「いずれ配当金生活をしたいけど、どうやってやるの?」
「配当金ってどうやったら受け取れるの?」
「配当金をもらう場合、普通の投資と何が違うの?」
こんな疑問をお持ちではないでしょうか。
この記事では高配当株のやり方・オススメの銘柄・考え方、そして運用方法まで、全てを網羅して分かりやすく解説しています。
いわば高配当株投資の完全マニュアルで、これさえ読めば、あなたも今日から始めることができます。
ぜひブックマークして、実際の投資に役立ててみてください。
特に2022年7月現在は、配当利回りの非常に高い銘柄がゴロゴロしています。
今こそ高配当株投資を始めるべきだといえるでしょう。
あなたもこれを読んで、さっそく始めてみましょう。
目次
高配当株投資を始めるなら今しかない
今は高配当株投資を行う絶好の環境だといえます。
これはYahooファイナンスにあります配当利回りランキングです。
全体的に非常に高い水準で、日本に上場している企業の第150位までが、配当利回り5%以上という状況です。
一般的に高配当株といっても大体4%程度でかなり高いという印象がありますが、今や150位までが5%となっています。
つまり、今は安い株価の高配当株に投資することで、返ってくる配当の効率が非常に良い状況だといえるでしょう。
また、株価が安いということは、失敗もしにくい。
ここから下がる可能性もありますが、その余地は限定的とも言えます。
高配当株投資の戦略
高配当株投資戦略を簡単に説明しましょう。
明確な定義はありませんが、あえて定義するとしたら『高配当株利回りの銘柄に投資して、配当を受け取る』ということです。
配当利回りというと、株価に対して1年間で配当がどれだけあるか? という数字を示したものです。
これが一般的には3%以上であれば高いかなという感覚があります。
株式投資で得られる利益にはキャピタルゲインとインカムゲインの2つがあります。
キャピタルゲインは株価そのものが上がっていった際に得られる売買差益のことです。
インカムゲインというのは、特定の資産を保有することで受け取れる利益のことで、配当もここに含まれます。
高配当株投資戦略は、基本的に配当を受け取ることでリターンを上げる手法になります。
高配当株投資のメリット
高配当株投資は非常にメリットが大きい方法だといえます。
それが大きく分けて下記の3つです。
- 成果が明確である
- 買い時が分かりやすい
- 株式投資の原点
それぞれを詳しく見ていきましょう。
メリット1.成果が明確
まず最初に、成果が明確である点です。
正直、キャピタルゲインを狙って株価の変動に投資をする場合、明日どころか1年後にどうなっているのか分かりません。
一方で配当はおおよそ半期に1回・あるいは1年に1回、配当がほぼ確実にもらえます。
株価の動きを気にしなければ、配当という果実がちゃんと得られるわけです。
感覚的には、果物を育てているような感覚で、毎年特定の時期になるとちゃんと果実が取れる。
従って、比較的続けやすいものであると考えます。
メリット2.買い時が明確
更に、高配当株は買い時がはっきりしていると言えるでしょう。
先ほど今が買いの好機だと言いましたが、それは株価がより低い時が買い時であるためです。
例えば短期投資の場合は、株価が上がっているときに買って、すばやく売り抜けるという動きをします。
つまり、今が株価が高いか安いかというよりも、株がどう動いているかという点に重点を置いて投資していますよね。
しかし、それは明確に買い時があるわけではなく、感覚に頼る部分が大きくなります。
一方、配当利回りを狙う投資の場合は、配当利回りが高い方が投資効率が良いので、まさに株価が低迷している時に買えば良いということになります。
配当利回り=配当÷株価ですから、株価がより低いときに投資をする。
このことから、買い時がはっきりしているわけです。
メリット3.株式投資の原点
何より、配当というのは株式投資の原点であることが挙げられます。
株式の値段がつくのは最終的にその株から配当が得られるからこそ、値段がついているわけです。
ずっと永久に配当を出さない株式は、実は価値がありません。
株式の価値の原点となる配当を見るわけですから、株価の動きがどうだとか、あれこれ悩む必要がないんです。
あくまで配当が維持されるのか? 増えるのか? そこに着目していれば良いわけです。
