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以下、文章化したものです。
※2021年5月13日撮影
今日にかけて日経平均株価は3日続落しました。
これによって今後株価はの動きはどうなるのか、また私たちのような長期投資家はどう動けばいいのか、今回はその時に買うべき銘柄の探し方ということについてもお話しします。
株価下落の要因
日経平均株価は本日終値で27,427円となっています。
これは6ヶ月のチャートですが、一度3万円というところまで行ってから、壁をなかなか越えられずに大きくまた下落を始めたというところです。
何故下落しているのかというと一つの要因として間違いなくあげられるのは、アメリカのインフレ率が上昇したことです。
ここにある通り、アメリカの消費者物価指数(CPI)が5月12日に発表されたのですが、予想3.6%というところに対して、4.2%という非常に高い数字が出ました。
これが何を意味するのかというと、FRBの動向に大きな影響を与えます。
FRBの役割のひとつには適正なインフレ率を達成するというところがあります。
そのインフレ率というのが2%とされています。
それを上回ると景気や資産価格が過熱してバブルを引き起こしかねなかったり、あるいは物の価格が上がって中間層、貧困層の人が困ってしまって社会に混乱をもたらしかねないということがあります。
目下この新型コロナウイルス後の世界的な金融緩和によって、世の中にお金がジャブジャブとなり、アメリカではワクチンの普及がだいぶ進んで経済が回りつつある中で、一方でコロナ禍の中の混乱で物の供給というのは滞っています。
それによって物価がどんどん上がってきていて、木材が足りないだとか銅の価格が上昇したとかそういった現象が起きています。
その結果この4.2%という数字なのですが、少しのインフレは目先容認するという風にFRBも言っているものの、あまりに高すぎると先程言ったように社会的な混乱をもたらしかねません。
どこかで金融緩和を終了させる、すなわちテーパリングを行うという可能性が示唆されるわけです。
そのテーパリングというのが何を意味するのかというと金利の上昇です。
金利を引き上げることによって世の中に出回っているお金を減らすという行動をとります。
アメリカの長期金利というのは、FRBが実際に利上げを行う前に地上では金利の上昇を見越して取引を行います。
一時期は3月の末から4月の上旬にかけて長期金利1.7%というところまで上がって、その後下落を始めたのですが、目先インフレ率が思いのほか高かったということで、金利も急上昇しています。
このテーパリングだったり金利の上昇というのは直接的に株価の下落に反映します。
世の中でこんなにお金が回って株価を引き上げてきましたけれども、当然それがなくなるということは株価も下落する可能性が高いということになるので、これを受けて株価下落しているというのが一つの側面としてあります。
ただしこれは今に始まった話ではなくて、前々からくすぶっている話であることも確かです。
では他に理由があるのかというと投資家行動を考えればある意味自然なことです。
というのもこれはアメリカの株価ですが、この1年の株価はほぼ下がることなく右肩上がりで上昇を続けてきました。
こうなると前々から買っていた人は今後下がるリスクもあるからいよいよ利益確定してしまうしてしまおうという風に考えます。
するとある程度下がります。
これは調整と呼ばれていて株価の動きにとっては、必ず起こりうるものです。
したがってこれが単なる調整だとしたら、そんなに怖がる必要はないということになります。
一方で今後もインフレがますます加速するようだったら、FRBのテーパリングが早まるという可能性もあるので、そうなると市場の予想を裏切られてある意味ネガティブサプライズというような形になって、さらに大きく下落する可能性もあります。
もちろん反対に上昇する可能性というのもありまして、上昇要因としては下値の買いということがあるわけです。
これだけ継続的に株価が上昇してきましたから、少しでも下がったらその時に買っておけば、まだいずれ儲けられるというような考えがもはや浸透しているわけで、さらにはこのコロナがで参入してきた個人投資家というのは、それで儲け続けていますから、ここで一気にまた買いが入るのではないかということも考えられるわけです。
さらには景気そのものは好調です。
今物価が上がっているというのも、物価が上がるというのは基本的には好景気の時ですから、物の対する需要が多いからこそ、物価が上がります。
それは景気が良いということなので景気が良いということは、株価が上がってしかるべきという風にも考えられます。
一方でやはり下落要因としてはこのままインフレが続くと、このFRBの金利引き上げによって、株価も下がるのではないか、あるいはアノマリー的(根拠はないけれどもよく当たるもの)ですが、『セル・イン・メイ』というのがあります。
5月に下落するという風に勘違いしている人も多いんですけれども、実はこのセル・イン・メイという言葉は5月に売って、そして9月までは帰ってくるなという意味なんです。
というのも海外の機関投資家は8月に向けて夏休みに入ります。
夏休みに入る前にポジション、つまり株を持っているとその間にバカンスに行っていたりすると、下手に動かすことが出来ないので、ポジションを外しておこうとします。
つまり、株を売るということです。
そして株を売るとなると当然株価が下がってきますから、夏枯れ相場とも言うのですが、夏にかけて下がることが多い、だから5月のうちに売っておこうと、そういう意味なんです。
