1ドルが遂に150円を突破する円安(動画撮影時)になっています。
円安傾向が危惧されています。
これは、別の動画でもお話していますが、基本的に日米金利差による短期的な円安だと私は見ています。
この円安が定着するとしたら、日本の競争力が下がっているからだと言われています。
果たしてそれは本当なのでしょうか?
今日は客観的な、数値的な観点から
- (本当に)日本企業の競争力が下がっているのか?
- 私達はこの日本において、一体どのようにしていけば、より経済的に豊かな生活が送ることができるのか?
- あるいは精神的に豊かな生活が送れるのか?
ということについて、お話したいと思います。
投資や経済に興味のある方、また今の生活を少しでも豊かにしたいと考えている方は、ぜひご覧になっていただければと思います。
目次
1ドル=150円を突破
まず為替レートです。
今年の頭に約113円だったのが、この10月についに150円を突破したわけです。
その背景にあるのは、日米金利差とも言われています。
アメリカの金利がすごく上がっていく中で、日本の日銀は金利を上げない。
その結果、より金利が高いアメリカ・ドルに資金が集まると言われています。
円安(ドル高)は一時的
私は、短期的にはそういった動きはあるかもしれないが、長期的には続かないと説明しています。
円安ではなく「ドル高」
ドル高円安というのは、円安が要因というよりは、ドル高要因なのです。
なぜそう言えるのかというと、通貨が下がっているのは日本だけではなくて、ヨーロッパのユーロやイギリスのポンド、あるいは韓国のウォンも下がっているのです。
すなわち円が安いのではなくて、ドル高なのです。
リスク回避のドル買い
なぜドル高が起きているのかというと、様々な要因はあるのですが、基本的には「リスク回避のドル買い」だと考えています。
今、世界経済が不安定になる中で、新興国やその他の国々は経済が不安定で、株価が下がっています。
そんな中で、金融機関は、特にドルで運用しているところがそもそも多いのです。
例えば、アメリカの機関投資家が日本にお金を投じるよりも、円から引き上げてとりあえずドルにして、現金あるいは米国債という形で持っておいた方がいいだろうと考えて、リスク回避でドル買いするという側面が非常に強くあるわけです。
購買力平価では長期的には円高方向
一方で長期的に見ると、購買力平価。
一物一価の原則を考えると、実は日本ではアメリカに比べてインフレが進んでいません。
基本的にはインフレが進む国の通貨というのは、どんどん相対的に減価。
減っていくわけです。
したがって、アメリカがインフレ、日本のインフレが低いとなると、やがては円高方向に向かうというのが、長期的なセオリーです。
実際にこれまでの動きもそういう形になっています。
ぜひ関連動画も見ていただければと思っています。
基本的にこれらの動画にも紹介しています通り、この円安というのは一時的な要因。
それも日米金利差など複合的な要因が絡んだ、リスク回避のドル買いが短期的に進んだ。
また短期的に株価とか価格が動くときには、そのトレンドに従って短期的な投資家も同じ動きをしますから、どうしても行きすぎてしまうという傾向があるのです。
今まさにその行き過ぎのところだと考えています。
一方で長期的には円高方向であると考えていますから、やがてはこれは戻るだろう。
基本的には、これらの話に従うと戻るということになります。
円安が定着するとしたら「国力低下」?
ただ一点だけ、もしかしたら円安が戻らないのではないか?という可能性としてあるのが「日本の競争力低下」です。
国の経済力が下がると、その通貨に対する需要がそもそも減ってしまって、その国の通貨の価値が下がると言われています。
実際に、昨晩のNHKニュースでは慶應大学の教授が「国力低下が円安の原因である」と言っていました。
成長の格差によって、あらゆる面で安い国になってしまったことが、今になって円安という結果に繋がっていると。
私は(この発言に)かなり違和感がありました。
成長の格差、確かに日本のGDPが上がってないというのは、事実としてあるわけです。
ただ日本が他国に比べて魅力のない国になってしまったというところには、かなり疑問を感じざるを得ません。
ここに「労働者のスキルも落ちてしまった」とありますが、本当にそうなんでしょうか?