そして、配当が増えるためには、裏付けとなる企業の業績が上がっているか・利益が出ているかどうかを見る必要があります。
これを行うことで、最終的には『株式とは何か?』 をしっかりと理解することが出来るわけです。
つまり単純な株価変動ではなくて、『企業と何か? 株式とは何か?』 という原点に返って投資ができるやり方となります。
高配当株投資に向いている人
どんな人が高配当株投資に向いているでしょうか。
それが下記の特徴のある人です。
- なるべくリスクを抑えた投資がしたい人
- 年金として運用したい人
- 投資初心者
それぞれを詳しく見てみましょう。
リスクを抑えた投資がしたい人
まず、高配当株投資はなるべくリスクを抑えた投資をしたい人に向いています。
株価だけ注目していると、かなり変動が大きいところがあります。
ある日突然10何%下がっていたりとか、数ヶ月で半分になることも起こりえます。
それに対して高配当株投資はどうでしょうか。
確かに株価に関しては同じことが言えますが、配当が急に無くなってしまうことは、なかなか起こりにくいです。分散投資していれば尚更です。
そして株価の変動を無視すれば、少なくとも安定的な配当が入ってくるという意味で、リスクはかなり限定的であると言えるでしょう。
基本的に値動きの激しい安定しない銘柄を選ぶのではなく、安定した業績と株価の銘柄を選ぶことが高配当株投資戦略の基本です。
年金として運用したい人
高配当株投資は年金として運用したい人にも向いています。
老後に運用するとして、株価の変動と売買のタイミングを気にするよりも、安定的にキャッシュフローが入ってきた方が良いという人にとっては絶好の投資法です。
また、株価がでどう動こうとも、毎年配当がどれだけ入ってくると分かっていれば、それだけでも安心感はかなり高いです。
元本は株価の変動を除けば、取り崩す必要もありません。長期的に続けていける運用方法だといえるでしょう。
投資初心者
何より投資初心者に向いてる手法だと考えています。
理由は3つあります。
- 非常に簡単
- 株の基本を学べる
- これだけをマスターしていても十分な効果がある
それぞれを詳しく見ていきましょう。
高配当株投資は簡単
高配当株投資は、基本的に株価変動を気にする必要がなく、配当が維持されているか・あるいは増える可能性があるのかチェックするだけでOKです。
正直、これ以外は気にする必要がないため、非常に簡単なんです。
しいて言うならば、株価が安い時に買った方が良いという点でしょうか。
株の基本は配当にあり
そして2番目として、株の基本を学べる点です。
先ほども述べました通り、「全ての基本は配当にある」といえます。
株式の価値というのは配当にあります。
このため、配当から入って株式を理解して、次のステップに入っていきやすいやり方だといえます。
高配当株投資だけでも十分効果あり
他の方法から入ってきた人の中には、正直、変な投資方法も行う人もいます。
テクニカル等を全く否定するものではありませんが、かなり難しいうえに感覚に頼るところが大きいと思います。
それに対して配当投資はかなり普遍性がありますし、長く続けていけるものです。
できれば成長株や、より良い企業を見つけるというところに入っていきたいところですが、多くの人がそこまで行けるわけではありません。
しかし、この高配当株投資だけでもマスターしてしまえば、先ほども出てきた通り年金的な運用でやっていても、かなりの効果は得られます。
老後も安心して投資し続けて配当を得て、自分の年金にすることが出来ます。
今から投資を始めようと思っている方は、ぜひここから入っていただければと考えます。
高配当株投資の進め方
次に、具体的に高配当株投資の進め方を説明します。
1つの例ですが、人生スパンで考えたときに、働いているときは普段の生活費等は給与からまかなえている状態だと思います。
そこから余ったお金を、高配当株に投資していきます。
考え方としては貯株ですね。
貯金はなく、貯株ということでどんどん株に入れていきます。
すると高配当の原資が増えて、毎年4%、5%の果実を得ることができます。
そしてこの果実を使うのではなく、さらに高配当株に投資すれば元本がさらに増えますよね。
こうして、いわゆる複利効果を得て、どんどん金の成る木が育っていくと考えられます。
