夏枯れ相場の今だからこそ探しておきたい割安成長株。「5年で2倍」を達成するための明確な条件

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「夏枯れ相場」は買いのチャンス?

「夏枯れ相場」の到来です。

決算シーズンですが、結果に対する反応は芳しくありません。上方修正のあった銘柄こそ買われていますが、決算数値が良くても上方修正がなければ反応がなく、決算数値が横ばいなら下がると言えるほど買い需要がありません。

季節的に言っても、8月は相場が軟調となりやすいシーズンです。3月決算における第1四半期決算が発表されると同時に、機関投資家は夏休みに入ります。決算で万が一のことがあっては大変ですから、休みに入る前に一旦持ち株を売る動きが出やすいのです。

実際に、過去11年間の8月の騰落率は4勝7敗、外国人投資家の売り越しは11年中10年となっています。この数字が、巷で言われる「夏枯れ相場」を物語っていると思います。「Sell in May and go away, and come back on St. Legers Day=5月に売って相場を離れろ、そして9月に帰ってこい」(St. Legers Dayとは、9月に行われる競馬レースのこと)の格言にも通じるものがあります。

逆に、夏枯れ相場を経た後の9~11月は上昇しやすくなっています。すなわち、この8月にいかに優良銘柄を仕込めるかがこの後のパフォーマンスのカギを握ります。「いい株を安く買う」まさにそんなチャンスなのです。

5年で2倍を達成するには?覚えておきたい「PEGレシオ」

それでは私たちはどんな株を買ったら良いでしょうか。私の方針は「長期的に成長する企業を、少しでも安く買うこと」です。季節循環の話をしましたが、これはどんな相場環境でも変わりません。

しかし、言葉だけで説明しても曖昧さが残ります。成長とはどのぐらいのことなのか、安いとはPERでいくらのことなのか、考え出したらキリがありません。

そこで私が現実的な数字として目指しているのが「5年で2倍」というリターンです。これは年率に直すと15%という数字になります。

投資しようとしている会社の5年先を見据えて、その時の業績に対して十分に割安と思える銘柄を購入するのです。この計算を行うことによって、目先の株価や四半期ごとの業績に惑わされることはなくなり、かつ足元のPERだけではない、企業の成長性を加味した割安割高を判断することができます。

例えば、現在の1株あたり利益100円が5年後に2倍になり、その時のPERを15倍とすると5年後に想定される株価は1500円ということになります。現在の株価が1500円より安ければ「割安」と判断できるのです。

これと同じような考え方に、「PEGレシオ」というものがあります。これはPERを年間の成長率で割ったものです。PERが20倍で年間の成長率が10%なら、PEGレシオは2となります。これが1を割ると割安という判断です。

この考え方で私が過去に推奨したのが、Alphabet(Google)でした。2017年に推奨した時のPERは23倍、年率20%の成長が続いていて、厳密に言うとPEGが1を割っていませんが、安定性も踏まえるとかなり割安だと考えたのです。

その後同社の株価は、コロナ後の金融緩和の追い風もあり、4年で3倍に成長しました。まさに、PEGの考え方が生きた事例です。(なお、現在のPERは30倍を超えているので「安くはないかな」という感じです。)

PER10倍なら利益成長率6%で株価2倍

しかし、これだけの銘柄を見つけるのはなかなか簡単ではありません。今は株価が高くなっていますから、PEGレシオが1倍を割る銘柄はまれです。そこで、このPEGレシオを分解して考えてみることにしました。

先ほど説明した5年で2倍というリターンは、基本的には利益の増加とPERの上昇によってもたらされます。利益そのものが2倍にならなくても、PERの上昇がそれをカバーするということです。利益1.5倍、PERが10倍から15倍になれば、株価は2.25倍となり、5年で2倍が達成できます。利益が1.5倍ということは、年率換算で8.4%の成長です。

このようにして計算した、PERごとの「5年で2倍」を達成するための年間利益成長率が以下の表になります。なお、ここでは5年後にPERが15倍に平準化されると想定しています。

PER(倍) 7.5 10 12.5 15 17.5 20 22.5 25 27.5 30
利益成長率 0.0% 5.9% 10.8% 14.9% 18.5% 21.7% 24.6% 27.2% 29.7% 32.0%
「5年で2倍」を達成するために必要な利益成長率

この表で興味深いのは、確かにPERが15倍を超えるとPEGレシオ1倍未満という数字がしっくりくるのですが、それ以下だとあまり当てはまらないということです。

もちろん、PERが15倍以下ということは、将来的なPERの上昇を想定しているので相場任せの部分があるのですが、年率6%で成長している銘柄がPER10倍から15倍になるのは決して難しいことではないと考えます。むしろ、ビジネスにおいて年率30%以上の成長を5年間も続けるという方が、至難の技ではないかという見方もできます。

後はどちらが簡単か、すなわちバリュー株かグロース株かという議論になってくるのですが、少なくとも現在の相場においては、年率30%の成長を続けるPER30倍の銘柄を探すよりも、年率6%の成長を続けるPER10倍の銘柄を探す方が簡単ではないかと思います。

どちらが良い悪いという話ではありません。要するに、想定される成長率によって割安割高を判断するPERが異なるということです。

このような観点で持ち株を点検してみたり、新たな銘柄を探すのに役立ててみてください。


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