Facebookがメタバースに傾倒する理由 / 本当に流行るのか!?

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以下、文章化したものです。

 

 


今回はメタバースについてです。

今、株式市場では猫も杓子もメタバースというくらいこのワードが盛り上がっています。

これはFacebookがメタバースに注力するといって社名まで「Meta」に変更したことがきっかけでした。

果たしてこれは本当に流行るのか。

ここまで至った経緯と現状、そしてこれからというところをお話したいと思います。

「メタバース」旋風!なぜ?

Facebookが社名を「Meta」に変更してメタバース事業に注力するというふうに言っています。

ヨーロッパではこのメタバースに関する人材を1万人以上採用するというような声もあります。

ではこのメタバースってそもそも何なのかというところについてまずお話しします。

メタバースを日本語にすると”仮想空間”といったところでしょうか。

Facebookのザッカーバーグ氏が話した内容によると、仕事などを一つの仮想空間の中で行い、実際に人々が同じ空間にいるような、テレワークでありながら皆が同じ空間で働いているような感じにするものということです。

これを仕事だけではなくてさまざまなイベント等に使用していきたいというようなことも言っています。

なぜ30億人以上のユーザーを抱えるFacebookが社名を変えてまでこんなことを始めたのかということについて説明します。

積極的な理由としてはまずFacebookの「次」というものがあります。

Facebookはユーザー数が今30億人以上いますが、実はFacebook以外の収益源を未だにほとんど見つけられていないのです。

インスタグラムの買収といったことはありましたが、いずれにせよ広告収入というところには変わりないわけです。

いずれもをユーザー数がもう33億人ですから、地球上の半分の人間がFacebookに登録しているということになります。

しかも中国が入っていない状況においてです。

当然伸びしろには限界が出てきますから、その次の収益源を探らないといけないということがFacebookの大きな課題となっていて、その一つの軸としてメタバースというのを取り上げたのではないかということは考えられます。

そして、すでに33億人も登録していますから、コミュニティ機能を発揮しようと思ったらわざわざ新たなアカウントを登録してもらう必要はなく、自らが使っているFacebookアカウントでこのようなメタバースの空間に入ればそこでできることはたくさんあるのではないかというのがFacebookの考え方ではないかと思います。

さらには時代の流れとしてテレワークもコロナ禍の中で急速に進んだので、メタバースをねじ込むチャンスなのではないかとも考えているのではないかと思います。

実際にこのメタバースを発表する前にもWorkplaceというマイクロソフトで言うならばTeamsのような、どちらかと言うとビジネスの方に注力する動きを見せていました。

一方で私がどちらかというと強いと考えるのは消極的理由の方です。

まず、Facebookが収益源とした広告ですけれども、コストはそれほどかからない上にどんどん広告収入が入ってくる状況でした。

実は世界のネット広告市場は今やテレビを逆転するほど大きく伸びていて、その大部分は実はGoogleとFacebookに占められているのです。

Google、Facebook、そしてその他大勢という感じです。

その市場の拡大でものすごく儲かって、余剰資金が6兆円もあるということです。

今回このメタバースに1兆円を投資すると言いましたが、実はFacebookにとっては大した金額でもなかったりするわけです。

そして、特にアメリカなんかで上場していると、今後どうやって成長していくのかということを詰められますからそのプレッシャーを受けてひねり出した一つの答えがこのMetaなのではないかと思われます。

さらに、Facebookは実はスキャンダルにまみれた会社でもあり、これから逃れようとする、会社というよりザッカーバーグCEOの思惑が見え隠れします。

Facebookの現状を見てみましょう。

業績は見事に伸びています。

しかし、成長率を見るとどんどん鈍化しているわけです。

これも当然と言えば当然で、Facebookのユーザー数は33億人で、中国抜きでこの数ですから新たなユーザーは地球上にほぼおらず、伸びしろが無いという風にも言えます。

収益源はFacebook広告のみですから、これ以上広告を上積みするというのは難しいと考えるとやはりこのビジネスのセグメントを立ち上げて収益源の多角化を図りたいということが一つあると思います。

また、インスタグラムやワッツアップを買収したりもしましたが、結局Facebookしかない”一発屋”と言われたりもしたので、他にもいろいろできることを示したいというザッカーバーグ氏のプライドの問題もあるのではないかと想像します。

成長性は今説明した通り鈍化の傾向をたどっていて、今では様々なスキャンダルを抱えている会社でもあるわけです。

2018年に、2016年のトランプ大統領が当選した時の大統領選挙に関して、例えばロシアとの絡みで個人情報がFacebookから流出したりとか、あるいは有権者の判断を変えてしまうようなフェイクニュースを流していたという報道もあります。

