長期投資では企業分析が欠かせません。しかし、何から始めたらいいか戸惑うことも多いでしょう。企業分析をするのに読むべき資料、読まなくていい資料をまとめてみました。
兎にも角にも有価証券報告書
企業が発行している資料もいろいろありますが、最初に読むべき資料は間違いなく「有価証券報告書」です。有価証券報告書さえ読めばあとはほとんど何も要らないと言っても過言ではないくらい、その企業に関する開示情報の大部分が入っています。
ウォーレン・バフェットもひたすら年次報告書(日本の有価証券報告書に相当)を読むことで投資先を研究しています。有価証券報告書はそれほど意義のある資料なのです。
とはいえ、文字ばかり大量に書いてある有価証券報告書はとっつきにくいものです。また、さほど重要でない情報も多く含まれています。慣れれば読み飛ばしていけますが、確実に読むべきページは以下のとおりです。
- 主な経営指標の推移(5年分)
- 沿革
- 事業の内容
- 対処すべき課題
- 事業等のリスク
- 大株主の状況
- 連結財務諸表
特に「対処すべき課題」「事業等のリスク」は要チェックです。なぜなら、ここに書いてあるようなネガティブな内容は他の資料ではほとんど触れられていないからです。
これだけでも相当な量になるでしょうが、ここさえ抑えればそこがどんな会社か、誤解なく把握することができます。まずは気になる会社の有価証券報告書を手にとって読んでみることをおすすめします。(有価証券報告書は「(会社名)_有価証券報告書」で検索するか、EDINETで取得できます。)
その他、アニュアル・レポートや決算説明会資料などを補助的資料として読むといいでしょう。ただし、これらは図表が豊富で読みやすい反面、いいことばかり書いてあったりするので注意が必要です。
四季報より重要な業界地図
投資で必携の書といえば、会社四季報(または日経会社情報)です。会社情報やマーケット情報、記者の分析までコンパクトにまとまっているのは素晴らしいです。購入しなくても、証券会社の取引ページで閲覧できることもあるので、確認してみてください。
しかし、それ以上に私がおすすめするのが「業界地図」です。こちらも東洋経済や日本経済新聞社などから発行されています。
なぜそこまで業界地図を推薦するのかというと、その会社以外の業界情報まで網羅しているからです。有価証券報告書や会社四季報では、その会社のことは詳しく書いてありますが、競合他社や業界全体のトレンドまでは書いていません。それを一つの資料で確認できるのは業界地図だけなのです。
業界地図はコラムも豊富であり、四季報と併せて読むことで楽しみながら企業分析をすることができるでしょう。
証券会社のレポートは参考程度に
最後に、証券会社のアナリスト・レポートについてです。
証券会社のアナリスト・レポートは、確かによく調べられていて、分かったような気にさせられます。しかし、それだけを見て投資判断しようとすると、落とし穴にはまることがあります。
証券会社は「セルサイド」とも呼び、株を売ることを目的としています。また、投資銀行業務など、株を発行する企業(発行会社)とも付き合いが深いです。したがって、悪いことはあまり書けません。実際レーティングを見ても、「Sell(売り)」となっていることは少ないと思います。
ウォーレン・バフェットも次のように言っています。
証券会社のレポートは読みません。床屋に行って『散髪したほうがいいかな』と聞くようなものです。
自分で分析ができれば、証券会社のレポートを読む必要はありません。読むとしても、情報を補完する目的で参考程度にした方がいいでしょう。
プレゼント①『株式市場の敗者になる前に読む本』
プレゼント②『企業分析による長期投資マスター講座』第一章
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