任天堂の株価が上がるために必要なものとは?

今回は任天堂についての記事です。

実は任天堂、直近で株式分割を行いました。

これまで1単元600万円くらいで、非常に高かったものが60万円ぐらいで買えるというお手ごろな価格になっているのです。
そんな中で「任天堂を買いたい」という方、少なくないのではないでしょうか。

一言で言うならば任天堂、素晴らしい会社です。

ただこれで終わってしまっては、記事の意味がなくなってしまいます。
ゆえに今回は「任天堂の弱点」と題しまして、任天堂の課題とこれからの方向性をお話できればと思います。

投資や経済に興味のある方、ビジネスに興味のある方は、ぜひご覧になっていただければと思います。

 

株式分割で1単元600万円⇒60万円

株式分割で1単元600万円⇒60万円

まずは株式分割です。

これまで一株6万円くらいの単位だったのです。
日本の株式というと単元株がありまして、100株ごと取引するということになります。

ゆえに6万円の100株ですから600万円。
1単元買うのに600万円必要だったのです。

それが10分割されまして、今や60万円で投資できる。
それでもやや高めなのですが、手の届かないところではなくなってきたのです。

皆さんご承知の通り、任天堂は日本を代表する素晴らしい会社です。
Switchに代表されるようなゲームを次々に生み出してきました。

その背景にはマリオとか皆さんおなじみのゲームがあるわけです。

 

欧米を中心に海外が8割

欧米を中心に海外が8割

日本だけで売り上げがあるわけではありません。
実は世界展開かなり進んでいます。

(グラフの)

  • 青:米国大陸(ほぼアメリカ)
  • 赤:欧州
  • 黄色:その他
  • 緑:日本

となります。
日本はわずか2割程度しかなくて、後は海外で売っている会社なのです。

それほど日本のゲームが海外で受け入れられているのです。

直近では、コロナ禍の影響を受けて、みんな巣ごもりをしなければならない中で、Switch。
ゲームだったら家でできるので、その需要が非常に高まって株価も好調に推移してきたわけです。

今後どのような展開になるのか?
これからも株価が上がり続けるのか?

というところを見ていきたいと思います。

 

ヒットに依存する業績

ヒットに依存する業績

株価を左右するのは、基本的には業績です。

そこで任天堂の長期の業績を見てみましょう。
このスライドは、1999年3月期からの業績になります。

ご覧の通り、実は結構山がある。
上がったり下がったりを繰り返す会社なのです。

1999年から2006年ぐらいまでは、比較的安定していた時期と言えるかもしれません。
そこから2007、2008、2009と業績を大きく拡大しました。

しかしその後2012、2013、2014と営業利益がなんと赤字に転落しているのです。

皆さん任天堂が素晴らしい会社だと思っていたかもしれません。
しかし実は3年連続赤字というような、いわゆる暗黒時代もあったのです。

それが2018年頃からもう一度盛り返しまして、2021年3月期で最高益という状況になっています。
「この間に何があったのか?」ということを考えてみたいと思います。

ゲームに関心のある方、これまで(ゲームを)されてきた方であれば、比較的なじみがある内容ではないかと思います。

2001年3月にゲームボーイアドバンスが発売されました。
それから2002年ゲームキューブが発売されました。

ただしこの時期、私の世代などはそうなんですが、ゲームキューブを持ってる家はほとんどなかったのではないかと思います。
どちらかというと、みんな遊んでたのはプレイステーションです。

だから完全に押されてた時期でもあったのです。
安定していると言いましたが、ここは比較的低迷期と言えるわけです。

ちなみにうちにはゲームキューブがあり、プレイステーションがないという、ちょっと変わった家でした。

それはさておき、その前にさかのぼりましょう。

 

ハードによって明暗わかれる

ハードによって明暗わかれる

そもそもテレビゲーム市場を開拓したのが、1983年発売のファミリーコンピュータだったわけです。
その後スーパーファミコン、そしてNintendo64と続きました。
携帯型ゲームの方でもゲームボーイ。

私もスーパーファミコン、ゲームボーイ、それから任天堂64、ゲームキューブ、そしてアドバンス。
これらは家にありました。

こういった状況で、一方ではソニーに押されるという状況もあったわけです。

それが大きく転換したのが、2005年3月期のニンテンドーDS、もっと世界的な飛躍を遂げたのが2007年3月期のWiiです。
このWiiが本当に革新的で、従来のゲームの概念を覆したのです。

