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以下、文章化したものです。
今回はお菓子銘柄について分析したいと思います。
何故今分析するかというと、これらの銘柄がいずれも年初来安値を更新するほど大きく下落を続けているからです。
一方でこの菓子銘柄というのはあの有名な投資家も高く評価している強みを持っているところでもあります。
これらの銘柄の状況とこれからの投資の可能性について分析したいと思います。
なぜ下落?
今回取り上げる銘柄はお菓子を中心に販売する4つのメーカーです。
明治ホールディングス、カルビー、江崎グリコ、そして森永製菓の4つです。
チャートを見ていただければわかります通り、明治ホールディングスが過去1年で17%のマイナス、カルビーが19%、江崎グリコは19%、そして森永製菓24%と、いずれもかなり大きな値下がりとなっています。
これはコロナショックの頃よりも下がっているという状況です。
何故お菓子のメーカーこんなに下がってしまうのかというと、基本的にはお菓子というと景気にあんまり関係なくに安定して売れるものなので、これだけ下がるということになると何かあるのではないかと思ってしまいます。
業績を見ますといずれも比較的好調で特に過去10年に関しては、どの会社も増益を達成してきたということになります。
したがってこれらの状況からで株価は比較的高位安定していた状況だったのですが、状況が大きく変わったのが目先のコロナ禍です。
直近は2021年3月期だったり、その翌期の予想に関してみれば、いずれの会社も減益となっていることが多いです。
ここで皆さんも疑問を覚えるかも知れません。
このようなお菓子メーカー家で過ごす時間が長くなったということで、むしろお菓子買うことが増えたのではないかと感じられる方もいるのではないでしょうか。
実際に巣篭もり商品に関してはどのメーカーも比較的好調です。
明治だったら乳業もありますからヨーグルトですとか、カルビーのフルーツグラノーラ、それからグリコのアイスクリーム、そして森永だとホットケーキミックスなんかもありますから、これらの売り上げは非常に好調でプラスに貢献しています。
一方で大きなマイナスとなっているのが「コンビニ需要」です。
菓子メーカーの各社はいずれも今や主力がコンビニになっています。
コンビニにどんどん新商品を出し、しかもちょっと高いプレミアム価格で売ることによって、そこそこお金のあるサラリーマンだったり、OLの人だったりをターゲットとしていました。
彼らが仕事の合間にコンビニで高いお菓子を買うことによって、実はこれらのお菓子メーカーは利益をどんどん上げてきました。
しかしコロナ禍でそもそもオフィスに出る機会というのが減ってしまいましたから、それでここにあるような小さな商品、あるいは少し高級感のある商品というのが目先売れなくなっています。
チョコレートだったり、じゃがりこ、ポッキー、ハイチュウといったところが売れなくなっています。
このプラスとマイナスがありながらトータルではやはりマイナスという形になってしまっているところが多いです。
「定番」となったお菓子は強い
とはいえコロナが終われば一部はリモートワークも定着するのでしょうけれども、大部分の人がオフィスに戻るということが考えられるわけです。
したがってこの一時的な減収減益というのは実はあんまり問題にならないのではないかというのが私の考え方です。
むしろこの業績にあります通り各社とも値上げによって業績を上げてきました。
お菓子売り場に行っていただければわかると思いますが、売られているチョコレートとかそういったお菓子メーカーは実はこれらの会社プラスアルファぐらいで、かなり寡占的な状況になっていることがおわかりいただけるかと思います。
しかも馴染みのある商品で子供の頃から買ってきたような商品を買うわけですから、なかなか他の会社にスイッチにするということがあまりありません。
しかも子供の時に買っていたお菓子が大人になってまだ馴染みのある状況で、少しお金があるということになると、プレミアムな商品が出たらコンビニで買ってみようということになるわけです。
こうやって各社が業績を伸ばしてきました。
実はこのお菓子というのはあの有名な投資家であります、ウォーレン・バフェットも非常に高く評価しています。
ウォーレン・バフェットの保有銘柄の中にはこのハーシーズチョコレートだったり、シーズキャンディという会社が含まれています。
いずれもアメリカでちゃんと根を張っているお菓子メーカーということになりまして、バフェットもこれらの消費財を好んで投資する傾向があります。
何故かというとさきほど説明した通り、一度馴染んで市場で高いシェアを取り続ければじわじわとでも値上げをしていって、消費者はあまり疑うことなく買い続けるという状況を作り上げることが出来ます。
実際日本でもステルス値上げといって、値段は変わらないけれども量が少し減っていたりといったような状況で実質値上げが行われている、あるいは消費増税に合わせて、それに上乗せして値上げをするというような状況も起きています。
これから同じことが起きると考えられますので、基本的には長期的に目線で見れば私はこれらの菓子メーカーに関してポジティブな見方をしています。
もっとも値段を2倍に上げたりするようなことは出来ませんし、日本の消費市場というのも急に大きくなることはありませんから、これらの銘柄が少しでも株価が下がって安くなった時に買っておくというのは、堅実な投資方針としては望ましいのではないかという風に考えます。
そこでこれらの会社が今割安なのかどうかということについて、着目してみたいのですがこれがマネックス証券で見たものですけれども、目先のPERに関してみれば明治が14.4倍、それからカルビーが18倍、江崎グリコが22倍、それから森永が14倍という数字になっています。
市場の平均がおよそ15倍ということですから、平均から前後しているような感じになっているのですが、ただこれらの会社の安定性だったり、成長性が評価されて一時期は20倍から25倍ぐらいで評価されていた時期もありました。
そう考えると評価によってはそれぐらいまで上昇する可能性というのも十分にありますし、そもそも業績は比較的安定しているので下落リスクも小さく見ていられる状況ではないかと思います。
グリコに関しては少し高いですし業績を見ましても、今手間取っている部分もありますので、あえてここに投資することはないのかなという風に思いますけれども、その他の会社に関してはやはり比較的堅調な推移を辿っています。
カルビーは、実は東日本大震災の時に上場したのですけれども、この会社は海外戦略が結構上手くいっていて、それで業績を伸ばしてきたというところもあって、一時期はPER30倍ぐらいで評価されていたのですが、それが18倍ですから本当に今後も海外でも伸ばし続けられるとしたら、かなり買い頃なのではないかという気がします。
過去の水準を見ましてもここにあります通り、30倍で評価されていた時期もありました。
明治も高い時はそれぐらいあったのですが、今どの会社も過去5年でPERに関して最も低いレベルの水準になっています。
したがって確実に伸びるとまでは言いませんが、事業の安定性やこれからの値上げなどによる成長余地というのを考えたら悪い状況ではないのではないかと思います。
最も大切なのはこうやって数字だけ見てざっくり買うということではなくて、その会社が今後どういう戦略を取ろうとしているのか、どういう強みがあるのかというのを分析して、そしてさらには自分が好きなお菓子を作っていたら尚良いかも知れません。
そういった中で自分がこれだと思える企業が出てきたら、最終的にはもう一度株価水準を見極めて、それで十分に安いと思えるのだったら、今買っておくというのはありだという風に考えます。
このように長期投資で大切なのはこうやって事業を分析すること、それで株価が高いか安いかを判断してしっかりと安い時に買って、あとは一度買ったらじっくりと見守るというこの3つが大切です。
是非このやり方を磨いて長期投資に励んでみてください。
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