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以下、文章化したものです。
今回はロボアドバイザーについてお話ししたいと思います。
このロボアドバイザーと言うと具体的にはウェルスナビとかテオなどAIを使って、自動で資産運用を行ってくれるサービスということになっています。
果たしてここに投資すべきなのかということについて、投資のプロであります私の視点からその内容について解説した上で、その投資の是非について議論していきたいと思います。
「ロボアドバイザー」何をしてくれる?
このロボアドバイザーの内容を説明しますと、簡単に言うと人工知能を活用して自動で私たちが何の手を動かすこともなく、お金を運用してくれる資産運用サービスということになっています。
業界の用語としてはこれを行っているサービスは資産運用業、あるいは投資助言業というところになっています。
資産運用業だと実際にお金を預けて私たちは手を動かす必要がないという事になっています。
一方で投資助言業というところになると、こうやって運用するんだよということまでは言ってくれるのですが、そこから実際に売買を行うのは自分自身というものになっております。
同じロボアドバイザーといってもこの2つの種類があるということをまずご確認しておいてください。
ちなみに私も投資助言業を行っておりますので、そちらもぜひ皆さんご周知いただければと思います。
さてこの投資運用サービスでもっとも高いシェアを占めているのがこのウェルスナビというものです。
こちら先ほど説明したものの中では資産運用業を持っている会社でして、一度この口座にお金を入れて設定さえ済ませてしまえば、後は何もする必要がないといったサービスとなっています。
ここにあります通り預かり資産はなんと5000億円を突破、運用者数26万人ということで、これは国内の投資信託において金額として15位相当のものになります。
このサービスが始まったのが2016年なので5年ぐらいでこれものほどの金額になったということは、多くの方がここに興味を持って実際にお金を入れているということになります。
気になるのがそのパフォーマンスですけれども、グレーの直線のラインが元本というところになるのですが、いずれのパターンでも大きく上回るという数字になっています。
この5年間でずっと設定をやり続けてこのモデルケースで言いますと、最初に100万円投資して、その後毎月3万円をずっと積み立てていくというものです。
5年でプラス26.3%からプラス55.5%ですから、一番リスクを抑えた運用でも295万円に対して373万円とおよそ80万円ぐらいのリターンが出ているという事になります。
最も高いリスクをとったところだと459万円ですから、2倍とはいかずとも200万円近い利益が出ているというところになっています。
これだけ自動で任せてこれだけ利益が出るのだったら誰でも勝手を買っておけばいいという風に思われるかもしれません。
ではこれから投資すべきなのかということの是非についてはまたあとで議論するとして、このロボアドバイザーの仕組みを説明します。
AIでというとものすごい複雑なコンピューターの処理があって、そこに出てくる結果としてこういった運用が出てくるのではないかと思われてしまいがちですが、実際のところはすごくシンプルな内容となっています。
簡単にいうとこの2つで説明出来ます。
1つ目は質問に答えてリスク許容度を判定する、そして2つ目がリスク許容度ごとに7種類のETFを組み合わせる、これがこのロボアドバイザーのすべてというところになっています。
たったこれだけと思うかもしれません。
もっと踏み込んで見てみましょう。
まず質問ですけれども講座を開設する時に、投資者の属性について6つの質問が行われます。
その6つとは現在何才ですか?それから年収はいくらですか?そして金融資産はいくらですか?さらに毎月の積立額を聞いてきます。
この投資は積み立て投資を前提としていますから、毎月の積立額、それから資産運用の目的、そしてもし株価が1か月で20%下落したら、追加投資したいですか?それともむしろ資金を引き揚げたいですか?何もしないですか?といった質問が行われます。
この6つの質問からランク付けしてリスク許容度を1から5に、5がリスク許容度が高いところ、1が最も低いというところになっています。
すなわちこの6つの質問から出てくる結論としては、このリスク許容度が1から5というところしかなありません。
