【9/21 恒大ショック】 ポイントを投資顧問が解説 メインシナリオは?

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以下、文章化したものです。

 


2021年9月21日、市場では中国恒大集団(チャイナグランデ)のデフォルトが話題になっています。

これは中国の不動産会社の恒大集団が債務不履行すなわちデフォルトを起こしたことで、株式市場に大きく波及するのではないかということが言われています。

これを受けてアメリカ市場では今年最大の下げ幅を記録したというところであります。

これが株式市場に与える影響について、ポイントを絞ってお話し出来ればと思います。

大金持ちから一転

まず9月20日のダウ平均株価です。

1日で614ドル下げまして、一時は900ドルぐらい下げるということだったのですが、これは今年に入ってから最大の下げ幅ということになっています。

何故こんなに下がったのかというと、一つ言われているのが、中国の恒大集団が債務不履行に陥ってしまったということがあります。

これが世界に金融危機をもたらすのではないかということが大きな懸念点として挙がっています。

ちなみに恒大集団というのは、中国最大級の不動産会社でして、創業からまだ25年ぐらいしか経っていないのですがその間に急速に規模を拡大してきた会社です。

フォーブス500の内世界のトップ500にランクインしたというような実績もあります。

何をしてきたのかというとマンション販売です。

中国では不動産ブームが起きていますから、マンションをどんどん作っては売るということを繰り返して規模を伸ばしてきました。

またその好調さもあってお金が非常にあったので、恒大と名前の付いたプロサッカーチームを有しています。

アジアチャンピオンズリーグなんかだと見ることもあるのではないかと思います。

この恒大集団がどうして債務不履行ということになってしまったのかというと、一つには大きなレバレッジすなわち借り入れを沢山を起こして規模を拡大してきましたから、その返済が何とも行かずに、お金が回らなくなってしまったというところがあります。

ただし無理をした経営が祟ったのかというと、私から見るとそうではありません。

何故なら最近までは経営も黒字を維持していましたし、さらには資産状況を見ても確かに借金は30兆円あるのですが、ただそれ以上の不動産を中心とする資産を持っていたのです。

それなのにお金が回らなくなったことによる、債務不履行を引き起こしてしまういわゆる黒字倒産の色合いが強いです。

中国政府の独裁

では何故デフォルト、借りたお金を返せないということになってしまったのかというと、負債総額は30兆円、そのうちドル建ての債務は2兆円あるわけですが、それ自体は大きいのですが、先ほど言いました通り30兆円以上の資産持っていました。

したがって基本的には債務超過というような感じでもなかったので、キャッシュフローさえ回っていれば別に何ら心配のする必要のない状況でした。

ところがここに大きな規制をかけたのが中国政府ということになります。

政府が不動産企業への融資を厳格化したのです。

つまり不動産会社が少しやり過ぎではないのかというようなことで、示す基準を満たせない企業に対してはお金を貸さないでくださいというようなかなり唐突なお達しが出たのです。

ここで厳格化されたレッドラインというのは、資産負債比率70%超、それから純負債資本倍率100%超、それから手元資金の短期債務倍率が100%未満、このレッドラインを越えてしまった企業に対しては銀行は金を貸さないでくださいというようなことを言いました。

恒大集団は借り入れを沢山していたので、これは借り入れが沢山あるとどんどん厳しくなっていく指標です。

恒大集団はこれらいずれもも越えていたというところになって、アウトとなってしまいました。

お金を銀行から借り入れないということは、普通はお金を借りている企業というのはいきなりゼロになるようなことはまずなくて、一部を返しながら、さらには借り換えをどんどんやっていくというのが基本です。

ただもうお金を新たに借りれないということになると、借り換えも出来ないのですでに返すべきだった借金については何処からかお金持ってこないことにはどうしようもなくなってしまいました。