金のなる木を育てて、余裕のある老後を
我々が老後を迎えた際に、育ててきた金のなる木から、今度は自分に年金として毎年毎年配当が入ってきます。
老後はお金を使うフェーズに入るでしょうから、金の成る木があれば、配当をいくら使っても元本は減りません。
するとかなり余裕がある老後を送ることができるんです。
例えば1億円を貯株したとして、そのうち配当で4%の利回りを得続けられたとしたら年間400万円、税引き後で320万円程度得られるわけです。
年金プラスの320万円があれば、まあまあ余裕のある生活が出来るのではないでしょうか。
このように、人生スパンまで考えていくのもありだと考えます。
もちろん色んなやり方がありますが、これが王道のやり方ではないかと思います。
高配当株投資のデメリット
しかし、実は良い話ばかりではないのが高配当株投資です。
物事には裏表があるように、ネガティブな話はもちろんあります。
後ほど具体的な銘柄も紹介しますが、実は高配当と低成長というのはかなりニアリーイコールなところがあるんです。
高配当=低成長
成長している企業の株はどんどん買われますから、株価が上がっていきますよね。
逆に、ずっと配当利回りが高い株というのは株価がずっと低いということですから、その企業の成長が期待されていません。
だから買われることはなく、正直、株価は上がらないものだと思ってもらった方がいいです。
さらに、配当が多いというのは内部の成長性が低い企業に多いとも言えます。
なぜなら、成長している企業だったら稼いだお金を次の事業に投じて、より成長しようとしますよね。
ところが、そういったことを考えていない企業が、今残ったお金を配当でどんどん出しています。
従って、高配当銘柄は内部の環境としての成長性が低い企業に多いということが挙げられます。
突然死の可能性も
また2番目に、突然死の可能性が挙げられます。
先程述べました通り、成長性がないだけならいいですが、衰退産業というのはある日突然なくなってしまうケースがあります。
例えば、カメラフィルム業界で考えてみましょう。
今までフィルムの写真を撮っていたときに、急にデジタルカメラのようなものが出てくるとフィルムは必要なくなるため、フィルムメーカーはダメになってしまいますよね。
そういった可能性をはらんでいる業界でもあります。
そうなると、急な業績の悪化でいよいよ配当を払う余裕も無くなってきます。
将来の成長性がなくて、配当が減るとなれば株価も下がりますから、減配と株価下落のダブルパンチを受ける可能性がある。
つまり、突然死ぬ可能性があるというわけです。
高配当株投資は先が暗いものへの投資
これらの総合にもなりますが、高配当株投資は先が暗いものほど投資対象としては良かったりします。
具体的なセクターを挙げるとするならば、タバコがその最たる例です。
喫煙率が下がっている中で安定的な利益を上げ続けていますが、直感的に考えて先が暗そうに見えますよね。
まして、SDGsとか言われている中でそういったものに投資するのは気が引けるため、かなり強い精神力が要求されます。
更に、株価が下がったときに投資すると言いましたが、株価が下がるには下がるだけ材料があります。
およそ世の中の雰囲気はネガティブな状況になっていますし、特にその銘柄に関してはネガティブだといえるでしょう。
そんなときに投資するというのは、精神力が試されるわけです。
逆に言えば、それができたら高いリターンを上げることもできると思ってます。
私もBTIという海外タバコメーカーに投資したことがありますが、その会社はなんと配当利回りが10%もありました。
タバコで将来が暗いからそこまで下がっていましたが、結局業績を悪化することなく未だにその配当を維持しています。
実はそういった強い精神力があれば、逆に高いリターンを上げられるというケースもあります。
将来的に明るい話ばかりではなく、暗い話が多いのがこの高配当株投資の中身です。
トータルリターンはインデックスの方が高い
先程、デメリットの面で高配当=低成長だと説明しましたよね。
しかし、低成長であっても配当を再投資することで複利を回していくため、資本自体は複利効果によって大きくなっていきます。
この大きくなったときのリターンをトータルリターンと言います。
では、トータルリターンを通常のインデックスと比べたときに、どのような結果になるでしょうか?