これは実はAIでもなんでもなくて、ただプログラムが組まれているだけだと思います。
皆さんチャートのアンケートみたいなものを見たことないでしょうか。
何かを聞いてYESとNOで比べてYESだったらこっちへ進んで、NOだったらこっちに進んでという仕組みで、最終的に例えばこういう性格ですよみたいな性格診断とかよく使われるやつだと思うのですが、そういう仕組み見たことありますよね。
これと今の説明したようなものとほとんど変わらないというものなのです。
AIというほどのものはないのではないかなという風に考えています。
さらに進めて見てみましょう。
どうやって投資するのかというと7種類のETFの中から選ぶということになっています。
それがここにある通り米国株VTI、日欧株(VEA)、新興国株(VWO)、米国債券(AGG)、物価連動債(TIP)、金(GLD)、不動産(IYR)というものになっています。
ETFとは、上場投資信託と言われるものです。
色んな株を一纏めにした商品です。
纏ったものを上場、すなわち市場で誰でも取引出来るといったものになっています。
この7種類のETFを組み合わせてリスク許容度に応じて5つのパターンがあるということになります。
これが最初に投資する金額を割合で割り振るのですが、この組み合わせのパターンは5つしかありません。
複雑なことではなくて、先程のアンケートのようなものでリスク許容度を判定して、それで許容度1だったらこの割合、2だったらこの割合、3だったらこの割合というのが決まっています。
それを自動的に当てはめてその人が答えたような割合になるように、資産を振り分けるという、たったこれだけのことなんです。
すなわちAIといっていますがなんら複雑のことはやっていない、シンプルで簡単なことを大げさに言っているだけに過ぎません。
ロボアドバイザーに手数料を払う価値はある?
ではそんなサービスで手数料はいくらなのかというと、それが税込みで1.1%ということになっています。
100万円投資したら1年間で1.1万円を持っていかれるというものになっています。
これが高いか安いかはさておき、年率1%っていうと大体投資信託の中では平均的な水準ではないかと思います。
要するに投資信託を買うのとあまり変わりがありません。
さらに言うと上場投資信託そのものにも手数料がかかることになっています。
それがETF手数料0.08%から0.13パーセントというものです。
これを合わせたものがトータルのコストというところになっています。
投資信託AIと言っていますが、投資信託を買うのと実は変わらないというところになります。
さらにもっと確実に言えることは先ほどETFが7本の組み合わせだという話をしました。
このロボアドバイザーがやっているのは、その7本の割合を5つのパターンに組み替えているだけなんです。
少しケチな考え方かもしれないのですが、ロボアドがやっている1%の手数料を省こうと思ったらものすごい簡単なんです。
先程のAIがなくても自分で全く同じポートフォリオを作ることが出来るのです。
確かに先程のアンケートは取ってもらわないといけないなと思うかもしれないんですが、これ自体も無料で出来てしまうものなんです。
ウェルスナビのホームページに行くとこの口座開設の所に無料診断というのがあります。
この無料診断でやるのが実は本番に口座を作った時と同じものです。
そしてこの出てきた結論が先ほどもありました円グラフでどの投資信託を何パーセントを買うべきというのが出てきます。
つまりこれを見るだけで後は当てはめるだけで、このロボアドバイザーと同じことが出来るという事になっています。
そう考えると100万円の1.1万円は無駄といえば無駄ですよね。
もっと言うならばビジネスモデルとしてはこのETFにタダ乗りしたビジネスであるという風にも見えます。
実はこのETFはものすごい涙ぐましい努力がありまして、このETFをやっているヴァンガードという会社があるのですが、その会社はインデックス投資、あらゆる市場全体の株を組込むのが運用としては最も素晴らしいという風に考えて、それをいかに顧客に安い手数料で提供出来るかということを考えて、地道な努力を積み重ねてきたわけです。
その結果ここにありますETF手数料0.08%か0.1%というものすごい低額の手数料を達成することが出来ました。
