もそんなにたくさんはお金を持たれている方でなければ、ここに当てはまるのではないかと思いますので、まずは自分のプランがこのアクティブプランになって、そして無料化されているかどうかというのはご確認いただければと思います。
これがおよそ1年前の動きという事になります。
そもそもこの株式売買手数料というのはネット証券の参入によって、どんどん引き下がってきました。
対面証券だと1%とか結構高い数字を取られるので、SBI証券ではこの無料ではないスタンダードプランでも、100万円に対して535円という数字になります。
これは率にして0.05%という本当に薄い手数料しか取っていません。
このようにネット証券業界では価格破壊が進行します。
しかし考えてもみるとSBI証券もビジネスですから、儲からないといけません。
今どのようにして儲かっているのかという事を見ますと、ここに各ネット証券会社の収益構造が出ています。
この委託手数料というのが今無料化されている売買手数料なのですが、これが25.6%を占めています。
それから金融収益、これは信用取引の金利収入が中心です。
これが28.9%と実はこっちの方が大きくなっています。
このトレーディング損益というのは自分での売買によるものです。
同じくネット証券の松井証券なんかはこの委託手数料と、金融収益でほぼ全ての収益を占めています。
ここから何が分かるのかというと、手数料が無料化される事によって、この委託手数料の部分がごっそり無くなってしまうという事が想定されます。
これらの会社もビジネスですから当然儲からないとやっていけません。
したがってこの無料化が進むという事はどこかでこの収益を補わなければなりません。
そこで考えられるのがやはりこの黄色の部分の金融収益というところです。
これは要するに投資家を信用取引に誘導して、信用取引させるとその分金利が発生するので、一回一回売買をしないと手数料が入ってこないこの売買手数料よりも、どちらかというと安定した収益源になります。
実際アメリカでは手数料の無料化というのが進んでいます。
アメリカネット証券最大手のチャールズシュワブというところを見ると、手数料は7.5%とほぼなくて、それに対してその信用取引の金利収入というのが57.5%を占めて、31.9%が資産管理手数料でこれは投資信託にだったり、ラップ口座のようなものの手数料という事になっています。
ここからわかる事はやはり日本の証券会社も売買手数料がないという事になると、信用取引の金利収入がメインになっていくのではないかと思います。
したがってこの信用取引に対する営業がどんどん強くなってくるという事が考えられます。
手数料無料化でこの信用取引への誘導が起こります。
この信用取引は危ないとも言われています。
信用取引の何が危ないのかというと、例えば信用取引で2倍の取引をしていた場合には、利益が現物の場合の2倍になって損失もを2倍になるという非常にアップダウンの激しい取引という事になります。
そして下落した時ですけれどもその時は追加証拠金、いわゆる追証を求められます。
この追証というのがミソでその追証が払えないという事になれば、損失が通常の2倍出ているのですが、そこで一旦取引を辞めてしまえば、損は出るにしろそこまで窮地に陥る事はないのですが、一方で多くの人はそれで諦められない故に追加証拠金を払ってしまいます。
ではどこから払うのかというと生活費だったり、場合によってはサラ金で借りたお金をそこに入れるという人も中にはいたりします。
それが信用取引の危険な所です。
しかしそういった危険な取引に十分な注意喚起もしないまま、誘導するという事になると、これによって失敗してしまって厳しい状況に陥る個人投資家が出てくるのではないかという事が考えられます。
少なくとも投資初心者が現物でも利益を出していける目論見がない、信用取引に手を出すというのは辞めたほうが良いですし、もし手を出す場合もこの時になったら撤退するという基準を、自分の中で設けてからでないといけないという事になります。
実はアメリカではもう一つこの金利収入以外に収益源がありまして、これが機関投資家へ情報を売っているという事なんです。
個人投資家のいわゆる手口です。
この投資家達がこういった値段でこの株を売買しようとしていますよという事を機関投資家に売ってしまえば、それを元にどうやって利益を上げるかというのを、機関投資家だったり、ファンドというのは考えられてしまいます。
