カントリーリスクを避けて中国株に投資する方法

中国株に潜む政治・金融リスク。避ける方法はあるか?

昨日公開した動画では、中国株戦略について触れました。

動画の内容を簡単にまとめると以下のような感じです。

  • 中国では政府による民間企業の締め付けが強まっていて、企業の成長性に疑問符がつく
  • 小中学生向けの学習塾の非営利化に代表されるように、個別銘柄では突然死を迎えるリスクを孕んでいる
  • 一方で、2027年に世界最大の経済大国になる中国を完全に見捨てるわけにもいかない
  • 個別銘柄のリスクを避ける方法として、ETFに投資することが考えられる
  • 米国ウィズダムツリーが運営するETF「中国株ニューエコノミーファンド(CXSE)」は面白いのではないか

最後に紹介したETFは私もここで初めて知った銘柄です。調べてみると、中国株をいいとこどりした戦略をとっているように見えます。

中国の最大のリスクは不動産バブルの崩壊だと考えています。経済を活性化させるため、何もない地方都市に突如高層マンションが建ち、その一室が何億円もの高値で取引される異常事態が間違いなく存在します。

今はまだ投機的な動きによって価格が維持されている部分もありますが、買い手がつかなくなれば脆くも崩れ去っていく可能性があります。そこで痛手を被るのは、投資していた人はもちろん、そこにお金を貸していた金融機関ということになります。

同じようなリスクが、中国の国営企業についても言えます。これらの企業は事業効率が悪いまま肥大化し、いわゆる「ゾンビ企業」として生き残っているところがあります。

すなわち、中国株のリスクは「金融」「不動産」「国営企業」に潜んでいるのです。

そして、中国株の時価総額のかなりの部分をこの金融と不動産が占めます。この状況が続く限り、中国株全体への投資というのは大きなリスクを抱えたままになっているのです。

一方で、中国ではこれまでもアリババやテンセントと言った巨大IT企業が生まれてきました。主に中国国内だけでの事業展開ですが、それでもこれから世界最大の経済大国になる国の市場は巨大です。ただし、動画でも解説しているように規模が大きくなるほど政府から目をつけられやすくなり、場合によっては突然死を迎える可能性があります

いいとこ取り戦略の中国株ETF「CXSE」

ウィズダムツリーのETFはこれらの問題点を解消するものだと考えます。

このETFの特徴は、中国の大手企業から政府系企業や金融機関を除き、元気のある民間セクターから優良企業を抽出しています。その結果、長期でのパフォーマンスは中国株の平均を大きく上回る水準となっているのです。

【出典】ウィズダムツリー(青:CXSE、緑:MSCI中国インデックス。橙:FTSE中国50インデックス)

さてその構成銘柄ですが、直近のもので以下のようになっています。

上位から、テンセント、アリババ、中国平安保険、美団(フードデリバリー)、JD(Eコマース)となっています。それ以下を眺めても、中国で元気のある企業が組み入れられている印象です。少なくとも、なんとなく中国株に投資したり、国営企業やゾンビ企業を含むETFに投資するよりも良さそうです。

特に、アリババやテンセントは未だにものすごい勢いで成長している一方で、PER はそれぞれ23倍、22倍とかなり低い水準に抑えられています。

アリババ(出典:マネックス商圏「銘柄スカウター」)
テンセント(出典:マネックス商圏「銘柄スカウター」)

これらをまとめて、この下がったタイミングでETFとして保有するという戦略は悪くないように思います。どこかが突然死を迎えたとしても、経済成長により別の所がカバーしてくれるでしょう。

【出典】Google

ここでは紹介という形に止めますが、調べてみる価値のあるものだと考えます。私ももう少し深掘りしていきたいと思います。ETFはSBI証券、楽天証券、マネックス証券でご購入いただけます。ティッカーは「CXSE」です。

ファンド詳細はこちら(英語)

日本語紹介資料はこちら(2018年2月付)

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