それまでゲームというと、子供が1人でやる。
あるいは子供たちがちょっと集まってやるぐらいのものだったんです。

しかしWiiがフィットネスなど家族みんな、あるいは大人数でやるという需要を巻き込んだおかげで、任天堂は世界的企業へと飛躍するわけです。

売上高がうなぎ上りになりました。

Wiiスポーツとかその辺です。
皆さん記憶にあるのではないかと思います。

ここで「任天堂は日本のAppleだ」とも言われて、飛ぶ鳥を落とす勢いだと見られていたのです。

ところがWii、案外長続きしなかったのです。
ある程度、みんなが持つという中において、飽きが来るわけです。

実際スポーツゲームをやるにしても、最初は楽しいんですが、やっぱリアルスポーツの方が楽しいといった側面もあります。
いろんな娯楽はあるわけで、スマホもこの辺から登場し始めました。

そうやってまた苦しい状況になってくるわけです。

問題は後継機です。

DSなどは比較的堅調に売れたと思うのですが、Wiiの後継機であったWii U。
これ持ってる方って、どれぐらいいらっしゃいますかね。

私はほとんど知りません。
それほど売れないという状況が続きました。

なぜなのかというと、一つは元々向いてたゲーマーたちが「どちらかといえばファミリーゲーム」という形で捉えていて、敬遠しだしたというところ。
やはりこの時期は、プレイステーションが売れていました。

あとハードの性能も決して高くなかったといいます。
ということなどから低迷期が続いたのです。

大きく回復したのが、Switchの発売です。

Switch、まさにその名前の通り、携帯型ゲームと据え置き型ゲーム両方使えるというものだったのです。

これまでDSとWii、どちらも持っていた、あるいはどちらかに分散していたものが一つで使えるようになったのです。

もちろん要因はそれだけではないと思うのですが、Switchがヒットして、業績が爆発的に伸びた。
当然コロナ禍も手伝って一段高になっているわけです。

各ハードの売上高を見ると一目瞭然です。

  • ファミコンが6000万台。
  • ゲームボーイが1億2000万台。
  • スーパーファミコンも5000万台。

それぞれ売れたのですが、その後64、ゲームキューブがそれぞれ3000万台・2000万台あまり売れませんでした。

そこからゲームボーイアドバンス。
ニンテンドーDS、Wiiといったところが、かなりの台数売り上げた。
そしてSwitchも売れた。

一方でWii U全然売れてません、1000万台というところです。
ハードが売れるものはソフトも売れます。

DSはハードもたくさん売れたのですが、ソフトは他と比べてもっと売れてます。
Wiiも同じようにハードに対してソフトの売り上げが多いのです。

Switchもそういった意味では、非常に成功したものだと言えます。

やはりハードが売れると、みんな持ってますから、ソフトメーカー側も新しいソフトを作ればそれなりに売れることが見込めます。
よって「どんどん新しいソフトを作ろう」という気持ちになるのです。

結局ハードによってソフトの売り上げも大きく変わってくる。

明暗が分かれてくるというわけです。

 

任天堂の弱点

任天堂の弱点

ここまで見ていただいて、任天堂の弱点。
大体わかってきたのではないかと思います。

任天堂、基本的にはゲームの一本足打法です。
ゲームを出す。
しかしそのゲームが本当に売れるかわからないわけです。

一時期はプレイステーションに押されていたときもありました。
そういう競争関係もある。
今だったらスマホゲームも競合になると思います。

競合がなかったとしても、そもそもそのゲームが面白いかどうか。
あるいは多くの人が遊ぶ要素があるのかわからないわけです。

当たれば大きいけれど、駄目だったときには赤字になってしまう可能性もはらんでいる状況です。
従ってヒットに依存するギャンブル性の高い業績というのが、非常にネックになっていたわけです。