「日本安い」と歓喜する外国人
「日本安い」というところがあります。
確かにテレビのニュースで、外国人観光客の入国が解禁されて、日本にやってきて、円安によって安い、あるいは日本のもの自体が安いから、たくさん爆買いしているという話があります。
「他の国に比べると日本は安い」という声・コメントもあります。
これを見ると「あれ?日本ってもしかして、ものすごい貧乏な国になってしまったんじゃないか」という声も上がっているわけです。
ただ私は日本が、他国に比べて安いという事実は、確かに今現時点であるかもしれません。
しかし貧乏な国になったかというと、それはどうなのかなと思うわけです。
なぜならそこには、単純にGDPとか単独の数字だけでは見えない「日本の特徴」あるからです。
続いて数字の話をしたいと思います。
GDPは日本だけが伸び悩む
例えばGDPの推移(上位6カ国)です。
アメリカ(ブルー)が順調にグーンと伸びています。
オレンジの点線が中国です、これが2010年頃、日本を逆転して世界2位。
日本が2位だったのが3位に転落するという状況になりました。
日本(グレー)は、1995年ぐらいからほとんど名目値で伸びず、横ばいになっているわけです。
そうは言っても世界3位という地位は残って、直近では為替の影響もあってドイツに抜かれたという話もあります。
ドイツも経済的に強い国ですから、この2・3・4位というところにはいるわけです。
ただ成長してないし、どんどん下がっているという事実は確かにあるわけです。
しかし、そもそもGDPの定義というところから思い出していただきたいのです。
略さずに言うと「グロスドメスティックプロダクツ」です。
要は国内総生産。
日本の中でどれだけ生産活動が行われているかという数字です。
一人当たりGDP
ここで注目したいのは「生産」です。
誰が生産するのかというところを考えてみたいのです。
その国全体のGDPですと、当然人口が多いところ。
ここで言うならば、中国とかインドが人口の多い国ですから、大きくなるのはある意味必然です。
一人一人の豊かさを表す指標としては、1人当たりGDPが用いられます。
この1人当たりGDPを見ますと、日本はこの黒い線です。
1980年頃18位~19位だったものが、どんどんバブルの頃に上がりまして、一番ピーク1996年には9位でした。
しかしそこからまた下がりまして、直近で26位まで下がって、1人当たりGDPを見ますと韓国より下になってしまっているわけです。
高齢人口推移
大事なのは「1人当たり」というところです。
1人当たりの構成比を見ていかなければいけません。
というのも日本は、高齢人口が世界で最も高い国です。
先ほど見ていただきましたGDPの推移。
この95年から現在に至るまで、ほとんどGDPが成長していないと言いました。
この間に何が起きているのかというと、高齢人口の推移を見ますと一目瞭然です。
赤い線が日本なのですが、高齢者の人口割合が急激に伸びているのです。
まさに団塊の世代が高齢者に差し掛かっていく、そういう時代ですが、一気にトップに躍り出ました。
この高齢者が増えるということは、何を意味するのかというと、先ほどGDPの定義で言いました生産活動を行うのは、やはり主力は30代40代50代という比較的若い人。
言い換えると生産年齢人口の人たちです。
しかしそういった人たちの割合が下がって、高齢者の割合が増えていくということは、リタイアする人(が増えてきます)。
高齢者の中には、当然リタイアする人もいるでしょうし、リタイアしないにしても再雇用などで、生計を立てる人たちが多いわけです。
何が起きるのかというと、人口に占める生産をしている人の割合が減ってくるのです。
従ってそういうところを考えますと、高齢者が増えたらGDPが上がらない。
単純に人口で割ったときの1人当たりGDPが下がってくるというのは当然です。
つまりその1人1人の働き盛りの人が、生産している数字を表す。
1人当たりGDPは必ずしも、それを表しているわけではないのです。
急激な下落というのは、まさに高齢人口の増加というところにリンクしているわけです。
生産年齢人口あたりGDP
では何の数字を見ればいいかというと、生産年齢人口です。
働き盛りの人がどれだけ生産をしているのか、付加価値を生み出しているのかを見ないといけません。
そこに立ち返りますと、(2017年までの資料ではありますが)こういった日銀の資料があります。
日本がブルーの線です。
生産年齢人口当たり、働き盛りの一人当たりの実質購買力平価GDPを見ますと、すごく良かった頃(1980年の頃)実は一人当たりの生産性は、日本・米国・英国・ドイツ・フランス・イタリア・カナダという中でも、必ずしも高くなかったのです。
そこから生産性というのですか、1人あたりの部分では段々上がってきます。
