Apple独占禁止法包囲網! ビジネスモデル崩壊か?

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以下、文章化したものです。

 


今回はアップルについてお話ししたいと思います。

アップルというと今や世界で一番時価総額の大きい会社となっています。

しかしそれだけ巨大になってしまうと様々な弊害が出てきます。

特にスマートフォン業界においてはあまりにアップルやグーグルが大きすぎるということで、アメリカで反トラスト法、日本でいうところの独占禁止法の問題というのは非常に大きいです。

最近この独占禁止法に関して重大な決定や判決が行われています。

これがアップルの経営にどのような影響を及ぼすのでしょうか。

独禁法に触れる!?アップル課金

まず今回問題になっているのはアップストアの仕組みです。

多くのアプリ開発者がiPhoneにアプリを配信しようとすると、必ずアップストアを通じて配信しなければならないということになっています。

ここにアプリの配信を行ってそしてユーザーはこのアップルストアから、アプリをダウンロードすることで使えるようになります。

多くのアプリはダウンロードそのものは無料であることが多いのですが、その後に中で何か支払いをするという時にはこのアップストアを通じて、アップルの課金システムを使い支払いをするというところになってきます。

そしてこのアップルからスマホゲームの開発者の方に、この課金されたお金が渡されるというところになります。

ここでを渡されるのはユーザーが100課金したとしたら、このアプリ開発会社に支払われるのは70なんです。

つまりアップルは30%の利益を手数料としていただくことが出来るわけです。

アップルとしてはただ単にアプリを配信させてあげているだけで、自身は何もしないで30の利益を得ることが出来る、まさに濡れ手に粟のビジネスモデルということが出来ます。

巷ではこの30%の手数料のことを”アップル税”とも呼ばれていまして、アップルのプラットフォームでビジネスをする上では避けては通れないようになってしまっています。

しかし30%というのはなかなか高いです。

アップルの収益なんですけれどもアップルが公開したこれまで累積ですが、累積でアプリ事業者に対してアップルがどれだけ支払いを行ってきたかというところになっています。

2021年時点で23兆円もの支払いをアプリ事業者に行っていた、逆にこれが7とするならば残りの3はアップルの懐に全部入っていったということになっています。

まさに濡れ手に粟ですよね。

このような状況でさすがにこれはおかしいのではないかという声が方々から上がってきています。

これがある限りこのアプリ事業者というのは、永遠にアップルにアップル税を払い続けなければなりません。

どれだけ努力してもなかなかそれを覆すことは難しいだろうというところになってきます。

そこで各国のアップルに対する包囲網というのが広がってきています。

例えばこの日本の公正取引委員会も非常に大きな仕事をしました。

このアップル税が非常に大きな問題だということで、アップルと協議を行いました。

そしてついにアップルは大幅な譲歩を行ったのです。

その譲歩というのが、リーダーアプリへアウトリンクを設定していいというような事を言い始めました。

リーダーアプリというのは音楽や電子書籍、あるいは動画配信、それに対して外部でのアカウント登録を可能とするリンクをアプリ内に貼っていいということを言い始めました。

逆に言うならばこれすら許されていなかったのです。

アプリ内に課金をしようと思ったらそのアプリのシステム、すなわちアップルの課金システムを使って30%を払って、ユーザーからお金を取る必要がありました。

それが例えば【アカウント登録はこちら】というようなリンクをアプリ内に貼って、そこからリンクを踏むことによってSafariやChromeに飛んで、そちらからクレジットカードを登録してもらうなどして課金できるというようなことが日本の公正取引委員会との間にまとまって、この定義を世界中のアップルストアに適用されるということになりました。

さらに、韓国の国会ではもっと大胆なことが起きていまして、なんとアプリの強制課金を禁止するということを言いました。

韓国ではこれがまさに独占禁止法に違反しているといった決議を行いました。

これは世界に衝撃を与えました。

さらに本国のカリフォルニア州連邦地方裁判所では、ゲームの会社でありますエピック社が強制的な課金をめぐってアップルを提訴していました。

このエピック社というのがこのフォートナイトというかなり大きなゲームを配信する会社です。

エピック社はアップルと大きなトラブルとなっていまして、30%を持っていかれるシステムが望ましくない、これは独占禁止法法違反だということで、自社が持っている課金システムにユーザーを誘導して、アップルへの30%を回避する形でお金を取るということをやっていました。

