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以下、文章化したものです。
7月20日の日経平均株価は300円弱下げて5日連続の下落、日経平均は2万7000円を割り込もうという展開になっています。
この下落の要因は前日にダウ平均が700ドルも下げたことが大きな理由となっています。
その背景とこの下落を受けて私達はどのような銘柄に注目し、何を買ったらいいのかということについても考えてみたいと思います。
なぜ下落?理由は1つじゃない
こちらが7月20日の記事になっているのですが、5日続落で本日は264円安の27000円という数字で落ち着いています。
「夏枯れ相場」とも言いますが、夏はやはり株価が下がりやすいというところが基本的にはあり、何故こんなに急に下がったのかというところを突き詰めるともう少し深く見えてくることがあります。
何故株価が下落したのかというと前日の700ドル下げたアメリカのダウ平均の影響を受けているわけですが、その一番の要因として挙げられているのはデルタ株の拡大懸念です。
このデルタ株というのは新型コロナウイルスにおけるインドで発生した新型のウイルスです。
今普及が進んでいるワクチンがデルタ株には必ずしも効かないのではないかということが挙げられています。
実際にワクチンの普及率がすでに50%を超えたと言われているイギリスにおいても、感染者数がすごく増えています。
イギリスではほとんどの規制を撤廃して自由に動けるという状況になっているのですが、そんなことをしたら当然感染者数は増えていきまして、デルタ株はワクチンが効きにくいとも言われていますから、これによってデルタ株の感染拡大ということが言えるわけです。
アメリカでも似たような状況となっておりまして、これを懸念してまたロックダウンとか自由な経済が続けられないということになると、再び経済に影響が出るということを多くの人は懸念しています。
ただこのをチャートを見れば分かる通り、デルタ株の拡大というのは今に始まったことではなくて、6月の初旬の頃から増えるということはほぼ明らかだったわけで、これだけが株価下落の要因と断じるには少し薄弱というような気がします。
このように株価というのは一つの理由が注目されがちですが、一つだけではなくて複合的な要因が絡み合って、その動きに繋がっているものなのです。
なのでその2つ目3つ目の理由をしっかりと見ておくことが相場の状況を認識する上では必ず必要になってきます。
単純に1対1に対応するものではありません。
それではその他の理由というとどういうことなのかというと、もう一つは決算発表前の買い控えというところがあります。
決算発表というとアメリカも日本も3ヶ月毎の決算を発表するのですが、6月までというのが4、5、6月の四半期となっている所が多いので、この7月末から8月上旬にかけて6月までの決算が出てくるというところになります。
ここで何らかのサプライズがあった時には、場合よっては相場が急に崩れてしまうかもしれない、あるいは特定の株において急に崩れてしまう可能性があることから、この決算発表前というのはどうしても買い控えが起こる時期なんです。
買い控えが起こるということは少し売りがかさむとこの需要供給のバランスが崩れてしまいますから、株価も落ちるということになるわけです。
それが特にこれから欧米の投資家が夏休みに入るこのタイミングで決算発表前ということになると、ますますこの売買が買い控えられてきますから、そんな時にこのデルタ株の拡大ということがあると、株価も急に動きやすいタイミングがなっています。
それからもう一つは緩和終了を見越し、すでに株価はピークアウトしたのではないかという見方もあります。
最初に言ったこととは少し反対のところもあるのですが、新型コロナに対応する為に様々な金融緩和が行われました。
しかしそれをいつまでも続けているとバブルとかインフレとかそういった副作用に繋がりかねません。
それをどこかのタイミングで緩和を終了させなければいけない、今株式市場はこの緩和の終了がいつになるかということと常に睨めっこしている段階です。
それがどのタイミングになるかというところだけのチキンレースをやっている部分もあるわけなんです。
このチキンレースの号砲が鳴るのが今なのか、あるいは今ではないかもしれないけれどもこれがいつか来るということはある意味確実です。
そういう意味でデルタ株が契機となって下がり始めたのではないかという見方もあります。
もっともこれによって下がり続けるのかというと必ずしもそうではない部分があって、一部の投資家はコロナ禍で少し下げようとも、その後再び上がるという状況が非常に多く続きましたから、こうやって押し目買いをしようとか考えている投資家が少なくありません。
それによってさらに上昇に勢いがつくということもあります。
これが続くとやがて株価はバブル的に上がっていく可能性もあるのですが、そんな中で逆にこの株価の下げを予想した人というのは失敗して損を被って、から売りをする人というのもどんどん減ってきて、さらに上がりやすい状況が続いているというのもあります。
なのでバブル的に上がる可能性はあるというところですが、一方でファンダメンタルズ、業績とか国の経済とかそういったところを見ると、やはり少し上がりすぎているという見方も否定出来ません。
