私の推奨銘柄には、「上がればすぐに売却する銘柄」と「辛抱強く待つ銘柄」があります。これらを分けて考えることで、投資行動をうまくコントロールできます。
相場の波を利用する銘柄
「すぐに売却する銘柄」は、すでに売却推奨した三菱UFJ(8306)やNTT(9432)、JT(2914)が該当します。推奨から売却までの期間は、三菱UFJが約2ヶ月、NTTが約5ヶ月、JTが約1ヶ月でした。
これらの銘柄に共通するのは、時価総額の大きい銘柄であると同時に、非常に安定した事業基盤を持っていることです。
機関投資家はこれらの銘柄を研究し尽くしているため、業績等にサプライズは起こりにくく、価値に対する評価が変わることはあまりありません。
それでも割安な株価が付く理由は、相場全体の動きやセクター間での資金トレンド、あるいはマクロ指標の変化です。相場全体の強弱はもとより、セクターの人気・不人気は時間の経過で移り変わります。また、短期投資家は毎週のように発表されるマクロ指標に基づくトレードを行います。
このような動きは、企業の価値とはほぼ無関係に発生します。そのため、価値に自信のある投資家は、それよりも下がったときに買い、上がったときに売ることを繰り返せば利益をあげられます。
もちろん、企業の価値はそう簡単に求められるものではありませんから、この手法の対象となるのはよほど安定した事業基盤を持つ会社に限られます。そうなると、必然的に大型株が中心となるでしょう。
とはいえ、いつ株価が上昇するかを予想することはできません。投資開始から短期間で目標株価に到達したら大きな幸運と言えるでしょう。
一方で、時間がかかったとしても、価値が安定していれば焦ることなく持ち続けられます。配当水準が高ければより良いでしょう。
大幅に割安な銘柄は「価値の証明」が必要
目標株価からの乖離率が大きな銘柄ほど辛抱強く待つことが要求されます。それは、投資家が価値を認識するのに時間がかかるからです。
大きく割安に放置されている銘柄は、業績悪化や不祥事、成長途上などの理由により、「価値の証明」を提出することができていません。株価が上昇するには実績を出すことが必要なのです。推奨銘柄の多くもこの状態にあります。
これがいつになるか、正確に予想することは困難です。しかし、しっかりと分析を行えば、その会社がどんな状態にあり、どの方向へ向かっているかを理解できます。その知識があれば、なかなか成果が出なくても辛抱強く待てるのです。
「価値の証明」を提出すれば、遅かれ早かれ市場は気がつくでしょう。そうなれば、株価は価値に向かって一気に駆け上がります。それまで待つことができた投資家だけが、大きな果実を得ることができるのです。
安定収益と高パフォーマンスを追求
ここまで読んでいただければわかるように、前者は相場の動きを利用した手法、後者は相場の動きとはあまり関係ない手法です。バリュー株投資のメインは後者ですが、価値よりも割安な銘柄に投資するという原則は変わりません。
両者は明確に分けられるものでもありません。安定銘柄が大幅に割安になることもありますし、大幅に割安でも運良くすぐに成果が出ることもあります。同じ銘柄でも、どちらとも捉えられる場合もあるでしょう。
どちらの方がいいかということではなく、この2つをうまく組み合わせながら、安定収益と高パフォーマンスの両方を追求したいと思います。
※本記事は会員向けレポートの一部を抜粋したものです。
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