何故かというととにかく沢山の資金を運用することが出来れば、資金運用というのは実は金額が100万円だろうと1億円だろうと100億円だろうとやるコストというのはほとんど変わりません。
すなわちETFの規模が大きくなればなるほど、1単元当たりの手数料というのを下げることが出来ます。
そうやってこのETFを大きくしてきて手数料も1人当たりの手数料を限りなく0に近づけることが出来ました。
しかしウェルスナビがやっているのはこれに改めて1%の手数料を付加したということになります。
これはタダ乗り以外の何物でもありません。
この1%というのを小さい金額に見えるかもしれませんが、5000億円集めましたから5000億円の1%ですから、このETFを組み合わせるという簡単なことをやっているだけで、50億円の収益を得ることが出来るんです。
ビジネスとしてはとんでもない美味しいビジネスだという風には思いますが、果たしていかがなものかというところもあります。
1%の手数料払うようなものじゃないよと私が言っていると思われるかもしれませんが、実は私の結論としてはやって問題があるかというと問題ない、むしろ大多数の人はやるべきものだという風に考えています。
言っていることがわからないかもしれないですが理由をご説明いたします。
大多数の人におすすめする理由として、何より預金よりマシというところがあります。
預金金利は直近のものをチェックしましたが、みずほ銀行10年定期で0.002%とどう考えても増えません。
それに対してロボアドは平均的な株式とか債券とかそれらを合わせたリターンが6%程度という風に考えられます。
もちろん長期でのリターンに対して1年平均ということです。
それに対して手数料1%を概算で持っていかれるというところですから、5%ぐらいのリターンは想定されるのではないかなというところです。
貯蓄から投資へという流れありますけれども、いずれも1回この口座を開いてしまえば後は何もすることもありませんから、だとしたら何もしないのだったら預金に置いておくよりもロボアドに入れておいた方がいいのではないかというところがあります。
それを自分で組み合わせることも出来るのですが、その後もNISAの手続きとかもありますし、その手続きを1%でやってくれるなら安いという風に考える人いるという風に思います。
それからこの特徴はリバランスで最適化出来るということです。
リバランスというと先程割合のパイチャートを示しましたが、これで割合が高くなり過ぎたところは元の設定の割合に合わないからその部分を減らして、別のところに適正な割合なるように移し替えるというものです。
これの何が良いかというと取れるリスクに応じて割り振っていますから、それがズレるということはリスクを取り過ぎているという風には一つ考えられます。
またこの割合が増えたということはその資産、株だったら株の価格が値上がりしているということなんです。
もしこれがバブルだとするとそこから1回値上がりしたものはまた下がってくるっていうことになります。
割合が増えてるということはもしかしたら価格が上がりすぎているということになるかもしれません。
そんな時はこの上がっているものから自動的に売るという作業になります。
そして価格が下がっているものに入れ替えることによって、トータルでのパフォーマンス、つまり値下がりを回避することが出来る可能性があるというところであります。
これは自分でやろうと思ったら結構大変なので、やはり1%手数料を払っても良いのではないかという風に考えられるかもしれません。
それから悪手から身を守るうという手もあるのではないかと思います。
個人投資家は、考えて積極的に売買しますけれども、その多くは上手くいかない、下手なタイミングで買って、下手なタイミングで売ってということを繰り返すということが珍しくありません。
それに対してこのロボアドのようにETFを持っているだけで、ある程度のリターンが上がるのだったら、やはりそっちの方がいいのではないかなという風な考え方もあります。
もっというと少なくとも手数料3%ぐらいする投資信託もあります。
それを買うよりも余程マシだという風に思われますし、自分で投資していたらどうしても高リスクの高すぎるものを買いたくなってしまう気持ちが生まれるのですが、ロボアドをやっているから下手な損失や変な商品を買わなくて済むというところはあると思います。
したがって自分で積極的に運用したいという気持ちがないのだったら、やはり大多数の人にとっては有益なサービスであるという風に私は考えます。