いずれにしてもセル・イン・メイがそうだとしたら、9月まで下がり続ける、上がらないという可能性が想定されます。
ただ結局大きく鍵を握っているのはFRBの動向だと思っていまして、インフレが多少高まってでも金融緩和を世界経済を潤すために続けるんだとしたら、上昇要因となり得ますし、早期の利上げというのは想定されるんだったら、ますますの下落要因にもなり得るということなんです。
”良い株を安く買う”方法の一つを紹介
今の市場の状況としてこんなところではないかと思います。
ただ私たち長期投資家としてはこんなものをつぶさに見ていても、正直儲けることは出来ません。
何故ならFRBがどう出るかなんていうのは結局わかりませんし、もし分かったところでもではそれに対して株価がどう反応するのかというところまで読まないと意味がないので、それは簡単なことではなくて意味のないこととすら言えます。
ではどう考えるのかというとまさにウォーレン・バフェットが言っています。
例えばグリーンスパン議長が今後2年間の政府の金融政策を耳元で囁いてくれても、私がすることに一切変わりはない。
グリーンスパン議長は当時のFRBの議長です。
つまりFRBの動向がわかろうとわかるまいと、長期投資家の代表格であるバフェットはやることは変わらないと言っています。
では変わらないという時に何をするのかというと、これは私が投資顧問会員にも口を酸っぱくして言っていることなんですが、良い株を安く買うということです。
成長するような良い株を安く買っておけば、やがてはその成長に従って長期的に株価が伸び続けるということが期待出来ます。
だからこそ今のような株価が下落したタイミングというのは、ここから下がるにしろ少しずつでも良い銘柄を買っておくチャンスとなるわけです。
そこで私が行っているのはこういった下落の時には、年初来安値の銘柄をチェックするようにしています。
それをチェックしやすいのが「株探」です。
株探というサイトがあるのですがここから株価注意報というところに行きます。
そしてこの年初来安値を更新した銘柄というのが本日時点のものがずらっと出てきます。
今日はこの年初来安値を更新した銘柄が多くなって、703銘柄ということになっています。
日本にはおよそ4000銘柄ぐらいあるので、そのうちの700ということですからかなり多いということになります。
このソートを少し簡単にするために、時価総額が1000億円以上というような形で絞らせてもらうと119銘柄ということです。
これはどのようにして見ていくのかというと、私の一つのやり方としてはPBRが高い順に並べます。
低いほうではないのかと見られるかもしれませんが、PBRに関しては私は高い方から選んだ方が良いと思っています。
何故ならPBRの高いメーカーというのは、これまで成長を遂げてきて、市場からも期待が高いからこそPBRが高くなっているんです。
逆にPBRが例えば0.55とかの銘柄は成長性の低い銘柄というのが非常に多いです。
銀行株なんかもその代表格です。
一方で株価が割高すぎてもいけませんから、PBRが高い銘柄の中からPERが低い銘柄を選んでいきます。
高いPBRかつ、低いPERの銘柄を選ぶことによって、高いROEつまり資本効率が良く上手く経営している会社を見つけ出しやすくなります。
計算方法としてこういうものがあります。
詳細は省きますけれどもこの円のPERとPBRとROEの間には掛け算割り算の関係で成り立っていまして、ROE求めようと思ったらPBRをPERで割れば求められます、
すなわちPBRが高くてPERが低ければ必然的にROEが高い銘柄ということになります。
この形皆さんどこかで見たことあるのではないかと思いますけれども、昔理科で習ったのではないかと思いますが、オームの法則にかなり似ているので、是非オームの法則としてこのPBR、PER、ROEの関係が求められるということを覚えておいてください。
さて株探に戻りますと、PBRが高い順に並べて、その中からPERの低いものをピックアップして、一つ一つ見ていきます。
もしPBRが高く、PERが低い、すなわちROEが高い銘柄を見つけることが出来て、その銘柄をもっと詳しく見た時に、これは良い銘柄だと確信出来るものがあるならば、こんな時に少しずつでも買っておくといいという風に言えます。
もちろん最終的には数値だけではなくて企業の中身まで見ていく必要がありますが、ソートの仕方としてはかなり有効、しかも年初来安値のタイミングですから、買いのタイミングまで測れるスクリーニング方法ということになります。
せっかくなので先ほど出た銘柄の一覧から、このようなPER20倍以下で、PBRが2倍以上のものについて抜粋してみました。
これはExcelでソートしてみたのですけれども、このようにインフォコム、それからはワコム、アンリツ、エレコム、太陽誘電、ベルシステム24、ヤオコー 、NESIC、ロートとこういった銘柄が出てきます。
これらの銘柄がどういった企業なのかということは、過去の業績が伸び続けているのかどうか等を見ることによって、良い銘柄をきっと探し出すことが出来るという風に考えます。
私もこれらの銘柄見てみましたけれども、業績の推移、あるいはビジネス内容がかなり有用と思えるものがありました。
ぜひ皆さんもこの中から良い銘柄を探し出して、そして今のような下落したタイミングで購入することを考えてみてください。
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