仮想通貨急落で窮地に陥る韓国の若者。なぜ彼らは仮想通貨に熱中するのか?その背景と行動経済学的な見方(プロスペクト理論)を解説します

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以下、文章化したものです。

 


直近でビットコインの価格が3割下落して仮想通貨市場大変厳しい状況になっているのですが、この損失の影響を大きく受けているのが韓国の若者だと言われています。

今回は何故韓国の若者がそれほどビットコインに熱中しているのかというところの背景を中心に、投資についての考え方をもう一度改めて考えていただきたいと思います。

韓国で仮想通貨が過熱。なぜ?

日経新聞の記事が出ています。

ここにあります通り『ビットコインに代表される暗号資産、仮想通貨の価格急落が韓国の若者を直撃している。少額から始められる手軽さから大学生の4人に1人が投資するほど加熱しているが、突然の急落で含み損を抱えた人が出ている。借金して投資をしている若者も多く、相場が回復しないと破産者が続出しかねない。』ということです。

実は韓国では特に若者の間で仮想通貨への投資熱が非常に高まっています。

日本でも投資している人は多いとは思いますが、韓国ほどではなくて、韓国で言うと若者に関しては4分の1の人が投資しているということです。

皆さんの周りと比べると、かなり高い割合ではないかと思います。

この取引料というのがなんと韓国の株式市場の取引料を超えるぐらい、韓国内で増えているということですから非常に驚きです。

これだけ取引が増えたということで、実は韓国ではビットコインが国際価格に比べて2割ほども高いキムチプレミアムというような状況にもなっています。

これは資本規制の関係で、韓国のウォンで取引する部分とそれ以外の通貨で取引する部分が、韓国内で盛り上がり過ぎたため上手く連動出来なくて価格差が生じてしまっているという状況です。

これをキムチプレミアムと言います。

そう言った状況を避ける為に韓国内でビットコインとか世界的に取引されているものだけではなくて、キムチコインとか国内だけで流通する仮想通貨なんかも盛り上がりを見せているといいます。

実際に韓国で取引している資産のほとんどがビットコイン等ではなくて、それ以外のアルトコインと言われるものだそうです。

しかし、若者が熱中しているという話でしたが、若者はそもそもお金は持っていません。

それでも沢山取引が行われているということは、借金をして行っているということです。

2020年の統計ですが、家計負債の割合が全体では8%増えたということなんですが、20代30代に限るとこれが17%増えているということです。

コロナ禍ということもありましたがこれだけ増えているというのは、仮想通貨の取引の為に借金をしているのではないかというのが日経新聞の記事でも書かれています。

しかし5月に入りましてこの仮想通貨非常に大きく下落していまして、このビットコインに関しても3割下落するということで、多くの投資家が損失を被っているということです。

韓国内の5月の頭のアンケートでも52%の人が損をしているということでしたから、そこからさらに下がっているので実は今大半の人が損失を被っているのではないかと思われます。

実は韓国内では一方ではすごい成功した人なんかもいて、短期間で何億円も儲けた人というのがYouTubeを出していたりして、憧れの的になっているような人もいます。

しかし結局結果としては半分以上の人が損失を被っているということで、これだけ価格変動リスクの高い資産ですから、そういった状況なってしまうのは歴史から見ても「さもありなん」という、このように価格変動の激しいものというのは、ほとんどそれで損失を被る人が多いという結果になっていることは間違いありません。

では何故それほど危険とわかっているのに、そんな取引をしてしまうのかというと、そこには韓国が抱える闇、韓国の社会背景というものがあります。

結論から言うと韓国は特に若い人にとってもはや希望が中々見出しにくい社会となっているということが挙げられます。

韓国というと経済成長をこれまで遂げてきたのですが、実はそこで生まれたのは巨大な格差ということになります。

まず大学生の就職率で言いますと文系大学に関して言えば、就職出来るのが僅か56%といいまして、半数近くの人は就職出来ないということになっています。

そしてもし就職出来たとしても就職先にも格差が存在します。

実際に大企業が上場している韓国の株式市場において見ると、なんとその3割がサムスンによって占められています。

残りの大きなところもヒュンダイといった財閥ということになります。

すなわち韓国においてはサムスンなんかの財閥に就職出来れば勝ち組ですが、そうでなかったらもはや有象無象の負け組というような形なってしまいます。

韓国の受験戦争なんかもテレビで見たことあるかと思うのですが、サムスンに入る為に必死にやっていますが、数には限度がありますからそう上手くいかなかった人は落ちぶれていくというような状況になっています。