そうやってなんとか借金を返すためのキャッシュを確保しようと不動産を投げ売りました。

場合によっては本来売っていた価格の30%も値引きして売ったというような話もあります。

けれどもそれでも新たな借り入れが出来ないので、お金が足りなくなってしまって債務不履行を引き起こしてしまったということになります。

これが日本だったら、少し経済状況が怪しいから融資を厳しくしてくださいというようなことは財務省から銀行に通達が入ったりすることはあると思います。

しかし急に水を絶つようなことをしてしまうと、企業が倒産するというのは目に見えていますから、日本のような国ではまず行いません。

少しずつなんとか借金は返せるように少しずつ蛇口を閉めるという風なことをやります。

しかし今回この中国ではそれを一気に行ってしまったが故に、この恒大集団でもどうしようもなくなってしまいました。

これは銀行の一存でもなんともならない状況でした。

つまりこれは国による倒産だったという風に見えるわけです。

何故そんなことをしなきゃならないのかというのを考えると、習近平国家主席の頭の中を覗いてみたくなるわけです。

この習近平国家主席というのは実は中国において独裁的な色合いを非常に強くしています

自分の気に入らないものだったら決定的に叩くというそういった動きがかなりに見えるわけです。

その中において一つには金持ちが大変嫌いというところがあります。

この習近平国家主席は若い時はかなり不遇を被って、政治的な戦いに敗れて農村に追いやられたと言えます。

一方でその中では自由主義的な発想で成り上がってきた人たちがいたのですが、そういった状況に対して待ったをかけようとしています。

そして自由経済の中で金持ちになった人たちを叩くことによって、多くの民衆の支持を得ようとしている部分があります。

そんな中においてこの恒大集団の前会長というのは、どんどん海外に行って企業を爆買いしたり、かなり贅沢な格好をしたりとかして、まさに目の上のたんこぶだったわけです。

そういった人たちを叩くには今絶好の機会だという風に捉えられているのかもしれません。

この恒大集団の会長に限らず、中国でアリババを創業したジャックマーなんかも、一時は行方をくらますなどして中国政府の強い圧力を受けているという風にも言われています。

彼も今や表舞台から消え去ってしまいました。

一方、社会的な問題としては不動産価格が高すぎるという問題があります。

これは確かに経済的に見ても合理性があって、中国の不動産というのはさっき言ったバブルなのはもう間違いありません。

不動産価格自体が都心のボロ物件でも何億円するというような状況にもありますし、また郊外に行くと新しいマンションが恒大集団みたいに新しいマンションどんどんを立てているのですが、そこに人は住んでいないゴーストタウンのような状況になっているというのがあります。

これはいわゆるギャンブルに走ってしまっている人が非常に多いと懸念しています。

これはある意味日本のバブル崩壊に学んできたところがあって、中国も同じように今完全にバブルの状況ですから、それが途端に弾けてしまうと日本のような失われた30年のようなことにもなってしまいかねない、それを懸念して、今のうちに不動産価格を下げたいという思惑があるのではないかと思います。

不動産価格を下げようと思ったら端的に叩くと良いのは、恒大集団のような不動産会社にお金を回らなくすればそもそも不動産が作られないので、今まさに投げ売りをしたように価格の下落というのが起きてくるということが想定されます。

実は今多くの民衆というのは不動産価格の高騰に苦しんでいる人たちも少なくありませんから、それを格下げたことによって最終的には大衆の支持を得ること出来ます。

この大衆の支持というのはで実は独裁体制にとっては絶対に不可欠なものです。

習近平が最も恐れているのは民衆の内側をからの反乱です。

アメリカと敵対しているように見えますが、もしアメリカが中国を攻撃にするとそれは大変な事になります。

その可能性は万に一つもなかなか無いわけです。

一方でこの中国の中から自分が倒されてしまうということになると、独裁者の末路というと大体公開処刑のような形でなってしまうことがほとんどですから、それを習近平は恐れているということが考えられます。

次は中国恒大とリーマンブラザーズの比較をしてみたいと思います。

リーマンショックのようになる?

恒大集団のショック、このデフォルトがリーマンブラザーズの倒産と同じような状況になってしまうのかということについてです。

これを理解する為に2008年に起きた大きな株価の下落だったり、経済の停滞、これ何だったのかということについて振り返っておきます。

まずリーマンショックとは総額180兆円とも言われる信用力の低い人に貸すサブプライムローンという商品がありました。

これが銀行としてはとにかくお金を貸したほうが端的には儲かるので、返せるかどうかわからないような人たちにもどんどん貸していました。

しかし彼らはそれをそのまま持っていると、返せなくなってしまうかもしれないからということで、それらを全部まとめて、さらにはバラバラにして、世界中の金融機関に売りつけたわけです。

すると銀行自体からは信用力の低さというのはなくなるのですが、一方でその証券化商品を買った人は、いつかお金が返ってこないものになるかもしれないということになってしまいます。

この180兆の16%にあたる30兆円は実は返済困難であったという風に言われています。

そしてこれらを大きく保有していたアメリカの投資銀行であるリーマンブラザーズは経営破綻することによって、このサブプライムローンの問題というのがまさに最高潮に達したわけです。

ちなみにこのリーマンブラザーズの負債総額というのが60兆円と言われています。

今回の中国恒大集団のそれが30兆円ですから、企業の規模としては半分というところになってきます。

しかしこの負債総額だけで比べてはいけません。

というのもこのリーマンショックの本来の問題は、サブプライムローンが世界中の金融機関にばら撒れていたというところにあります。

もしかしたら自分が持っている金融商品もやばいかもしれないということになると、何も信用出来ないというようなことになってしまいます。

銀行もそういうことになると自分の財務を守らなきゃいけないということになるので、下手に人にお金を貸せない、あるいは金融商品も買えないということになってきます。

実際に銀行というのはかなり厳格なリスク管理指標みたいなのが求められるので、自分の持っている証券化商品が例えば詐欺にあったり、あるいは価格が大暴落したりすると財務がかなり傷んでしまって、経営そのものの継続に大きな影響を与えるかもしれないということになると、もうリスクは取れないのです。