ベストを目指すならやはり…
下手に動かないのが吉という風に書きました。
こういったこともありまして運用会社のフィデリティは2003年から2013年に顧客のパフォーマンスを調査した結果、成績の良かった人の属性の第1位がなんと亡くなっている人、すなわち売買をしていない人、そして2位が運用しているの忘れている人だったと言います。
このロボアドバイザーの特徴としましては何もしなくていいというところもあります。
何なら口座にログインしてその中身を見る必要すらありません。
それがここにある通り結果的には良いパフォーマンスを生み出す可能性があるという風に考えて投資を行う、それだったら十分だという風に考えるわけです。
ただし私はベストではないと考えています。
あくまで次善の策だと考えています。
何故かというと先程リバランスの話をしましたけれども、株が上がってきたら債券に移し替えてということをするのですが、長期のパフォーマンスを見ると、この黒がトータルリターンストップ・インデックス、すなわち株価の配当を再投資した時の数値です。
これは50年のチャートですが、これを見ると圧倒的に株の方が債券を大きく上回っています。
どういうことかというと先程リバランスといって、株を減らすというようなことをしたのですが、確かに短い時間、数年とかの単位で言うと、リーマンショックやITバブルの時のように一気に半分近く下がるということまではあり得るかもしれません。
しかし5年10年20年という単位で見たら、やはり株の方が必ず上がっているという事実は揺るぎません。
したがってリバランスなんかしなくても、ひたすら株だけに投資していた方が期間が長くなればなるほど儲かりやすいという風なことが言えます。
ここまでいって結論としては同じ何にもしないということであれば、短い期間だと確かに株はアップダウンあるかもしれないですが、長い期間になればなるほど、確実にプラスのリターンになっている可能性が高いということを考えると、10年未満の場合はウェルスナビでリスク許容度、一時的な下落があった場合はその回避するというパターンもあります。
これは何がいいかというといざお金が必要になった時に、その時に買った金額から下落していたことになると、もう損失確定させてしまいますからやっていた意味がなかったということになります。
一方でずっと使う予定が当面ないお金、あるいは老後の資金なんだけれども老後までまだかなりの時間がある若い方とかだったら、ひたすらも株に投資していた方が増えている、その時に引き出しさえせずに、むしろ追加で投資を行うようなことをすれば、長期でさらに伸びていく可能性が高いということが言えます。
そのために先程紹介しましたけれども1件の投資信託で行うことが出来ます。
それがヴァンガード・トータルワールドストップ・インデックスというものです。
この商品は米国株を取引できる証券会社だったら買うことが出来ますし、また似たような投資信託もありまして、楽天ですと楽天VTというものがありますし、SBI証券だと雪だるま全世界株式というものがあります。
この辺をいずれも積立投資で行っていただくとおすすめです。
何故積み立て投資なのかということについては、一括で投資してしまうとたまたま高い時だったとすると、一回下がってしまって、そこから元のプラスに回復するまでにはかなりの時間を要してしまいます。
そういったリスクを避けるために積み立て投資、すなわち購入時期を分けるということをするんです。
今仮に少し買ってしまったとしてももう1回下がったとしたら、下がった時にも買えてトータルでの購入金額というのを抑えることが出来るというものになっています。
そしてリスクを回避するということになります。
これはドルコスト平均法と言われることなので、もし初心者でまだその部分についてご存知ない方は是非ドルコスト平均法という言葉を勉強していただければと思います。
もちろんここで紹介したものはあくまで思考停止、何もしたくないし難しいことはわからないといった場合にはこれをやる、あるいは将来の年金のためにリスクをなるべく避けて、一方で増やしたいという風な考え方をする人にとっては最適な手法ということになります。
一方で大きく増やしたり、あるいは株式投資によって経済とかそっちをもっと知りたいという方は是非個別株への投資もおすすめするところです。
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