この青がHDVと言われるアメリカの高配当株投資信託ETFのチャートです。オレンジがVOO、つまりS&P500の推移になります。
いずれもトータルリターンを求めています。
変わらない部分もありますが、特に株価が大きく伸びるときは高配当株インデックスの株価が伸びにくくなってきます。
そうなると、通常のインデックスとの差は大きくなってきます。
歴史的に見ても、高配当株の株価は伸びにくいため、単純なインデックスに負けてしまう可能性が高いです。
これを踏まえると、特に若い人ほど再投資してまでこれをやる意味が薄く感じるかもしれません。
好みにもよりますが、どうせ引き出さないのであれば、S&P500のような成長株を含むインデックスに投資した方が、上がりやすいと考えることもできます。
また、JTのように利回りは高くとも、株価が5年間で40%のマイナスで減配もあり、ほぼ横這いになっている状況の銘柄もあります。
こういった状況を許容して投資できる、あるいはこの状況を前提として投資するのであれば、途中でくじけることなく、やる意味があるかもしれません。
このように、決して明るい話ばかりではなく、暗い話の方が圧倒的に多いと理解した上で投資することが重要になってきます。
それでも配当があるため、再投資していけばインデックスには敵わないにしても、伸びていく可能性が高いと言えるでしょう。
デメリットを回避する方法
様々なデメリットを抱える高配当株投資ですが、このデメリットを回避する方法もあります。
- 分散すべし
- 配当利回りにこだわらない
- ルールを決めて淡々と投資
これがデメリットを回避する3つの方法です。それぞれ見ていきましょう。
分散すべし
まずは『分散すべし』という原則です。
例えば先ほどのJTのような銘柄だけに投資していた場合、株価はピークの頃から半分になっていますから、正直かなり辛くなってきます。
ただ、これ以外の配当株は逆に上がっていくこともあります。
つまり、1銘柄だけではなく、『いくつかに分散して配当を得るポートフォリオを作り上げる』というのが1つのやり方です。
また、個別銘柄を組み合わせるだけではなく、最初から分散されている投資信託やETFを買う手法もあります。
ETFについては、後の方で紹介いたします。
配当利回りにこだわらない
さらに、『配当利回りにこだわらない』という方法もあります。
配当利回りが高すぎる銘柄は、何かしら大きなリスクを背負っている可能性があります。
それだけ株価が低いということですし、利回りが高くても買い手がつかないという事ですから、リスクであると考えておくべきでしょう。
それよりも、利回りが例えば3%台だとしても、財務が堅調で、かつ事業も少しずつ成長している企業の方が安定的です。
つまり、利回りにこだわらず、あくまで事業が安定しているかどうか? を基準に選んだ方がより確実に成果が得られると考えます。
ルールを決めて淡々と投資する
そして3つ目。
『ルールを決めて淡々と投資する』という点です。
先ほど精神力が試される面があるとお伝えしましたが、これを成功させるためには、ルールを決めて淡々と投資し続けることが大切になります。
これを続けていれば、恐らくおおよそ失敗することはないと言えるでしょう。
高配当株投資の具体的なやり方
次は、実践的なやり方について説明しましょう。
実践するための方法として3つタイプを挙げてみました。
- 高配当株ETFを買う
- お気に入りの5銘柄・或いはセクターを見つける
- 増配銘柄を探す
1つずつ見てみましょう。
高配当株ETF
まず最初に高配当株ETFです。
高配当株ETFというのは、実は日本にも、アメリカにも上場しています。
日本で代表的なものでいえば、[1489]NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信というものがあります。
これは日経平均の中から利回りの高い50銘柄を選んで、それを組み込んで作られたETFです。
利回りの高い方からなので、トータルでかなり高い水準になっており、現在の配当利回りは4.33%
既に多くの銘柄に分散されているので、先ほどのJTのように下がり続けることはほぼありません。
実際に、ここの株価はほぼ横ばいで動いています。
横ばいの中で4%以上の利回りが得られているため、安定はしているんじゃないかと思います。
なぜ信託ではなくてETFなのかというと、信託報酬が0.3080%と一般の投資信託に比べて低い水準になっている点が、メリットとして大きいためです。
一般の投資信託だと信託報酬が1%、2%というのがざらにありますから、それに比べると相当良心的だといえます。