だからといって株価が上がらない理由にはならないものの、上がりすぎた株というのはどこかで必ず下がるということは常に認識していただいた方が良いかと思います。
S&P500アメリカの株についてはこれまでコロナショックで大きく下げてからは、もう一本調子で上がり続けています。
しかしこれがピークアウトではないかという見方も出来ますし、今後も上がり続ける押目なのではないかという見方も出来ます。
こればかりは先の予想は出来ませんが上がり続ける株はないというところは認識しておいてください。
それから日本の株については実は年初でほぼ1回ピークを打って、ずっと軟調な展開が続いています。
だからこそ日本株は弱いという風にも言われるのですが、個別の株で見ればこの弱い日本市場にあるからこそ、今が長期で見た時の買い場になっている企業銘柄というのも少なくないのではないかという風に考えられます。
下落時にどう動くか
株価が大きく下がる時に私は何をするのかというと、年初来安値の銘柄を確認するようにしています。
ここで時々ストンと大きく下がる銘柄が存在して、この1年弱の株価の安値を更新するということが珍しくありません。
そういった銘柄をすっと拾えればその後の上昇に乗れたりもします。
安値だから良いというわけではなくて、その後も下がり続ける銘柄を買ってはいけないのですが、ただ実態に対して割安だったりという銘柄がないかということを見つけるわけです。
ここにありますのが本日年初来安値を更新した銘柄と言うところです。
これはどこで確認するのかというと、「株探」というサイトで、株式投資家の間では既にお馴染みですが、トップページから株価注意報というタブがありますので、そこに行ってその中に本日年初来安値更新した銘柄というリストが出てきます。
私は毎日チェックするようにしています。
この中で時価総額が1千億円以上のものをだけを抜粋したものですが、皆さんお馴染みの企業も並んでいたりします。
今どういう銘柄が下がっているのかというとこのロイターの記事に載っているようなものです。
要はこれまでコロナ後の景気回復が続いているという見方だったものが、デルタ株が拡大するということになればこれらの企業はまた逆戻りしてしまうのではないかということを懸念しているわけです。
しかし私たち長期投資家の見方からすれば、やがてはコロナ禍が終わって順調な通常の社会に戻っていくということはほぼ間違いないと思います。
そんな中でこの辺りの銘柄、あるいは今安値を更新しているような銘柄が買えれば、目先1年とは言わずとも、3年後5年後を見据えればかなり確度の高い仕込みのチャンスになると考えます。
戦略としては、下落して安値になった株の中から良いものを探す、アフターコロナに照準を絞る、もはや相場が関係ない成長株を探すなどが考えられます。
こういった中から一つでも多くの企業を知って、自分はどの考え方にベットするかを考えながら投資することが投資家の基本行動ということになります。
7月20日に年初来最安値を更新した銘柄の中から私がおすすめするとしたら、ベルク、学情、ディスコの3つです。
ベルク
まず、ベルクどんな会社かというと、スーパーです。
実はコロナ禍において業績を伸ばしてきた会社です。
おうち時間が増え、総菜などの需要が高まってスーパーの業績は良くなってきたというところです。
業績を見ますと長期で見てもこのように右肩上がりに伸びています。
特に2021年2月期はまさにコロナ禍真っただ中なのですが、営業利益、売上高の傾きが急になっていて、スーパーが伸びてきたというところになります。
一方でなぜ目先で株価が下がっているのかというと、コロナ特需が終わってさすがに落ち着くかという業績予想を出しているというところがあります。
長期で見た時には業績を伸ばし続けていますから、この1年厳しいかもしれませんがそこから先を見れば必ず
しも不安なことばかりではないのではないかと考えられます。
ところで、スーパーというとかなり厳しいという見方もされている方も少なくないと思います。
実際にスーパーマーケットは薄利多売になっています。
しかもどのスーパーも同じようなものを売っていたりしてなかなか差別化できない中で1%2%といった薄い利益をなんとか確保しようとしているというところがあります。
その中でこのベルクと、同じ埼玉県を地盤とするヤオコーに関してはかなり高い利益率を残しているわけです。
スーパーの平均的な利益率が1~2%という中で、どちらも4%という営業利益を残しています。
このヤオコーとベルクですが、戦略に関してはかなり対照的なところがあります。
ヤオコーは良い総菜を少し高く売ろうと考えています。
売り上げが少し増えることで他のスーパーより高い利益を上げられています。
一方でベルクは、売り上げに対して可能な限り費用を減らすということを考えています。
この費用の減らし方というのが、とにかくあらゆる店舗で画一的なオペレーションをすることによってコストを引き下げています。
売値は他のスーパーとあまり変わらなかったりむしろ安かったりしますが、費用を下げることによって利益を伸ばす戦略をとっています。
この2つのスーパーは対照的ですが確実に言えることはどちらも業績を伸ばしているということです。
