ダウ平均は金曜まで11営業日連続で最高値を更新しました。先週に引き続き、トランプ政権の減税策に期待が集まっているようです。
一方で、米国株の出来高はさほど盛り上がっていないことや、米国金利が下落するなど安全資産に資金が集まっていることから、上昇を牽引しているのは一部の短期資金であると見られています。株価の上昇に懐疑的な投資家も少なくないでしょう。
ダウ平均が11営業日連続で最高値を更新するのは、1987年1月以来30年ぶりのことです。しかし、1987年の10月にはダウ平均が1日で23%下落する「ブラック・マンデー」が発生しています。
株価は上昇すればするほど、下落リスクも高まるものです。賢明な投資家は、この上昇に付き合うのではなく、距離を置いて冷静に状況を見極めることが必要です。
上昇を続ける米国株に対し、日本株は上値が抑えられる展開が続いています。米国の減税策が日本企業に恩恵が少ないことや、為替が円高方向に振れていることが主な要因と考えられます。
個別の銘柄を見ても、多くは好調な業績を折り込み、割安な銘柄を見つけにくい状況です。極端に割高というわけではありませんが、実力的には現在の株価以上のものを見込める状況ではないと考えます。
このような時は、無理に新たな銘柄に手を出さないことも、長期投資でパフォーマンスを上げるためには大事な戦略です。
上がっている株は、いつか必ず下がります。ブラック・マンデーが再び訪れると断言することはできませんが、その可能性は高まっています。むしろ、株価の急落が起きたときこそがバリュー株投資家にとって大きなチャンスとなります。
今パフォーマンスが上がらないとしても、焦って動いてはいけません。それよりも、いつか来る株価の急落に備えて、資金と心の余裕を整えておくことが得策と考えます。
※本記事は会員向けレポートの一部を抜粋したものです。
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