組み入れられてる銘柄は、今でしたら日本郵船・INPEX・三菱商事・東京海上・日本たばこ産業等。
かなり手堅い企業群が入っており、これらの利回りが得られるというのは有難い仕組みです。
その時々の株価や配当の動きによって、順次リバランスも行っているので、入れ替える手間も受け負ってくれるため、日本株でやるならおすすめのやり方です。
米国株高配当ETF
さらにおすすめなのが、米国株高配当ETFです。
米国株は更に充実していて、特に下記の3つの米国株ETFを押さえれば、間違いないでしょう。
- SPYD
特に人気があるETFで、S&Pの利回りの高い方から順に80銘柄を組み入れたETF。 - HDV
利回りの高い銘柄の中から「より財務状況の良いもの」を75銘柄選んで組み入れたETF。 - VYM
よりたくさんの銘柄に分散したETF。分散すればするほど安定感が高まるため、400銘柄も組み入れられている。
それぞれ高配当株ETFですが、作っている会社によって少し違う特徴を持っています。
直近12ヶ月の配当利回りは、SPYDで3.91%、HDVで3.12%、VYMは2.72%です。
これだけ見るとSPYDは一番利回りが高くていいんじゃないかと見えますが、やはり財務の安定性や分散を考えると、他の2つも株価としては上がっています。
それぞれ一長一短がありますが、400銘柄も分散すると普通のインデックスにも近くなりますから、その辺は塩梅で考えていった方がいいんじゃないかと思います。
米国高配当株ETFは経費率が低い
SPYD・HDV・VYMの何より素晴らしい点が、経費率です。
経費率とは、先ほども少し出てきた信託報酬に該当するもので、SPYDで0.07%・HDVで0.08%・VYMで0.06%になっています。
先ほどの日本のETFで0.308%ということでしたから、かなり低い水準に抑えられていますよね。
米国はこの辺が整っているのが大きな特徴といえます。
高配当株ETFのデメリット
初心者の方にも高配当株ETFはオススメできますが、1つだけデメリットがあります。
高配当株ETFに投資をする場合、株式を勉強することにならない点です。
先ほども出てきた通り、高配当株投資を初心者にオススメするのは株の原則が学べるから、という理由がありました。
システマティックに投資を行おうというのでなければ、ぜひ高配当株銘柄の中からお気に入りの銘柄を探してみてください。
これは勉強として非常に大きいと思います。
お気に入りの5銘柄・或いはセクターを見つける
では次に、お気に入りの5銘柄、或いはセクターを選ぶ方法を解説しましょう。
まず最初は、業績推移や事業内容から、業績は堅調に推移しているか確認します。
マネックス証券の銘柄スカウターというものの中で企業の概要や業績を分かりやすく確認できますので、まずマネックス証券の口座を開くことがオススメです。
これはソフトバンクの携帯会社の推移ですが、増収増益にはなってるので堅調といえるでしょう。
利回りが5.7%ぐらいありますから、数字上は結構良い高配当銘柄であると考えられます。
単純にこの売上高利益だけではなく、もっと見てほしいのがキャッシュフローです。
いくら目先の利益が出ていても、事業のために投資をしなければならない場合、配当は基本的に出せないというパターンもあります。
ソフトバンクに関しては赤の折れ線グラフがフリーキャッシュフローといって、最終的に会社に残るお金ですが、これが常にプラスで推移していますよね。これもかなり安定的です。
これがプラスか下の方、マイナスなっていないか確認する必要があります。プラスであれば大きい問題はないんじゃないかと考えて良いでしょう。
配当性の確認
更に、配当の利回りが高くても、実はもう1つチェックすべき数字があります。それが配当性向です。
配当性向というのは、利益のうち何%を配当に出しているかというものです。
これが100%を超えていると、稼いだ利益よりも配当を出しているため、持続的ではないといえます。
ソフトバンクのものを見てみると、配当利回り78.1%。
平均で30%ぐらいなので、高いといえば高いですが、これでも余力はまだあるということを表します。
配当の推移
そして次は配当の推移です。
ここが増えたり減ったりしてガタガタになっている企業もあります。
それはつまり、今の利回りはあてにならないと考えられますよね。
このソフトバンクに関しては基本増配をしないものの、横ばいに推移しているので安定的といえます。
株価の推移
そしてもう1つのポイントに株価の推移があるんです。