ベルクの株価を見ると、PERに関しては12.8倍となかなか手頃な水準になってきているのではないかと思います。
株価はこの年初来のチャートでは確かに右肩下がりになっていて、コロナで上がったが故にその反動もあると考えられます。
株価に関してはかなり割安で値ごろ感があります。
もちろんスーパーなので結構競争が激しいというところがあって一筋縄にはいきませんが長期で見れば十分に買える水準なのではないかと思います。
ヤオコーもPERに関してはベルクよりも若干高いというところがありますがこちらも株価が下がってきていてどちらも面白いところなのではないかと思います。
学情
2つ目は学情です。
これは就職情報サービスで、マイナビやリクナビなどのライバルになるところです。
この会社には2つ軸があります。
1つは新卒や20代の若い人の転職のためのサイトや就職情報というところになります。
もう1つは大企業ではなくどちらかと言うと中堅中小企業の採用を重視しているというところです。
こういったやり方をしているため大手のマイナビやリクルートnなどとは必ずしもバッティングせずにできているという部分があります。
さてこの学情ですが最近大きく業績を伸ばしています。
リーマンショックの時は赤字だったりもしましたがその後売上高を伸ばし、それに伴って利益を伸ばしています。
利益率に関しては20%から30%とかなり高い水準を維持しています。
なぜこのように伸ばしてきたのでしょうか。
就職というとそこまで一気に市場が拡大するようなところでもないのですが、学情は「Re就活」というイベントを非常に重要視しました。
今では企業に就職してもすぐに辞めてしまう若者が少なくないです。
彼らが転職するときに彼らに特化した情報提供を行い、また中小企業にとっても、大手に入ったけれども自分が望むような仕事ができなかった若手を取ることで今後の成長の活力になるということが想定できるわけです。
この「Re就活」というのが大きなプロモーション効果もあり伸びてきました。
この市場に成長余力があるのではないかと考えられます。
というのも、就活では合同説明会などのイベントが大事なのですが、コロナ禍でなかなか開催できませんでしたから直近で業績を落としているところがあります。
コロナが終わればまたその説明会ができるようになるでしょうし、これまで右肩上がりでしたから市場が拡大しているというところが本当にあるとするならばまだまだ成長の余地はあるのではないかと思います。
実は2019年あたりに業績が伸び、それを受けて株価も1150円辺りから2500円と2倍以上に伸びた瞬間がありました。
その後コロナもあり一気に下落しました。
これはある意味で投資家の期待は高かったということです。
コロナを受けて厳しくなりましたが決してこの若者の就職あるいは中堅中小企業の就活というものが市場としてしぼんでしまったわけではないと思いますので適切な企業戦略を取っていれば今後も業績を伸ばせるのではないかと考えられます。
これに対してPERは直近で業績予想が芳しくないというところがあって15.5倍という数字になっています。
しかし、ピークの業績で考えると12倍ぐらいと見ていいのではないかと思います。
大きく割安というわけでも大きく成長するというわけでもないですが、業績の成長に伴って十分に伸びる銘柄であると考えます。
アフターコロナであったり長期的な成長を見込んでいけば良いのではないかと思います。
ディスコ
3つ目に挙げるのはディスコです。
半導体を作るための機械を製造する、かなりの精密技術を要求されるビジネスをやっている会社です。
半導体を作る上で欠かせないダイシングソーという装置において、世界シェアなんと7~8割というものすごく高いシェアを持っています。
ディスコがないと半導体の製造が完結しないのです。
半導体というと市況によって大きくアップダウンを繰り返すものなのですが、ここのところ半導体が好調ということもあり、業績は右肩上がりに伸びています。
しかも営業利益率が30%弱もあります。
これは当然といえば当然で、シェアが7~8割ですから高い価格で売ってもどうしても買わざるを得ないメーカーがいるわけです。
PERですが、PERを見ようとしても表示されないという時は、今期の業績予想を出していないということです。
これはディスコが、今後の半導体の需要の見通しは難しいから1四半期先までの見通ししか出さないという風に宣言しているから通期の業績予想を出していないということです。
こういった時に参考にするのが過去の業績で、それを参考にざっとPERを算出してみると、28.7倍という数字が出ます。
半導体の市場は予想が難しいですが、昨年の業績に対して28.7倍ですから、業績がこれを上回ってくるようだったら実質PERはもっと下がってくるのではないかと見られます。
半導体関連の銘柄を買いたいという人がいたら、もちろん個別の強みなどを見極める必要はありますが、一つの買い場になるのではないかと思います。
ちなみにこのディスクは一株31,100円なので、100株単元に投資しようと思うと311万円もかかってしまい、多くの人はなかなか簡単に買える銘柄ではないかと思います。
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