その後次々にスキャンダルが出てきて、これに耐えかねたのか、翌年に、ある意味社運をかけて仮想通貨「リブラ」を発表しました。

しかし、当時ビットコインが流行っていて世界の国々が仮想通貨によるマネーロンダリングなどを恐れている中の、影響力の大きいFacebookによるリブラの発表だったので、各国政府の反発を招いて潰されることとなりました。

結果として、リブラは「ディエム」と名前を変えましたが未だ使える状態にはなっておらず、現実的には当初想定されていた世界中の通貨を全てプールして加重平均で計算できるというものではなく電子マネーのようなものになるのではないかという、大々的に立ち上げた割には尻すぼみになってしまっています。

これは事業にはほとんど影響はありませんでしたが、叩かれた反発として新しいサービスが出てくるというのはザッカーバーグ氏の特性なのではないかと思います。

2021年9月には、インスタグラムなどが青少年に悪影響を与えるのではないかという議論がFacebook内で出たにもかかわらず、利益を優先して何の対策も取らなかったという内部告発があり、アメリカの議会に呼ばれて証言させられるということがありました。

今また叩かれている状況で突然の社名の変更とメタバースへの注力の発表ということは、時流に乗った新たなワードを用いて世間の目を逸らそうとしているのではないかという想像ができます。

確かに1兆円という金額は大きいですが、世の中全体に与えるインパクトとしては実はそれほど大きくはないわけです。

今メタバース関連で株価が上がっている企業が多いですが、少なくともFacebookから直接メタバースという意味ではまだまだ弱いというのが現実なのではないかと思います。

一方で、Facebookがメタバースで仮にうまくいかなかったとしても、メタバースが世の中に広まることで伸びる会社もあるのではないかと想像できます。

メタバースブームは来る?

では、本当に流行るのかというところです。

メタバースというものはVRゴーグルを付けて仮想空間に実際にいるように感じられるものですが、視覚と聴覚を仮想空間に持っていかれて、現実の世界ではかなり危険な状態となります。

そして、かなり疲れます。

少しの時間ならまだいいですが、仕事のたびにVRゴーグルを付けるとなるとかなり辛いです。

テレワークならZoomやTeamsで事足りてますし、ホワイトボードを使った会議をやろうと思ったらVRよりも実際に会社に集まった方が早くて楽です。

アメリカの調査でも、68%の人がメタバースに「興味がない」と答えています。

少なくとも現在の技術ではメタバースにメリットはないというのが現状です。

しかし、メタバースをそれで切り捨ててしまうものでもなく、実は「メタバース」という名前は付いていませんが成功している分野があります。

それは『ゲーム』の世界です。

任天堂の「あつまれどうぶつの森」は大ヒットしました。

ゲームの中でオンラインで友達と繋がって会話したりしながら家や村を作っていくゲームですが、ゆくゆくはその感覚でコミュニティを作ったり仕事をしたりするようになる可能性は十分にあります。

ただそれをVRゴーグルを付けてやる必要があるかというのは別の話になります。

アメリカ発の「FORTNITE」もオンラインで声などでコミュニケーションをとりながら進めていくゲームで、登録者が3.5億人もいる大ヒット作となりました。

つまり、現実のことをするために仮想世界に入る必要は無く、現実から逃れたいために仮想世界に入るという側面が大きく、メタバースは結局これらのゲームの延長になると考えるのが自然なのではないかと思います。

進歩というものはある時突然訪れるものではなくて、前身があって少しずつ進歩していき、長期的なトレンドになっていくものです。

そしてそのトレンドに乗っていく企業を安いうちに買っておくことが長期投資の基本になるのではないかと思います。

そういった可能性のある企業の例として挙げるのがNVIDIAAMDです。

これらはGPUといういわゆる画像処理半導体を作っている会社です。

元々ゲームが中心ですが、メタバースにおいても、動きを処理するにはインテルが作っているCPUよりもGPUがものすごく活躍します。

AIの分野も同様の側面があります。

この辺りは「メタバース」という一過性のバズワードにつられただけではなく、ある程度実態に沿ったものなのではないかと思います。

とはいえ今このメタバースの影響を受けて株価が急上昇しているところがあるのでこの瞬間を捉えて言えば眉唾物です。

株式市場について言うと今かなり浮かれているような状況です。

こういったバズワードが急に株価を押し上げるようなことになる時は危険なときが多いです。

しかし一方では長期的に着実に積み上げていけそうな部分があるので、これらの企業がどれだけ需要を取れるかという動向は長期的に見ていきたい分野でもあります。

執筆者

執筆者:栫井 駿介

栫井 駿介(かこい しゅんすけ)

つばめ投資顧問 代表
株式投資アドバイザー、証券アナリスト
ビジネス・ブレークスルー(株)「株式・資産形成実践講座」講師

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