実はアメリカが確かに突出してはいるのですが、その他ヨーロッパ・カナダの国々となんら遜色ないぐらいになっているのです。
むしろ深刻なのはイタリアです。
1人当たりの線が伸びないのは、イタリアになっています。
つまり、日本の1人当たりで見たときの、競争力がないかというと、これを見る限りそうではなくて、確かに国全体のGDPは伸びていない。
しかしそれは、基本的には高齢人口の割合の増加によるところが大きいと考えます。
一旦まとめ
簡単にこれまでの話をまとめます。
1人当たりGDPで見ると順位が下がっているように見えます。
しかしそれは、高齢化によるところが大きいということ。
生産年齢人口当たりのGDPで見ると、アメリカは置いておいても他国と遜色ない水準です。
ちなみに先ほどの1人当たりGDPで、中国は出てきてません。
それは、1人当たりで見たときに中国はまだずっと下にいるからです。
そして時価総額の序列です。
これはよく見るものなのですが、1990年の世界の企業の時価総額ランキングにかつて日本企業がトップテンを独占していたというような時代もありました。
しかし今は全然姿も見えないということになっています。
1990年当時は、まさにバブルで高すぎた。
異常値だったという事が言えますし、今もトップがトヨタ自動車で、その後確かにそんなに大きな企業はないです。
ただそういった飛び抜けた企業がないだけで、上場企業全体の利益水準は間違いなく増えているのです。
そして国全体としては、先ほど生産年齢人口当たりで見たときに、ちゃんと右肩上がりになっている通り、国全体(日本の大部分は中小企業なんですが)を含めた生産性は向上しているというのが、一つ確かな事実としてあるわけです。
だから「めちゃくちゃいい」と「完璧だ」というようなことは言うつもりはないんですが、悲観することはない。
日本の経済力に関して悲観する必要は、私は全くないと考えています。
もちろん強いて言うなら、日本のGDP全体は確かに伸びていないので、日本の中だけでこれからやっていこうとする会社は、さすがに将来性がないというのは確かだと思います。
高齢者にめちゃくちゃお金使ってくれよと言っても、彼らも将来が心配というところがありますから、なかなかお金使ってくれません。
ですから、日本の中だけでやろうとする企業には限界がある。
一方で生産性自体はちゃんと上がってるし、企業は適切な動きをとっていると私は考えています。
日本が「安い」3つの理由
では冒頭にありました「日本が安い理由」というところを、改めて深堀りして考えてみたいと思います。
①米ドルを使う人はドル高の恩恵(一時的)
一つは、為替の恩恵はやはり大きいです。
米ドルとか、それに紐づくような通貨で買い物をしている人は、やはりドル高の恩恵を受けているというのは確かです。
しかしこれは冒頭でも説明しました通り、一時的な要因だということが挙げられます。
その瞬間・瞬間の為替レートというのは、必ずしも巷で言われるような「国力を表すもの」ではないということは確かです。
もしそうだとするならば、東日本大震災後にドル円が75円まで下がりました。
じゃあその時、日本の国力がすごく強かったのかというと、決してそんなことはありません。
そのあたりからも、一時的な為替の水準がそのまま国力を表すものではないことがお分かりいただけると思います。
②日本の消費者は価格に厳しく、値上げしづらい
じゃあ何が起きてるのかというと、日本の消費者の特性が非常に大きいと私は考えているのです。
とにかく日本の消費者は(価格に)世界一厳しいと言われているのです。
「物に対する要求水準」というのも高いですし、価格が少しでも上がると、もう買わないみたいなことになるのです。
高齢者が多い
(その理由として)まず一つは高齢者が多い。
高齢者は先が不安で、もう年金しかない。
年金暮らしの中で、高額商品買うかと言われると、「ちょっとそこはやめておこうかな」となることが多いと思います。
ただ一方で、日本の高齢者はお金を使わないで、年金すら貯金する状況なのです。
実は平均して2~3,000万円貯金を抱えたまま亡くなってしまうことが多いという事実もあるのです。
それが積もり積もった結果、日本国民の金融資産は2000兆円を突破してしまったというところがあります。
自国内での競争が激しい
さらには価格が上がらない要因として「自国内での競争が激しい」ということがあります。
かつて日本のGDPそのものが成長していた時代は、どんどん企業がたくさん現れて、その一つ一つがそれなりにやっていたわけです。
自動車メーカーなどを思い浮かべて頂ければわかると思います。
日本だけ見ても、トヨタをはじめホンダ・日産それから三菱・マツダ・スバルと様々なメーカーが存在します。
世界をみるとそんなたくさんのメーカーはありません。
日本で何故それだけ自動車メーカーがあるかというと、一つは生産の強さがあったことがあるかもしれません。