するとアップルの方はそれは規約に違反しているということで、フォートナイトのアプリをダウンロード出来ないようにしてしまったのです。

それを巡ってカリフォルニア州の最高裁判所で裁判が行われていて、まさに直近9月11日にその判決が出たというところになっています。

その判決の内容というのがアップルにとっては衝撃的な内容でした。

外部課金のリンクや個人情報の利用を妨げてはならないという判決です。

これまでアプリの課金はアプリ内で完結させないといけないというようなことを言っていたのですが、逆に外部課金を妨げてはならないということを裁判所の判決として明確に行いました。

この伏線となっていたのは実は先ほど説明した日本の公正取引委員会との決議内容でして、要は外部のリンク、あるいは個人情報の利用というと、そこで登録してもらったメールアドレスなどに課金するとアプリ内で課金するよりも安く課金出来る、というようなことが出来るようになりました。

すなわちアップルはその濡れ手に粟だった30%の手数料を逃してしまう可能性があるということになります。

一方で必ずしもエピック社側の完全勝利とはならずに、このアプリの行為は反トラスト法と独禁法違反には当たらないということも言いました。

独禁法違反になるとどうなるかというと、過去こうやって強制課金によってお金を取ってきた部分に関して、例えば訴訟によって取り戻される可能性があると考えられた訳ですが、違法状態ではなかった、あくまでアップル社とアプリの開発会社の間で結ばれる契約に基づくアプリ内の課金だったり、あるいは契約に違反した場合アプリのダウンロードの取り消しなどを行ったということだったわけです。

すなわちエピック社は過去に外部課金で得た収益の30%を払わないでそれで訴訟になっていたのですが、これは支払わなければならないということになりました。

これでエピック社は不満でしたからさらに上の裁判所に上告したのですけれども、この裁判所の結論としては、外部課金は決して妨げられるものではないと、アップルは強制的に30%の手数料を払わせる仕組みをやめなさいということも言っているのです。

すなわちこのアプリ業者は上手く仕組みを整えれば、この課金をアップルのシステム内で課金せずに一旦自社のホームページなどに飛ばして、課金することが出来るようになりました。
 
これが実際に行われているのがネットフリックスのアプリなどで、それが他のアプリ他のゲームアプリにも広がってくる可能性があります。

そうなるとアップルは手数料収入というのを逃してしまい、だいぶ減ってしまうのではないかということが考えられます。

比重が増していたサービス収益

この手数料収入の減少がアップルにとってどれだけの影響があるのかということについて見ていきたいと思います。

これがアップルの売上高構成ですけれども、最も売上高が高いのはiPhoneでして、半分以上の売り上げはiPhoneから上げています。

特に2021年直近では前回発売したiPhone12がよく売れたので、9ヶ月で売上に関してはもはや前年を上回っているというところになっています。

一点注目していただきたいのはサービスの売り上げでして、2018年は15%だったところが19年には18%、そして20年には20%とをじわじわと上がっています。

直近では18%と下がっているように見えるのですが、これはたまたまiPhoneの売上が一気に伸びたということも影響しています。

さらにこの右の粗利益について見ますと、デバイスを作るには材料の価格がかかるので原価が発生します。

一方でサービスの原価は限定的です。 

特にこのアプリ課金のシステムはサービスに該当するのですが、濡れ手に粟と言った通りアップル自体何もせずにお金が入ってくる状況となってくるわけです。

したがってこの売上の大部分はもはや利益になるというところです。

そしてその粗利益の推移を見ますと2018年24%、19年30%、そして2020年には34%とかなりの部分を占めるようになってきました。

すなわちアップルはもともとiPhoneやMacなどのハードウェアデバイスを売る会社だったのですが、ここにきてどんどんサービスへの比重を高めてきていたというところがあります。

その一つの大きなものがこのアップの課金システムでした。

アップルの成長戦略にも影響してきまして、例えばiPhone13が直近に発表されたのですが、私はiPhone12を使っているのですが、特に欲しいとは思いませんでした。

何故かというとiPhone12から13の進化というのが、カメラ性能の向上、バッテリーが長持ちする、さらには頑丈ですと、言ってみればこれぐらいしか進化がありませんでした。

今持っているものが大して進化しないということになると、わざわざ高いお金を払ってiPhoneを買い替えるようなことするかどうかというところは少し疑問に思います。

2021年ここで大きくiPhoneが売れたのは、このiPhone12が5G対応したからという側面が大きいです。

5Gをそれまでの端末だったら使えなかったのですが、12だったら使えるということで今のうちに換えておこうと考えた消費者が多かったと思われます。

しかしこの12から13の進化というのは微々たるものですから、正直あまり売れないのではないかというところはあります。

同じように他のデバイスについても今後大きな進化がなければ、わざわざ買い換えるような動きが行いにくくなってくるのではないかというのが一つ想定されるところであります。