投資家として見たときにも、ゲームのことを知らない、ゲームのこと知っていたとしても、いいゲームが必ずしも売れるとは限らないのです。

それは結構難しいところで、やはりクリエイターの人たちは

「良いゲームを作ろう」
「レベルの高いゲームを作ろう」

と考えています。
それが本当に人々の興味、人々というとみんなが非常にレベルの高いゲーマーたちばかりじゃありません。

むしろ初心者でも使いやすい、プレイしやすいゲームの方が受けたりするわけです。
どちらかというと、携帯ゲーム・スマホゲームはそういう要素が強いのかもしれません。

そんな中

  • ゲームが実際に売れるかどうかはわからない。
  • 一方で、ゲームの技術にはついていかないといけない。

いいゲームを作り続けないといけないから、開発費も増えてくるわけです。

そうやって、結局ヒットに依存してしまう今の状態のままだと、当たるかどうかわかりません。
ハードあるいはソフトの博打にかけるというところがあったわけです。

従って長期投資家としては、次のゲームが売れるかどうか、分からないとなると、任天堂の株を持ち続けるという話にはなかなかならないのです。

しいて言うならば、その発売の前にその周辺の熱の高まりを見て「ちょっとこれ売れそうだぞ」と思ったら買って、ある程度売れたら株も手放してしまう。
そういう対象になってしまいがち。というところがあるわけです。

これを解決するには、どうしたらいいかというところなのです。
任天堂が素晴らしい会社であるということは間違いない。

それはゲームの作り込みに、好きな人たちが心血を注いでいるから。
これは本当に日本の企業が誇るべき技術、作る人たちの心意気だと思うのです。

ある意味で日本企業を象徴しているかもしれません。
「いいものを作ったら売れる」と思っている。
あるいはそこしか考えないというところがあります。

ただ、一方で経営者。
経営者がやるべきことがそれだと、結局ギャンブル性に依存することになってしまいます。

ゆえにいかに確実にヒットさせて、そして安定させるか。
それをやるのが経営者の仕事なのです。

したがって、任天堂は商品は素晴らしいけれども、経営としてはまだ二流だったと言わざるを得ないところがあるのです。

 

IP(知的財産)戦略とは?

IP(知的財産)戦略とは?

そこで前の社長の君島さんや、現在の社長の古川さん。
これらの社長たちが2015年頃に大きく戦略を転換しました。

それが「IP戦略」と言われるものです。
このIP戦略って何かというと、要はキャラクターとか、そういう世界観。
それを売りにして商品を売りましょうというものです。

端的に言うと、一番このIPを世界でうまく使っている会社。

皆さんご存知かもしれません。
(スライドで)私は丸三つを書いただけですが、これだけでも怒られてしまうかもしれません。

ここは様々なコンテンツがあります。

ディズニーのコンテンツは、子供向けの絵本から、当然ランドとか、あるいは映画やアニメなど様々なものがあります。
そういったものを日常の中に浸透させておいて、関連する商品をどんどん売ってくるのです。

これによって次々にファンが生まれて、さらに映画も観ればランドにも行くし、様々なグッズを買う。
そのグッズには、当然ライセンス料というのがかかっていて、物が売れるたびにチャリンチャリンと(お金が)入ってくる。

そういう戦略があるのです。

振り返って考えてみると、任天堂って、実はIPをすごく持っているのです。
マリオもそうですし、ドンキーコング。

あるいは最近で言うと、集まれどうぶつの森とか、皆さんが馴染みのあるキャラクター。
そこを持っているのです。

ただ、これが十分に生かし切れてないというところがあるのです。
皆さんマリオの商品、あるいはマリオのアニメなど、普段の生活で何か関わることってありますか?

私が知る限りそんなにない。
そんなに普段の生活に浸透してないと思います。

あくまで、マリオはゲームというイメージがあります。
もちろんゲーム好きな人にとってはそれでいいかもしれません。

しかしこの状態のままでは、ゲーム好きしか関わらなくなってしまうのです。
普段私もあまりゲームをやらない方なので、そうやって過ごしていると、あまり任天堂のIPにマリオなどに関わることなくなっているのです。

もちろん、昔も任天堂のゲーム機を代々やってきたぐらいですから、昔のドンキーコング、マリオなど非常になじみが深いです。
ただ今大人になって、手に取ってみようというほどの気持ちは起こらないわけです。

