投資手法を磨いていったら結局バフェットに戻ってきた

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10年間黙って持ち続けられる「最強の10銘柄」を探せ!

アルファ(超過利益)を得るために必要な要素として「バリュー(割安さ)」「クオリティ(質)」「モメンタム(勢い)」がありました。長期投資においてこれらを序列づけるとしたら、「クオリティ > バリュー > モメンタム」となります。

クオリティとは、企業が成長を続ける力のことです。成長を続ける力を持つ企業は、ただ黙って持ち続けているだけで利益が複利効果を生みどんどんと成長していきます。成長を続ける企業に投資することこそ、本当の長期投資の醍醐味です。

具体例を挙げるとすれば、Google(Alphabet)やマイクロソフトです。これらはただ持ち続けているだけで伸び続けました。コロナ禍という追い風が吹いたことは確かですが、その追い風に乗れたのは元々が素晴らしい力を持っていたからです。

素晴らしい経営をしていたからこそ、推奨している間ほとんど心配なく持ち続けることができました。もし株価が下がったとしても、事業に問題がなければ積極的に買い向かうことができるのです。この考え方で、マイクロソフトを安く買うことができました。(コロナ・ショックからの上昇率はGoogleのほうが大きかったのは反省点ですが。)

なぜこれらの銘柄を見つけられたのかといえば、割安感やトレンドに惑わされずひたすら良い事業を探したからです。良い銘柄で、株価が割高でないのなら「買い」で間違いなかったのです。バフェットの言うところの「そこそこの企業を素晴らしい価格で買うより、素晴らしい企業をそこそこの価格で買った方がいい」ということです。

私の弱点としては、まず「割安な企業はないか」ということから入ってしまうことです。こうすると確かに下落余地が限定的な銘柄に絞ることは出来るのですが、素晴らしい企業に出会えるチャンスはそう多くありません。そのため、買った株がなかなか上がらない「バリュートラップ」にはまってしまうことも少なくないのです。

そして、素晴らしい企業に出会ったとしても「そんなに割安じゃないな」と考えて、購入を見送った上そのまま忘れ去ってしまいます。この状況だと上がり続ける株を逃し続けることになり、エムスリーのような銘柄を捉えることができなくなってしまいました。

もし見つけた瞬間に買わなかったとしても、その後継続的にフォローしていれば、きっと買えるチャンスがやってくるものです。エムスリーのチャートを見ても、幸いバカ高いという状況は無くなりつつあります。これをしっかりとフォローしていれば、例えば相場全体の下落の際に、機動的に動くことができるようになります。

このポートフォリオにおいて、最も重視すべきなのは「10年黙って持ち続けられること」です。黙って持ち続けられるとは、単に株価が下がらないというだけでなく、平均を上回るような業績の成長を遂げることです。

今後10年間市場が閉鎖しても喜んで持ち続けられる企業だけを買いなさい。

ウォーレン・バフェット

成長を続けられる期間が長ければ長いほど、ある程度高いPERでも理論上正当化されます。それを「並の」PERで買えるなら、相当にお得感があるということです。

ここで大切なのは、「いくらで買うか」ではなく「いくら買うか」です。暴落を待ち望む戦略もありですが「押し目待ちに押し目なし」です。ある程度は淡々と買っていくのが望ましいと言えます。したがって、相場の波の中で下値をコツコツと拾う戦略を実行します。

買いのイメージ

もちろん、いくら素晴らしい企業であっても高値づかみは禁物です。割高なものはやはり見送るのが吉でしょう。その間は高いものを無理に追う必要はなく、他の銘柄に目をつけることになります。

このようにして、10銘柄程度を「最強の買いリスト」として目をつけておけば、後はその中で比較的買いやすいものを買い、割高すぎるものは一旦売るということも考えながら運用を進めていくつもりです。

まず素晴らしい企業を探す、その中で最強のポートフォリオを形成し、下値をコツコツ拾っていく。この戦略によって、長期のパフォーマンスを目指していきたいと考えます。

パフォーマンスが振るわないときこそ積極的に動く

さて足元の相場ですが、パイロット運用の銘柄については大きく下落しています。忸怩たる思いです。

ただし、それだけで銘柄選択が間違っていたと判断するのは早計です。短期的な株価はファンダメンタルズに関係なく、その時の雰囲気で動くものです。

現在市場を牽引しているのが、半導体関連銘柄です。これは、Facebook(Meta)がメタバースへの本格参入を表明したことにより、NVIDIAをはじめとする半導体の需要が大きく盛り上がることが期待されたものです。タイミングよくNVIDIAの好調な決算も発表されました。

このような勢いのある銘柄には資金が集中する一方、それ以外の銘柄は決算が良かろうが悪かろうが売られる展開が続いています。すなわち二極化が進んでいるのです。

勢いのある銘柄が上昇する要因は、FOMO(Fear of Missing Out=取り残されることへの恐れ)からきているのではないかと思われます。上昇相場が続き、投資家の間では「あの時買っておけばよかった」という後悔が募ります。これが積み重なると、「今度は逃すまい」と上がり始めた銘柄に資金が集中することになるのです。

コールオプション(買う権利=株価が上昇すると大きな利益)の取引は、現時点で昨年までの3倍にのぼるとされます。これは局所的なバブルを引き起こしてもおかしくありません。

ただそれでも株式市場全体がバブルと言えないのは、勢いのない銘柄からはどんどん資金が抜けているからです。しかしこれらの中にも堅調なファンダメンタルズをもつ銘柄は多く、目先の軟調な株価はむしろチャンスを広げているように見えます。

私は目の前で上昇する銘柄についていくのが得意ではありません。しかし、ファンダメンタルズをしっかりと分析することはできます。

それならばやるべきことは一つです。業績が堅調な銘柄をこの安いタイミングで買うことです。投資のパフォーマンスがふるわない今だからこそ、落ち込むのではなく積極的な動きを行わなければならないのです。おおよそ投資はそういうものでしょう。

多くの人はみんなが株式市場で加熱しだすと興味を持つが、本当はみんなが興味がない時に興味を持たないといけない。既に人気で上昇中の株を買ってはいけない。

ウォーレン・バフェット

今年も残りわずかとなってきました。ここで素晴らしいと思える銘柄を安く仕込んでいきたいと思います。

執筆者

執筆者:栫井 駿介

栫井 駿介(かこい しゅんすけ)

つばめ投資顧問 代表
株式投資アドバイザー、証券アナリスト
ビジネス・ブレークスルー(株)「株式・資産形成実践講座」講師

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