そうなるとますますサービスへの比重が高まることになってきまして、今回のアップル課金の修正というのはアップルの成長戦略にとって大きな影響を及ぼしてくるわけです。

もっとも今これがわかったというのはある意味良いことで、そちらが難しいということになると、今度はアップルはそれこそネットフリックスのように、アップルTVというのもあるので、自社のコンテンツをどんどん増やしていくという成長の方向性もまだまだあると思いますし、デバイスに関してiPhoneが止まったとしても、アップルウォッチやiPad、そしてMacもどんどん進化させていますから、そちらを伸ばしていくという方向性もまだまだ十分にあり得ると思います。

致命的なことにはならないのですが、ただ一つの芽が摘まれてしまった可能性があるというのは認識しておかなければなりませんし、今後も今回の裁判で終わりではありませんから、似たような動きが続く可能性もあるというところです。 

安定性〇。更なる成長の道をどこに作るか

さて株価についてですが、この5年で株価は5倍以上に伸びています。

これだけ伸びたにも関わらずやはり業績が良いのでPERはまだ27倍です。

決して安いとは言えないのですがそれほど割高でもありません。

その要因となっているのはやはり業績が伸びてきたからというところがあります。

さらにいうと2016年頃に関してはPER12~13倍ですので、かなり安い所で取引されていました。

だからこそこれだけ株価が伸びてきました。

業績の伸びとしては確かに伸びてはいるのですが、そんなに大きくはない、では何がその上昇をけん引しているのか、一つは安かったというのもありますし、もう一つは自社株買いです。

発行済み株式の5%の自社株買いを行っています。

これはどういうことかというと、自社株買いを行うと株式の総数が減りますから、一株当たりの価値が大きくなっていきます。

これをどんどん繰り返すことによって、例えば利益が全く上がらなかったとしても、株式の1株の価値というのはどんどん高まっていくそういった環境があるわけです。

逆に言えばそれだけ財務力が豊富なのです。

iPhoneの利益というのは1個売っただけで売り上げの3割の利益になりますから、その時点でだいぶ濡れ手に粟ですし、こうやって原価のかからないサービスを強化していくことによって、キャッシュに関しては問題のない状況になってきます。

この自社株買いというのは今後も株価の株価の下支え要因になっているということが考えられますし、多くの人がiPhoneを使い続ける限りは大きな成長というのは少し難しくなるかもしれませんが、ただ安定成長というのはまだなくならないのではないかなというのが私の見解でもあります。

まとめますと、外部課金を許容する、抜け道を提供しなきゃいけないというのは確かに脅威ではあるのですが、一方でゲームで課金するにあたってわざわざ一回ゲームを抜けて他のサイトに飛んで、そちらでクレジットカードの登録を行うという風にやっていくと、非常に面倒ですよね。

それがアップル内でアプリ課金をやっていれば、一度登録すればそれで色んなゲームに関して同じようにポチるだけでやっていくことが出来ます。

したがってこれをわざわざ一個一個別のシステム、別の会社のものを使っていくというのは少なくとも消費者にとってはあまりメリットのない話になっています。

もっとも、外部に行くと安く提供されるということであれば、外部に行って課金していくということも考えられるのですが、それがユーザーの利便性を高めることにはならないので、それが伸びるかどうかというのは少し怪しいかなという風に思います。

もしここが駄目だとしたらまだ他で伸ばしていく手はアップルはいくらでもあるという風に認識しています。

ただ一方でiPhoneの進化というのは停滞しているので、どこで次は伸ばしていくのか、このサービスがもし停滞するとなれば、もっと何かに力を入れていかないと、大きな伸びというのは今後期待しにくくなってくるのではないかなというところではあります。

一方でこのiPhoneによる安定収益と、自社株買いというのは常に株価の下支え要因になるので、そういった点で見るとまだまだ安心していける銘柄ということになります。

私は基本的にアップルに関してはポジティブに捉えていますが、大きく伸びるという意味ではなく、ただ盤石の基盤というところになってきます。

このiPhoneの進化の停滞だとか更新需要がなくなるというのは、実はもう5年前から言われていた話で、だからこそPERで見た時に、12、3倍という非常に安い価格で抑えられていたのですが、そういった時にあのウォーレン・バフェットがこれを買って、今大きな利益を生み出しているというところがあります。

こういったネガティブな印象が出てきたタイミングに、本質的な価値、iPhoneユーザーの力強い購買意欲、そこを見抜くことが出来れば、そこで沢山買って将来大きな利益を出すことが出来ます。

アップルに限らずそういった銘柄を私達は常に探しておきたいというところになってきます。


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