これを大きく変えていこうというのが、今の任天堂の戦略です。

  • 任天堂IPに関わる人口を少しでも増やそう。
  • そのことによって、ゲーム人口を増やしていこう。
  • 任天堂の商品を売ろう

そういう戦略なのです。

 

始まったばかりのIP戦略

始まったばかりのIP戦略

今これがようやく少しずつ動き出しつつあります。

一つはスーパー・ニンテンドー・ワールドといってUSJ。
ユニバーサルスタジオジャパンの中にある任天堂の世界を作ったアトラクション。

これが2021年の3月にオープンしました。
アメリカのユニバーサルスタジオでも作ることが計画されています。

そこではNintendo TOKYOと言って、お店で任天堂のグッズを売る。
それからマリオの映画も公開されるということです。

こうやって徐々にIP戦略ができてはきているのですが、まだまだ始まったばかりかなというところがあります。
コロナ禍もあって、ちょっと不運なところはあったのですが、そんなにニンテンドー・ワールド、話題にはなっていないと思います。

このNintendo TOKYOも1ヶ所あるだけで、あちこちあるというものではありません。
ゆえにそこまでまだ馴染みが出ていないわけです。

これをいかに拡大させていくかというのが、今後の任天堂に求められていることです。
実はキャラクターに対する愛着というのは、ものすごい強いと感じています。

なぜかというと(私は子供がいるのですが)子供たちってこのIP戦略の一番の肝だと思うのです。

というのも生まれたら、もう1歳とかの段階でアンパンマンを見ます。
するとアンパンマン好きだからということで、アンパンマンのおもちゃをどんどん買います。

お家はアンパンマンのおもちゃであふれかえってます。
それには最近でいうと、すみっこぐらしなどです。

これは例えばレストランと提携したりして、チェーン店のあちこちですみっコぐらしのキャラクターを見るようになります。
そしてAmazonプライムで、すみっこぐらしの映画やってたのですが、これを見て、さらにすみっこぐらしのことが好きになる。
街中に(好きになってしまった)すみっこぐらしのキャラクターのグッズがあったら、それを買おうということになって、どんどんマネタイズされていくのです。

これほどIPというのは非常に強いです。
そして子供の頃馴染んだということになれば、やはり大人になっても買ってみようかなということになるわけです。

任天堂に関して言えば、必ずしもIPそのもので儲けようとしているのではないと思っています。
あくまでこのIPというのは、任天堂のキャラクターに触れて少しでもなじんでもらおうという戦略だと思うのです。

そこで最終的に「あくまでゲームを売って儲ける」というコアの部分は変わらないと思います。
ただ任天堂のゲームに少しでも小さいときから触れることで、よりゲームを手に取りやすくなるというところがあります。

 

IP戦略成功例:ポケモン

IP戦略成功例:ポケモン

実は任天堂でそれを一番うまくやっているところがあって、それがポケモンなのです。
ポケモンって任天堂だというイメージが強いと思います。

しかし実は100%任天堂がやっているわけではなく、株式会社ポケモンという任天堂が株式を30%持っている関連会社がやっているのです。
いわゆる別会社だから、うまくいったのかなと思います。

IP戦略はまさにこれなのです。
アニメです。

今テレビでポケットモンスターのアニメをやってます。
これを多分多くの子供たちは(私はポケモン第一世代でゲームをやっていたのですが)おそらくアニメから入ることが多いのではないかと思います。

アニメを見ると、次に何をするかというと、ポケモンセンター、ショップに行きます。

うちの近くにもあります。
ぬいぐるみなどたくさんグッズが売っています。

子供たちはポケモンをプレイしたことないんですが、キャラクターにはものすごくなじみがあります。
またこれも、ポケモンのぬいぐるみで溢れかえっている。
足の踏み場もないという状況です。

私も、ポケモン第1世代でポケモンをプレイしていますから、子供たちに

「このポケモンはこうなんだよ」
「ここが強いんだよ」

ということで、ドヤ顔できます。

そうやって世代を超えてポケモンに愛着がある。
もう少し子供が大きくなったら、いよいよ「ポケモンのゲームが欲しい」って言い出すのではないかと思います。

それで最終的にゲームを買わざるを得ない。
Switchを買うみたいな状況になるのではないかと考えています。

さらにはカードゲーム。

それから、ポケモンGo。
このポケモンGoが出てきたとき、私はかなり見誤っていました。
というのも、ポケモンの権利を持っているのは株式会社ポケモンという会社です。