もう一つは、日本国内にそれだけの市場があったからです。
しかし今、市場が増えないという中でどうしても買ってもらおうと思ったら、ある程度価格競争にならざるを得ない。
逆に言うと、消費者の皆さんはこの価格競争で、価格が下がる恩恵を受けられてることになるわけです。
経済格差が小さい
そして(理由の)三つ目として考えるのが、経済格差が小さいことです。
海外いろんな国に行きますと、やはり本当に貧困層からすごいお金持ちまでいます。
例えば価格を上げますというときに、この価格だったら買わないという層の人たちがもちろんいます。
ただ下から上の層が非常に厚いので、値段を上げても買ってくれる層がいるのです。
ところが日本は、上から下の差がキュッと(縮まっています)。
「1億総中流」と言われていた時代もありましたが、かなり狭いです。
実際に給与水準がそこまで差が狭いとは言いません。
ただ意識としては、やはりみんな中流意識が強いのです。
逆に言うと、ちょっと値段が上がるとみんなの中で「あれ?あそこちょっと高いよね」という考えがインプットされてしまって、みんなが途端に買わなくなる。
少なくとも、実際そうなのか分からない部分もありますが、企業はそういう思い込みをしているのです。
だから価格がなかなか上げられないというのが、日本企業の弱いところだと思います。
③海外よりもインフレが進んでいない
結果、海外よりもインフレが進んでいないのです。
先ほど「円安で日本企業や日本が安い」という話ありました。
確かに円安の恩恵は間違いなくある。
ただそれだけではなくて、そもそもこういった要因によってインフレ自体が進んでない。
だから日本の商品は安いということが挙げられるわけです。
実際海外では、結構ひどいことになっています。
あっという前に価格が何倍になって、それこそ貧困層の人たちは何も買えないという状況になっているのです。
それに対して日本は数%、インフレ率にして2%前後とか、個別の商品を見ても10~15%程度の値上がりで済んでいるのです。
むしろ世界的に見て非常に幸運な状況。
消費者としては幸運な状況にあるということが言えます。
各国インフレ率
実際各国のインフレ率を見てみますと、日本は2022年に入ってからも2%そこそこです。
しかし米国、それからヨーロッパ・ユーロ圏も8%超えてきています。
トータルでこれですから、個別の商品でみたら本当に2倍は当たり前というところがあるのではないかと思います。
この値段が上がってない恩恵というのは、非常に特筆すべきだと考えます。
「安い日本」メリットとデメリット
要するに日本は消費者天国なのです。
消費者天国である日本にとって、当然メリットもデメリットもあるわけです。
3つのメリット
①高品質・低価格
メリットとしては、高品質。
そもそも日本の商品は高品質なんです。
それは消費者の要求が高いからということが挙げられます。
それに対して価格が上げられないという消費者の特性。
(高齢化の特性というところもあるのですが)高品質・低価格というところがあります。
②インバウンド需要活性化
これだけ消費者天国であると、インバウンドが今再開されましたが、その需要がどんどん活性化してくるのです。
これは少なくとも、インフレがそんなに起きない限りは、当面は日本や商品が安いということになってくるでしょうし、他の国に比べてもやはり独特なものが多いですから、日本を惹きつける魅力度は上がっているのではないかと思います。
③弱者が切り捨てられにくい
さらには、弱者が切り捨てられにくいです。
モノの価格を上げるといっても、ちょっと貧しい人は絶対買えないみたいな値上げが起きることはあまりないわけです。
そこは消費者としても、やはり恩恵を受けられやすい場所だと考えます。
3つのデメリット
一方でデメリットです。
①賃金が上がりづらい
消費者天国として日本はあるのですが、その反対を見てみますと、働く人あるいは企業にとっては、結構しんどい状況でもあったりします。
賃金が上がりづらいのです。
低価格を維持しようと思ったら、賃金を上げると価格に転嫁しなければいけません。
ゆえにちょっとここは我慢してよということで、賃金がなかなか上がらなかったり、高品質を求められますから、働くことに対する負荷が大きかったりします。
②とびぬけても報われない
また、とびぬけても報われない。
画一的な意識が強いので、日本企業で非常に高い給料を得ることは難しかったりします。
③安定=固定的
それから安定というのは固定的でもあって、安い賃金であってもそのまま働き続けることが正義だと考えられたりします。
皆さんの奥底にも、そういった意識が植え付けられているところがあります。
だからこそインフレが進まない安定性があったりもします。
例えば、近くの身近な方を見ていますと、正直、給与水準としてはかなり最低賃金に近いところで働いていても、より高い給料を求めて転職しようとしなかったりするのです。
