PCデポコーポレーション(7618)は、8月中旬から下旬にかけてネット上で ”炎上” した銘柄です。株価はそれまでの1,200円から500円まで半値以下に下落し、連日年初来安値を更新しています。
炎上の原因は不要な契約と高額な違約金
炎上の原因は、高齢の顧客がPCデポを訪れた際に、常識的に考えて不必要な高額なサポートに加入させられていたというものです。そのことに気づいた息子が解約を申し出ると、解約料として20万円を請求されました。
息子がその事実をTwitterに投稿すると、ネット上で批判が相次ぎました。やがてネット上だけでなく、テレビのニュースにまで取り上げられるほど事態は大きくなりました。
この事件によるPCデポへの当面の影響は避けられないでしょう。しかし、事件の性質を見ると、同社が置かれている戦略的な位置づけが見えてきます。
PCデポの戦略的位置づけ
PCデポはもともとパソコン小売店として誕生しました。
戦略的位置づけは、大手家電量販店よりもパソコンに特化した商品を取り扱うものです。その過程で、メモリの取り付けなどのサービスを随時行っていましたが、2005年には保守サービスに対して定額の手数料を受け取るサポートサービスを開始しました。
その後、ネット通販に押されて家電量販店が苦境に陥る中で、サービス中心のビジネスモデルに切り替えました。それがスマートフォンやタブレットなどのIT化の波に乗り、ここにきて業績を大きく伸ばしていたのです。
サポートサービスを利用するのは、冒頭の事件にもあった高齢者など、主にITに疎い顧客です。その方針は「情報格差(デジタルデバイド)を、店舗を通じて解消する」という同社のCSR方針にも表れています。
「とにかくパソコンやタブレットを使いたい」というニーズに応えるサービスですから、顧客は料金に対してはあまり敏感ではありません。そのため、原価とは関係なく、サービス内容で都合の良いように料金を設定できます。
ビジネス的には美味しい一方、不必要な高額サービスを販売してしまう誘引もあったと考えられます。それが今回の炎上事件を引き起こしたと言えるでしょう。
それでもサービスへのニーズは尽きない
炎上騒ぎはあったものの、スマートフォンやタブレット端末が普及する状況において「困った時に何でも相談したい」というニーズが尽きることはありません。
古くは「テレビが壊れたら街の電気屋さんを呼ぶ」といったことがありましたが、PCデポはまさにその立ち位置にいるのです。
もちろん、家電量販店が同じようなサービスを始めたら脅威です。しかし、現段階でヤマダ電機やビックカメラなどが本腰を入れる様子は見えません。
また、もしやろうとしても、2005年から10年かけて積み上げてきたPCデポのサポート体制に並ぶまでには時間がかかるでしょう。
PCデポに取材しました
PCデポに直接取材したところ・・・
※本記事は会員向けレポートの一部を抜粋したものです。PCデポの投資判断を確認するには、投資顧問契約に加入してください。
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