お金を借りたい企業があったとしても、うちも危ないから貸せないというような形になって、それがやがて実体経済にも波及して、世界的な金融危機、そして経済危機という形で大きな問題となりました。

当然リスクも取れないので株価も下がり続け上がらない、これが4年くらい続いたわけです。

一方でこの恒大集団に関してはもともとは政府が急に蛇口を閉めたことによって、危機が発生したというところになってきます、

負債額は30兆円でリーマンの半分でドル建て債務が2兆円なんですけれども、ただこの30兆円にお金を出しているのは、中国国内の銀行、あるいは理財商品という高利回り商品なのですけれども、これを通じて個人投資家が投資しているということになります。

これは世界全体の投資家が持っているというわけでは決してなくて、基本的には中国国内で完結する問題です。

したがって世界で見たときに自分の銀行もやばいかもしれないみたいなことにはなりませんから、やはり中国国内で完結する問題だという風に考えて良いと思います。

さらに言うと中国の銀行というのどこまで信じていいかわからないのですが、常に中国政府の監視下にあるので、その健全性というのは常に厳密にチェックされていると言います。

それで今不良債権比率が1.7%という非常に低い数字ということになっているので、それ自体で何か問題があるという風にはなっていないんです。

しかも不動産に関しても銀行に関しても、中国政府が厳しく見ているので、もし何かやばい動きになるんだとしたら、そこはすぐ手を打つのではないかという事も考えられるわけです。

恒大が倒産するとどうなる?

では今後中国の恒大集団が仮に倒産したとして、どういった動きになるのかということについてシナリオを考えてみました。

まずこの恒大集団が倒産すると不動産価格が下落するというのがあります。

先ほど投げ売りしていますが、そのようにして持っている不動産がどんどん市場に安く出てくるということが考えられます。

また同時に銀行員にお金が返せないということになると、中国の銀行の財務状況も悪化します。

するとそこから波及して不動産価格が下落すると困るのは、不動産で財を成してきた資産家です。

中国は経済発展というのは世界の工場として製造業中心に成長してきたようにも見えるのですが、実はそれぞれの家計というところで見ると、頑張って働いたこと以上に不動産価格が上昇したことによって、金持ちになってきたっていう部分が大きいのです。

それこそ日本のバブル期のように行われていたことなんですけれども、まさに土地転がしによってどんどんで資産が増えてきて、どんどん裕福になってきたそういった側面があるわけです。

しかし実際彼らは価格が下がるということは、もうその不動産の売り先がない、少なくとも利益を出して売ることが出来ないという事ですから、当然困窮してしまいます。

しかも彼らも彼らで借金をして買っていることがほとんどですから、売ってしまえば返せると思ったのが返せなくなってしまうわけです。

また銀行の財務が悪化すると貸し出しが縮小されるので、お金を借りていた資産家、あるいは起業家というのはお金を借りられなくて、これまた困窮してしまうということにもなってしまいます。

そしてこれらが起きるとお金持ちに関しては、中国政府は今お金持ちを叩こうとしていますから、彼らが困窮すると高額商品が減少してしまって、さらには貸し出し縮小というのは企業の活動にも影響を与えるので、最終的に中国の国内における景気減速というのがメインとして考えられるシナリオだと思います。

直近の株価下落というのは実はここまで見てるのではないかと思います。

下がったとはいえ少し反発するような動きも出ています。

したがってリーマンショックのような危機にならないというのは、市場も理解していると思うのですが、一方でこの景気減速に関しては大きなリスクとして懸念しているのではないかと思います。

中国のことですからここで減速するようなことがあったら、支援を行ってカンフル剤を打ってくる可能性がありますので、そこは自由経済とは違うところだと思います。

我々投資家としてるは常にこういったシナリオを頭においていかなければならないということです。

そしてメインシナリオとして中国の景気減速と、高額商品を中心とする減速というのを念頭に挙げるとするならば、影響のありそうな企業としては思い付くところでは、トイレのをTOTO、LIXIL、赤ちゃん向け商品のピジョン、そしてアリババを有するソフトバンク、さらにはオンラインゲームのネクソンです。

ネクストに関しては中国でゲームをやり過ぎというのは問題になっていて、このオンラインゲームの規制というのがどんどん進んでいます。

これもネガティブに働くのではないかというところがあります。

こういった企業ら影響がありそうということで今後注視していく必要がありそうなので、これらも調べがついたらまた動画にしていけたらなという風に思っています。

今回のポイントをまとめますとこの中国恒大危機はあくまで官製倒産であって、世界に波及しているリーマンショックのような金融危機というのにはなりそうにもないというところです。

一方で中国経済の停滞を招くリスクというのはそこかしこにあるわけです。

そもそも経済成長率自体も下がっていますから、ここに関しては今後中長期的なリスクとしても考えておかなければならないというところではあります。

ぜひ今後を注視していただければと思います。


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