任天堂はその3割しか持ってない。
ポケモンGoがダウンロードされたところで、そんなに儲からないじゃないかと思ったのです。
ところが、このポケモンGoで初めてポケモンに触れた子供たちも多いのではないかと思います。

うちの子供もそうです。
スマホだからすぐ無料でダウンロード自体はできてしまいます。
そこでポケモンを思い出して「じゃあやっぱポケモンのゲーム買おうかな」ということになって、Switchが売れるわけです。

今後も新しいポケモンの発売も予定されています。

このようにIPを使えば、キャラクターになじみがあって、確実に世代も超えていく。

ポケモンのゲームが面白いか面白くないか。
それはあると思います。

基本的には面白くないといけないとは思うんですが、「そこそこおもしろければ、まあまあ売れてしまう」
そういう確実性が上がっていくのです。

このIPがあることによって、ポケモンがNintendo_Switchや、そのソフトの売り上げに貢献していることは間違いありません。
これはいわゆる任天堂の外の企業である、株式会社ポケモンだからできてきたわけです。

任天堂がこれを今度は真似して、自社で展開していくフェーズに入っているのではないかと思います。
幸いにして現在の古川社長は、株式会社ポケモンの社外取締役を務めていたので、IPに関する知見はかなり深いものがあるのではないかと思います。

 

任天堂の価値向上に向けて

任天堂の価値向上に向けて

そういう意味で、任天堂の価値向上に向けてどうするべきか。

今のおさらいになりますが、

  • IPに触れる人口を拡大させる。
  • ゲームを買ってくれる人たちを増やす。
  • 世代継承。

今ファミリーコンピュータが発売されて40年がもうすぐ来ようとしています。

もうファミコンで遊んでた人たちは親になり、そしてさらにその上の世代になりつつあります。
その世代が今度は子供を連れてまたゲームをやるということになると、これはずっと続く。

さらにはそれが拡大しながら続くループを築けるのではないか。
そうなったときに、任天堂の価値創造は大きくなるということが想定されるのです。

従って私達が見るべきなのは、これから任天堂がいかにしてこのIPを拡大させていくのか。
私達の身近なところに任天堂のキャラクターが出てくるかということが、今後の任天堂の価値創造に寄与してくると考えます。

 

株価の決定要因

株価の決定要因

もう一つ最後に株価についてです。
株価って、実は今言ったような話が強く反映される側面があります。

株価てざっくり言うと、長期的な観点で見ればこのように(スライド参照)して決まるのです。
EPS割るr(リスク)マイナスg(成長率)。

EPSというのは、一株当たり利益です。
rはリスク(正確にはリスク金利とリスクプレミアムの合算値ということになるのですが)ざっくりリスクとしましょう。

gは成長率、長期の成長率です。
多くの人は成長率しか見てないのですが、リスクというのも大事です。

つまり先ほど申し上げた通り、任天堂が今後もギャンブル性の高いビジネス、ヒットするかどうかわからない事業をやっていると、どうしてもそこに対する信頼性が置けない。
ゆえにあまり高い株価で買えないということで、株価上がりにくくなります。

それは数値的にもr(リスク)が高いと分数ですから、分母が大きくなって株価が小さくなるというところがあります。

しかしリスクが下がると、もっと高い株価で評価されていいという理論が成り立つのです。
そのためにはIPに関わる人口が増えることによって、業績に対するリスクが軽減されることが重要になってくるわけです。

あとはゲームのヒット。
これはやはり、必須条件であると思います。

ヒットを次々に重ねて、そして世代が積み重なってくることによって、g値(成長率)が上がる。
このことによって任天堂の株価は上がるということになってきます。

これは上がると確実に言ってるわけではありません。
こういう考え方をして投資家として任天堂を見ていくということです。

いかがだったでしょうか?
任天堂の株価について解説してまいりました。

皆さん、身近な企業かと思います。
街の中を見渡して、どういう状況にあるかということを考えながら、歩いてみるのも面白いかもしれません。

この内容はYouTubeで動画による解説も行っています。

動画での解説が最も早く公開されますので、いち早く情報を得たい方はぜひチャンネル登録をお願いします!

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