こういった安定的で配当をちゃんと出し続ける会社の株価は、かなり安定してきます。
株価が動くにしても、このようにボックス圏で動くことが非常に多いです。
このため、株価の推移が分かりやすいといえるでしょう。
これが分かると、どういうときに買うべきかも分かってきます。
何度も口を酸っぱくして言ってますが、高配当株投資の場合は、株価が下がったときに買うと投資効率が良いです。
つまり、ボックス圏の下の方、安い時に買う方が利回りも高いですから、高い利回りが享受できるというわけです。
株価が上がったときに、つい「まだ上がるんじゃないか」と思ってしまいますが、先ほどこの高配当株の大前提として、業績は成長しないことが多いと言いましたよね。
従って、株価が上がり続ける見込みはなかなか無いわけです。
やはりこのボックス圏の高値になったときは、売った方がより効率のいい投資ができると考えられます。
そして株価が上がったということは配当利回りが下がっているため、その時に売って、さらに良い高配当株に入れ替えていくやり方ができます。
こうなると配当を得ながら、その間のキャピタルゲインを得ることも出来ます。
もちろん、持ったままでも良いですが、これをやるかどうかは自分がどんな投資をしたいかということに繋がってきます。
これをやっておく事で、株価の変動に応じてどう投資して行くべきか、売買すべきかという感覚も身に付けられるため、ぜひこれも意識してやっていただければと思います。
高配当株投資の次のステップ
最後に、配当株投資をやって、ある程度わかってきた時点で次に進んでほしいところがあります。
それが増配銘柄への投資です。
今回は『株価と業績は一定で、配当利回りが高い』という条件で探してきましたが、もっと良いと思える投資が増配銘柄です。
配当が増えるためには、当然利益が増えないといけませんよね。利益が増えたため、配当が増えるわけです。
すなわち成長銘柄といえます。
例えば配当が徐々に増えていったとします。
買った当初は利回りが1.5%しかなかったとしても、利益が2倍になって配当が2倍になったとしたら、利回りは3%になりますよね。
つまり買った金額に対して、高配当となるわけです。
配当性向が一定だとしたら利益が当然増えていますから、配当が2倍になるということは株価も2倍前後になっている可能性が高いです。
株価の上昇と配当利回りの向上、この両方を得ることができて、それはすなわち成長する企業を見極めるということなので、次の成長株投資のステップを踏むことができます。
バフェットのコカ・コーラの投資事例
これを代表的に示しているのが、ウォーレン・バフェットのコカ・コーラへの投資事例です。
バフェットは1987年にコカ・コーラに投資しました。
株価は見事に上昇して、バフェットを代表する投資事例になっています。
株価だけでなく、配当にも注目してみましょう。
バフェットは現在分割後の価格で、およそ3.2ドルでコカ・コーラを取得しています。
これが現在60ドルぐらいあるんですが、その間に当然業績が増えて配当も増えていて、直近1年の1株当たり配当が1.72ドルです。
バフェットは3.2ドルで取得していますから、その取得単価に対する利回りが53.75%もあります。
つまり、3.2ドルで投資したコカ・コーラは、毎年毎年その半分ずつぐらいは配当で返ってきていたんです。
そう考えると、バフェットがコカ・コーラを売る理由はありませんよね。
当然元は取ってますし、それがどんどん配当で増え続けるわけですから、まさに金の成る木になっています。
どうしてそれができたのかというと、コカ・コーラという成長銘柄を見つけたからに他なりません。
当然この間に株価も20倍になっていますから、良いとこしかないわけです。
高配当株とは金のなる木への投資
このように、高配当株投資とは、金のなる木にどんどん投資をしていく感覚だといえるでしょう。
更に、金の成る木というのは、全く成長しないものではなく、できれば今後成長して配当が増えていく銘柄に投資する。
それによって、先が長ければ長いほど、若ければ若いほどより大きな成果が得られやすいです。
ぜひ高配当株投資の次のステップとして、このようなことも意識してみてください。
この内容はYouTubeで動画による解説も行っています。
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プレゼント②『企業分析による長期投資マスター講座』第一章
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