就職率56%というと日本の比ではないです。

日本でも8割9割は就職するということになりますからそれだけ韓国の若者にとっては、先が見えない状況なのです。

そこに追い討ちをかけているのが住宅価格の上昇です。

特に人口が集中するソウルに関して見れば、マンション価格がこの2020年までどんどん上がりまして、5年前のおよそ2倍になっています。

その価格が9億1200万ウォンが平均価格ということですが、これがどれぐらいの金額かというと、東京の約1.4倍ということになります。

東京というとかなり高いですから、簡単に言うと普通のマンションに入ろうと思うと1億円ぐらいの金額を積まないと中々入れないといった状況になっています。

これが何によって起きているのかというとある種投機的な動きが絡んでいます。

株式投資といっても先ほど示しました通りほぼサムスンですからここで儲けを上げるというよりも、マンションを買ってどんどん上がっているので、それを高値で売り抜けた方が利益が出るというのが主な資産運用手段になっているという、まさに日本のバブルの頃の土地転がしに他ならないのですが、それが続いた結果マンション価格が上昇しました。

そして若い人、これから買いたいという人にとっては手が出せる金額ではなくなってしまっていますから、もはや家すら買えないという、もともと希望がないところにさらに追い打ちをかけてしまっています。

それほど将来に関して希望が持てないので、この合計特殊出生率が日本も低いと言われていますが、それでも1.4ぐらいですが、韓国に関してはなんと1を下回りました。

すなわちこれは産む人でも1人しか産まなかったり、全く結婚出来ないまま終えてしまうということが少なくありません。

こうなっていくと人口もどんどん減って、高齢化が進むということですから韓国の国力自体も衰えてしまうのではないかという懸念があります。

プロスペクト理論

こういった状況で普通に若者が過ごしていたら将来への希望が見出せない、そこで何で仮想通貨への投資、投機に手を出してしまうのかということを説明するのが、プロスペクト理論というものです。

これはいわゆる行動経済学、心理を使った人々の行動を分析しようという学問なのですが、プロスペクト理論に当て嵌めればよくわかります。

このプロスペクト理論で軸となるのが、損失に対する痛みを回避しようとすることなんです。

人は利益を出す喜びよりも損失を被る痛みの方が大きいということです。

これを具体的に数字で説明しますと、今仮に100万円持っていたとします、これがあるクジを引いたら上手くいったらプラス100万円、しかし失敗したらマイナス100万円ものがあるとします。

プラスになったら200万円になるけれども、マイナスになったら100万円が0になってしまいます。

こういった取引の場合多くの人は中々やりたがらない、100万円の損失を被ってしまいますし、結果0円になってしまう可能性があるということなので、やりたがらない人が多いということです。

一方で今100万円の借金を負っていたとすると、借金を負っているというのは損失ですから心理的不安を大きく感じます。

すると何とかここから抜け出したいということを考えて、リスクの高い取引にも手を出してしまうという理論があります。

この結果今仮想通貨の取引をしたとして、上手くいったらプラス300万円、失敗したらマイナス300万円となってでも、プラスになったら何とか借金生活から逃れられる、しかし失敗したら400万円もの借金を背負ってしまう取引でもやりたいと思うわけです。

何故なら損失を脱出出来る可能性があるからというところです。

これを韓国の若者に当てはめてみますと、何もしないでボーッと過ごしているだけでも先の見えない苦しい生活しか待っていないので、それだったらもし大損を被ってしまったとしても、値動きの激しい仮想通貨で一攫千金を得ることが出来れば、幸せな生活が送れるのではないかということを夢見て、今若者が借金をしてまで仮想通貨にのめり込んでいるという実態があります。

これを皆さん漫画でご覧になった事があるかもしれませんが、まさにカイジの世界です。

有名な『鉄骨渡り』のように、成功したら借金はチャラ、落ちたら当然死んでしまうというようなものすごくリスクの高い取引を、追い詰めれば追い詰められるほど行ってしまうということになります。

韓国の若者がビットコイン仮想通貨にのめり込む状況をお分かりいただけましたでしょうか。

もちろんこのような取引をして上手くいく可能性はかなり低いです。

現時点で韓国の仮想通貨で損している人が半数以上ということになっていますし、これから価格が下がればさらにその割合は高まっていくものと思われます。

やはりリスクの高い取引、あるいは目先の高い利益を求めようとすればするほど、投資の世界は不思議なもので、どんどん利益は逃げていきます。

堅実な皆さんに関しては自分とれるリスクをしっかり認識して、最悪の状況に陥ってしまわないように、将来のことを考えて、着実にやっていく、これが遠回りに見えますが投資で成功する唯一の道だと私は考えます。

目先の欲に目をくらませてはいけません

リスクの高い取引というのは必ずどこかで落とし穴があるものです。

それを心に留めて、一方でしっかりと勉強することで投資は着実に歩んでいけるものではありますから、是非皆さんは幸せに資産を築いていただければと思います。


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