実際にアメリカのロビンフッドではこのような事が秘密裏に行われていたという事で問題になっています。
実はSBI証券でも過去に同じような問題が生じていて、SOR注文というもので、いわゆる私設取引所(PTS取引)を機関投資家が覗けるようになっていたという問題がありました。
これによって収益を受け取っていたのではないか、あるいは他の営業の一つの口実となっていたのではないかという事が考えられています。
この辺りの事があると直接的な被害があるかというと微妙ですが、こういった状況があり得るという事は注意して見ておかなければなりません。
また、売買手数料が難しいという事になると、いよいよ運用会社化してくるという事が考えられます。
SBI証券も自ら投資信託を組んでいたりします。
特にアクティブ投信だったりすると、年間の手数料が1%以上とか持っていかれてしまうので、ここに誘導するという事になると個人投資家としてはやはり多くの手数料を持っていかれかねないのでこれにも注意が必要です。
投資対象というよりは業界再編に注目すべきか
そして業界的に見ればやはり業界再編が進むのではないかと思われます。
このネット証券で言うと先ほど示ししたように、松井証券やauカブドットコム証券、楽天マネックスなどがあります。
auカブはauの傘下ですし、楽天も他の事業があるのでそれほど一気に苦しくなるという可能性は低いのですが、松井証券とかマネックス証券というのは証券会社一本でやっているので、今後厳しくなるという事が考えられます。
そうなってくると SBIが買収するような動きが起きてもおかしくないのではないかと思います。
そのSBIなんですけれども実は直近で証券口座数が業界最大手の野村証券を抜いたという事になっています。
それほど勢いがある状況です。
業界最大手の何が良いかというと業界最大手であれば、IPOをしたい会社というのもSBIでお願いすれば最大の口座数を持っているので、そこにIPO株式を売りやすくなるという事にもなって、他のを業務にも色々プラスの影響が出てきます。
何よりこのSBIホールディングスの社長である北尾さんは野村出身なんですが、この人がいよいよ証券業界を牛耳りたいという野望がその背景にはあるのではないかという風な声が見え隠れします。
こうやって手数料がどんどん安くなっている中で、SBI証券は多角化、保険やあるいは投資事業などにも手を出して、売上高を順調に伸ばしています。
一方で利益の方はあまり伸ばしてなくて、昔の方がよほど利益は出ていた状況です。
という事から株価を見ますとやはり2000年頃とかに比べると、ずっと下がってきたという状況があります。
今後手数料を無料化するという事になると、そのリカバリーを図るというのはすぐには難しいのではないかという事が考えられます。
またマネックスはもっとひどい状況で、利益がゼロに限りなく近くなっているという事があります。
株価に関しては直近でコインチェックなど仮想通貨関連の会社を買収したので、そこで大きく上がったという事はあるのですが、長期ではやはり右肩下がりという形になっています。
証券会社に投資されている方も多いのですが、決して明るい将来ばかりがあるという訳ではないかなと、むしろを見るべきは業界再編の動きに注目した方がいいのではないかと思います。
そういった意味ではマネックスや松井といったところが、 SBIに買われるとかそういった動きはあり得るのではないかと思います。
とはいえこれらの会社をただ持っているだけでは利益を増やすというのも難しいので、長期投資という意味では少し考えた方が良いかもしれない投資先という事になります。
各証券会社の業績、株価というところもそうですし、皆さんの取引口座に関してもよく見ていく必要があると考えます。
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ネット証券業界の実情をお知らせくださりありがとうございます。
信用取引に誘引する会社も多いのですが、やはり限りない損失を被ることあるので、素人は気を付けなくては行けません。
警告、忠告が聴けるYouTubeもありがとうございます。
益々のご活躍を期待しています。
ご視聴、コメントありがとうございます。