日経平均株価が8日の終値17,004円から約2,000円下落し、12日終値は15,000円を割り込む14,952円となりました。その原因を探ります。
大きく下落しているのは日本だけ
一部報道では、下落の要因は世界同時株安と言われています。
確かに、年が明けてからの世界の株価は軟調です。ダウ平均は10%近く値を下げています。原油安や中国経済の先行きの不透明感から、資金が株式から引き上げ始めているのは事実でしょう。
ところが、日経平均はダウ平均を大きく上回る20%近く下げています。特にこの一週間の値下がりは急激でした。その最大の要因は円高です。日経平均株価を構成する企業は輸出企業が多く、円高になると過度に反応します。
逆に考えると、これまでの日経平均は円安に支えられていたとも言えます。この1年間は1ドル110円前後だったのが120円前後まで円安となっていました。これがまた110円近くの円高になったことにより、日経平均もそれまでの水準に戻っただけにすぎません。
このように、日経平均は世界的な株価と為替の影響のダブルパンチがあるため、他の代表的な指数よりも劇的な動きになる傾向があります。「下り最速の日経」と言われる所以です。
株価は短期的には心理で動く
一般論の話をすると、株価は短期的には心理で動きます。市場は参加者の合意形成の場であり、投資家が臆病になるほど、株価は乱高下しやすくなります。
この投資家の心理を表す指標にVIX指数(恐怖指数)があります。これは株価の値動き(ボラティリティ)から算出されるもので、数値が高くなるほど投資家が臆病になっているということです。
ここ数年でVIX指数が大きく高まったのが、リーマン・ショックの時です。そして上のリンクを見ると、昨年夏以降数値が高くなっていることがわかります。
群集心理は、一度不安になると何かあるまでは中々収まるものではありません。いわばチキンレースです。こういう時の投資はよく考えたほうが良いでしょう。
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