なぜかというと、そもそも職場に人手が足りていないので「自分が抜けたら、場が回らなくなってしまう」と考えてしまうのです。
めちゃくちゃいい人なんですが、それは本来、経営者が考えることであって、その一パート職員としては、そんなこと考えずに「嫌なら辞めてやるよ」で本来いいはずです。
しかしそれが起きにくいというのが、日本の特色でもあるわけです。
逆に言うと、それに甘えている経営というのも一部にはあると考えます。
あなたがやるべきこと
消費者天国として働く人にとって厳しい日本なんですが、最大限メリットを享受しようと思ったら、簡単に言うと、高い給料を得て、消費者天国・日本に住めば、こんなに素晴らしいことはないのです。
高品質・低価格を享受する&より給料の高い仕事を見つける
従ってあなたがやるべきことは、結構はっきりしてきます。
それは、高品質・低価格を享受する為、給料の高い仕事を見つけるということです。
もちろんそれが自分にとってあってる仕事だったら、それはそれでいいと思います。
しかしあってもいないし給料も安い。
そんなところに、居酒屋でくだを巻きながら、無理にいる必要はないのです。
自分の能力を生かして、自分がもっと好きな仕事に動いていくということ。
これは給与も上がっていって、より豊かな生活になるはずです。
日本でこれから、まさに生産年齢人口が減っていくにあたって、おそらく労働者そのものが足りなくなると私は考えています。
すると何が起こるのかというと、給料、時給単価を上げないとそもそも働く人が集まらないから、必然的に給料上がっていきそうだと思うのです。
そこで動かずに安い給料でも甘んじて働いてる人がいたら、逆にそれでいいんだということで、経営は安い給料のまま新しい人を入れてしまうのです。
そうではなくて、「もうこんな安い給料だったら働かない」という人たちがどんどん増えてきたら、その時初めて給料が本格的に上がっていくことになってきます。
例えば労働組合みたいなところが「最低賃金上げろ」と言うのもちろん大切です。
しかし重要なのはそうではなくて、
- 一人一人の労働者がちゃんと動いていく
- 経営者に対する意思表示をする
ということになってきます。
「日本品質」を海外展開する企業に投資する
そして企業の観点を見ますと、消費者天国である日本。
世界一厳しい顧客持つ日本で安い価格で何とか利益を出そう。
しかも一方で、高いクオリティは維持しなければいけないということを考えると、何が起きるのか考えてみましょう。
高品質・低価格という、冒頭の競争力という話に戻るのですが、競争力の強い商品・サービスというのがしっかりと出来上がるのです。
これをGDPの増えない日本で展開するのではなくて、それをそのまま海外に持っていったら、日本よりも高い価格をつけてもきっと売れるはずです。
売れるし、もう負けようがないのです。
実際にそういう商品、特に製造業ではかなり見ます。
例えば自転車のブレーキに使われるシマノとかは代表的な例です。
やはり日本品質。
日本品質は、やはりそういうところに因果関係があると考えるわけです。
しかも今これは一時的かもしれないですが、今円安ですから、日本で作った商品を海外で売れば(しかもインフレの海外で売るわけです、日本よりも高い価格で)確実に成功するでしょう。
今は同じものを買うにしても、外国で買うよりも日本で買った方が安いのです。
売る方にとっては逆で、日本では安い価格でしか売れなかったとしても、同じものを海外で売れば高く売れる。
しかも円安のメリットも受けられるし、さらには競争力。
この日本で培って磨き上げた競争力、高品質の競争力がありますから、それができるわけです。
実際に自動車会社を分析していても、(おそらくなのではっきりとは言いませんが)海外の方が多分高く売ってます。
海外の方が1台あたりの売り上げが大きかったりします。
そういった展開。
つまり日本の製造業の復活っていうのは、ここを地道にやっていけば十分に起こりうるのではないかと私は考えています。
もちろんそれは低賃金の日本の労働者に甘んじている。
この高度経済成長のようなときではいけないと思うのですが、あくまで「製品のクオリティ」でこれを海外に持って行ける企業。
半導体製造装置メーカーなどもそうです。
日本クオリティを入れないと、もはや作れないものも存在しているのです。
そういったものを積み重ねていけば、日本の競争力はきっと戻ってくる。
投資家としては、そういう企業を見つけて投資しておくということが必要です。
なんならそういう企業で働いた方がいいかもしれないです。
海外に物を売るわけですから、やがては海外水準の給料が得られる一方で、日本の安い消費者天国を享受するということができるわけです。
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